2007/1月
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新年がはじまりました。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 
 
1月5日  

群馬の山間部に住む遠い親戚が山で仕留めてきたらしい、猪肉と鹿の生肉をもらった。
本日は猪肉を使って「ぼたん鍋」とする。
鍋に水を張り、里芋、大根、ささがきごぼうを煮立てる。きのこ、薄く切った猪肉、酒を入れ、みそ味に仕立てる。最後にせり、柚子の皮の千切りを入れる。なんとさっぱりした味。豚、鶏、羊、鴨…脂身を愛する私だが、猪の脂身はきめが細かくやさしい味で、このうえなく旨いと感じる。

●小松菜のおひたし(ごまだれポン酢)

 
 
1月6日  

本日は鹿の生肉をタタキにする。
千切りにして水にさらしておいた大根を黒い皿に敷き詰め、薄く切った鹿のタタキを並べ、万能ネギの小口切りを散らし、ポン酢醤油で食べる。

参考 ●鹿の刺身・鹿のタタキ

 
 
1月9日  

年賀状をぼつぼつと書く日々である。今日届いた同い年の友人からの年賀状に「不惑の年ですが、まどいましょうね!」と書き添えてあった。なんと素晴らしい。そうである。いつまでも、まどったり、うろうろしたり、気がついたり、つまずいたり、ぐるぐるしたり… したいものである。40歳になるのは9月末とまだ先のことだが、40代もますます楽しみになってきた。

●まぐろとアボガドのサラダ

 
 
1月10日    

あわただしかった年末年始。「いっそ風邪をひいて寝込んでしまいたい」などという思いが頭をかすめもしたが、風邪をひくこともなく無事に過ごすことができた。
が、ここへきて体調不良。正月を過ぎてから急に冷え込みが厳しくなり、寒さが身にしみてならない感がある。今日は耐えきれず合計17時間も眠る。

●ぬるぬるきのこ鍋

 
 
1月11日  

かかりつけの医者へ行き、症状を告げると、数種類もの胃腸薬を処方された。帰宅後すぐに飲んでみると、順調になってきた感触がある。結局、胃腸が弱っていただけなのだろうか。寒さは胃腸の働きを弱めるのだろう。そして胃腸は体全体へエネルギーを伝えるのだろう。胃腸をいたわる豆腐をあつあつにして食べる。

●わかめ湯豆腐

 
 

1月14日

 

 

中日・西方力士土俵入り
  国技館へ出かける。大相撲初場所の観戦である。
今回は2階イス席(最前列)。マス席のようにデンと座り、リラックスし、宴会のような雰囲気になることはないが、絶妙な角度で斜め上から見下ろす土俵。取組の様子がよく見え、わかりやすい。一番一番に集中し、興奮し、充足感があった。

ここのところの寒さに体が縮こまっていたが、館内の熱気と活気、鬢付け油の香りに体がゆるみ、ずいぶんと暖まった。
いよいよ今年が始動したという感触だ。


●相撲教習所にて塩ちゃんこ(200円)
●両国・桔梗屋にて、どぜう鍋、かき鍋

 
 
    

結びで横綱に負け不機嫌そうな顔の稀勢の里関と私  

   
 
1月16日  

群馬の朝晩の冷え込みは厳しく、頭痛がするほどだ。それでも体に活気が出てきたのか、年末にできなかった我が家の換気扇、ガスレンジの掃除を遅ればせながらすることができた。掃除したての台所は明るく輝き、気持ちよい。

納豆は常に冷蔵庫に入っていてほしい食品だ。それなのに、つい食べ忘れてしまい、賞味期限を過ぎてしまうことがある。納豆の賞味期限などは気にせずに食べるのだが、この食べ方だと火を通すので安心な気になる。そのうえ酒のつまみとして大いに楽しむことができる。あっという間に平らげてしまう一品である。

●炒め納豆

その納豆、近頃ではいつも売り切れだ。なんでもテレビ番組で「ダイエットによい」と取り上げられてから、品薄の状態が続いているのだそうだ。

 
 

1月19日

 

 



天覧相撲の土俵入り
向正面からは
後ろ姿しか見えず

 

 

ふたたび国技館へ出かける。大相撲初場所の観戦である。
今回はマス席。実家で仕込んだ焼酎の水割り、枝豆、かまぼこ、しじみの佃煮などをこっそり持ち込み、宴会状態。
相撲教習所でちゃんこを食べ、相撲博物館を見学し、国技館入りをする憧れの関取衆を間近で見たりして、ワンダーランド国技館をじゅうぶんに楽しんだ。

楽しい時間はまたたく間に過ぎる。今日は横綱を除いて応援した力士がことごとく負けていたような記憶が… というほどあっという間だ。

国技館、土俵、力士たちは夢のように美しい。


●相撲教習所にて味噌ちゃんこ(200円)
●浅草橋の立ち飲み屋(旨い!)、などなど


 
 
1月20日  

本日は都内で画廊巡りの一日。作品を見終え、夕方になると気にかかるのは初場所の取組。銀座や新橋で相撲放送をしている居酒屋を探し歩く。やっと見つけて入った店は、テレビの映りが悪く、つまみの味もいまひとつ。それでも、白鵬が左で相手の廻しをやっと取ることができたのを見た時は「やっ!」と歓喜の声が出た。
その後、友人にテレビの映りもつまみも素晴らしい店を教えてもらう。今日は間に合わなかったが、来場所からは場所中の画廊巡りも安心である。

●いったい何軒飲み歩いたのだろう

 
 
1月21日  

群馬へ帰ると冷え込みが厳しい。暖まるモツ煮込みを土鍋で作る。
大相撲初場所もようやく千穐楽。明日からは自分の仕事に集中しよう、と心に誓う。

●モツ煮込み

 
 
1月23日  

昨夜より体調不良。寒さが胃にしみ、痛い。

だけども、久々に作るコレはおいしかった。

●にんじんのタラコ炒め

にんじんの切り方を極細にはせず、スライサーで薄く切ったのを5ミリ幅にして作ってみた。細かく刻んだ大根の葉を最後に加え、レモン汁もたらした。歯応えがよく色鮮やか。

 
 
1月24日  

昨夜は頭痛・発熱・目眩・腰痛・胃痛・腹痛・下痢・嘔吐。八方ふさがり。これでもかというほど体にダメージが。

本日は病院にて点滴。2週間前と同じく数種類の胃腸薬を処方される。帰宅後、とにかく眠くなり、長時間眠る。
どうして寒い時季になると普通の生活が出来ないのだろう… と著しく落ち込む。… と、さらに胃が痛くなる。悪循環。

●ほうれん草のおひたし(ごまだれポン酢)

 

これくらいたくさんの量の
ごまだれをかけるのだ
 
 
1月25日  

病院から処方される薬はさすがに効く。だいぶよい。
風は強いが、明るく強くなってきている日射しが部屋にしっかりと入ってくる。窓を開けて換気をしても、寒くはなく暖かいほどだ。「やったー」と気持ちがはずむ。
S家の昼食作りは休んでしまったが、調子に乗ってたくさんの洗濯をして、掃除をして、久しぶりに絵筆を握ることができた。が、夕方になると冷え込み、また発熱と腹痛。がっくりである。
父がまぐろの刺身を買ってきてくれ、母がきんぴらごぼうを作ってくれる。両親70代、我々約40代、本当ならば何かを買ってきたり作ったりしてあげるのは我々だろうに… 、情けないやら、ありがたいやら… いや、本当にありがたい。胸にじーんとしみ、涙が出そうだ。
腰に2カ所、胃、両足首と、貼るカイロを合計5カ所も貼って寒さをしのぐ。
春よ早く来い。

●アボカドと豆腐の和えもの

 
 
1月26日    

朝、目覚めた瞬間は快調だったが、すぐに目眩と発熱。再び寝床で昼過ぎまで横になる。
私の体調を心配した実家の母からアドバイスの電話があった。
「朝起きたらワインを飲みなさい」
そんな享楽的で素敵な解決策があったのか。確かに母もかなりの冷え性で、昼間からワインを飲んでいる姿をよく見かける。
「暖まっていいわよー」と母。
なかなかの妙案。わくわくしてさっそく試す。が、私はワインを飲むとけだるくなるのだった。この解決策、なかなか楽しそうだと思ったが、却下である。

けだるい一日だったが、胃腸は治りつつあるのだろうか、夕方から「餃子食べたい」「焼売食べたい」という強い欲が出てきた。

昨夜父からもらったまぐろの刺身がまだ残っているのだが、近所の商店で鮮魚部門の息子さんと目が合ってしまい、白く輝く白子をつい買ってしまった。
あとは里芋、ごぼうなどの根菜ときのこと豆腐でみそ味の鍋を作り、体の芯から暖まる。

●白子ポン酢・まぐろの刺身

 
 
1月27日  

毎月月末には夫の仕事の手伝いでデータ入力の作業をする。目は資料、手はキーボード、耳が暇なので音楽を聴きながら入力する。普段は決まった曲ばかり聴きがちなので、今日はiPod miniに入っている785曲すべてをシャッフルで流してみた。新鮮だ。なかでも久々に聴く三橋美智也の『津軽じょんがら節』の魅力を再認識した。軽やかで伸び伸びとした、空に響くような声。素朴で牧歌的な歌詞もいとおしい。

晩酌は浪曲や三橋美智也の民謡を聴きながら、今月初めに作って冷凍保存してあった鹿のタタキを食す。

参考 ●鹿の刺身・鹿のタタキ

 
 
1月28日  

ガラリと明けた今日の朝、昨日までの自分の体が嘘だったかのように体調がよい。体の芯に筋がピシャッと入っている感触があるうえに、体が軽い。
ほぼ一週間ぶりにS家の昼食作りに出かけることができた。 そのうえ、畑へも行くことができた。

午後は昨日に引き続きデータ入力の作業をする。今日もiPod miniをシャッフル。いずれも名曲ばかり。
夜はテレビで中村吉右衛門主演の歌舞伎『籠釣瓶花街酔醒』を見て、笑ったり泣いたり胃が痛くなったり。

●かぶのとろ煮

 
 
1月29日  

今日も引き続き体調がよい。一週間ほど続いた具合の悪さは何だったのだろうと思うほどだ。体調もさることながら、気分がまるで違うので、「あの時期、私は何かに取り憑かれていたのだろうか」と思うほどである。でも、足が冷えると頭痛と目眩がするので、あいかわらず足首にホカロンを貼っている。

S家の庭に福寿草が咲いているのを見つける。もう、春は近づいている。

●厚揚と梅干しのさっぱり鍋