母:ビスリ(うちわ)をあおぎながら 「ねえ、あんた。あれ、井戸端にいる男、ミーナに気があるんじゃないの?」 父:伝票に目をやりつつ、井戸端の男を一瞥して... 「うむ、彼はたしか○○村の○○家の長男だったかな。大きな銀行に勤め始めたばかりだよ。たしか。銀行員なら給料もいいし、今度、坊さんに相性を占ってもらおうか。」 母:「でもねえ、金持ちの家だと、持参金がたいへんよ。1年前に長女のシャンティを嫁がせたばかりだからね。三女のシーターも控えているんだし、今は商売、商売...!」 階段の上で、ミーナの両親がくつろいでいる。伝票をチェックしているのが、家長のソーマ・スンダラムさん。おとなしい性格で、妻のラクシュミさんの勝ち気さに負けて完全に実権を握られているようだった。 経営者といっても、ふんぞり返っているわけではなく、ダンナは野菜切り、カミさんはこの食堂の味を左右するマサーラーを調合するという大切な仕事を受け持っている。 水カメを腰に抱えて、階段をおりているのは、次女のミーナちゃん(衆生スケッチ女性2000-02)。 彼女の目線の先には誰がいるのかな? |
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