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1995.1.1 サンデー・ソング・ブック
| 山下: | みなさん、新年あけましておめでとうございます。山下達郎です。毎週、日曜日午後2時からの55分、私、山下達郎がお送りいたしております「ジャックス・カード・サンデー・ソング・ブック」。今年も、1995年、1年間何とぞよろしくお願いいたします。えー、今年もみなさんにとって、いい年でありますことをお祈りいたしております。えー、私の、この「サンデー・ソング・ブック」、私がレギュラーの番組でございましてですね、私のこのレギュラー・プログラムの場合は、新年初頭というのは、いつも「新春放談」。大滝詠一さんと、それから萩原健太さんをお迎えしましてですね、毎年やっております。今年で11回目になりますけれども、ずいぶん長いこと、半分遊びみたいなプログラムなんですけども、いつものレギュラー・プログラムとは違いましてですね、お二方をお招きいたしまして、3人でいろいろとやってみたいと思います。今日は1月の1日、元旦でございまして、みなさん、のんびりなさってると思いますけれども、確か去年も1月1日だったような気がいたしますが、「2年続けて1月1日」と、これはなかなか縁起がいいという感じでございましてですね、おなじみの、「おなじみの」と言いましても、お好きな方にはおなじみの、大滝詠一さん、萩原健太さん、山下達郎の新春放談、今年も盛大にいってみたいと思います。最後までどうぞ、ごゆっくり。
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| 山下: | という訳で、あらためまして、みなさん、新年あけましておめでとうございます。えー、早速始めてみたいと思いますが、私の「サンデー・ソング・ブック」、新年は、私のこういったレギュラーは、新年の初頭は、ここ10年間、ずーっとこの企画で通しておりまして、ついに今年で11回目でございましてですね、「よくも続いた」という。この方とともに、ずーっと、この新春放談というのをやっておりましてですね、一部の方に熱狂的な支持を受けておりますので、止めるに止められずに今まで来てしまったという。それに途中から、参加されているこの方も交えまして、1995年1月1日の新春放談は、のっけから3人でやってみたいと思う訳でございまして。前置きが長くなりましたけれども、本日のゲスト、まずは大滝詠一さんであります。
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| 大滝: | どうも。 |
| (拍手) |
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| 山下: | どうも、新年あけましておめでとうございます。 |
| 大滝: | おめでとうございます。 |
| 山下: | 今年もよろしくお願いします。 |
| 大滝: | いやいや、お願いいたします。 |
| 山下: | 大滝さん、あれでしたね、去年は割と会いましたね、珍しく。 |
| 大滝: | いろいろとね。 |
| 山下: | ねぇ。 |
| 大滝: | 公私ともども。 |
| 山下: | 一緒に相撲見に行ったりしましたからね。 |
| 大滝: | しましたからね、これが。 |
| 山下: | えー、続きましては、萩原健太さんで、どうも。 |
| 萩原: | おめでとうございまーす。 |
| 山下: | おめでとうございます。えー、萩原さんは、はっきり言って、ほとんど電話とメールの、
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| 萩原: | やりとりで、ねぇ。 |
| 山下: | やりとりで、お世話になっとりますが。 |
| 萩原: | いやいや、こちらこそお世話になって。大滝さんともですね、よく僕の番組にはね、電話で常に出演していただいて。
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| 山下: | 今年は、割と、だから、コミュニケーションが取れてるんですよね。
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| 萩原: | 今年は、まぁ、野球の話ししかしてないんですけど、 |
| 山下: | なるほど。できないでしょう、それ以外は、ほんとに。 |
| 萩原: | そうね、はい。 |
| 山下: | 黙ってますけどね。 |
| 萩原: | はい。 |
| 山下: | あれですか、だいたい、えーっとね、ハガキたくさん、今年はほんとにいただいているんですけど、
|
| 大滝: | はい。 |
| 山下: | 八千代市っていうのはどこですかね? |
| 萩原: | 八千代市、千葉。 |
| 山下: | 千葉県。21歳、学生の鈴木トモヒコさん、「これで達郎さんに3枚目のハガキです。最近、大滝詠一さんのCDを聴いているのですが、この人はどういう人で、昔はどんな活動をいていたのか、・・・」
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| 萩原: | ハハハハ。 |
| 山下: | 「・・・知りたいのです。放送から、達郎さんは友達みたいな口ぶりだったので、ぜひ教えてください。」。ねっ。
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| 大滝: | うーん。 |
| 山下: | えー、これは、よくいただきますが、東京都の、 |
| 大滝: | そういう口ぶりなの、いつも? |
| 山下: | 横山マサヨさん、「年末の大滝さんの出演、とても楽しみです。ところで私は18歳なのですが、私の世代で大滝さんの事を知っている人は誰もいません。」
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| 萩原: | 誰もいません! |
| 大滝: | フフフフ。 |
| 山下: | 「だから、私は努力して、手探り状態で知識を集め、今では『ナイアガラ・マニア』と言える程度にはなれたつもりです。」
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| 萩原: | ハハハ(笑い転げてます)。 |
| 山下: | 「そこで思うのですが、どこかで、丸ごと、『大滝詠一』特集を組んでくれないでしょうか?たいていその手の特集はビギナー向けではないので、・・・」
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| 萩原: | ハハハ。 |
| 山下: | 「・・・わかりやすく、大滝さんの素晴らしさを解く番組があればいいなと思います。私は同じ世代以下の人達にも、こういう音楽を楽しんだよと教えてあげたいし、知ってもらいたいんです。」。将来が楽しみですよ、この方。
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| 大滝: | いやー、 |
| 萩原: | フフフ。 |
| 山下: | ねっ。 |
| 大滝: | 危ない。 |
| 山下: | 10年も新譜が出てないのに、大滝詠一という人は未だにですね、行くとこに行けば、すごい人気があるというのは、これがですね、今世紀の日本のですね、七不思議の、七不思議半のひとつではないかと。
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| 大滝: | まぁ、正確に言うんであれば、「人気のある場所へ行けば」っていう方が、
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| 萩原: | ハハハハ。 |
| 大滝: | 正しいと思うんだけどね。今の言葉からいうと。 |
| 山下: | すごいですよね。そういうわけなんで、来週は、そういうとこなので、
|
| 萩原: | はい。 |
| 山下: | 健ちゃんと二人でですね、 |
| 萩原: | はいはい。 |
| 山下: | 少しわかりやすく説明しましょうよ。 |
| 萩原: | 大滝さんを。 |
| 山下: | えぇ。 |
| 萩原: | はー、はいはい。 |
| 山下: | 時間の許す限りね。 |
| 萩原: | わかりました。 |
| 山下: | ねっ。 |
| 萩原: | はい。 |
| 山下: | で、カルトなファンにも喜んでいただけるような、そういうことでいってみようと。
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| 萩原: | そうですね。日経新聞の記事とか読みながらね。 |
| 山下: | えぇ。 |
| 萩原: | はい。 |
| 山下: | で、まぁ、1月1日でおめでたいのでですね、全国のオールディーズ・ファンの方に、少しは足しになるかと。去年出た、オールディーズもののCDの中から、いろいろと持ってきていただきましてね、
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| 萩原: | はい。 |
| 山下: | ちょっと話しが長くなってすいませんけれども、いってみたいと思いますが、どなたからいきますか?
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| 萩原: | じゃあ、大滝さんからいきましょうよ。 |
| 大滝: | 先生でしょう。 |
| 山下: | やっぱり、ゲストですから、大滝さんからいきましょう。 |
| 大滝: | 私? |
| 山下: | えぇ。 |
| 大滝: | えーっと、何がいいかなー。トーネードーズにしようかね。 |
| 萩原: | おー、いいですねー。 |
| 山下: | はい。トーネードーズってのは、イギリスのですね、インストゥルメンタル・グループでありまして、
|
| 大滝: | そうそうそう。 |
| 山下: | 「テルスター」というヒット曲がありますが、 |
| 大滝: | 「テルスター」をやろう。 |
| 山下: | 「テルスター」でいきますか? |
| 大滝: | うーん。 |
| 山下: | トーネードーズの、これはCDがまた、リマスターが新しくなったんでしょうかね?
|
| 大滝: | 変なのが出たね。 |
| 萩原: | これがそうですよね。 |
| 大滝: | これがそうなんだけど、 |
| 山下: | ははーん。 |
| 大滝: | これがそうだつっても。 |
| 萩原: | わかんないですよね。見えないですけどね。 |
| 山下: | これはイギリス盤ですか? |
| 大滝: | これね、初めて出たんだよ。ようやく出たの。でも、全曲じゃないんだけどね、ようやく、ちょっと、トーネードーズの片鱗が、
|
| 山下: | あー、そうかしらねー。 |
| 大滝: | うん、片鱗が、ようやく。 |
| 山下: | トーネードーズのCDって、初CD? |
| 大滝: | 初CDだよ、これ。 |
| 山下: | そうか、アナログでは出てたのか。 |
| 大滝: | 要するに、オムニバスでは、いっぱい出てんだけど、 |
| 萩原: | そうですね。 |
| 大滝: | CDはね、 |
| 萩原: | あのー、ジョー・ミークっていうね、 |
| 大滝: | うん。 |
| 萩原: | プロデューサーが、あのー、やってるもののオムニバスCDって、結構出てるんですよね。
|
| 大滝: | うーん、いっぱいあったんだけどね、実は、トーネードーズはなかったんですよ、今まで。まあ、これは実に、何年待ち望んでいたかなー。
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| 萩原: | イギリスのフィル・スペクターとかまで言われた、あのジョー・ミークさんですが、
|
| 大滝: | そうそうそう。 |
| 萩原: | どうなんですか、そういう意味では? |
| 大滝: | ジョー・ミークってね、なんかね、親戚みたいだね。 |
| 萩原: | 大滝さんと。 |
| 大滝: | うーん。この人、研究すればするほどね、よく似て、僕が似てるんだろうね、向こうが咲きに生まれてるからね。
|
| 萩原: | はーん。 |
| 大滝: | でも、やっぱり、いるんだよね、そういう人って、地球上探すと。そういうタイプの人って。
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| 山下: | まあ、フィル・スペクター、ジョー・ミーク、大滝詠一、ブライアン・ウィルソンっていうね、変人四天王と言われる、
|
| 萩原: | うん、そうですねー。 |
| 山下: | という訳で、1962年のナンバー1ヒット、「テルスター」というのがですね、いわゆる世界初の通信衛星でありまして、そのことを歌った、あっ、歌った、
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| 萩原: | 演奏した。 |
| 山下: | そのことをテーマにしたインストゥルメンタル曲。えー、メロディーをお聴きになれば、その歳ぐらいの方だったら、どなたでも御存知な、超有名な曲でございまして、
|
| 大滝: | 日本でも大ヒットしましたですね。 |
| 萩原: | はい。 |
| 山下: | トーネードーズ「テルスター」 |
曲: |
TORNADOES/TELSTAR |
| 山下: | えー、1960年代の初頭のイギリスを代表するというか、奇人として代表するプロデューサー、ソング・ライター、ジョー・ミーク。
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| 萩原: | これって、あのー、イギリスのヒット曲で、アメリカで1位になったのって、初めてかなんか、
|
| 大滝: | 2番目だって。 |
| 萩原: | 2番目? |
| 大滝: | うん。 |
| 萩原: | 2番目。 |
| 大滝: | アッカー・ビルクっていう、 |
| 萩原: | あー、そうか、そうか。 |
| 大滝: | 「ストレンジャーズ・オン・ザ・ショア」も、あれもイギリス人だって。
|
| 山下: | 「白い渚のブルース」ですね? |
| 大滝: | そうそう、そうそう。邦題よく知ってるね。 |
| 萩原: | なんか、これ、すごい珍しかったんでしょう、当時としては? |
| 大滝: | うん、それはそう。だから、「ビートルズが初めてだ」みたいな言われかたしたんだけど、結構、何組か、イギリスから、1位になったグループはいた。
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| 山下: | その、変人奇人度では、大滝詠一なみですけど、大滝さんとただ一つ違うのは、ワーカ・ホリックでありましてですね、すごい時には、1日に15曲ぐらいレコーディングしたという。
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| 大滝: | あのね、私もちゃんと、あれですよ。 |
| 山下: | ヘヘヘヘ。 |
| 大滝: | 3年間で11枚アルバム作ったんですからね。 |
| 萩原: | ハハハハ。 |
| 山下: | あの頃のあれだな。 |
| 萩原: | そうですね。 |
| 山下: | 初期ナイアガラは、イコール、ジョー・ミーク的ですね。多分にですね。
|
| 大滝: | ジョー・ミーク的な、よく似てるもんな。 |
| 山下: | という訳で、62年の大ヒット・ナンバー「テルスター」でありました。えー、これが初CD化というのは意外だな。
|
| 大滝: | トーネードーズはね、なかなかならなかったんですよね、これが。
|
| 山下: | なかなかいい音ですね。 |
| 萩原: | うん。 |
| 山下: | それでは、萩原先生、いかが、どうぞ。 |
| 萩原: | 先に私ですか? |
| 山下: | えぇ。 |
| 萩原: | どれいこうか?コルピックスにしよう。 |
| 大滝・山下:あー。 |
|
| 大滝: | それもそうだね。 |
| 萩原: | これ、あのー、コルピックス・ディメンション・レコード、 |
| 大滝: | ついに出ましたね。 |
| 萩原: | 出ましたね。 |
| 山下: | 2枚組みですね。 |
| 萩原: | 2枚組で出て、これ、よかったっすよ。 |
| 大滝: | いいでしょうね。 |
| 萩原: | ライノがやったんですけど、 |
| 大滝: | うーん。 |
| 萩原: | なんか、あのー、日本で、なんか契約が浮いてるとかなんとかで、
|
| 山下: | あーん。 |
| 萩原: | ほとんど今、日本盤の再発ないんですよね。 |
| 大滝: | あー、ないでしょうね。 |
| 山下: | そうですね。 |
| 萩原: | このレーベルはね。60年代初頭の。 |
| 山下: | うちでやれるかもしれないです。 |
| 萩原: | ほんと! |
| 山下: | うん。コルピックス。 |
| 萩原: | あっ、そう? |
| 山下: | うん。 |
| 萩原: | 出してくださいよ。これ、こういう、あのー、60年代あたまの、わりと、なんだ、キャロル・キング、ジェリー・ゴフィン、
|
| 山下: | つまり、アイドル時代のあれですね。 |
| 大滝: | うん。 |
| 山下: | ビートルズとかのね。 |
| 萩原: | とかね、ディメンションの方ですね、それはね。ディメンション・レコードでA&Rとか勤めてたんで、まあ、いわゆる、「ロコモーション」とか、ああいうのね。あの手のヒットがいっぱいあったレーベルのコンピレーションで、これ、夢のようなコンピレーションなんで、こん中から。
|
| 山下: | ふーん。 |
| 大滝: | 一番の趣味はなんなの、この中で、萩原さんの? |
| 萩原: | 僕が一番好きなの? |
| 大滝: | はい。 |
| 萩原: | 僕が一番好きなのは、リトル・エバのですね、 |
| 大滝: | ふん。 |
| 萩原: | 「キープ・ユア・ハンズ・オフ・マイ・ベイビー」でですね、 |
| 山下: | よろしいんじゃないですか。 |
| 萩原: | こいつ、いきましょうか? |
| 大滝: | ジョン・レノンが歌ってるやつね。 |
| 萩原: | はい。 |
曲: |
LITTLE EVA/KEEP YOUR HANDS OFF MY BABY |
| 山下: | えー、期せずして62年のヒット曲が続きますが、まあ、63年のちょうど今ごろ、一番売れてた、「ロコモーション」につぐセカンド・ヒットですね。
|
| 大滝: | えぇ。 |
| 山下: | リトル・エバの「キープ・ユア・ハンズ・オフ・マイ・ベイビー」という。
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| 萩原: | かっちょいいですよね。 |
| 山下: | 萩原さんらしい渋いところで。 |
| 萩原: | 渋い!渋いですか? |
| 山下: | 二人とも60年初頭で、きてるところが、やっぱり世代ですね。 |
| 萩原: | さぁ、達郎さんは何が? |
| 大滝: | 何やる? |
| 山下: | 私はですね、去年はですね、一番収穫はこれなんですよ。これいろんな雑誌に書いてるんですけど。
|
| 萩原: | シングルですね。 |
| 山下: | アニマルズで、「アウトキャスト」っていう曲があるんです。 |
| 大滝: | あるね、知ってる。 |
| 萩原: | はいはいはい。 |
| 山下: | これの元なんです。 |
| 大滝: | うそ! |
| 萩原: | 元曲? |
| 山下: | オリジナルなの。 |
| 大滝: | フッフッフ。 |
| 萩原: | エディー&アーニー。 |
| 山下: | アーニーというね、あのー、65年頃にソウル・チャートで1曲だけヒットがあるデュオでね。
|
| 大滝: | へぇー。 |
| 山下: | 実に、自作曲なんですよ。これを、多分、要するに、アニマルズのメンバーが聴いて、
|
| 大滝: | うーん。 |
| 山下: | カバーをしたというですね、 |
| 大滝: | で、ファズは入ってんの、ああいうふうに? |
| 山下: | 全然入ってない。もう、ノーザン・ソウル然としたですね。 |
| 大滝: | あっ、そう。 |
| 山下: | オリジナル聴いてから、これを。えー、アニマルズの、これはですね、1966年の作品で、「インサイド・ルッキング・アウト」という、「孤独の叫び」、それのB面に入ってる曲でありましてですね、
|
| 大滝: | ふん。 |
| 山下: | これを、元を聴かないと面白くないので、 |
| 萩原: | あー、アニマルズの。 |
| 山下: | 元をちょっと、一節。 |
| 萩原: | 元というか、こっちは元じゃないんですよね、ほんとはね。 |
| 山下: | えぇ。あっ、そうですね。僕が聴いた元。 |
| 大滝: | そうか、そうか。 |
| 山下: | これが、もう、だから、高校の時から好きでね、友達がコンパクトを買ってきて、それに入ってたんですよ。
|
| 大滝: | うーん。 |
| 山下: | 「インサイド・ルッキング・アウト」と「ドント・ブリング・ミー・ダウン」と。
|
| 大滝: | あー、そう。「炎の恋」のことね。 |
| 山下: | 「炎の恋」、うん。 |
| 萩原: | ハハハ。 |
| 山下: | まぁ、その、アニマルズの、要するに僕が聴いたというか、我々が聴いたバージョンで、それから、それのオリジナル・バージョン、エディー&アーニーの「アウトキャスト」、続けて聴いていただきます。
|
曲: |
ANIMALS/OUTCAST(途中まで) |
曲: |
エディー&アーニー/OUTCAST |
| 山下: | えー、レコード番号、その他からですね、65年の中期の作品と思われますが、この頃は、もう、ほんとに、あのー、モータウンの最全盛期なんで、
|
| 萩原: | うん。 |
| 山下: | 中部の、いわゆる、ミドル、ミッドUSAのR&Bというのは、みんなこんな感じですな。
|
| 萩原: | うーん。 |
| 山下: | で、いわゆる、こういうシングルがイギリスに当時、どっと流入していたというか、船員とかね、そういう貿易してる、が盛んでしたからね。だから、それでまあ、それが今の、要するにここ数年来のノーザン・ソウル・ブームっていうんですか、イギリスの?
|
| 萩原: | うん。 |
| 山下: | それの下敷きになってると思いますけど。 |
| 萩原: | なるほどね、かっこいいですね。 |
| 山下: | このアレンジがあれになるっていうのが、僕はすばらしいと思うんですけどね。
|
| 萩原: | かっこいいですねー。ホーン・セクション好きとしては、こういうのは。
|
| 山下: | なるほど。 |
| 大滝: | ホーン・セクション入れるにもさ、イギリスはサウンズ・インコーポレイトしかいないからね。
|
| 山下: | なるほど。 |
| 萩原: | そうだね。 |
| 大滝: | いっぱい使えなかったんだ。 |
| 山下: | みなさん、自分の、 |
| 萩原: | だから、それをギターでなんとか、 |
| 大滝: | それをギターでカバーしたというね。なかなかのアイディアもんで。
|
| 山下: | めいめいに自分の土俵に引っ張り込もうというですね。 |
| 大滝: | フフフ。 |
| 萩原: | いやいや。 |
| 山下: | なかなか、あれでございますけど、エディー&アーニーという、デュオの「アウトキャスト」という、おそまつ。
|
| 大滝: | なんだい、それ!なにがおそまつだ。 |
| 萩原: | ハハハ。 |
| 山下: | 続いて、 |
| 大滝: | 全然おそまつでもなんでもありゃしない。 |
| 萩原: | 大滝さん、次いきましょうよ、なんか。 |
| 山下: | 大滝さん、どうですか? |
| 大滝: | いや、私はなんにもないんで、トーケンズのベストが出たけど。
|
| 萩原: | あー。 |
| 山下: | それは、なんかいいとおっしゃってましたね。 |
| 大滝: | うん、これよかったよ。 |
| 萩原: | トーケンズ、なんか流行ったんですよね、今年。 |
| 大滝: | 何が流行ったの? |
| 萩原: | ライオンが。 |
| 大滝: | 「ライオン・スリープス・トゥナイト」かなんか、映画のなんかに使われたんでしょう?
|
| 萩原: | そうですよ。で、全米チャートでですね、トップ20ぐらい入ってきちゃったりなんかして、
|
| 大滝: | オリジナルが出たの、また? |
| 萩原: | そうそうそう。 |
| 大滝: | あらっ。ロボじゃない方ね? |
| 萩原: | ロボじゃない、ハハハ、なんなの? |
| 大滝: | 違った?フフフ。 |
| 山下: | 何いきます? |
| 大滝: | なんでもいいんだけどね、 |
| 山下: | それは、じゃあRCA時代の? |
| 大滝: | RCA時代のね、この、まあ、あんまりおもしろくないんだけど、 |
| 萩原: | ハハハ。 |
| 大滝: | 「ABC123」っていうシングル買ったのよ、当時。自分、私が。「ABCand
123」っていうのを。 |
| 山下: | それ何で、ラジオで聴いて? |
| 大滝: | そうそうそう。よくかかってたんだよ。だから、もう、ライオンが好きだったから、トーケンズはずっと聴いてたんだけど、
|
| 山下: | 「ライオン・スリープス・トゥナイト」がヒットした時、大滝さんいくつぐらいだったんですか?
|
| 大滝: | 中、小6から中1ぐらいのところだったように記憶してますけどね。
|
| 山下: | それは、クラスのみんなもそれは聴いてたんですか? |
| 大滝: | これもう、大ヒットだったもん、だって。で、ああいう、裏声ひっくり返ったら、もう、いい時代だったからね。マヒナスターズも流行ってたし、
|
| 萩原: | あー、ハハハ、なるほど。 |
| 大滝: | うん。 |
| 山下: | おんなじでしたもんね。 |
| 大滝: | デル・シャノンもひっくり返ってたし。あのー、ひっくり返りものが流行った時期なんですよ。
|
| 萩原: | ハハハ、ひっくり返りもの! |
| 大滝: | で、子供に受けるんだよね、なんか知らないけど、これって。 |
| 萩原: | あー、なるほどね。 |
| 大滝: | うん。で、ルー・クリスティーの「トゥ・フェイセス・ハブ・アイ」ってのがあってさ、
|
| 萩原: | はいはい。 |
| 大滝: | だから、あれは、まあ、そのー、「二つの人格」っていう意味なんだけど、日本語でいうと、表声、裏声っていうと、男、女なんだよね。
|
| 萩原: | うーん。 |
| 山下: | なるほどね。 |
| 大滝: | その、男女のひっくり返りなんだよ。 |
| 萩原: | あー、なるほど。 |
| 大滝: | 性格っていうよりも、表声、裏声みたいな感じでいうと。だから、そのね、面白味っていうのがあったのが、そのー、こういう、ひっくり返しをする人達のあれだったみたいで、
|
| 山下: | 「裏声で歌う人は、みんな二重人格だ」って言いますからね。 |
| 萩原: | あー、達郎さん。 |
| 大滝: | あー、そう。 |
| 山下: | いわれた事があります。 |
| 萩原: | あー、そう? |
| 大滝: | ほんとに? |
| 山下: | えぇ。 |
| 大滝: | 君の場合だけ例外じゃないの? |
| 山下: | いやいや。 |
| 大滝: | 知らなかった。 |
| 山下: | 大丈夫です。ハハハ、なにが大丈夫だ。 |
| 大滝: | あっ、そう? |
| 萩原: | じゃあ、その、「A-B-C」を。 |
| 大滝: | 「A-B-C and 1-2-3」、これがね、あのー、基本的に「愛飢を」の歌の、
|
| 萩原: | あっ!ハハハ、なるほどね。 |
| 大滝: | 彷彿とさしてるんじゃないかっていう気が、最近ね。いいよ、こじつけでもいいよ。何でもいいんだから、何とでも言ってくれ。
|
| 山下: | 60年代、これもやっぱり初期ですね。みなさん、最近、凝り固まってますね、プリ・ビートルズに。いってみましょう。
|
| 大滝: | 私は昔からずっと、 |
| 萩原: | ハハハ。 |
| 大滝: | ハハハ、凝り固まってる。 |
| 山下: | そうかなー、って言ったりなんかしてね、 |
| 大滝: | ビートルズあとは、全然聴いてないもの。 |
| 山下: | バッファロー・スプリングフィールドだって言った人はどこの人だろ?
|
| 大滝: | バッファロー・スプリングフィールド?あったっけ、そんなバンド?
|
| 山下: | フフフ。 |
| 萩原: | さっ、トーケンズだ。 |
| 大滝: | 「A-B-C and 1-2-3」 |
曲: |
TOKENS/A-B-C,1-2-3 |
| 山下: | えー、トーケンズの「A-B-C,1-2-3」。 |
| 萩原: | かっちょいいですね。 |
| 山下: | 単刀直入なタイトルですね。 |
| 大滝: | なかなかね。ジャングルものっていうかね。 |
| 山下: | なるほど。 |
| 大滝: | うーん、なんかあったよね、「ストランデルズ」じゃなくて、なんだったけな?
|
| 萩原: | 「ストランデッド・イン・ジャングル」? |
| 大滝: | そうそうそう。 |
| 萩原: | キャデッツじゃない、なんだっけ? |
| 山下: | キャデッツ。 |
| 萩原: | キャデッツ。 |
| 山下: | ジャックス。 |
| 萩原: | ジャックス?どっちかだ。 |
| 大滝: | こういうジャングルものが流行ったんで、その匂いもありの、布谷文夫的なものがあり、
|
| 萩原: | ハハハ。 |
| 大滝: | 「愛飢を」の歌的な感じがあるなって思ったんですけどね。 |
| 山下: | そんな訳で、1月1日の「山下達郎サンデー・ソング・ブック」、いつものように恒例の新春放談。大滝詠一さんと萩原健太さんをお迎えして、お送りしております。それでは、お知らせです。
|
| 山下: | 東京FMをキー・ステーションに、全国33局ネットで、山下達郎がお送りいたしております、「サンデー・ソング・ブック」。今日は新春放談。えー、11回目になりますが、大滝詠一さん、萩原健太さんをお迎えして、今週はですね、そういう訳で、おとなしめに、去年買ったオールディーズCDのところを、適当にみつくろって。えー、萩原先生、
|
| 萩原: | どうしましょうか? |
| 山下: | 何いきますか? |
| 萩原: | 続いてはねー、何いこうかなー。 |
| 萩原: | 新譜いきましょうか、新譜? |
| 山下: | 新譜! |
| 大滝: | おっ! |
| 萩原: | 「リトル・ビッグ・リーグ」って映画のサントラなんですけど。
|
| 大滝: | あれは映画だったね。「ビッグ・リトル・リーグ」じゃないのね。
|
| 萩原: | 「リトル・ビッグ・リーグ」 |
| 大滝: | うーん。 |
| 萩原: | 若い奴が入って、大活躍するってやつですけどね。 |
| 大滝: | そうそうそうそう。 |
| 萩原: | これがね、変なんですよ。これ、あのー、ブカッティ&エムジーズ・フィーチャリング・ターオンパーで、「フィリー・ドッグ」やってたりとかですね、
|
| 山下: | なんなの、それ! |
| 大滝: | なんだ、なんなんだよ、それ。 |
| 萩原: | そういう、だから、最近の人達が昔の曲をやったりしてるっていうような企画の、
|
| 山下: | へぇー。 |
| 萩原: | サントラになってるんですけど、そん中でですね、あのー、ジェフ・ベックがですね、最近この新春放談でよく登場するジェフ・ベックですけども、
|
| 山下: | うん。 |
| 萩原: | 「ウォーク・ドント・ラン」をですね、ベンチャーズの、 |
| 山下: | ふーん。 |
| 萩原: | 割と、なんてことなくやってるんですけど、 |
| 山下: | これ、新録なの? |
| 萩原: | 新録です。 |
| 山下: | へぇー。 |
| 萩原: | これねー、ちょっとそれがいいかなと。 |
| 山下: | へぇー、聴いてみましょうよ、ぜひ。 |
| 萩原: | ちょっと聴いてみましょうよ。 |
| 山下: | えぇ。 |
| 大滝: | うん。 |
曲: |
JEFF BECK/WALK DON'T RUN |
| 山下: | えー、これ、去年の映画ですか? |
| 萩原: | そうですね。 |
| 山下: | 「リトル・ビッグ・リーグ」の、 |
| 萩原: | はい。 |
| 山下: | サウンド・トラックから、ジェフ・ベックが演奏するとこの、「ウォーク・ドント・ラン」。これ、素敵じゃないですか、これ。
|
| 萩原: | ベンチャーズの、そのまんまなんですけどね、ほとんどね。 |
| 山下: | いいじゃないですか、これ。 |
| 萩原: | えぇ、いいっすよね。 |
| 山下: | ドラム誰がやってるんでしょうね? |
| 萩原: | さぁー。多分ね、 |
| 山下: | 全く、何のクレジットもない。 |
| 萩原: | 多分、あのー、去年、ほら、「ハウンド・ドッグ」やってんのとか、かけたじゃないですか、ジェフ・ベックが。
|
| 山下: | うーん。 |
| 萩原: | あの辺と同じようなライン・アップでやってるんじゃないですかね。
|
| 山下: | 好きだな、これ。素晴らしいですね、買お。 |
| 萩原: | はい、ちょっと。新譜ですから。 |
| 山下: | さすが萩原さんですね。 |
| 萩原: | さぁ、達郎さんだ! |
| 山下: | 何しようかな? |
| 大滝: | シーズいきましょうよ、シーズ。 |
| 山下: | ハプニングスが出たんですよね。 |
| 萩原: | あっ、これがいいじゃないですか、これが。 |
| 大滝: | ハプニングスは、トーケンズかけたから、いらないよ。 |
| 萩原: | あっ、そうか。長い。 |
| 山下: | じゃあ、シーズいってみましょうか。 |
| 大滝: | 君の場合、シーズで、 |
| 山下: | これ、僕の一番好きなアルバムがね、やっとCDになったんですよ。「フェイディッド・ピクチャー」
|
| 大滝: | 昔からシーズ、シーズって、 |
| 萩原: | あっ、そうなんだ? |
| 大滝: | もうね、「シーズの山下」か「山下のシーズ」かって、 |
| 萩原: | ハハハ。 |
| 山下: | おおげさなんだって。 |
| 大滝: | いうくらい、とにかくシーズだったんだよ。 |
| 萩原: | あー、そう? |
| 大滝: | うん。 |
| 山下: | おおげさなんだって。 |
| 大滝: | もう、 |
| 山下: | いや、サイケデリック嫌いな、ほら、人間ですから。 |
| 萩原: | うん。 |
| 大滝: | もう、「プッシン・トゥ・ハード」でしょう。 |
| 山下: | でも、やっぱりこれで、「サウザンド・シャドウズ」 |
| 大滝: | 「プッシン・トゥ・ハード」っていうのがさ、山下君をイメージさせる訳よ。
|
| 萩原: | ハハハ。 |
| 山下: | 「プッシン・トゥ・ハード、プッシン・トゥ・ハード」 |
| 大滝: | そうそうそう。だいたい、その意味合いもそうだし、 |
| 萩原: | 内容も含めてね。 |
| 大滝: | そうそうそう。だからね、あのー、 |
| 山下: | 人を何だと思ってるんだろうね。 |
| 大滝: | エクスプロージョンズの、 |
| 萩原: | うん。 |
| 大滝: | 「エクスプレス・トゥ・ユア・ハート」? |
| 萩原: | あー、はいはい。 |
| 大滝: | ちがうんだ、 |
| 山下: | ミュージック・エクスプロージョン? |
| 大滝: | ミュージック・エクスプロージョンの、 |
| 山下: | 「リトル・ビット・オブ・ソウル」? |
| 大滝: | そうそうそう。 |
| 萩原: | あー。 |
| 大滝: | あれとかさ、この「プッシン・トゥ・ハード」っていう、こう、
|
| 山下: | 「プッシン・トゥ・ハード」 |
| 大滝: | そうそうそう、語感から、 |
| 萩原: | 性格も表してるっていうのですね。 |
| 大滝: | この人の、当時の、74,5年のね、あのー、 |
| 萩原: | はいはいはい、怪気炎をあげてたという。 |
| 大滝: | ナイアガラ初期の頃の、イメージっていうのはね、シーズに現れてるんですよ。
|
| 萩原: | はー。 |
| 山下: | いや、このー、実を言うと、シーズで一番好きな曲がありまして、「サウザンド・シャドウズ」ってね、
|
| 大滝: | ほ、ほー。 |
| 山下: | 「花咲く木陰」っていうんですよ、日本題がね。 |
| 萩原: | ホホホ。 |
| 大滝: | はぁ? |
| 山下: | 去年、オーストラリアで、これ見つけてね。聴いてもらいましょう。
|
| 萩原: | 早速聴いてみましょう。 |
| 山下: | これは中学の時、ほんとに毎日聴いてた。 |
| 萩原: | そうかー。 |
| 山下: | 「サウザンド・シャドウズ」、BY ザ・シーズ。 |
曲: |
THE SEEDS/THOUSAND SHADOWS |
| 山下: | えー、ロサンゼルスの、いわゆる、ガレージ・ロックのバンドでございますが、スカイ・サクソンというリード・シンガー率いる4人組みでございましてですね、「プッシン・トゥ・ハード」という、デビュー・ヒットがありますけども、これは67年のヒット曲で、「サウザンド・シャドウズ」という。二人とも「何も言えない」という顔をしておりますが、
|
| 萩原: | いやいや、好きですよ、これは。 |
| 山下: | だけど、あれですよね。今のシアトル系のさ、ああいうのと、何も変わりませんよね。
|
| 萩原: | ねっ。 |
| 山下: | うん。 |
| 萩原: | あのー、モダン・ロック・チャートってとこに顔出してくるようなね、
|
| 山下: | ふんふん。 |
| 萩原: | 連中の音っていうのは、ほとんどこういう感じですよね。 |
| 山下: | でも、意外な事に、伝統っていうのがあるの。こういう音楽にもね。
|
| 萩原: | いや、ちゃんと、っていうか、ああいう人達は何か壊してる訳じゃなくて、
|
| 山下: | うん。 |
| 萩原: | やっぱ、ちゃんと受け継いでるんですもんね。 |
| 山下: | 継承してるんだよね。これがおかしい。 |
| 萩原: | そう。だから、日本でね、だから、ああいう、オルタナティブって言われる音楽って、何か壊してるっていう意識で、みんな捉えてるじゃないですか。だから、それ間違いなんですよね。
|
| 山下: | ほんとはね。 |
| 萩原: | ちゃんと、もう、昔の音楽から全部受け継いだ状態で、ああいうのがあるっていうふうに理解しないと、
|
| 山下: | うーん。 |
| 萩原: | なんかね、 |
| 山下: | なんかね、やっぱり、見方を誤るっていうかね。 |
| 萩原: | うーん。 |
| 山下: | そういう、萩原先生の、 |
| 萩原: | はぁ。 |
| 大滝: | ご講義。 |
| 萩原: | あー、すいません。 |
| 山下: | いや、ごもっともで、ほんとに、あれですよ。えー、ちょっと、まだ時間があれなんで、大滝さん、もう1曲いけますか?
|
| 大滝: | 俺?それでは、では、私ですね。 |
| 山下: | はい。 |
| 大滝: | 私はですね、マインド・ベンダーズという、 |
| 山下・萩原:おーっ! |
|
| 山下: | これ、CD出たんですか? |
| 萩原: | はい。 |
| 山下: | へぇー。 |
| 大滝: | ウェイン・フォンタナ&マインド・ベンダーズと呼んでまして、結構、
|
| 萩原: | 「グルービー・カインド・オブ・ラブ」 |
| 大滝: | えぇ。あのー、「ゲーム・オブ・ラブ」から始まって、結構個人的に、高校時代に好きなバンドだったですけどもね。なにいこうかなと思ったけど、「グルービー・カインド・オブ・ラブ」は誰かがカバーして、ヒットさせたでしょ。
|
| 萩原: | フィル・コリンズとかね。 |
| 大滝: | フィル・コリンズ?で、その次にちょっとあった、地味なちょっと、
|
| 萩原: | はい。 |
| 大滝: | 「アシュス・トゥ・アシュス」という、 |
| 萩原: | おーっ。 |
| 大滝: | 「灰から灰へ」というね、「灰から火までクリスマス」という歌がありましたけどね。
|
| 山下: | それの元ですね。 |
| 大滝: | えぇ。「アシュス・トゥ・アシュス」を聴いてみましょう。 |
曲: |
THE MINDBENDERS/ASHES TO ASHES |
| 山下: | えーっと、後に10CCのメンバーになります、エリック・スチュワートが、
|
| 大滝: | 入っておりました。 |
| 山下: | 入っておりました。それがリード・ボーカルですよね、これはね。
|
| 大滝: | じゃないかと思うんだけどね。この辺は、レフト・バンクとかマインド・ベンダーズとかね、私、好きだったんですね。
|
| 萩原: | あー、ソフト・ロック! |
| 大滝: | 「ダラリラーラ・タラララー」っていうのは、「メロディ・フェアー」に、
|
| 萩原: | そうですね。 |
| 大滝: | ビー・ジーズが受け継ぎましたけどね。 |
| 山下: | 元々は、ウェイン・フォンタナのバック・バンドだったんですけど、独立しまして、マインド・ベンダーズとして、2曲だけヒットが出て、その1曲でありまして、1966年のヒット・ソング「アシュス・トゥ・アシュス」
|
| 大滝: | 個人的にちょっと地味なものを。 |
| 山下: | いや、大滝さんの好みですよね。 |
| 大滝: | やっぱし? |
| 山下: | えぇ。 |
| 大滝: | はい。 |
| 山下: | わかります。 |
| 萩原: | さぁ、本日のメイン・イベントがやってきましたよ! |
| 山下: | そうですね。という訳で、そろそろ時間もですね、今週はなかなか、今回の新春放談は、なかなかたくさんかかったという。あれでですね、来週は、そういう訳で、大滝詠一さんの特集で、全部大滝詠一さんでいってみたいと思いますが、えー、なんと!
|
| 萩原: | なんと! |
| 山下: | 今年はあるんですね、音源が。去年のカウントじゃないんですね、今年はカウントだけじゃない。
|
| 大滝: | あのね、 |
| 山下: | えぇ。 |
| 大滝: | 言っときますけど、去年の新春放談聴いてる人で、録音している人いるでしょ?
|
| 山下: | えぇ。 |
| 大滝: | あの、カウント出したじゃないですか。 |
| 萩原: | うん。 |
| 大滝: | その、カウントの場所出しといてください。 |
| 山下: | ヘヘヘ、それがこの曲だって言いたいんでしょ? |
| 大滝: | 絶対、それ聴いた人は、この1年がかりのネタを驚くと思います。
|
| 山下: | へへへ、しょうがないやつだな、ほんとに。そんなもん、驚いてどうするんだって。
|
| 萩原: | そうだったのかー。 |
| 大滝: | 驚いてください、頼むから。 |
| 萩原: | なるほど。 |
| 大滝: | これは、今、もう用意してますよ、みんな、去年のやつ。 |
| 山下: | 俺、絶対、絶対そう言うと思ってたもん。これ、今日、やる時から、始める前から。
|
| 萩原: | さぁ。 |
| 山下: | やっぱ、付き合い長いと見えちゃうんだな、これが。 |
| 萩原: | 1年がかりですからね。 |
| 大滝: | 去年、カウントで止めるとこまではよまなかったでしょ。 |
| 山下・萩原:ハハハ。 |
|
| 大滝: | フフフ。 |
| 山下: | もうね、心臓に悪いや。 |
| 萩原: | ねっ。 |
| 山下: | あっ、そういう訳でですね、 |
| 萩原: | はい。 |
| 山下: | えー、雑談はさて置きですね、 |
| 大滝: | 失礼いたしました、ほんとに。 |
| 山下: | えー、2月の22日ですか? |
| 大滝: | 2月の22日発売でございますけれども、予定でございます。 |
| 山下: | 歌ってるのは、大滝さんじゃないんです。大滝さん、ひとつ、ご自分で、
|
| 大滝: | えぇ。よく似てるんですけどね、私に。 |
| 山下: | どこが? |
| 萩原: | どこがですか、どこが? |
| 大滝: | 似てない?ダメ? |
| 萩原: | ハハハ。 |
| 大滝: | ダメかな? |
| 山下: | えー、久々に大滝さんが曲を書いて、シングルとして発売されますが。
|
| 大滝: | ねぇ。まあ、とりあえず、これの、あのー、裏話みたいなのは、来週にいたしまして、
|
| 山下: | 来週ですね。 |
| 大滝: | とりあえず、まあ、曲だけ聴いていただいてということにしましょうか。
|
| 山下・萩原:はい。 |
|
| 大滝: | じゃあ、萩原さん、ひとつ、 |
| 萩原: | えっ? |
| 大滝: | 紹介してください。 |
| 萩原: | 私からですか? |
| 大滝: | えぇ。 |
| 萩原: | えー、渡辺満里奈さんの、タイトル忘れちゃったんですけど、 |
| 大滝: | これがね、「うれしい予感」という。あの、「うれしいイヨカン」とか「うれしい羊羹」とか、そういうふうに言わないようにね。
|
| 萩原: | はい。 |
| 大滝: | お願いします。 |
曲: |
渡辺満里奈/うれしい予感 |
| 山下: | えーっとですね、1988年に「快盗ルビイ」を書かれて以来、7年ぶりに自分の曲が世の中に出るという、すごい世界ですねー。
|
| 萩原: | はぁー、ねぇ。 |
| 山下: | 2月22日発売になりますが、これはですね、「ちびまる子ちゃん」の主題歌になるそうであります。
|
| 大滝: | そうです。来週の日曜日の夕方から始まるという。 |
| 山下: | 実に、本邦初オン・エアであります。 |
| 大滝: | でしたね。ありがとうございました、ほんとにもう。 |
| 山下: | 光栄にもですね。 |
| 大滝: | ここでかけていただいて。 |
| 山下: | 歌ってるのは渡辺満里奈さんで、作曲大滝詠一さん、作詞がさくらももこさんです。
|
| 大滝: | そうです。 |
| 山下: | タイトルが「うれしい予感」という曲でございます。 |
| 大滝: | フォローありがとうございました、ほんとうに。 |
| 萩原: | フフフ。 |
| 山下: | B面っていうか、カップリングが、両A面だそうで、カップリングがまたおかしいんですけど、それは来週。
|
| 大滝: | お楽しみに。 |
| 山下: | 意外な正解でございましてですね。 |
| 大滝: | 「なんともはや」で。 |
| 山下: | えー、そういう訳で、正月第1週、95年早々の私の「サンデー・ソング・ブック」、恒例の新春放談。大滝詠一さん、萩原健太さんをお迎えいたしまして、まず第1週目はわりとノーマルに、
|
| 萩原: | ハハハ。 |
| 山下: | フフフ、どこがノーマルだっていう世界もありますが、来週はですね、先程、冒頭でご紹介しましたハガキのように、お若い方もたくさん聴かれておりましてですね、大滝さん、なんたって10年も新譜出てませんから、もっともだという訳でございまして、私と萩原さんと二人がかりで「大滝詠一」特集をいって、
|
| 萩原: | おーっ。 |
| 山下: | せいぜい嫌がる顔を見て、楽しもうと。 |
| 萩原: | いやいや。 |
| 山下: | ねっ、萩原さん。 |
| 萩原: | なにを言ってるんだろ、俺? |
| 大滝: | ノーマルにやってください、ノーマルに。 |
| 萩原: | いえいえ、はい。 |
| 山下: | という訳でですね、来週もひとつよろしくお願いします。 |
| 大滝: | よろしくお願いいたしまーす。 |
| 萩原: | お願いします。 |
| 山下: | 今日はこの辺で。今日の続きはまた来週に。 |
| 山下: | お送りいたしてまいりました「山下達郎サンデー・ソング・ブック」、1月の1日の番組始めは、いつものように恒例の新春放談。大滝詠一さん、萩原健太さんをお招きいたしまして、新春放談、その第1回目でございます。えー、今日はそういう訳で、洋楽のオールディーズものを中心に私、大滝さん、萩原さん、3人の好きな、去年買ったCDの中から、好きなものを適当に選んでかけてみましたけども、なかなか話が長いのでですね、なかなか思うように曲数がいきませんけれども、その分お話で楽しんでいただければと、来週はですね、番組の中でもお伝えいたしましたように、たまには大滝さんの特集、特にですね、「はっぴいえんど」から、そうですね、ナイアガラの設立ぐらいまでの経過を中心に、多分お話いただく事になると思いますが、ほとんど自分の口から話した事がないと、おっしゃっておりますので、無理矢理に、はらわたを引き裂くという、そういう感じで展開してみたいと思いますが、来週は大滝詠一さんの大特集でお届けいたします。来週も新春放談続きます。この続きはまた、来週のこの時間まで、ごきげんよう、さよなら。
|
| この週にオン・エアされた「うれしい予感」は、前年のカウントに続くという事で、すぐテープをつなげてダビングしたのを思い出します。カウントから続けてこの曲を聴いた時、「おっ、これは『君は天然色』の姉妹品みたいだな」と思ったものでした。その後、「SNOW
TIME」のライナーに、「『うれしい予感』は『君は天然色』の姉妹品として作曲しました。」という文章を読み、「それで、カウントが入ったのか。それにしても2年がかりでのあの仕掛けだったのか。さすが大滝さん、スケールが違うなー。」と妙に一人で納得してしまいました。また、ナイアガラ・サウンドのリリースという面から考えると、この「うれしい予感」は前作(88年の「快盗ルビイ」)からのインターバルが7年と、現在の「幸せな結末」の2年半よりもずっと長いんですよね。 さて、ごく一部の方から熱狂的な支持をいただいているこの「新春放談の歴史」ですが、年内に全部完成させたかったんですけど、ちょっと無理でした。とりあえず、年内のアップはこの放送分が最後になると思いますが、また来年も頑張って、活字おこしに励みますので、ご了承ください。 |
|