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1988.1.7 ミュージック・シティ

萩原: あけましておめでとうございます、萩原健太です。ミュージック・シティ木曜日は、ヒット・ポップス・アンコール、年が明けましても相変わらずお送りいたします。1950年代、60年代から、現代まで、さまざまな時代のヒット・チャートを賑わしてきました素敵なポップ・チューンを50分間たっぷり詰め込んで、お届けいたします。昨年同様、今年もひとつよろしくお願いいたします。というわけでね、今日は新春を言祝ぎまして、めでたくビッグなゲストをおふたかたお招きしております。お約束どおり、大滝詠一師匠と山下達郎先生、いつもミニ特集コーナーをお送りしてますパートに登場願うことにしてますんで、たっぷりいきたいと思います。そちらもぜひ、お楽しみに。てなわけで、新春第1発目のめでたいナンバーをぶちかましましょう。フラット&マクレインという2人組が1976年に放った、全米5位のめでたいヒット曲です。ハッピー・デイズ。

 曲:

フラット&マクレイン/HAPPY DAYS

萩原: アメリカの方で人気を博しておりました、テレビシリーズの主題歌だったそうです。フラット&マクレインのハッピー・デイズ、聴いていただきました。というわけで、あらためまして、明けましておめでとうございます。また今年もガンガン、時代を超えて輝き続けるポップ・ソングたちを引っぱり出してきまして、かけまくるという、そういう番組をつくっていきたいと思っております。ひとつよろしくお願いいたします。さて、続きましては、この番組にとって新年第1弾ですね。のっけのリクエスト採用ということになります。大阪の古本芳郎さんかな?からのリクエストでお送りしましょう。ロサンゼルス出身のフォーク・ロックグループ、ザ・タートルス、1968年に全米6位にランクさせたビッグ・ヒットです。この曲を聴いた後ですね、いよいよ、あのおふたかたをお招きいたしまして、僕を含めまして、ポップ・レコード大好きな3人で繰り広げます新春放談、その第1弾というのをお送りしますので、お楽しみに。では、その前に、ザ・タートルス、エリノア。

 曲:

ザ・タートルス/エリノア

萩原: というわけでですね、お越しいただきました巨匠、大滝詠一先生とですね、

大滝: どうも、明けましておめでとうございます。

萩原: 山下達郎さんです。

山下: みなさん、明けましておめでとうございます。

萩原: というわけでね、これは木曜日、今はミュージック・シティってタイトルになってますけど、以前にサウンド・ストリートってのがありましてね、

山下: そうです。

萩原: その前の大家さんというか、山下達郎さんで。

山下: 棚を取られてしまいました。

萩原: というわけで、その時からの恒例の新春放談という。

大滝: 山下達郎の逆襲なんだよね、これは。

萩原: 逆襲!あのね、はがき来まして、「山下達郎さんはまた、この時間をのっとろうとしているのではないでしょうか」とかね、そういうのが来てましたけどね。今日は、ほとんどなんだかわからないですが。

山下: でも、5年目ですよね、大滝さん。

大滝: 何が?

山下: 5年目ですよ、考えたら。この新春放談、去年の佐野君のを入れると。

大滝: あら!

萩原: すごいもんがありますね。

大滝: そんなにやってますかね?

山下: えぇ、なんと。

萩原: というわけでですね、まあだから、話すこともそう決めてないんですけど、どちらかというとですね、去年ぐらいに出た再発盤を、主に持ちよってですね、あーだこーだいってるっていうのが、現状になるんじゃないかと思いますけど。

山下: いや、僕は去年買ったこれを。

萩原: オリジナル盤を、いろいろね。

山下: えぇ、やっぱりシングル盤で聴かなくっちゃ。

萩原: ご自慢のレコード・コレクションを持ちよってということだったんですけど、大滝さん、なんにも今日はなく。

大滝: いや、もう自慢のものは、いっぱいありますけどね、持ってまいりましたけど。一番自慢をしているのは、トニー谷のCDね。やっぱり、CDじゃないですかね、これからは?

山下: 買いましたよ、僕。

萩原: 相当売れちゃったそうだね。

大滝: これはすごいですよ、もう。1万枚を突破したというぐらいですから。これはすごいものがあると、もう社会現象じゃないですかね。

萩原: 誰も想像だにしなかったっと思うけど。

大滝: やっぱり、トニー谷を聴かないと、これから音楽をやる人も、やらない人も、一応トニー谷を聴いとかなければいけないという。こういう、なんていいますかね、必需品のような感じが。

山下: つかぬことを伺いますけど、

大滝: えぇ、聞いてください。

山下: これが出る前は、トニー谷ってほとんど認知なかったでしょう?

大滝: そうですよ、世の中に。

山下: ねぇ。

大滝: 夏にね、NHKの番組で、特集をやらせていただきましたけども。その時にちょっと話したんですけどね、ある放送局の資料室、レコード室、そこで78回転のレコードを見つけたっていうのが、それがきっかけだったんですよ。

萩原: 発端?

大滝: そこで見つけてないとですね、

山下: それ、大滝さんが見つけたの?

大滝: わたし。

山下: あ、ほんと。

大滝: えぇ、サンタクロース・アイ・アム・橇という、

萩原: とんでもないやつだね。

大滝: クリスマス・ソングを探そうと思っててね、

山下: あっ、それで。

大滝: うん、それで。それで見つけたのがね、で、後ろがチャンバラ・マンボだったの。それでもうノックアウトされて。

萩原: もう、あの段階で出てたのって、レディース&ヂェントルメン&おとっさん、おっかさんしかなかったよね?1曲ちょろっとしか、入ってるのしかなかったですもんね。

大滝: うん、あのリバースものに入ってるのはね、1曲とか、2曲とか、そんなもんで。

山下: じゃあ、それまでは大滝さん自身、別に思い込みはなかったわけ?

大滝: まぁ、いわゆる社会現象としてね、「あんたのおなまえ何ァんてェの」とか、まあそういう、いわゆるボードビリアンというか、なんというか、よくわかんなかったんだけど、そういう認知しかなかった。

山下: なるほど。

大滝: 要するに、音楽がこんなに素晴らしい。これが、我々の、日本のロックの、

萩原: 日本のロック。

大滝: 日本のロックの父だったというのまでは、気が付かなかったですよ。

山下: やっぱり、大滝さんの世代でもアベック歌合戦のゼネレーションなの?

大滝: そうだね。

山下: あぁ、ほんと?

萩原: でも、結構やっぱり、そういう意味じゃあ、英語とかが、いいかげんな英語使って、ペラっとしゃべるってのは、まあその、トニー谷さんのおかげで、

大滝: そう。

萩原: 結構、

大滝: でね、まあトニー谷から始まっちゃって、僕の方の話が長くなってあれなんだけど、

萩原: いやいやいや。

山下: いいんですよ。

大滝: 僕とか、だから山下君とかの世代まで、35ぐらいのところ以上の人たちかな、戦後以降洋楽を、やっぱり音楽やっている人っていうのは、洋楽をベースにして、基本にして、みんな音楽つくってるでしょ。で、それ以降の若い人たちっていうのは、どういうのかな、ある種日本の音楽も、そろそろ確立されてるから、日本の音楽と洋楽も含めての人たちが、最近多いんだけども。

萩原: えぇ、えぇ。

大滝: よく考えてみると、だから洋楽だけを基本において音楽をやってる世代の、ちょうど僕らは一番はずれのとこなんだよね。

山下: そうですね。

大滝: で、出だしはこういう人たちなの。だから、そういう意味なんですよね。

萩原: これ1発聴いてみたいんですけどね、この番組はですね、ミュージック・シティに変わってから、木曜日、

大滝: そうか、トニー谷聴いたことがない人たちが多い可能性が、

萩原: ありますよね。なってからはね、全く日本の歌、1曲もかかってないですからね。これ洋楽番組として始めましたから。

大滝: あっ、そう?ここで初めてかかる日本の歌っていう。

萩原: そうそう。これがトニー谷だっていうとこですね。

山下: じゃあ、やっぱりこのプロデューサーとして、推薦の曲をかけてもらいましょうよ。

萩原: そうですね。

大滝: 何がいいですかね?じゃあ、レディース・アンド・ジェントルマンがいいですか?

山下: やっぱりそれがいいでしょうね。

萩原: 聞き比べもできるんじゃないかという。

山下: 何をいってる。

大滝: これは、山下さんがカバーをしているという。

萩原: そうそう、そうそう。

山下: 私がカバーですからね、あくまで。

大滝: ね、山下君がカバーしている。レディース・アンド・ジェントルマンっていってるわけ?

山下: いってるわけないじゃないですか。

大滝: これは、ユー・ビロング・トゥ・ミーというね、スタンダードナンバーで。で、まあ、曲自体の素晴らしさと、それから、トニーさんの解釈っていうのは、いかに違うかという、ゲストもいらっしゃることだから、聴き比べしてみましょうよ。

萩原: そうですね。いってみましょうよ。

山下: 何をいってるんですか。

萩原: いってみましょう、これは、ひとつ。まずはトニー谷さんのバージョンでいってみたいと思います。レディース&ヂェントルメン&おとっさん、おっかさん。

 曲:

トニー谷/レディース&ヂェントルメン&おとっさん、おっかさん

 曲:

山下達郎/YOU BELONG TO ME

大滝: これが同じ曲だっていうところが、やっぱり一番のミソでしょうね。

山下: これ、何がね、あれなんですよ、このトニー谷のレコード持ってない方のためにいっとくと、僕は自分でこれ、歌ってるからわかるんですけど、要するに洋楽曲を日本語で歌ってるわけですよね、このトニー谷って人はね。

萩原: うん。

山下: コミック・ソングともいえるんですけど、半分マジでもあるわけなんですよね。

大滝: うん。

山下: それを、この時代の、このトニー谷のユー・ビロング・トゥ・ミーが録音された時代の、ポピュラー・ソングっつうのは、今みたいな邦楽じゃなくて、洋楽のカバーだったわけだから。

萩原・大滝:うん。

山下: で、この2番の歌詞があって、「SEE THE MARKET PLACE IN OLD ALGERIA」なんですよ。

大滝: うん。

萩原: はいはい。

山下: で、それをこのトニー谷は、何て歌ってるかというと、「膝枕で寝よう」。それをいわゆる東京弁でですね、「ひ」と「し」がはっきりしない、「ひ」が「し」になってしまうんで、「しーざ枕で寝よう」ってなるていう、このすごく何重にも、幾重にも錯綜した、屈折したね、このギャグの感じ。それから、「あーい

萩原: すればこそ」

山下: そうなるとかね、そこのねじ曲げ方というかな、日本語の?その英語のねじ曲げとも、日本語のねじ曲げともつかない、なんともね、このあれなんですけどね。すごいですね、これ。

萩原: 達郎さん、これ知ってたんですか、トニー谷がやってるって?

山下: 知りませんよ。だから、トニー谷がこういうような音楽をやってたということを、僕らは知る由もないですからね。

大滝: ないんじゃないですか、これは。

山下: アベック歌合戦で、「あんたのおなまえ何ァんてェの」が僕小学生の時ですから。

萩原: ふーん。

大滝: ほんとに、だからその、ビートたけしもびっくりするような、その一世を風靡した、大人気ものだったわけでしょ。それが、30年ぐらい経つと、誰も何をしていた人なのかも、まるでわからないっていうようなことになるんでしょうね。

萩原: わかんなくなってしまいますよね、なるほどね。

山下: みんなそうなんでしょうね、きっと。

大滝: なんでしょうね。だから、やってる方としては、それも二重、三重に、ちょっと考えちゃうとこなんですよね。

萩原: まだ音楽の方が残ってるということになりますかね?

大滝: 残るのは、結局なんかそういう、

山下: 僕はそうとは、全然思えないな。

萩原: そうでもない?

大滝: あー。

山下: やっぱり、戦前の映画とか音楽とか聴いたりすると、もう全く形骸すらないもんね、今。

萩原: あぁ、そう。

山下: わざと、意識してさ、そういうものを排撃しつつ、新しいのが登場するという必然になってるような気がするけどな。

大滝: トニー谷のこれに関しては、ほんとに、まるで埋もれ、

萩原: そうですね。

大滝: 地中の奥底、もうマグマに到達しようかっていうくらいのところから、這い上がってきたという感じですよね。

萩原: なるほどね。

大滝: うーん。

山下: でもさ、大滝さんは、こういうのしょっちゅう聴いてるし、見てるしね、

萩原: うん、うん。

山下: 探してる人だから、例えばシティ・スリッカーズとか、去年のフランキー、おととしですか、

萩原: クレイジーとかね。

山下: クレイジーものとかやってる人ですら、知らないんだから、

大滝: そうそうそう。

山下: 一般の人は、もうさぁ、ねえ。

萩原: やっぱりね、不思議なもんですね。だからこれは、当時かなりハイカラなものとして受けとられたわけでしょ。

大滝: 異常に、もう先端ですよ、だから。

萩原: そういうものが全然残らずに、きちゃってるっていうのがすごいですね。

大滝: 先端がやっぱり、どうしてもいきすぎると、異端ということになるんだよ、これがね。アバンギャルド。

萩原: 誰も継承する人がいなかったというのがね。

大滝: まぁ、そうでしょうね。

山下: この毒の強さは、やっぱりすごいんでしょうね。この中に、小林信彦さんが解説書いてますけど、やっぱりこの毒は相当なもんだったというのは、容易に想像がつきますけどね。

大滝: 相当じゃないですか。だから、毒が相当だから、下に流れているわけですね。だから、意識しなくなったってことで、決してなくなったことじゃなくて、すごく流れてることだと思うんですけどね。

萩原: なるほどね。まぁ、それに反応してるんでしょうしね、今それだけ売れたとかいってもね。

大滝: あー、これがほんとに、世に出て、たまたまちょっと少しね、一応自分がちょっとは、関わるような立場にあったんだけど、なくても、これがほんとに世に出るっていうことは、なんかよいことではないかというふうに、第三者的に見ても、そう思いましたけどね。

萩原: はがきでね、よく「大滝さんなにしてるの?」っていうはがきが、これやるっていった頃から、徐々にきまして、あのー、

大滝: トニー谷はね、でもこれ2年越しですよ、私の企画。なかなか全部原盤が揃わなかったりとか。だけど、原盤が全部残ってたわけですね。ラッカ盤とかテープとかね、いろんな形で。

山下: よく残ってましたね、ああいうのが。

萩原: 一応、レコード会社超えて収録されてますもんね。

大滝: それもあるんですけどね。だからちょっとね、そういう感慨も新たに。

萩原: でもあの、今年はトライアングルVOL.3が出るはずだっていうはがきがね、いっぱいきてたんですよ。

大滝: そういえば、そうなんだよね。

萩原: そんなこといったじゃないかっていうね、どうしてくれるっていうのが。

大滝: そうなんですよね。いや、実はね、夕べもちょっと考えたんですけどもね、

山下: 必ず夢なんだ。

大滝: 夢なんですよね。初夢は、結構なんか、一富士、二鷹、三茄子っていうぐらいなもんで、トライアングルだからね。

萩原: トライアングル。

大滝: うーん、今年はなんか、その夢を見ましたからね、トライアングルがなんか、なるといいんじゃないかと思いますけどね。なんかアイディアありませんか?

萩原: ちっとも具体的じゃないわけですね、これはね。

大滝: ないね。

萩原: やっぱ、トラアングル・アゲインっていうのをね、ひとつね。

大滝: LET'S TRIANGLE AGAIN?はぁー。

萩原: それをお願いしたいですね。こちらにいらっしゃる方とですね。

大滝: この人に聞いてくださいよ。

萩原: あっ、手が震えてるみたいですね。達郎さんもあの、いろいろ今日は持ってきていただいたんですかね?

山下: はいはい。あたしはもう、

萩原: あの、赤組代表はですね、一応あの、

大滝: 赤組!

萩原: トニー谷というとこから、勝負がかかりましたが。

大滝: あの頃は、ハッ(和田アキ子の口調で)

山下: まじめの山下、ふまじめの大滝で、あれしますから。私ね、やっぱり、去年一番好きなCDがね、

萩原: CD!

山下: CD嫌だったんですけど、

大滝: 山下さん、CD聴くの?

山下: あっ、CDこっちですか?

萩原: 結局、達郎さんも、なんか結局CDを聴くんじゃないですか。

大滝: この人はね、日本のミュージシャンでCD化に反対、最後までCD化に反対してたというね。

山下: そんなね、あーたね。我が谷は緑なりきみたいなこといわない。

萩原: でも、買い出すとね、この人も。

山下: これがね、

萩原: はい。

山下: 日本でしか発売されてないんですけど、ローリング・ストーン・クラッシックという、ローリング・ストーンズって、いってみればブルース・バンドなのね、一言でいえば。

萩原: 初期はカバーばかりでしたもんね。

山下: えぇ、初期はほんとにカバーばっかりで、ジャガー=リチャードでサティスファクションがどっと出るまでは、一応カバーの方がメインの人たちだったんですけど。その彼らがカバーしたやつを、オリジナルで全部たたきこんだという、とんでもないしろもんでね。これがね、とにかく素晴らしかったんですよ。これ、日本のあるレコード会社が編集して、発売したやつなんですけど、これは素晴らしく、そのいい企画だと思ったんですよね。それで、なんか1曲ね、タイム・イズ・オン・マイ・サイドがいいですかね。

萩原: あぁ。

大滝: えーっと、

萩原: アマ・トーマス。

山下: リリー・ララボイ。

萩原: あっ、違うか。

大滝: タイム・イズ・オン・マイ・サイド?

山下: えぇ、アマ・トーマス。

大滝: アマ・トーマス。リーン・イン・マイ・ハートの人。

山下: えぇ。

萩原: うん。

山下: これは、なかなか、

大滝: ビートルズにも、去年かおととし、なんかありましたね。

山下: ありましたね。

萩原: ありました。

萩原・山下:初めて聴きました。デビル・イン・ハー・ハートが入ってたやつの。

大滝: そういう意味合いで、こういう企画のものはいいですね。

萩原・山下:うん。

大滝: うーん。

山下: そうですね。これは、なかなか。

萩原: 何いきます?

山下: タイム・イズ・オン・マイ・サイドがいいんじゃないですか?みんな知ってるし。

萩原: わかりました。それでは、アマ・トーマス、

大滝: タイガース。

山下: 15番です。

萩原: あっ、タイガースをやってましたよね。タイム・イズ・オン・マイ・サイド。

 曲:

アマ・トーマス/TIME IS ON MY SIDE

萩原: アマ・トーマスのタイム・イズ・オン・マイ・サイドでした。

大滝: いいね、オリジナルはね。

萩原: こっち、かっこいいですね、こうやって聴くとね。

山下: これとガーネット・ミルズの、

大滝: クライ・ベイビーね。

山下: を聴くと、大滝さんちへ最初に行った頃のことを思い出してね。あの頃はこんなのばっかりだったからね、ほんとに。

萩原: こういうの聴いてたんですか、大滝さんも、この頃は?

大滝: そのてのレーベルのレコードが多かったんですよね。

山下: ジェリー・ラガボイ、ノーマン・ミード、そんなんばっかり。

大滝: みんな同じレーベルのだった。

山下: これは、あれですね、アール・パーマーですね。インペリアルだから。ドラムが。

大滝: あー。

山下: だから、モロ、エコーもそうだけど、ほとんどフィル・スペクターのプロダクションと、エコーだけ違うけど、声はなんかダーレン・ラブみたいだし。

大滝: 同じだね。

萩原: つながってますね、そこね。

山下: で、リリース時期が64年だから、ほとんど同じ時代の音がしてます。

萩原: でも、これかかってるときに、ちょっと話してたんですけど、やっぱりだから、そういう意味じゃあ、フィル・スペクターも、そんな突飛なことを当時やらかしたわけじゃなかったみたいなね。

大滝: うーん、で、昔だから、ちょっと昔話になるんだけど、スペクターとニュー・オリンズサウンドの関係とかっていうこといったら、こじつけだっていわれたことあるんだけどね、10ぐらい前に。

萩原: まぁ、確かにね。他の、

大滝: 本に書いたことあるんだけど。

萩原: 他のニュー・オリンズサウンドって、いわゆるね一般的なやつ聴くと、そんなに近くないかなって感じでしょ。

大滝: これ聴くと、ただそのものっていうね、スペクターの初期の感じは、まるでこうだったから。

萩原: 人脈的にも混ざってるってのは、おかしいですね、これ。

大滝: ミュージシャンいっしょだからね。

山下: その大滝さんの指摘は、全く正しかったんだよね。やっぱり、すごく音楽社会学的というかさ、そういう、ねぇ。

大滝: いやいや。

山下: ロネッツのアイ・ワンダーってあるじゃない。

萩原: えぇ。

山下: 僕が一番好きなの「タララーチャッチャ」ってさ、あの最初のさ、やっぱり、スペクターのハル・ブレインに対する指示ってのがさ、

萩原: セカンド・ライン。

山下: うん、完全にそういう、

大滝: セカンド・ラインのドラム(?)。

萩原: なるほどね。

山下: あれをね、ところがさ、あれLPでは入ってないんだよ、あの「タララーチャッチャ」って。

萩原: あれ、どっからはいるんですか?

山下: あれ、あのイギリス盤で再編集したステレオのあれで、出てくんだよね。あれ、なんでカットしたのか、よくわかんないんだけど。オリジナル盤には入ってない。

萩原: 達郎さん、やるでしょう?フィル・スペクター。

山下: 何ですか?

萩原: 出してくれるんでしょう?

山下: あー!もうね、聞いてくださいよ、ほんとに。

大滝: 最近レコード出さないと思ったら、レコード屋さん始めてるわけ?

山下: いや、友人の関係で、ちょうど持ってきてくれたんだよね。せっかくだからっつって、変なでっかい会社でいいようにやられるよりは、あれしてやろうと思ったんですけどね。なかなかね、来ないんですよ、マスターが。

萩原: テープが来ない。

山下: 契約ばっかりうるさくて。ちっとも来ないんですよ。結局クリスマスの、だからCD出せなかった。ロスで止まったまんま。

大滝: あー、そう。じゃあ、お正月アルバムって名前変えて。

萩原: いいですね。

山下: とんでもない、ほんとにもう。

萩原: めでたきゃ、なんでもいいですからね、ほんとに。

山下: フィル・スペクターってのは、どうも日本人嫌いらしんだわね。

萩原: あー。

山下: パール・ハーバーがどうしたらって、未だにいってるらしいからさ。

大滝: 怖いものがあるね。

萩原: 困っちゃうな。まぁ、それは楽しみにしとくとして、

山下: 今年は、順次、ちゃんとね、それで全世界的に、アメリカで出したリイシューものなんかもそうですけど、コンピレーションが多いんですよ。すごく、スペクターものは。だから、ちゃんとした、オリジナルアイテムで出させてくれっていう交渉を、今してるんです。ロネッツはロネッツの、ちゃんとああいうオリジナルジャケットと、オリジナルのシークエンスっていうかね、マスタリングとういうか、

大滝: ロネッツのモノ盤を出してくださいよ。

山下: 出しますよ。だから、モノとステレオとあるんですよ。それをだから、ステレオじゃなくてモノでやってくれっつって、

萩原: ちゃんとマスター残ってんの?

山下: リマスター、あるらしいです。

大滝: 残ってるの。ロネッツのものは、貴重なのよ。これはね、もう今や、私のチリチリ、チリチリいうレコードしか、世の中にないかっていうぐらいしかないんですよ、LPはね。

山下: ほんとだね。それをだしにしてるんですけどね。ただね、クリスマスもね、モノできたんですよ。

大滝: あー、向こうもモノで出てたんでしょうね。

山下: 出てたでしょう。だから、クリスマスはモノがあったっていうことなんですよね。ここんとこの、10年間くらいのアルバムは全部それだったでしょう。だから、モノはあるみたいなんですけどね。

大滝: なるほどね。

山下: ただ、どれぐらいの状態だかっていうのは、ちょっと保証の限りではないんですよ。

大滝: なるほどね。

萩原: でも、最近CDで復刻されるのなんかを聴いてると、やっぱりちゃんとモノのやつはモノで出しますね。一時みたいな混乱はなくなって。無理矢理、ステレオでなければ出さないみたいなのは。

山下: そうねぇ、

萩原: そうでもない?

山下: まぁ、そうでもないともいえるんだがなぁ。

萩原: そうですか。で、ビーチ・ボーイズなんかは、こう、みんなモノになってね。

山下: ビーチ・ボーイズはちょっと不遇すぎますよ。

萩原: あっ、そう。

山下: あれだけの、やっぱり大きなグループであるにしては。

萩原: そうか。さて、次なんかこう、いってみたいですけどね。この辺にぶちまけてありますけど、いろいろなレコードが。

山下: そうですね、何にします?僕ね、去年やっとね、たいして珍しいもんじゃないんですけど、自分にとっては、やっとこれを手に入れたんですよ。このパット・ブーンのビーチ・ガール。

萩原: テリー・メルチャ、ブルース・ジョンソン。

山下: 1988年のご時勢に、パット・ブーンのビーチ・ガールをかける番組は、

萩原: わかんないですけど。まぁ、新春、

大滝: 日本に来るっていう噂もあるから、いいんじゃないですか。

萩原: そうですよ、そうです。

山下: これね、オムニバスとかあるんですけど、オリジナルシングルってね、手に入れやすそうで、

萩原: 入らない。

山下: 入りにくいレコードでね。

大滝: わたしもね、写真は見たことあんですけどね。

萩原: あんまり買った人がいないってことかもしんないですよね、当時ね。

山下: やっと、手に入ったんです、これ。

萩原: ほー。

大滝: ふーん。

山下: 残るは、ドント・ランナウェイという、ブルース・デニング、(聴き取り不能)、あのシングルだけなの。

萩原: とりあえず、パット・ブーンのビーチ・ガールです。

大滝: 怒りの山下だね。

 曲:

パット・ブーン/BEACH GIRL

萩原: というわけで、パット・ブーン。

大滝: いい曲ですね。

萩原: えぇ、美しい曲でね。

山下: これも64年の曲でした。

大滝: 萩原健太さんが、なんかどっかで聴いたことがある曲だなってふうに、いってましたけどもね。

萩原: まずいな、ほんとに。

大滝: じゃあ、次の話題に移りましょうか。

山下: これね、これはちゃんと出てるやつで、デジタル・リ・リマスタードものの、オムニバスというのを出して、これが結構笑えるのが、あってね。リバティのオムニバスもので、リバティ・ユー・エーのオムニバスもので出てるもので、ユー・エー(?)のシングルなんですけどね、ジョニー・マエストロっていう、例のクレースッツから、

萩原: この番組ではね、ブルックリン・ブリッジで、

山下: はいはい、ブルックリン・ブリッジ。

萩原: かけたりなんかしたことがありますけどね。

大滝: あー。

山下: これの、

大滝: シクスティーン・キャンドルズ。

山下: ソロ・シングルなんです。62年の曲で、ビフォー・アイ・ラブド・ハーというね、これがバリー・マン、シンシア・ウェルズ、これが、やっぱりオークションで落ちなかったやつだけど、

大滝: でたね、また。

萩原: その悔しさだけで生きてるような感じがしますね。

山下: で、これはソング・リストでね、オーダーしたやつなんで、知らなかったんですけど、なんと、

萩原: 曲聴いたことはなかったの?

山下: ないです。あの、リーバー・ストーラーのプロデューサーなんですよ。

大滝: あー。

山下: これが実に、これが1曲入ってて、これが実によかった。

大滝: あー。

山下: 大滝さんごのみの曲ではないかと。

大滝: あらー。でも、バリー・マン、シンシア・ウェルというと、山下さんの一番好きな、

萩原: うーん、そうですね。

大滝: 作曲家ですからね。

萩原: もう以前、この番組でもね、ソングライター・ファイルっていう、一応特集がありましてね。そこで、第1回目が一応、バリー・マン選ばしていただきました。

大滝: いいねぇ。日本のディック・クラーク。

萩原: いやいや。もうまるで、GO! GO! NIAGARAのようだといわれてしまいましたけどね。

山下: これの1曲前が、バーテル・ダッシュという人の「NOT JUST TOMORROW BUT ALWAYS」という、これはなにを隠そう、トニー・オーランドがね、「WILL YOU LOVE ME TOMORROW」のアンサー・ソング。

萩原: アンサー・ソング、そう答えたわけですね。いろいろありますけどもね。それじゃあ、これちょっと聴いてみましょう。ジョニー・マエストロのビフォー・アイ・ラブド・ハー。

 曲:

ジョニー・マエストロ/BEFORE I LOVED HER

萩原: えー、ジョニー・マエストロ聴いていただきましたけどもね、これはモロ、ジーン・ピットニーだという。

山下: ジーン・ピットニーでもレコーディングされているそうですね、資料見ると。

萩原: はー。よいもんですね。やっぱ、このジョニー・マエストロとか、ああいうブロンクスとかでしょ、この人も?

山下: ブルックリン、ブロンクスの人です、えぇ。

萩原: ああいうところの、イタロ・アメリカンっていうんですか。

山下: そうですね。

萩原: ああいう人達の匂いってのは、いいですね。

山下: いいですね。

大滝: いいね。潮来笠の感じがしますけどね。

萩原: 危ないこといわないでくださいよ。一瞬あせってしまいましたけどね。

大滝: 歌い上げパターンと呼んでますけどね、われわれは。

山下: 大滝さん、今年はあれですか?こういう、トニー谷みたいなのはやんないんですか、また?

大滝: うーん、トニー谷のですね、アルバムが好評だったので、シングルをきろうということをね。

(山下・萩原:爆笑)

大滝: メガ・ミックスというのを企画しておりましてね、

萩原: どこまで行くかっていう感じですね。

大滝: 来月ぐらいには、出るんじゃないでしょうか。

萩原: しょうがねぇな。

大滝: 多分、トニー谷はずっと、トニー谷が、ずっともうついてくるんじゃないでしょうかね。

萩原: トニー谷がついてまわる!

大滝: ついてくるんじゃにかっていうふうに。

萩原: 僕はだから、あと、旭さんを期待してるんですけどね。

大滝: アキラね。

萩原: もっといい形のコンピレーションでね。

大滝: アキラのツイスト。

萩原: そうそう、そうそう。なんかちょっと、まぁ、いろいろ出てますけどね、CDになってからね。

大滝: 歌い上げパターンの人ですからね、あの人も。

萩原: やっぱりね、これはひとつ責任をとって、やっていただきませんとね。

大滝: 山下さんにも書いてもらったって感じがありますね、歌い上げパターンは。

萩原: あとだから、ビデオなんかでね、アキラさんなんかのね、まとめるといいなって思って。

大滝: いいよ。

萩原: 歌ってるシーンだけ、歌うマイトガイなんて、いいですよ。

大滝: あの人、映画のバージョンの歌がいいんですよね、レコードもさることながら。

萩原: なんかねぇ、まあ、あのこう、でもやっぱりやってくださいよ、本人も。

大滝: まぁ、あるといいですけどね。

山下: あるといいですけど!

萩原: 悲しくなってきてしまいましたけど。

大滝: 楽しくいきましょうよ、お正月だから。

萩原: 大滝さん、ニュー・オリンズに戻るってのは、ニュー・オリンズに?

大滝: バック・トゥ・ニュー・オリンズ?

萩原: そうそう、そうそう。

大滝: 「ウォーキン・バック・トゥ・ニュー・オリンズ」ファッツ・ドミノですよ、それじゃあ。

萩原: でもね、そうそう、あの、これは聞きたかったんですけど、ほらあの、大物の、

大滝: ニュー・オリンズにっ戻るったって、誰も知らないよ。

萩原: あっ、そうか!

大滝: どういう意味なのか、まるで、

萩原: 事情説明がないとわかんないですかね。

大滝: 私がまるで、ニュー・オリンズから来た人みたいじゃないですか。

萩原: わかんなかったかな。でも、あのほら、最近わりと大物のカムバックとかいうのが、叫ばれてる中ですから、どうかひとつね、

大滝: 大物のカムバックって。

萩原: ほら、ビル・メドレー、全米1位ですからね。

大滝: 松昇がまた出てくるとか、そういうんですか?

萩原: まぁ、それに近いような、そんなようなもんですよ。

山下: 先場所面白かったですね、関係ないけど。先場所のあれは、ほんと近年まれに見る面白い場所だったんじゃないですか。

大滝: ここで相撲の話題やめましょう。誰も知らないんだから。どうして、でもあの、あれですよね。相撲が割合スポーツの中とか、文化的に端の方にいってしまったんでしょうか?

萩原: 確かにね。

大滝: いってないのかな?いってるような気がしません?

萩原: いや、いきつつありますよね、それはね。

大滝: 割合ね、以前は野球と相撲ってのは、なんかこう、

萩原: 国民的スポーツというね。

大滝: うーん。なんかね、そういう感じがあったんだけど。

山下: 僕ね、どんなスポーツより相撲が一番好きですけどね。僕、スポーツ自分でしない人間だけど。

大滝: 山下さん、今日はちょっと風邪気味なもんですからね、声の調子がちょっと悪いんですけれどもね。

萩原: いえいえ、単にキャラメルなめてるだけですからね。

山下: いや、そうしないと、ちょっと声が変なの。

大滝: 声がね。出ないんですよね。

山下: すみません。なんの話してたんでしたっけ?

萩原: すっかり忘れてしまいましたけどね。

山下: あっ、ニュー・オリンズの話だっけ?

萩原: あっ、そうか。ふるからいけないんだよね。

大滝: ニュー・オリンズに戻るとかいうからさ。

山下: 松昇が悪いんですよ、松昇が。

大滝: 戻るとかいうとこから、わかんなくなってるから、置いといて。

萩原: そうそう、そうそう。まあね、初日のこのコーナーもですね、そろそろ終わりに近づいてるんでですね、

山下: もう終わり!?

萩原: 初日はですね。これからはですね、我々はこれを、このスペースじゃほとんど収まりきらないってことでですね、これから3週間にわたってですね、

大滝: この番組15分番組になっちゃうのかな?

萩原: いえいえ、お送りすることにしてますんで、

山下: 大丈夫ですよ、昔4週間やったことあるんですから。

萩原: そういうことで、決めちゃいましたんでですね、急に気が楽になりましたけども、

大滝: そうですか?

萩原: でも、そういうわけでですね、今日はね少し、そろそろ締めないとですね。

大滝: もう締めちゃう。

萩原: いけないですからね、何か簡単な締めになるような話をしたいんですけどね、私としては。

山下: 大滝さん、今年レコーディングはどうするんですか?大滝さんのレコードはどうなってるんですか?

大滝: うまいね、この振り方が。山下さん、今レコーディング中なわけでしょう?

山下: えぇ。

大滝: いつですか、出るの?

山下: 夏前には出したいんですけどね。

大滝: そうか、聞くんじゃなかったな。

山下: 一刻も早く出したいんですよ、ほんとに。

大滝: 聞かなきゃよかった。

萩原: グッとつまってしまいましたけどもね。

山下: あのね、ラッツ&スターの鈴木君に曲を書いたのが、ちょっと長引いちゃってて、別に僕の責任でもあるんですけど。

大滝: 楽しみですよね。

山下: モロ、ドゥ・ワップが1曲ありましてね、ほんとのドゥ。ワップがありまして。

萩原: 達郎さんが後ろで(聴き取り不能)やってるんですか?

山下: 力作です、はい。

大滝: まぁあの、あれなんです。ご存知の、もう締めちゃうの?

萩原: いやいや、いいです、いいです、どんどん。

大滝: あっ、そう。で、山下君は、ラッツ&スターのデビュー前にね、彼らにコーラス・アレンジをしたというね。

萩原: 禁煙音頭っつうやつですね。

大滝: 違う、違う、違う。

大滝: 「I SAW MOMMY KISSING SANTA CLAUS」?

山下: あれはあの人達が勝手にやったんです。ただ、僕は勝手に聴かしてもらっただけです。

大滝: とかなんとかいいながらもね、一応アイディアを出したりしたんですよ。

萩原: はぁー、えぇ、えぇ。

大滝: コーラスアレンジのね。だから、これは必然なんですよね。こういうところで。

萩原: なるほどね。やはり、再び出会うというやつですね。

大滝: うん、それは楽しみですよ、私も。

山下: あの、今度の鈴木君に書いたドゥ・ワップのやつはね、結構大滝さんごのみのやつでね。

大滝: あら、また。

山下: タイトルが「おやすみロージー」ってやつでね、

大滝: あらっ、「おやすみ老人」じゃないでしょうね?ちょっと、

山下: そら、あーた、

大滝: まずいよ、それは。

山下: それは非常に自虐的です。

大滝: 自虐的?待てよ、どういうことだ、これは?考えちゃうよ、俺は。

山下: 副題が「Angel Babyへのオマージュ」っつうんですよ。

大滝: あー。やりましたね。

山下: なかなかいい情緒でしょ。

大滝: うん。よく、その副題を覚えてましたね。忘れたかと思ったよ。

萩原: オマージュですから。

大滝: そうですか。

萩原: 最後に1曲かけて終わりたいんですけどね、このコーナーは。なにがいいかな?

大滝: 締めですからね。

萩原: 私はですね、あっ、そう、

大滝: 萩原健太さんが締めるってのはいいんじゃないの、司会者だからね、一応は。

山下: そうですね。

萩原: 好きなやつをですか?なにで締めようかな。大滝さんが来てると、すぐエルビスのキング・クレオールを思い出すんだけどね。

大滝: すいませんね、ほんとに。まぁ、気を遣っていただいて。

萩原: もう、これをかけたいですね。CDでリマスターしてて、直したんですね。やっぱりこれは、キング・クレオールを、

大滝: あなたキング・クレオールで何が一番好きなんですか?

萩原: こんなかでですか?

大滝: こんなかで。

萩原: 僕ね、歌はね、ニュー・オリンズのエルビスの歌が好きですね。

大滝: ニュー・オリンズがいいでしょう。つうですね。えらいね。

萩原: ニュー・オリンズ聴いて、

大滝: ニュー・オリンズいっちゃおう。

萩原: 次回へのつなぎにしたいと思ってんですけどもね。

大滝: 戻っちゃおうかな、俺も。

山下: 松昇。

萩原: わかんないかもしれません。

大滝: わかんない話ばっかりしてるって、毎年いわれる。

萩原: 大滝詠一さんが「はっぴいえんど」にいたってことを知らない人って、やっぱり結構いるでしょう?

大滝: そりゃあ、ほとんどの人でしょう。だいたい「はっぴいえんど」ってのが、何かっていうのも、もはやね。

萩原: あっ、そっか。ただね、この前チェッカーズがですね、「俺たちは、はっぴいえんどになりたい」っていったっていうね。

大滝: 幸せに終わりたいっていう意味合いじゃないですか。

山下: やっぱり、でもね、はっぴいえんどは、本まで出てるんですから、そんなに誰も知らないって、そんなことはありませんよ。

大滝: そうですかね。

山下: 定本っていうのがあるぐらいですからね。

大滝: 定本ね。親分てーほんだってのがありましたけどね。

萩原: というわけで、無理矢理ここで締めさせていただきたいと思います、今日のこのコーナーはですね。

大滝: 締めてください。

萩原: エルビス・プレスリーのニュー・オリンズ。

 曲:

ELVIS PRESLEY/NEW ORLEANS

 達郎さんの番組がなくなり、この年は健太さんの番組に、大滝さんと達郎さんが出演しての新春放談でした。この3人による「新春放談」は1995年まで続きます。3人になると作業が少し難しくなりますが、最近はコツをつかんだのか、少し速くなったようです。
 達郎さんが「BEFORE I LOVED HER」を入手したときの話は、とてもうれしそうでしたよ。やっぱり達郎さんも生粋のコレクターなんですね。また、オークションで落とせなかったとか聴くと、なんか親近感がわいてきますよね。
 この時に話題になった「トニー谷」ですが、これは「LEGENDARY REMASTER SERIES」として、90年の「橋幸夫」、そして94年の「東京ビートルズ」へと続きます。この次はいつ、そして再び脚光を浴びるのは誰?大滝さんの新作、旧譜の再発ともに、目が離せません。

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