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1992.1.19 プレミア3

山下: みなさんこんにちは、山下達郎です。サンデー・アフタヌーンいかがお過ごしでしょうか?えー、お屠蘇気分もそろそろ抜けてきたという、1月の19日であります。東京FMをキー・ステーションに全国27局ネットでお送りしております、東芝プレミア3。前は私が1年間レギュラーをやっておりましたが、最近は臨時であります。1月、えー、ひと月間は臨時の雇いではありますけれど、恒例の、毎年恒例の新春放談。先週、先々週と2回は大滝詠一さんと二人でやっておりました。今日からは、それになんと、萩原健太さんが加わりまして、3人でいきたいと思います。二人から3人になりますと、ノイズが3×3が9倍になる。えー、わかんないな、相似比、面積比、わかんない。なんでもいいや。えー、という訳で、大滝さん、また今週からよろしくお願いします。

大滝: よろしくお願いしまーす。

山下: えー、萩原健太さん、えー、遅ればせながらおめでとうございます。

萩原: どうも、おめでとうございます。今年もひとつよろしくお願いします。

山下: 本年もよろしくお願いします。最近はもう、人生相談に、

萩原: 違うって、それ。

山下: なに?後で聞こう。

萩原: たまたまね、たまたまです。

山下: 八面六臂の活躍で、よくわからないけど。

萩原: ハハハ。

山下: 受けないでください。という訳で、今週と来週の2週間は、私、山下達郎、大滝詠一さん、それから萩原健太さん、3人で楽しく新春放談をまたやってみたいと思います。最後までごゆっくり。

山下: えー、改めまして、大滝さん、ひとつよろしくお願いします。

大滝: どうも。

山下: 萩原さん、よろしくお願いします。

萩原: よろしくお願いしまーす。

山下: 大滝さんとは、先週、先々週といきましたんで、

大滝: えぇ。

萩原: はい。

山下: 始めはちょっと萩原さんで、

大滝: ぐっといってください。

山下: どうでしたかね、去年、1991年は?

萩原: えっ、私からですか?あー、いや、ねぇ。

山下: 八面六臂の活躍で。

萩原: いや、そんなことない、そんなことないって。あのー、人生相談のコーナーはですね、たまたまですからね。

山下: だけど毎月やってるんでしょ、あれ?

萩原: いや、やってないですよ。

山下: うそ?

萩原: 毎月音楽のコラムを書いてるんで、その中でたまたま1回やっただけで、

山下: ふーん。

大滝: ほんとに?なんか、中島らもの後を狙おうとしてるって、

山下・萩原:ハハハ。

萩原: そんなこと狙ってない、狙ってない。

大滝: 噂があるじゃない。

萩原: そんなことない。

山下: あと、なんか、月刊明星の歌本に、

萩原: あっ、はいはい。歌本にね。

山下: すごいんですよ、いろんなところに出てるんですからね、今や、萩原さんは。

萩原: 去年はいい再発盤が一杯出て、いい年でしたね。

山下: あなたのこと聞いてるんです。

萩原: あぁ、私ですか。

大滝: フフフ。

山下: あーたにとっては、どうでしたかということを聞いている訳で、

萩原: 忙しかったですよ。

山下: そうですか?

萩原: 結構ね、あのー、まあ、自分で好んでやってるんですけど、レコードのプロデュースとかね、結構一杯やっちゃって。

山下: なるほど。結構枚数やったよね、去年?

萩原: 4枚もやっちゃって。

大滝: えっ!

萩原: 4枚もやっちゃったんですよ。

大滝: ずいぶん、

山下: かけようぜ、それ。

萩原: えっ?

山下: あとでかけよう。

萩原: ハハハ。

山下: 何をやったの?まず、米米のセクションやったでしょ?

萩原: 米米クラブの8割ライブ盤みたいなのをひとつ、くだらない曲だけを集めたのを出しましてね。その後、光岡ってやつの、

山下: ディオンちゃんって、去年だっけ?

萩原: 去年ですよ。

山下: そうか。

萩原: アルバム1枚つくりまして、

山下: はい。

萩原: その後、ビッグ・ホーンズ・ビーという、ホーン・セクションのインスト・アルバムをつくりました。で、伊藤せいこうという男の、

山下: ほー。

萩原: アルバムをですね、年末につくった。それが、

大滝: すごいっ!

山下: このバラバラな感じが、

萩原: それが今年出すんですけどね。

山下: ハワイアンからラップまで。

萩原: ハハハ。

山下: すごい。

萩原: でした。

山下: 伊藤せいこうさん、今年出るんですか?

萩原: 今年の春頃に出ると思いますんで。

山下: 全く、いろいろと、

萩原: これはご機嫌ですよ。

山下: プロデューサー一本でやりきらないところが、

萩原: フフフ。

山下: なかなか、いろいろと、副業を残しつつ。

萩原: いや、そんなことないですよ、そんな。

山下: このやろう、全く。

萩原: 申し訳ない。

山下: という訳で、後で萩原さんのプロデュースを聴いてみよーっと。

萩原: 年頭から怒られ続けております。

山下: えー、クレイジーからかけましょうかね。先週、先々週と洋楽一辺倒だったんで。

萩原: はい。

山下: クレイジーいきたいと思います。私の好きな曲、「シビレ節」

 曲:

クレイジー・キャッツ/シビレ節

山下: えー、クレイジー・キャッツで、ハナ肇とクレイジー・キャッツ「シビレ節」でありまして、私が中学1年。

萩原: ハハハ。

山下: 大滝さんは高校生ですな、ということは。

大滝: すでに。

山下: あのー、この間ね、今、コンサート・ツアーやってるんですが、ファンの方からね、ワインいただきまして、なんと「ナイアガラ」というメーカーなんですよ。足利。

萩原: なんか、「ナイアガラ」という葡萄の種類らしいですよ。

山下: おー、あんた詳しいね。

萩原: えぇ、そこに書いてあります。

山下: 「ぜひ、大滝さんと」、あっ、そうか。「ナイアガラ種という緑色のブドウ100%でつくられたフルーティーな味の逸品です」

萩原: フルーティー。

山下: 「ぜひ、大滝さんと二人で、新春放談あたりで飲んでいただけたらと思います」えー、清水和美さんという方がくださいました。

大滝: うーん、すごいね。

山下: えー、今日持ってきました。

大滝: 「お二人の好きな言葉『限定5000本』」

萩原: ハハハ。

山下: 俺は好きじゃない。

大滝: 限定、

山下: 僕とは関係ないから。

大滝: いや待てよ、なんか「オン・ザ・ストリート・コーナー」って、限定じゃなかった?

萩原: 限定でしたねー。

大滝: なるほどね、ねっ。

萩原: 後になって、限定じゃなくするって、ズルいですね。

山下: 違うの!あれ、あんなもの売れるはずがないと思って限定にしてんですよ。

萩原: フフフフ。

大滝: とかなんとか言ってね。

山下: 大滝さんと違いますよ。大滝さんは限定にしなくていいものまで、限定にするんだから。

萩原: フフフ。

大滝: なんかしたっけ?

山下: わざと限定にする。

大滝: 何よ、俺、なにか限定したっけ?

萩原: 限定ありましたよ、番号入り。

山下: しかもサンプル盤。

萩原: そう。

大滝: なんだっけ?

萩原: いや、売ったのでも番号入りがありまして、

山下: あっ、そうだ。

萩原: 「シング・アロング」

大滝: あー、あれはね、カラオケね。カラオケ悪いじゃん、だってあんなもん、一杯売ったって。

萩原: あれね、あのー、ちょっと以前に、表参道のあたりにあったレコード屋さん、ありますよね。

山下: うん。

萩原: 達郎さんになじみの深い方がやってらした。

山下: はいはい。

萩原: あそこ行ってですね、あのー、あれを買おうと思ったら、「あっ、健太君、健太君、いい番号とっておいたよ」って、

大滝: フフフ。

萩原: 378番とか、全然どこがいいんだか、全くわからない番号で、悩んだことがありますけどね。

山下: その人の出席番号とかじゃないの?

萩原: よくわかんないですけどね。

山下: たまには、はっぴいえんどをかけてみたいと思います。

萩原: はい。

大滝: 「たまには」ってさ、

萩原: フフフ。

大滝: なんか、来るとかけられんだよな。

山下: いいじゃないですか。

萩原: でも、はっぴいえんどは珍しいんじゃないですか?

大滝: でも最近あれだよね、細野さんの、

萩原: えぇ。

大滝: 「風を集めて」

山下: 「風を集めて」やってますね、CM。

萩原: はいはい、やってますね、CMで。

大滝: いちおうね、私の「外はいい天気だよ」もやってるんだよ。(作者注:確か「日本生命」のCMだったと思います)

山下: へ!

大滝: 聴いたことないでしょ、あんまり。

萩原: 聴いたことない。

大滝: やってるんですよ。

萩原: あっ、そうなんですか。

山下: 聴いたことないから、なんとも。

大滝: ないでしょ。俺も1回しか見たことない。

萩原: ハハハ。

大滝: 長いんだよ、結構。1分ぐらいのやつかな。

萩原: へぇー。

大滝: 吉永小百合さんが出てくるやつ。

萩原: 最近はまた、気運がはっぴいえんどに向かっていると。

大滝: うーん。

萩原: 吉永小百合さんなんですか?

大滝: 吉永小百合さん。はっぴいえんどに向かうのは、これからなんじゃない?

萩原: これから?

大滝: うん。4,5年後ぐらいか、あと10年後ぐらいかな?

山下: 自分でブームを想定しているという。

萩原: フフフ。

大滝: いやいや、「自分で」って、なんか自分のもんじゃないよ、ああいう、あんなもんは。

萩原: あんなもん!

大滝: ほんとに。

山下: すぐ否定したがる。

大滝: うん、否定したい。

山下: えー、2枚目の「風街ろまん」から、

大滝: できれば、1コーラスで絞って欲しい。

萩原: そんなこと、そんなこと甘い。

山下: 甘い。

大滝: 結構長いよ、この歌。

山下: しっかりフル・コーラスいきます。今はしかし、どうしてこういうカントリーの曲がなくなってしまったんですかね?

大滝: いや、それは長いんだけどね、それだけで1番組作れるんですけどね。

山下: はい、作れます。じゃあ、それは後日。これは健太さんのリクエストで「空いろのくれよん」

大滝: いや、そうだっけ?

 曲:

はっぴいえんど/空いろのくれよん

山下: えー、という訳で、はっぴいえんどの2枚目のアルバム「風街ろまん」に入っております「空いろのくれよん」でありました。

萩原: いいですね。

大滝: 長いな。

萩原: いい曲ですね。

山下: いいですね。

大滝: 長い。

山下: 大滝さん、こんとき何歳だったんですか?

大滝: えーっと、1971年ということは、71から48引くと、いくつ?

山下: 23歳、若い。

大滝: あー。

萩原: ねっ。フリッパーズ・ギターと同じぐらいですもんね。

山下: この音楽の違い。

萩原: ハハハ。

大滝: 結構大人だよね。

山下: 大人だよね。

萩原: ハハハ。

山下: いや、ほんとにそうだよ。

大滝: いろんなこと言ったりして。

萩原: でも、カントリーだめだだめだって言っても、もしかしたらカントリー、来るかもしれないですからね。

大滝: あー、それは、

萩原: そうすると、こういう曲、来ちゃうかもしれないですね。

大滝: ぐっとね。来て欲しいね、

山下: 誰かがカバーしてね。

大滝: 誰かカバーしてね。

山下: という訳で、これ、二人に任せておくと、もう全然終わんない。

萩原: ハハハ。

山下: 前に進まない。

大滝: 待てよ、待てよ。

山下: どんどん輪切っていかないと。萩原さんのさっきあれしてた、ブルース・ホン、ブルース・ホーンズ・ビーじゃない、

萩原: 違う、違う、ビッグ・ホーンズ・ビーですね。

山下: それのもじりでしょ、違う?

萩原: まぁ、そうですけどね。

山下: えーっと、メンバーは米米クラブのブラスのセクションの人たちですか?

萩原: セクションの5人を中心にして、またさらに5人を加えて、10人編成っていうことで、

山下: なるほど。

萩原: やってるんですけどね。ちょうどコンサートが終わったばかりですよ。

山下: そうですか?

萩原: 東名阪のツアーが。

山下: なるほど、ちょっと、遅かりし由良の助という雰囲気がしますが。

萩原: ハハハ。でも、あのー、ほら、最近ホーン・インストって、なくなっちゃったでしょう。

山下: そうね、確かにね。

萩原: 昔はほら、ホーン・インストというか、R&Bインストみたいのって、結構あって。それがなんか、こう、ポップで楽しいというか。

山下: 向こうにはほら、まだインコグニートとか、そういうのあるでしょう。

萩原: えぇ。だから、なんかホーンのインストというと、ジャズとかね、フュージョンとかね、

山下: ふんふん、そうですね。

萩原: そういうのになっちゃって、なんかつまんないなーと思って。で、ジャズも昔はね、ああいうファンキー・ジャズだったら、

山下: そうですね、ありましたね。

萩原: なんかその、テーマのかっこよさだけで、持っていけるみたいなね。

山下: そういうのほんとになくなりましたね、考えればね。

萩原: ねぇ、あの痛快な感じっていうのがね、ちょっとね、もう一度そういうのを、よみがえらせたいなと。

山下: と思って、無理矢理に作らしたと。

萩原: いや、そんなことないですよ。本人たちといっしょに、

山下: やりたいと。

萩原: 盛り上がったんですよ。

山下: そうですか。

萩原: これはやろうじゃないかと。

山下: えー、それで、そっから1曲、じゃあ聴いてみたいと思いますが、

萩原: はい。

山下: なんと、バーケーズの「ソウル・フィンガー」をカバーしておりまして、

萩原: コピーっていわれてますけどもね。

山下: いいんですよ、カバーです。

萩原: はい。

山下: 自信持って言わないとだめですよ、カバーだって。

萩原: 自信持ってカバーしてます。

山下: という訳で、「ソウル・フィンガー」

 曲:

BIG HORNS BEE/SOUL FINGER

山下: 東芝プレミア3、1月度は、1月の4回は新春放談でございまして、今日と来週は、私と大滝詠一さん、萩原健太さん3人でお送りしております。さっきの「ソウル・フィンガー」、あれはなんと一発録りだそうで。

萩原: 一発録りなんですよ、あれ。

山下: 途中のギターいいですね、あれ。

萩原: かっこいいでしょ?あんまりうまくない人なんですけどね。

山下: いえいえ。

萩原: 味があるんですよ。

山下: すばらしい。えー、次なにかけようかな。なにをかけようと思ったんだっけな、僕は。あ、そうそうそう、これこれこれ。インストが、もう1曲。これ、ダニー・ガットン。

萩原: このダニー・ガットン。

山下: これは萩原さんが持ってきてくれたやつですが。

萩原: 今ね、37歳か8歳ぐらいのね、ギタリストなんですけどね、

山下: えぇ。

萩原: インストなんですよ。

山下: どこのどなたさまなんですか?

萩原: よく知らないんですけど。

山下: なんで買ったんですか、じゃあ、これを?

萩原: ちょっと聴いたら、よかったんですよ。

山下: へぇー。

萩原: で、あのー、ブルースっぽいインストとかが多いんですけどね。だから、どっちかというと、テックス・メックス系のちょっと、そのー、インスト物みたいな。

山下: でも、なんか「クワイエット・ビレッジ」とかさ、

萩原: そうなんですよ。

山下: 「イン・マイ・ルーム」とかさ。

萩原: 結構あのー、だから、まぁ、リンク・レイですかね、スタイルとしてはね。

山下: 知ってる人しか知らない。

萩原: そんなやつが、今時新譜を出してるっていう事実にですね、

山下: なるほど。

萩原: 結構、いたく感動しまして。

山下: 南部の人ですね、これはね。一応エレクトラですね、これはね。

萩原: はい。日本盤も出ました。

山下: あー、そうですか?出す人の気が知れないという感じもしますが。

萩原: ハハハ、間違ったんじゃないでしょうかね。

山下: えー、なんとビーチ・ボーイズの「イン・マイ・ルーム」をカバーしております、期待できますね。これ僕、聴いたことないなー。最近疎いな。えー、「イン・マイ・ルーム」、ダニー・ガットンです。

 曲:

DANNY GATTON/IN MY ROOM

山下: もう、ほとんど多羅尾伴内楽團とどこが違うのかって雰囲気でね。

萩原: すごいでしょ。こいつはね、きっとね、このダニー・ガットさんはね、大滝さんのファンなんですよ。

山下: そうですね、この人はね。

大滝: フフフ、最後が「五月雨」になるのがすごいよね。

山下: カントリー系というか、ネオ・ロカ系の人みたいですね。

萩原: そうですね。

山下: えー、ロバート・ゴードンとか、ロジャー・ミラーなんかといっしょに仕事してると書いてありますね。ロバート・ゴードンのブートのライブに入っているとか、なんかいろんなことが、

萩原: ブートのライブに入っている!

山下: ちょっとしか読んでないから、ちょっとわかんないけど、そんなことが書いてありますが、ダニー・ガットンの「イン・マイ・ルーム」でございました。

萩原: どうですかね、このては?

大滝: これは掘り出しもんだね、ヒットヒット。

山下: これはいいな、買お。

大滝: うん。これはいい。

萩原: これとともにですね、多羅尾伴内楽團が復活するというね。

大滝: 復活するといいよねー。なんかね、駒沢くんのわびしいスティール・ギターをね、ちょっと思い出してしまったけどね。

萩原: ハハハ。

山下: なかなか、振りが関連性があっていいですね。

萩原: ですね。ロンリー・サーファー系ですよね。

大滝: そうね、ジャック・ニッチェのね、そういう感じで。

山下: ジャック・ニッチェといえば、次はジャッキー・デシャノンのCDをかけたいと思います。

大滝: なんか関係あるのかな?

萩原: ジャックですね、ハハハ。

大滝: ジャックが同じかな。

山下: えー、一応ジャック・ニッチェとジャッキー・デシャノンの共作の曲で、ジャック・ニッチェがアレンジ、プロデュースした、「ビー・グッド・ベイビー」という、

萩原: やったー。

山下: これをいってみたいと思います。

 曲:

JACKIE DESHANNON/BE GOOD BABY

山下: えー、ジャッキー・デシャノンの「ビー・グッド・ベイビー」でございました。この3人でやってる割には、曲がたくさんかかってると。

萩原: ハハハ。

山下: なかなかすごい。えー、なんか、今年は萩原さん、予定はなにがあるんですか?

萩原: 今年ですか?

山下: えぇ。

萩原: あんまりなんにも決めてないですけどね、まだね。

山下: 決めてない?

萩原: うーん。

山下: いきあたりばったり?

萩原: 少しね、レコードを整理しようかなと。

山下: 放出するということですか?

萩原: うーん、真剣に思ってるんですけどね。

山下: 萩原さんのレコード、何が放出するんでしょう?

大滝: お金に困ってる訳じゃないんでしょ。

萩原: いやー、そういう訳じゃないんですけど。

山下: 場所に困ってるんでしょ?

萩原: 場所に困っちゃったし、まぁ、あのー、この前計算してみたら、一生かかっても持ってるの聴けないみたいなんですよ。

山下: 当然でしょ。

大滝: えっ!いつまで生きる気なの?

萩原: いや、よくわかんないですけど。これはちょっとしょうがないなと思いましてですね。まあ、とにかく70歳ぐらいまで元気でがんばれると、もし、楽観的に思ったとしてですね。ちょうどもう半分も過ぎたことですし、そろそろ、じゃあ今度は体重も含めて、少し削り落とす時期に、フフフ。

山下: それとなんか関連付けて考えると、全く無理だという感じがしますが。

萩原: アハハハ、ひどい!達郎さんと大滝さんってどうしてたんですか?やっぱりレコードって、増えるがままじゃなかったでしょ?

山下: いやー、どうでした、大滝さん?

萩原: 増えるがまま?

大滝: いやー、全然数は変わんないよ。

萩原: はー。

大滝: うん、どうしたんだろうな?

山下: 数は変わんない?

大滝: 変わんない。

山下: あっ、そう。

大滝: 当時だから、ごまのはえとかいっぱい、あっ、ココナツバンクの人たちがいっぱいいて、

萩原: えぇ。

大滝: とか、なんかだから、こう、放出して。だから、あのー、一定数より減りもしないし、増えもしないし。

萩原: ある棚の大きさの中から、

大滝: そうそう。

萩原: 枚数は変わらなくて、要らなくなったものからどっかいくという。

大滝: うん、どっかいくという。

山下: 僕はもう、完全にパンクですよ。

萩原: もう増えるがまま。

山下: うん、増えるがまま。もう、倉庫と化してますね、完全に、仕事部屋。段ボールに入って。

萩原: どうしてそんな買うんでしょうね?

山下: わかんないですね。

萩原: ねぇ。

山下: それは、あのー、偏執、

萩原: ハハハ。

山下: いやいやいや、そういう、別に物欲じゃないんですよ。

萩原: うん。

山下: それが一生で1回、かけるかかけないかわからないけど、ねぇ。かけたいと思ったときにないと嫌だという心理でしょ。

萩原: まぁ、確かにそうですね。

山下: だから、これ、だって、あのー、あれですもんね。ライノで出たCDシングルの何十枚が全部あるですもんね、お宅。

萩原: フフフ、ついね。

山下: すごいですよねー。

萩原: つい、

山下: いや、萩原健太さん見てると、足元にも及びませんよ、レコード買うのなんて。

萩原: とんでもないですよ、そんな!

山下: 私の10倍ぐらい買ってますからね、見てると。

萩原: あー。

山下: だって僕、こんなラーズベリースとかさ、今日いろいろ、ほとんどあのー、萩原さんが持ってきたCDでばっかり、今日はかけてますけど。こういうなんだ?ラーズベリーズとかさ、バッド・フィンガーとかさ、スウィートとか、こういうの僕は買わないもん。

萩原: あー、うん、そうですね。

山下: こういうのも買って、ヒップ・ホップもんも買ってさ、アイドル歌謡も買ってさ、クレイジー関係も買ってさ、何でも買ってるじゃん。ブラックもんも買ってさ。

萩原: ねぇ。欲張りなんですよ、フフフ。

山下: それでやっぱりね、「増える一方」って当たり前だろっていうね。

大滝: フフフフ。

萩原: そうね、これはまずいなと思いましてね。

山下: 放出するんですか?

萩原: そうなんです。

山下: でもね、放出しようたって、結局ね、何枚も出ないんでしょ?

萩原: いや、今回は思い切りますよ。

山下: そんなことないの?清水(きよみず)?

萩原: 今回の萩原はね、CDね、ダンボール20箱分はね、放出しますよ。

大滝: ほー。

山下: ほんとに?

萩原: フフフ。

山下: ほんとに!

萩原: 今年の萩原は違いますよ。

山下: 僕、この間、10年ぐらい前に引越しするときにさ、「もうこの際だ。捨てよう!」ってさ、出たの20枚、たったの。

大滝・萩原:ハハハ。

萩原: でも、その気持ちは分かりますよ、僕も、つらいね。

山下: みんな来てさ、「ふざけんじゃない」っつって、帰って行った。

萩原: ハハハ。

山下: 「放出するから」っていって、みんな来たの、友達が。

萩原: 手伝いに来てくれて。

山下: そう、来てくれて。ダンボール半分ぐらいにさ、入ってるの。

萩原: ハハハ、「これしかない」って?

山下: 「お前なー」とか言われてね、「お前、そうやってだまして、引越しの手伝いさせたんだろう」とか言われちゃったもん。

萩原: 大滝さん、まとめて放出したこととかないんですか?

大滝: うーん、なんか、

萩原: なんとなく、五月雨式に、こう、

大滝: そうですね、そうです、そうです。

萩原: さすがに「五月雨」。

大滝: さすがに「五月雨」の作者だけあって、えー。なんだよ?しばし沈黙。

萩原: ハハハ。

山下: えー、という訳で、また萩原さんが持ってきてくれた、ボビー・ダーリンのCDでありまして、ボビー・ダーリンがCDになっちゃう。

萩原: うん。

山下: えー、私の好きな、なんともすみませんね、私の好きなやつばっかり。

萩原: いえいえ。

山下: どうせ、何選ぼうたって、

大滝: えっ、何選ぶの?

山下: 「クイーン・オブ・ザ・ホップ」

 曲:

BOBBY DARIN/QUEEN OF THE HOP

山下: 「今度の伊藤せいこうのやつはいいから」って、そればっかり今日、一日中言っております、萩原さんでございまして、

萩原: いいですよ、これは。

山下: えー、今年もそういうレコード・プロデュース作業は、精力的にやるおつもりなんですか?

萩原: いや、まだ何の予定もね、立ってないんですけど。

山下: 年間4Wだったら、たいしたもんですよ、でも。

大滝: すごいんじゃないかなー。

山下: ほんとに。

萩原: そうですかねー。

山下: うん。

大滝: ナイアガラの70年代の後半、アルバム年間4Wでしたけどね。

山下: うん、だいたいそう。

萩原: あー、あー、あー、そうでしたね。

大滝: えぇ。

萩原: 大変だったんですね、大滝さん、ほんとにね、ハハハ。

大滝: あの頃はね、予算もなくって。なに言ってんだ?

萩原: ハハハ。

山下: それがちょっとまたね、基準が違いますわね。

大滝: 失礼しました。

山下: 全部自分でやんなきゃ、なんないんだから。

大滝: えー。

萩原: そうですよね。

山下: 大変でしたよね、ほんとに。ところで大滝さんはね、僕はね、先週、先々週、相当詰めたんですがね、

萩原: あー、相変わらず、

山下: あなたからも言ってあげてくださいよ。

萩原: 動かないですか?

山下: 動かないんですよ、これが。

萩原: 動かぬこと、

大滝: そう、山のごとし。

山下: 山のごとし?

大滝: うん。大山鳴動、ねずみ一匹って、何にも関係ないな、これ。

萩原: ハハハ。あー、ほんとにやんないんですか?

山下: 滝なんだから、もうちょっとこうね、流れないとね。

萩原: うーん。

大滝: 「滝の音は 絶えて久しく」

萩原: ハハハ。

山下: なんなの、それ?

大滝: 「なりぬれど」じゃないな、なんだっけな?絶えたね。

萩原: あのー、ほら、

大滝: 華厳の滝もなんか、ほら、あのー、水がさ、

山下: なんか言われたくないもんだから、後から後から言うんだよ、こうやって。

大滝: フフフ、水がなんか枯れるっていう噂もあるじゃない。

萩原: 去年、あのー、「大瀧詠一作品集」という、あの、

大滝: あー、そういえばね。

萩原: あれをね、出して。

大滝: やりましたよ、私。

萩原: 過去の、

大滝: そー、そー、そー、作品集。

萩原: まあ過去というか、いろんな提供した作品のね。

大滝: 提供した人のを、全部集めた、あのー、コンピレーション、出たんですよ。

山下: どっから出たんですか?

萩原: ソニーから、CD選書のひとつとして、

大滝: そー、そー、そー。

山下: 私知りませんよ、そんなの。

萩原: ありましてですね。

山下: あー、そうですか。

大滝: 出ましたよ。

山下: 持ってきましょうよ、あとで。

大滝: うーん。

萩原: 来週あたりに。

山下: 来週あたり。

大滝: あれは名作ですよね。

萩原: あれはすごかったですけど、そのライナーにですね、大滝さんが自ら、

山下: 自分で書いたんですか、ライナー?

大滝: 書いた。一番最後、なんでしたっけ?

萩原: えーっとですね、

大滝: うん。

山下: 「裏方の」

大滝: 裏方の!

萩原: 「光のどけき春の日に ひねもす のたりのたりかな」

大滝: いいね、これ!

山下: わかったような、わかんねーような。

萩原: 「裏方宣言」っていうことで我々はとってるんですよ、そのまま。

大滝: そう、裏方宣言したんですよ。

山下: 裏方宣言して、じゃあ、

萩原: 裏方としては、何を今年は?

山下: やっていただけるんでしょうね。

大滝: 今年はだから、裏方で、だから、80年代も結構裏方って、前これ、毎年同じこと言ってんじゃん。

萩原: ハハハ。

大滝: 結論いっしょ。で、ますます、誰にもわからないような裏方をね、やったんです。

山下: なんなの、それ?

大滝: で、これは、えーっと、多分、えーっと、死後、もし本が出たら、明らかになるんですよ。

萩原: ふーん。

山下: よくわかんねーな。

大滝: ほんとに。

萩原: 「裏方は見えたら表方」という名言を、大滝さん残してますけどね。

大滝: ナイアガラ名言集。

山下: わかったような、わかんないような、ハハハ。

萩原: ハハハ。

大滝: まぁ、いいじゃないですか。

山下: えー、お言葉に甘えて、シュガー・ベイブをかけさせていただきます。

萩原: やった。

山下: えー、「雨は手のひらにいっぱい」

 曲:

シュガー・ベイブ/雨は手のひらにいっぱい

山下: この時、私が21ですから、

萩原: うーん、スチャダラパーぐらいだったんですね、ハハハ。

山下: いや、でも、私が自分で、

大滝: 大人だねー。

山下: どうして、こうやって、私の友達っていうのは、こうやって、人が話している時に、話しの腰を折る人ばっかりなんでしょうね。

大滝: スチャダラパーより大人だよね。

萩原: ねっ。

大滝: 声が若いって?

山下: うーん。だけど、大滝さん、さっきのさ「空いろのくれよん」、ほとんど変わって聞こえないでしょう?

大滝: そうだけどさー。でも、山下君のサウンドが全然おんなじじゃん。

萩原: あー、あー、あー。

大滝: 俺のサウンドは全然、なんか、

萩原: ハハハ。

大滝: あさってのサウンドしてるみたいで。

山下: クックック。声をとるか、サウンドをとるか?

大滝: うーん。

萩原: まぁ、それぞれにね。でも、そこに、実は、ほら、一般的には逆のように思われているかもしれないところが、実はずっと続いてるって感じしません?

大滝: うーん。

萩原: だから、達郎さんは、その、ボーカルっていう、なんかそっちの方が言われること多いし、大滝さんはサウンドって言われることが多い割に、実は大滝さんのボーカルの方が変わらずに、達郎さんのサウンドの方が変わらず。

大滝: やったねー。

萩原: なかなか、これは。

大滝: やっぱ審査委員になって、言うことが違うわ!

山下: ハハハハ。

萩原: なんだ、それは?

大滝: それ人生相談か?

萩原: 違う!

山下: クックック。きつー、きつきつきつー。チクチクチク。なかなか鋭い突っ込みがあったところで、

大滝: まとめてどうするんだ、こんな話を。

山下: えー、

萩原: そろそろお別れの時間かな?フフフ。

山下: そろそろ来週かな?まだわかりませんが、とりあえず、あのー、コレクターズ・アイテムで、あんまり面白くないんですけど。カーメン・マックレが、なんとビーチ・ボーイズのカバーをやってるってのがあるんですよ。

萩原: ほーほー。

山下: で、昔、それ出てたんですけど、アトランティックで「フォア・ワンス・イン・マイ・ライフ」ってアルバムがありまして、それがなぜかCD化されました、我がMMG株式会社で。

萩原: ポップ・ヒットを歌ってる訳ですね、それはね?

山下: そうです。えー、で、まあ、これの次のアルバムはアリフ・マージのプロデュースで、「ジャスト・ア・リトル・ラビン」とか、そういうのやってるんですけど、

萩原: えぇ。

山下: カーメン・マックレ・イン・メンフィスみたいな、変なアルバムなんですが、その1枚前が、関係ないか、

萩原: テンプターズ・イン・ナッシュビルみたいなもんですね。

大滝: フフフフ、出たな。

山下: そうですね。えー、そうですね。

萩原: はい、すいません、話の腰を折ってばかりで、申し訳ない。

大滝: 腰を折っちゃって。折られるのがね、ほんとに弱いんだよ。自分じゃ折る割にね、折られるのが弱いんだ。

萩原: フフフ。

山下: で、カーメン・マックレなんだよ!

萩原: ハハハ。

山下: カーメン・マックレのね、

萩原: えぇ。

山下: あるんですよ、アルバムが、「フォー・ワンス・イン・マイ・ライフ」というアルバムに、なんと2曲もカバーしている。

萩原: ポップ・ヒットを歌ってるアルバムですよね、ハハハハ。

山下: そうです、そうです。

大滝: フフフ、やっぱ、突っ込まなきゃいけないんだ、この時。

山下: なんと、なんとペット・サウンズのね、中から2曲をカバーしてる。全くもう。

大滝: ようやく調子が出てきたなー。

山下: えー、という訳で、あんまりできはね、そんなにあれなんですけど。まぁ、コレクターズ・アイテムということで、かけます。

萩原: ハハハ。

山下: えー、「アイ・ジャスト・ワズント・メイド・フォー・ディーズ・タイムス」バイ・カーメン・マックレ。

 曲:

カーメン・マックレ/I JUST WASN'T MADE FOR THESE TIMES

山下: えー、カーメン・マックレ「アイ・ジャスト・ワズント・メイド・フォー・ディーズ・タイムス」を聴きまして、この続きはまた次回ということです。えー、という訳で、東芝プレミア3の1月スペシャル、山下達郎と大滝詠一さん、そして萩原健太さん、3人によります新春放談第3回。ちょっと調子が、「やっとエンジンがかかってきたな」っていう頃で終わりでございまして、この続きはまた来週ということで。来週はいよいよ4回目、最後でございまして、「よくこんなもの一月もやってる」と、東芝さんありがとう。

萩原: ハハハ。

大滝: ヘヘヘ。

山下: えー、大滝さん、萩原さん、来週もひとつまたよろしくお願いします。

大滝: よろしく。

萩原: お願いしまーす。

山下: えー、という訳で、来週は新春放談、最後でございます。また、バカ話で楽しくやってみたいと思います。また来週のこの時間をお楽しみに。それではみなさん、さよなら。

 大滝さん、達郎さん、健太さんのレコード・ライブラリーってどのぐらいなんでしょうか?興味ありますね。一生かかっても聴けない量って、私のような一般人からすると想像もつきません。達郎さんは「マンションを、もうひと部屋買って、レコード室にしている」とサンデー・ソング・ブックで言っていたような気がするし、大滝さんも同様のことを言ってたような気がします(これ正しいですか?)。健太さんはこの年、本当に清水の舞台から飛び降りたのでしょうか?どんなレコードが放出されたんでしょうか?私はミュージック・マガジン8月号の「さすらいのレコスケ」を読んで、ミョーに共感してしまいました。
 話は変わりますが、半年ぶりに新コーナーの企画を思い付きました。現在資料の整理をやっているところですので、近いうちに(ナイアガラ時間)公開したいと思います。ご期待ください。

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