父、母、夫、私の4人家族。
昼食は両親を交え4人での食事。 夕食は夫婦のみの食事である。
昼食は忙しい農作業の合間にサッと食べる、味には保守的な両親のことを思った料理。
夕食は夫婦でゆっくりと酒を呑みながら食べるので酒の肴でもある料理だ。
二つの台所を行き来し、二つの食事の傾向を行き来している。
 
 2006/9月
●色のついた料理の名前をクリックすると作り方のページに進みます    
 
        気がつけば9月も半ば。10月の個展に向けて制作に励む日々である。
 

9月9日      

  友人の結婚パーティのため浅草へ出かけた。

早めに出かけた浅草の路地を歩いていると、小さな料理屋から太鼓の音が聞こえてきた。
そして聞き馴染みのある声がなんと四股名を呼んでいる。呼出さんが明日の取組を読んでいるのだ。
『触れ太鼓』である。明日から秋場所が始まるのだ。
初日の前日に、このようにして御贔屓の店を回り、御祝儀をもらうのだ。と、その後に入ったどじょう屋の女将さんから聞いた。
いいものに出会った。さすが浅草だ。
 

9月11日      

とても蒸し暑い日だ。昼間も夜もクーラーをつけていた。クーラーをつけていると過ごしやすく、仕事がはかどる。夏の暑いときも我慢せずにつけるのだった… と後悔する。

はかどるといえば河内音頭である。
先月、河内音頭の祭りに出かけて感銘を受け、9月に入って、調子に乗って、河内音頭のCDを7枚も買った。絵を描く部屋で延々と河内音頭を流していると、仕事がはかどるのだ。
歌に語りにエレキギター、三味線、太鼓の音の絡みあう、大らかなグルーヴが気持ちよい。1曲あたりの演奏時間が20分強、終盤に向けて歌や語りが惚れ惚れするほど盛り上がってゆく。人間の集中力は30分というから、そのあたりも仕事のはかどる要因かもしれない。

●茄子の煮びたし

秋の茄子は夏の茄子と比べて水分が減り、味がこってりしてくる。煮びたしも夏のものと違う味わいだ。あぁ秋になったのだなぁ、と実感するのだ。

 

9月12日       今日は急に涼しくなり肌寒いほどだ。絵の具の乾きを早めたいこともあり、ストーブを時々点けていた。極端な気温の変化に極端な対応だ。

今ごろになって、食べきれないほどにたくさんのトマトが収穫される。縦長のミニトマトだ。ドライトマトにするのがいいのだろうが、もう9月、ぐずついた天気が続くので天日干しは無理だ。
そこで、友人がいつも送ってくれる野菜雑誌『やさい畑』(家の光協会)の中にあった、玉村豊男さんの“ローストトマト”を作ってみた。

●ローストトマト

やや酸味もあるトマトだったが、とても甘くなった。コクが出て実に旨い。そのままつまみにしてもよい。
明日はこれでパスタを作ろう。
 

        10月の個展に向けて制作に励む日々である。

相変わらず河内音頭を流し続けている。いつの間にやら、夫も仕事部屋で河内音頭を絶え間なく流して仕事をしている。
 

9月15日       長く降り続いた雨がやみ、外へ出てみると完全に秋がやってきたような肌触りだ。
そう感じながら自転車を漕いでS家へ向かう途中、ショッキングな光景が目に入ってきた。
 
 
       

無惨な姿
 

クルミの木が無い。

葉や花や実の姿が、私にたくさんの創作意欲を与えてくれたクルミの木だ。
毎日通る一本道に、ぽつんと立っている光景がとても素敵だったのに。

「さよなら、クルミの木」

昨年『おもうこと』に書いたクルミの木に関するに文章に画像を添えてみた。
昨年の私の作品を見た人は、この画像を見ると「なるほど」と思うかも知れない。

これまでにデジカメで撮ってきた画像の数々を改めて見てみると、クルミの木を撮ったものが多いことに気づいた。残念である。

 

9月16日      

昨夜、突然テレビが映らなくなった。場所中だというのに、さあ困った。
S家の押し入れに貰い物の使っていないテレビがあるので、それを設置することに。今度のテレビはこれまでのテレビよりもサイズが大きいので、部屋の一部を模様替えすることになった。
模様替えは楽しい。
夫に「俺がやるから、絵を描いてなさい」と言われるが、隣の部屋で模様替えが行われているかと思うとそわそわする。
日頃動かすことのできない家具を動かすと、充実したホコリが現れる。それを掃除するのも快感だ。
結局、模様替えの一日だった。
暗くなる頃に作業が終わり、今日一日の成果を眺める。テレビは大きくなったが、レイアウト全体の印象に広がりを感じ、悦に入るのだった。

底冷えがするようになったので、ホットカーペットも敷いた。
今年は秋の訪れがいつもより早いようだ。


●湯豆腐

S家の庭に実り始めたゆずの皮を千切りにして、市販の『かんずり』の瓶にたっぷり加えた。数日経つと味が絡みあい、とてもおいしくなっている。湯豆腐や鍋に最適である。

 

9月17日       数日前の“たくさんのミニトマトの収穫”の記述を読んだ友人からメールが届き、ミニトマトのおいしい食べ方を教えてくれた。
ミニトマトを湯むきして三杯酢に漬けて冷やして食べる、というもの。
さっそく試した。独断で粗挽きの黒コショウも加えた。グッとくるようなおいしさだ。数時間は漬けておいた方がよいようだ。

●ミニトマトの酢漬け
 

9月21日      

今月初め、最近ヒーラーに認定されたという友人に「立石さんはアイスクリームがいいよ」と言われた。ヒーラーゆえなのか酒の席での冗談なのかは知らないが、確かにアイスクリームはいいのだ。
群馬へ越してからスーパーもコンビニも遠くなってしまったので、アイスクリームを買う習慣がなくなっていたのだが、体調を崩していた先月末、暑さしのぎにアイスクリームを食べてみた。すると、体がすっきりして調子がよくなった。それ以来ほぼ毎日のようにアイスクリームを食べていたので、友人の発言は驚きだった。
最近めっぽう気に入っているのがグリコの“ゴーフレットアイス Ivory カフェラテ
だ。コーヒー味のアイスにホワイトチョコレートがコーティングしてあり、それをモナカではさんである。舌も胃も大満足だ。
絵を描くときにこれを食べると力が湧くのである。そして河内音頭を聴くのである。

今日もミニトマトがたくさん採れた。

●ミニトマトの酢漬け

 

       

10月の個展に向けて制作に励む日々である。

河内音頭への熱は冷めない。それどころか浪曲まで聴き始めている。
最初に買った河内音頭の数枚のCDの1枚に京山幸枝若(初代)のものがあった。この人の芸があまりに素晴らしく、聴くなり惚れ込んでしまった。京山幸枝若さんは浪曲師なのだ。
明るく伸びやかなカラッとした声。たとえ凄惨な任侠物の演目でも、暗い気持ちにならずに聴くことができる。カッコイイのだが愛嬌も感じる。そして浪曲のなかでも音楽的な魅力が強いので、聴いていると単純に楽しくなるのだ。

京山幸枝若のCDは入手可能な限り買いたいと、制作の息抜きにアマゾンのサイトを見ては、ついつい購入ボタンをクリックしてしまうのである。

二代目・京山幸枝若さんは先代の息子さんだ。先日テレビで見たが、声も顔も先代にそっくりで、歌が盛り上がる時に光が差したように、花が開いたかのように、
ニカァーッと見せる笑顔が素晴らしかった。

 

9月29日      

S家でレコードが見つかった。柳家三亀松の都々逸漫談と寿々木米若の浪曲『佐渡情話』だ。父が30年前に聴いていたものらしい。
晩酌時に我が家のオーディオで聴いてみた。声がとてもふくよかに迫力満点に聴こえる。アナログだからであろう。浪曲はアナログで揃えた方がいいのではないか、と思ってしまった。

●まぐろとアボカドのサラダ

 

9月30日       注文していた京山幸枝若の『浪曲江州音頭・任侠赤城山』が届いた。
昨年も個展直前の制作の追い込み時期に桜川唯丸の江州音頭を聴き続けていたことを思い出す。


 ♪上州名物数あれど かかあ天下にからっ風
  おっとまだある利根川の 水の流れをさかのぼる
  妙義榛名の峰つづき 赤城の山の吹き下ろし

と、自分の住んでいる所が謡われていると少し嬉しくなる。もう見慣れた風景になってしまった赤城山をあらためて眺めてみた。

●もやしのごま和え
 
 
 
これは昨年5月の我が家の窓から臨む赤城山