logo.gif

1999.1.3 サンデー・ソング・ブック

山下: みなさん、新年あけましておめでとうございます。山下達郎です。毎週日曜、午後2時から55分間お届けしております、「山下達郎ジャックスカード・サンデー・ソング・ブック」。えー、旧年中はいろいろとありがとうございました。1999年、今年も一年間、「サンデー・ソング・ブック」、よろしくお願い申しあげます。東京FMをキー・ステーションといたしまして、JFN全国35局ネットでお届けしております。えー、まだお屠蘇気分の抜けない三が日、えー、今日は1月の3日でございますが、えー、私の7年ぶりのコンサート・ツアー、去年で2/3を消化いたしまして、残り16本。えー、もう、こうなると、「あっ」という間でございます。2月の11日の千秋楽に向けましてですね、一挙に、えー、残りのところにまわってまいります。えー、今週、年明けの第一弾のツアーはですね、名古屋からスタートいたします。えー、1月の7日、8日、木曜日、金曜日、名古屋センチュリーホール。えー、こっから、今年の、1999年のですね、えー、ツアーがスタートいたします。名古屋のみなさんお待ちどうさまでした。お待ち申しあげております。さて、1999年、第一弾の「サンデー・ソング・ブック」、もう、すっかりおなじみになりました、今年もはじめます。えー、大滝詠一さんをゲストにお招きいたしまして、「新春放談」。もう、15年の、長いあれになりましたがですね。去年はいろいろと「幸せな結末」の直後でございましたからね、「幸せな結末」を中心にした話題で、かなり、ハイペースで飛ばしておりましたが、その後、1998年。また、なにをやっているんだか、いろいろありまして、今日はそのへんを追求しつつですね、いろいろと「濃い」話をお伺いしたいと思います。「ヒストリー・オブ・ジャパニーズ・ロック」をやっておりますのでですね、「はっぴいえんど」関係の話もですね、いろいろ伺うことができました。えー、今年はもう、大奮発して、3週間いっちゃいます。今週、来週、再来週。「新春放談」、3週間ぶっ通しでございます。「濃いー」話になっておりましてですね、「ナイアガラ・フリーク」の方にはたまらない、「全然関係のない人」には、なんだか全くわからないというですね、カルトな、えー、この「サンデー・ソング・ブック」、元々カルトでございまして、カルトな中にもカルトな、正月早々のですね、恒例行事となりました、えー、大滝詠一さんとの「新春放談」、今年もたっぷりとお楽しみいただきたいと思います。さて、北海道釧路市、イシダユウコさん、それから、えー、新宿区のホンマミカコさん、その他、たくさんの方からリクエストいただきました。大滝詠一さん、1978年のアルバム、「ナイアガラ・カレンダー」から、「ロックン・ロールお年玉」

 曲:

大滝詠一/Rock’n Roll お年玉

山下: おめでとうございます。

大滝: おめでとうございました。

山下: 本年もよろしくお願いします。

大滝: えぇ、おめでとうございます。

山下: いや、こう、あれですね、電話ばっかりですね、最近は、もう。ほんと。

大滝: ここんとこはね。あなたはほら、忙しいから。

山下: いやいや。で、あれですよ、あの、僕、こないだ、あのー、ライブの打ち上げで、フジ・パシフィック関係の人がたくさんいらっしゃいましてね、

大滝: たくさん来たの?

山下: えぇ。えー、代表取締役が、「大滝君、レコードにしちゃぁ、やめてるから、もうちょっと、いってやってくれ」って、

大滝: なんだ(笑)?なんなんだよ、それ(笑)?

山下: 「なんで俺がいわれなきゃなんないの?」って(笑)。

大滝: 君の役目じゃないよ。

山下: よくわからないっていうね(笑)。

大滝: (笑)。

山下: それで、ところで、市川実和子さんのアルバムはどうなったんですか?

大滝: あぁ、えーっとね、まぁ、順調にいけば、春先の予定だったんですけれども、

山下: えぇ(笑)。

大滝: まぁ、遅くても、夏前ぐらいには出るでしょうし、

山下: (笑)。

大滝: 年内には出んじゃないですかね?

山下: (笑)、のんびりしている。

大滝: いいんじゃないですか?いちおう、やるにはやってます。

山下: 僕、だけど、あのー、あの曲、すごい好きなんですよ。

大滝: 「ポップ・スター」でしょ。

山下: えぇ。

大滝: うん。あれ、最初、原題ね、えーっと、「パパのテレキャス踊ってる」っていう。

山下: へぇー。

大滝: まぁ、要するに、その、童謡のもので。

山下: なるほど。

大滝: 14歳、

山下: ぐらいの?

大滝: 年齢別のね、あのー、アルバムということだったんですよ。

山下: ふんふんふん。

大滝: あのー、で、14、16、18、20とか。そのー、で、30いくつだったかな?4か6ぐらいまでの、女の一生ですよ。

山下: ふーん。

大滝: 杉村春子調の。

山下: 初めて聞いたような態度をしなきゃいけないのがつらいけど。

大滝: ちょっと、なんだかね(笑)。そういうような、あのー、アルバムの最初の、14歳。

山下: あれが一番最初の?

大滝: うん。

山下: ファースト・エイジなんですね。

大滝: そうそうそう。

山下: はーん。

大滝: そういうようなコンセプトだから。

山下: 童謡なわけですか、一種の?

大滝: まぁ、要するに。14歳だからね。

山下: うん。でも、それに「テレキャスター」が出るご時世になったわけですね?

大滝: ていうようなことなんじゃないのかな。

山下: ふーん。

大滝: だから、「ビートルズ」っていう固有名詞が、あのー、歌の中に出てくるとか、

山下: なるほど。

大滝: あのー、「いちご白書」なんていうのも、前にあったけど。

山下: うーん。

大滝: そういうような固有名詞の使い方で、「テレキャス」が、まぁ、入れていいものかどうなのかは別にしてもね、

山下: うん。

大滝: そういう、童謡の世界ってのは、そういうふうにあるもんだからさ。

 曲:

市川実和子/ポップ・スター

山下: あのー、もう、大滝さんと初めてお会いしてから、25年になりましてですね、

大滝: はーっ。

山下: 実に四半世紀が経ちましたですね。

大滝: 25周年なわけでしょ、君は?

山下: そうですよ。

大滝: ねっ。

山下: まったく(笑)。それで、

大滝: 25周年記念なんだ、このツアーは。そういう意味では。普通は。

山下: あー、そう。開業25周年ですね。

大滝: あーん。

山下: そうですね(笑)、商売はじめてね。

大滝: はじめてからね。

山下: でも、まぁ、日本の場合は、ほら、芸能界何周年っていうのは、一応、

大滝: アルバム・デビュー、

山下: レコード・デビューをもって、

大滝: あっ、レコード・デビューだよね。

山下: もって、シングル・デビューでしょ?

大滝: あー、そうか。

山下: シングル・デビューをもって、芸能界、正確に何年っていうでしょ。

大滝: あー、なるほど。

山下: だから、やっぱり、内弟子の時代は数えないと。

大滝: 数えないんだよね。

山下: えぇ。そういう、

大滝: あのー、なぎらさんみたいに、あのー、

山下: (笑)

大滝: 自分でやってて(笑)、自分でやりはじめて何年っていうのと、レコードが出てから何年とか、ふたつあるとかね(笑)。

山下: そうなの。うちの奥さんが、去年の年末で20周年なんですよ。

大滝: あー、そうなのか。

山下: だから、サザンとおんなじ、ほぼ同じ発売日ですよ。

大滝: サザンって、20周年なの?

山下: 20周年だったんですよ。

大滝: へぇー。

山下: だから、ベスト出して、あれして、すごい活動があったんだけど、

大滝: あっ、なるほど。

山下: それでだから、うちの奥さん、「誰も祝ってくれない」とかいってね(笑)。

大滝: あらっ(笑)。

山下: いいんだよ、そんなもんは。

大滝: だから、だから、まぁ、ご主人がやるしかない。

山下: そんなこといったら、「大滝さんはデビュー何周年になるの?」とかね。

大滝: いやいや、とんでもない(笑)。ちょうど、だから、あのー、あれですよね、あっ、25なんだ。で、「ばれんたいん・ぶるー」で、今年で30年だから。

山下: 30年?

大滝: 来年が、だから、「はっぴいえんど」30周年っていうことですかね。

山下: 来年が30周年?

大滝: 2000年がちょうど。

山下: 70年ですもんね。

大滝: 70年デビューなんで。

山下: そうですね。

大滝: うーん。

山下: ついに30周年!

大滝: うーん。

山下: すごいですね!

大滝: たいしたことないでしょ、30周年。

山下: エルビスのキャリアを越えちゃいましたよ。

大滝: 向こうは生きてないからね(笑)。

山下: (笑)

大滝: (笑)

山下: みんな途中で、ビートルズだって、7年ですからね。

大滝: ねぇ。まぁ、いいときは短いから、みんな(笑)。

山下: (笑)

大滝: 君の、あれだよ、コンサート、だから、去年見にいったけど、あれだね、

山下: その節はありがとうございました。

大滝: 久々にまた、だから、あのー、復活の力強さを感じたね。

山下: (笑)、いや、大滝さんの、

大滝: また、これから、「グイグイ」いく、

山下: 「グイグイ」なに(笑)?

大滝: 再スタートの、「グイグイ」いく感じをね、

山下: ところてんの押し出しみたいになってるね。

大滝: あのー、感じたね。で、あんなかで、いろいろあるんだけどさ、今年はさ、ずいぶん、ていうか、あのー、自分自身の捉え方が、またちょっと変化した部分があってね。

山下: えぇ。

大滝: 初めて、まっ、前からわかっていたことではありながら、

山下: (笑)、なんかわかんない。

大滝: 初めて、すごく力強く感じた年でもあったんですよ。

山下: あー、そうですか?

大滝: 僕、個人のなかでね。

山下: はいはい。

大滝: で、いろいろ曲はあるんだけれども、まっ、「パレード」を聴いてたときに、「あっ、童謡だったんだ」

山下: (笑)、「童謡だったんだ」って?なるほど。

大滝: と思ってさー。だから、あんときに、だから、まぁね、「シングルにしたい」って君がいって。で、「これ最初からシングルっていうのは、少し飛躍がありすぎやしないか」っていって、

山下: (笑)。

大滝: プロデューサーとアーティストの間で、もめた時期がありましてね。で、そのアルバム、結局は、結果的に、あのー、ファースト・アルバムには入らなかったんだけど、「そうか、童謡なんだ」っていうところまで飛躍できなかった、当時のプロデューサとしての力量不足をしみじみ感じたね。

山下: いや、今から考えると、大滝さんのあのころの、やっぱり、スタンスというのは、いかに、要するに、邦楽と洋楽のギャップを埋めるかということが、すごいあったじゃないですか。

大滝: うん。

山下: あのー、自分は洋楽ファンなんだけど、結局、やっぱり、その、邦楽としてのヒット・パターン?っていうことを、やっぱり、すごく意識して、大滝さん、やってたから。

大滝: うん。

山下: 僕らはもう、ほら、そういう(笑)、洋楽一辺倒だったでしょ。だから、そのへんのギャップ、すごいありましたよね。だから、その、クレイジーとかね、「紅ホテル」とか、ああいうようなところってのを教えてもらったときが、ちょうどそういう時期だったじゃないですか?

大滝: うん。

山下: だから、そこの、やっぱり、なんていうのかな?あの当時の、僕、思い出すと、こっちは、とにかくだから、「てめーが歌ってて気持ちいい」のと(笑)、

大滝: うん。

山下: なにしろ、「いかに洋楽的である」っていうの?逆に、その、歌謡曲っていう、既成の主流とさ、いかに、こう、なんていうの?差別化図るかっていう、

大滝: うーん。

山下: そればっかり考えてたわけじゃないですか。だから、どっちもどっちなんですよね(笑)。

大滝: だから、5年前、君が出てくる5年前が、ちょうど我々が、その世代、

山下: そうですよね。

大滝: そういうような感じだったみたいね。

山下: とんがりまくってましたもんね、えぇ。

大滝: で、それで、でも、「あっ、童謡だったんだ」と。だから、そういう、その、こども番組にあとで使われたんじゃなくて、

山下: (笑)。

大滝: 最初っから童謡だったものをね。ようやくわかりましたね。

山下: (笑)、なんなんだろう。

大滝: そういう意味では。これからいいじゃないの?プロデュース、さしてよ(笑)。

山下: 日本の、なんだかよくわからない。あのー、こないだ、大滝さん、コンサートいらしていただいたときに、高田文夫さんが一緒にいらっしゃって、

大滝: えぇ。

山下: あのー、高田さんは、大滝さんのいわゆる「ポンだち」だから、

大滝: いや(笑)、それほどではないんですけどもね。

山下: それで、まぁ、だけど、ほんとにいい人、紹介していただいて。

大滝: いやいや(笑)、そんな「紹介」するほどの、そんな、濃い付き合いじゃないんですけどね。

山下: でも、それで、例えば落語のお話しとかね、

大滝: うん。

山下: 考えたら、ちゃんとした形で、

大滝: あぁ、できる人はいないんだよね。

山下: できる人がいないんですよ。

大滝: 我々の、というか、音楽業界には非常に少ない。

山下: そうなんですよ。だから、よくよく考えて、だから、高田文夫さんと一番最初にお会いしてね、なにを最初に聞きたかったかというと、「唐茄子屋政談」の一番最後はどうなるのかっていうね。

大滝: (笑)。

山下: よく考えたら、最後まで聞いたことないんですよ。みんな、途中で終わるでしょ。

大滝: うん。

山下: 落として。

大滝: うん。

山下: あと、あのー、「おはつとくべえ」とかね。

大滝: うん。

山下: 長い話しって、途中までしか知らないんだけど、

大滝: あー、最後の段、やらない場合が多いからね。

山下: 本番前に(笑)、第一声で、それ聞いたんですよ。

大滝: (笑)。

山下: そしたら、「あれは、ずーっと、延々あるんだけど、後半はつまらない」

大滝: うん。つまらないんで、

山下: 「だいたい、やってる、あそこんとこが一番おもしろいんで」

大滝: やめるとかね。際限がわからなくなって、やめるとか。もう、つまんなくて、途中で止めるってケースは多いんじゃないですか。

山下: みたいですね。

大滝: うーん。

山下: そういうことを、だけど、聞いた、聞く人がいなかった。

大滝: だから、ミュージシャンとか、だから、そういうのは、別のものだというふうに思われてるし。まわり見ても、だから、そのー、落語のファンとか少ないからさ。

山下: うん。

大滝: だから、そういうふうに、そのー、まっ、ミュージシャンはミュージシャンのグループ、

山下: うん。

大滝: 落語家は落語家、演芸は演芸のグループ、なんとかっていう。やっぱり、こう、セクト別にわかれてるからね(笑)、ここの、

山下: また、最近そうなってきましたね。

大滝: うーん。

山下: 若い世代って。

大滝: そうね。

山下: ひところは、割と、クロス・オーバーがあったけど、

大滝: あったんだね。70年代は、だいたいね、

山下: ねっ。

大滝: 山下洋輔トリオと、

山下: そうですよね。タモリさんとね。

大滝: 「はっぴいえんど」とシュガー・ベイブとかね。そういうようなものがあったり、あったんだけど。だんだん、なんかね、

山下: だんだん、また、あれですよね。「ロックはロック」という、

大滝: どうもね。

山下: 「音楽は音楽」っていう、

大滝: うーん、なってきてるよね。

山下: 分業化が、また、進んできましたね。

大滝: なってきてるから、だから、あのー、以前だったら当たり前だったものが、

山下: うん。

大滝: あのー、特別化されるとかね。「珍しいね」とかいわれて。

山下: (笑)。

大滝: 珍しくもなんともなくてさ。まぁ、あなたはよくわかってると思うけど、高田さんとちょうどおなじ昭和23年だからね、

山下: えぇ。

大滝: だから、そのー、どっかの道でわかれてるんだよね。

山下: うん。

大滝: そのー、虎と猫がどっかのところで、

山下: うーん。

大滝: あのー、変えたのとおなじような感じのさ。

山下: うん。

大滝: で、だから、ひとつ間違えているというのは変だけど、違う道いってれば、僕が高田さんの方いって、高田さんが僕の方に来てるっていう、

山下: あ、それ、すごい、よくわかりますよ。

大滝: ようなことがね、あるんですよ。そういうことって。

山下: だから、うかがった話しによると、高田さんってのは、そのー、だから、いわゆる、大滝さんとおなじ年なわけじゃないですか?

大滝: うーん。

山下: だから、いわゆるね、こう、70年代安保のね、政治の時代の人なんだけど、そういうの一切目もくれないで(笑)、ひたすら寄席通いやってたってね。

大滝: やってたんだってね。だから、

山下: 生きてるときの志ん生師匠見てる人だし、

大滝: うーん。

山下: そういうところで、やっぱり、それが、なんていうのかな?のちに、こう、放送作家なったときに、

大滝: うん。

山下: 「芸は身を助ける」っていうのかな?

大滝: うーん。

山下: そういう、あれでしょ?やっぱり、そういう意味では、そのー、人と違う道をね(笑)、

大滝: うん。

山下: 歩んでた人って、結局、要するに、そのー、サブ・カルチャーだったものが、やっぱり、長い年月経つと、それがやっぱり強みになる?

大滝: うーん。

山下: でも、結局、その、一般的な世の中の流れの中で生きてるから、一般教養と、そういう、こう、特殊技能がさ、くっついてさ、それがクロス・オーバーしてるわけじゃないですか、彼もね。

大滝: うん、そうそうそう。で、そっちの方向にいくのには、ちょっとしたきっかけなのよね。

山下: うーん。

大滝: 小、10から12ぐらいまではね、だいたいみんなおんなじように進んでるんだよね。

山下: うーん。

大滝: 野球観たり、相撲観たり、そのー、ラジオ聴いたり、テレビ見たりっていうので。そのー、だいたい、浴びてるものは、だいたいおんなじものだけれども、どっかから、かわるんだね。

山下: うん。

大滝: あのさ、例えば、50になったでしょ。

山下: えぇ。

大滝: そうすると、同窓会の誘いとか来るわけですよ。

山下: あー。

大滝: 「いっしょに、50才だから、もう、最後で」っていうようなことで。ちょっとあれで、いけなかったんだけれども、一番懐かしいのがね、

山下: えぇ。

大滝: 中2と中3なんだよ。

山下: あー。

大滝: それがね、当時の人間が懐かしくない(笑)とはいわないけども、

山下: ふんふん。

大滝: よーく考えてみると、62、3年のポップスが一番自分にとって、そのー、影響が個人的に強いのと、

山下: ふん。

大滝: だから、その、曲があると、その背景に、まっ、いろんな人物が出てきたりするから。「あぁ、そういうことなのか」と思って。

山下: うーん。

大滝: なんで、その時代の、あのー、同窓会なら、一度出たことあるんだけど、

山下: いってみようかなと。

大滝: 一度出たことあるんだけども。と思ったのがね、

山下: 中学2、3年なんですか、それは?62、3年。

大滝: うん、62、3年。

山下: うーん、なるほど。

大滝: ビートルズ直前、

山下: 直前ね。

大滝: なんだけど、あんときのポップスが、やっぱり、自分にとって一番。

山下: まぁ、そこがアメリカの、要するに、ああいう、ポピュラー・ミュージックの一番ピークだったというのはね、

大滝: 結果的に、歴史的に見てみるとね、実はそうだったんだ。

山下: それは誰もが認めるとこですからね。

大滝: うーん。ほんとに、あのー、次から次と新人、新しいグループが、新しい音楽ひっさげて、連日、1ヵ月おきぐらいに出てくるっていうような時期は前後にないんだよね。

山下: そうですよね。「作家の時代」っていうか、いわゆる、そのー、「曲の時代」っていうかな?

大滝: うん。

山下: ですよね。

大滝: そうなんだ。

山下: スターも確かに大事だけど、それをつくってる、要するにプロジェクトがね。

大滝: いまだに、だから、そのー、例えば、えーっと、バスケット、フットボール、

山下: えぇ。

大滝: あのー、メジャー・リーグの背景で流れる音楽というのは、たいてい62、3年から、

山下: 確かにね。

大滝: 5、6年までの曲が、

山下: なるほどね。

大滝: 延々と使われて。それ以外は、もう、「Take me to a ball game」とかさ、

山下: ふんふんふん。

大滝: ああいうような、ミュージカルなものはあるけど、ポップスっていうと、たいてい62、3年から、

山下: そういわれれば、確かにそうだな。

大滝: 4、5、6年なんですよ。で、いまだに、向こうはすごかった。

山下: 80年代、90年代のヒット・ポップスって、あんまりやらないですね。

大滝: あんまり、ないんだよね。うーん。

山下: 確かにそうですね。

大滝: だから、一番、そんときに出た時代だったんじゃないかなと思うから。そういうのっていうのは、あるんだなって思いましたけどね。

山下: うーん。学校教育で、僕、よく、そういう、ほら、高校生になんか、なんつうの?「エッセイ書いてくれ」とか、そういうね、

大滝: うん。

山下: 「学校新聞、学級新聞書いてくれ」とかいわれるんですけど、普通、僕なんかがね、父親とか母親からいわれたのは、「大学へいって、友達を」、大学っていうのは、勉強するのだいじだけど、友達つくることがだいじなんだって。

大滝: ふん。

山下: そこが一生の友達になれるんだからね、

大滝: うん。

山下: 大学って、そういうところで、要するに、そのー、社会に出たときに、助け合えるための友達っていうのは、ほんとの意味での一生の友達つくるところというのは、すごい大きいからって、僕、ちっちゃいころ、ずいぶんいわれた記憶があって。

大滝: うん。

山下: まぁ、僕、大学入って3ヵ月ぐらいで、ドロップ・アウトしたんだけど。でも、今から考えてみるとね、僕、一番、今でもね、親しく付き合っているのは中学の友達なんですよ。

大滝: やっぱりね。

山下: 中学2、3年のね。

大滝: はぁーん。

山下: そのころの方が、やっぱり、一番、感受性が、こう、「パァーッ」と膨れていく、とば口じゃないですか。

大滝: うーん。

山下: 結局、だから、そのときに音楽を覚えたから、それが今、一生の仕事になってるわけで、

大滝: うーん。

山下: そのときに、あの、いっしょにバンドやってる人が、あるものは医者になったり、あるものは服飾業界いったり、それから、不動産鑑定士になったり、

大滝: うん。

山下: そういうようなやつがたくさんいるんですけど。結局、そのころの友達が、一番、今でもね、

大滝: うん。

山下: ライブも来てくれるし、個人的な交流もあるっていうね。

大滝: うーん。

山下: それは全くおんなじですね、大滝さんとね。で、結局、やっぱ、その時代の音楽が、自分には一番影響ある。僕、66、7年ですから。

大滝: あー、そういうことでね。

山下: えぇ。

大滝: だから、そのー、そういう人と会うと、背景にその楽曲が、

山下: そうなんです。

大滝: 流れてるし、

山下: あって、

大滝: あるでしょ?

山下: しかも彼らとそれを彼らと共有してるっていうね。

大滝: 共有してるでしょ。で、曲が流れてくると、いろんな、そういう、固有の、まぁ、想い出なり、何なりが毎回出てくるし、

山下: ふーん。

大滝: それが自分の原点だから、

山下: そうですね。

大滝: 毎回、そういう原点を確認しようっていうような、

山下: そうですね。

大滝: ことも含めて、お互いにあるんじゃないですか?

山下: 不思議ですね、やっぱり。大滝さんみると、50になっても、やっぱり、そこの14才のところが、原点つうところっていうのは。

大滝: うん。やっぱり、「始まったとき」っていうのと、「どこが原点なのか」っていうのはね、やっぱ大きいような気がするけどね。

山下: 僕、7年ぶりにツアー、結構今回多いんですよね。

大滝: うん。

山下: 48本って、実は生れて初めてなんです。こんなにまとまった数やるの。

大滝: あっ、そんなにやってない?

山下: えぇ。だいたい、ここ12、3年は32、3本。

大滝: うーん。

山下: 40になると、「ちょっと多いかな」っていうね。すごく多いと。自分の友達が、全国散らばってるのが、

大滝: なるほど。

山下: なぜか来るんですよ、楽屋に。

大滝: はー、はー、はー。

山下: もう、それこそ、20、30年ぶり?ぐらいの人で、全然わからないんだけど(笑)、顔だけ見ても。

大滝: それは、個的な、部分的な同窓会ですよね。

山下: そうですね、えぇ。それで、東京にいるときは、まぁ、そんなに、別に、行こうとも思わないし(笑)、あのー、あれなんですけど、そうやって、ひとりだけで「ぽっ」と来ると、1対1だから、

大滝: うん。

山下: それなりの話しもできるじゃないですか。それが、「なるほどね」っていうね。

大滝: うーん。

山下: ただ、すごく、いわれないとわからないというかね、風貌が、だから、変化しちゃってるとか、そういうのもあるし。

大滝: あー、はー、はー。

山下: なんだけど、割とそういうところを、こう、感慨深く感じるような、だんだん、としまわりになってきたのかなって(笑)。

大滝: としまわりになってきてる(笑)。

山下: 爺くさい話ししてますけどね(笑)。

大滝: (笑)。

山下: 今年は、ほんとにね、やっぱり、「幸せな結末」があるから、

大滝: 去年ね。

山下: 若いこが、結構、

大滝: あー、今年のハガキが。

山下: えぇ、このハガキがね、おかしいのが結構あるんですよ。

大滝: あー。

山下: なんか、えらい若いこがね、ハガキよこして。こういうパターン、昔ない、なかったことですよね。

大滝: うーん。

山下: 19才。北海道釧路市、イシダヒロコさん。「あけましておめでとうございます。さっそく、大滝さんに質問です。といっても、なにを質問すればよいやら、迷ってしまいます」

大滝: (笑)、質問しなくてもいいじゃない。

山下: (笑)、「そこで、今年のご予定をお聞かせ願います」

大滝: (笑)、去年、毎年よくいってる、割合、「よくそんなことが自慢になるな」っていうようなことに思われるかもしれないけど、ほんとに白紙なんだよね。

山下: (笑)。

大滝: 自慢じゃないけど(笑)。翌年のスケジュールの「なんとか」っていうのはさ、あってもしょうがないんだけどもさ、パソコンの中にスケジュール表みたいなのがあってね、

山下: うん。

大滝: とりあえず、来年もあるんですよね、どういうわけだか。

山下: (笑)。

大滝: まっ、それに入ってんだけどさ。なんにも入ってないんだ。きれいなもんだよ。

山下: しょうがないね、ほんと。

大滝: いやいや。それ、結構ね、割合、毎年自慢のパターン。

山下: 「期待は失望の母」といってね。

大滝: いや、そういうんじゃないですけどね。

山下: まったくね。

大滝: なんにもありませんから、まぁ、ひとつ気楽に。ないもんだと思ってって、毎回おんなじこといってる(笑)。

山下: あのね、世の中の、あのー、常識的な考え方でいうとね、毎年おんなじこといってるような気しますけどね、

大滝: まぁ、そう…。あー、あなたですか?

山下: 私は四半世紀付き合ってますから、

大滝: はぁ、はぁ。

山下: よくわかりますしね、

大滝: (笑)、わかるでしょ。

山下: えぇ。

大滝: だから、ひとりだけでも理解者のいるうちはね、

山下: (笑)。

大滝: あのー、おなじこと言い続けようかと思って。

山下: 一般的な(笑)、

大滝: どっかの人が、だから、ほら、「聴いてくれる人がいるうちは、俺はずっと歌うぞ」っていってたのとおんなじようにね。ひとりだけでも理解者がいてくれるうちはね、おんなじこといおうと思って。

山下: 一般的な尺度からしたらね、「一体、何をしているのだろう?」

大滝: よく、みんなそういうよね。

山下: いうでしょ?

大滝: うーん。

山下: それも、付き合えばわかるんですけど。

大滝: ねぇ。

山下: えぇ。

大滝: 気にならないでしょ、普通ね。

山下: だから、いちおう、代弁しとかないと、

大滝: あっ、そう?

山下: 世の中との誤解を、その、

大滝: いいよ、とかなくても(笑)。

山下: (笑)。これ、だって、この人ね、よくくれるんですけどね。ハトノナガフサさんという、これは大野城市。「以前から伺いたかったことがあるのですが」

大滝: 丁寧な人だね。

山下: 「そんな、他人のことはほっとけといわれそうで怖いですが、近年の大滝さんの生計は主として何によって立てられているのでしょうか?」

大滝: (笑)。

山下: 「確かに、『幸せな結末』はヒットしましたし、以前には『ロング・バケーション』の大ヒットもありましたが、この間も10数年の歳月があったわけで、それらの印税だけでやっていけるものなのでしょうか?」

大滝: (笑)。(このハガキのあいだじゅう、ずっと笑ってます)

山下: 「いろいろな企画等にも参画されているのも見聞はしますが、それらが、あまりにお金になるようなものとも思えません。成長されたこどもさんを持つ一家の大黒柱であるご本人から、差し障りのない程度で、そのへんのところをお教えいただければさいわいです」って。これ、とってもね、正直なね、率直かつ(笑)、

大滝: 正直とか、率直とか、いうのかね(笑)?

山下: (笑)。

大滝: 税務署員かなんかになった方がいいんじゃないのか、将来。

山下: (笑)。

大滝: (笑)。

山下: ここまでいわしめてしまうというね。これが、偽らざるあれですよ。

大滝: あー、そうなのかな?

山下: そうですよ。

大滝: どうしてみんな、そういうこと気になるんだろうかな?

山下: いや、だから、「芸能界というのは、儲かる」というあれなんですよ。

大滝: あー、そういうことなのか。

山下: そうなんですよ。

大滝: だからさ、そこで、「儲かる」とか「儲からない」とかいってもね、

山下: うん。

大滝: まぁ、あのー、あれなんでしょ。そう思いたい人は思っとけばいいんじゃないですか。

山下: あれなんでしょうね。だから、大滝さんはね、あのー、ほんとに、「ぽっ」といってね、獅子座流星群みたいなもので、

大滝: あっ、はー、はー。まっ、獅子座だしね、俺はほんとに。

山下: そうか(笑)。うまかった。

大滝: 失礼した。

山下: 「ぽっ」といって、「どーん」とね、あれしてね、あの、85度ぐらいで「ばぁーっ」とあがって、また85度で「ばぁーっ」ってやってて、また、つちのこみたいにいなくなって、

大滝: それでね、あのー、それがですね、あのー、獅子座流星群、ご存知のとおり。あなた、ほら、星、

山下: (笑)。

大滝: もう、プロだから。あれはあるんだよね。

山下: うん。

大滝: 地球が、その時期に見えてるだけなんだよ。

山下: そうですね。たまたま見えてるだけ。

大滝: 哲学的に教えてあげるんだけども。

山下: (笑)。

大滝: 俺は「いつもいる」のよ。で、その時期に、

山下: 実存的に、存在してると。

大滝: (笑)、おたくらが、その時期に見えたっていうだけの話しでね。

山下: うん。

大滝: 私は、常に、ずっといるだけのことなのよね。

山下: うん。

大滝: どないだ?

山下: まぁ、縁がなかったと。

大滝: (笑)。

山下: だから、見えない人は縁がなかったと。

大滝: そうそうそう。で、全部見えて終わるわけじゃないし、毎年おんなじこといってるよね。

山下: うん。

大滝: で、人ごみのなか歩いたってさ、全員知り合って終わるわけじゃないのと、

山下: そういうこと。

大滝: おなじようにね、まぁ、その、範囲ってのがあるもんなんだよ。一生の限界ていうのがね(笑)。

山下: すべて、だから、テレビ、基本的にはテレビ、

大滝: あんまりにも、でもね、

山下: ねぇ。

大滝: テレビが中心に、もう、なりすぎたんじゃないかな。

山下: 大きすぎますよね。だから、舞台俳優がいないとおなじですもんね。

大滝: だから、これもね、でもね、どんなことでもね、映画でさえ、どんなもんでさえ、あるいは、その、戦前の流行小説とか、そういうのも含めてでも、

山下: えぇ。

大滝: 永遠に、ずーっとよかったケースは、まずないからね。

山下: ないですね(笑)。

大滝: だから、どっかのところで、なんか、変わるんじゃないのかなと思ってるけどね。

山下: まぁ、いくらいっても、しょうがないですね。

大滝: まぁ、しょうがないんだ。こんなことは。

山下: (笑)。

大滝: だから、いわしておくしかないんだ。

山下: (笑)、「だからいわない」っていうんでしょ。だけど、そこ、

大滝: いってちょーだい。

山下: これ最高、今の(笑)。

大滝: (笑)。

山下: で、ところで、えーっと、去年はですね、

大滝: はい。

山下: あの、あれですよ、あれ、

大滝: なんでしたっけ?

山下: 「アンアン小唄」と、

大滝: あっ、なんかありました?

山下: 市川実和子さんと、

大滝: あー、ありましたね。

山下: いちおう、新譜が、

大滝: ふたつやってるじゃないですか、ちゃんと、

山下: やってる。

大滝: プロデュース、立派なもんじゃないですか、ふたつもありゃぁ、ねぇ。

山下: (笑)。

大滝: 仕事ありますよ。それでなに?「たいして、さほどの売り上げでもないのに、生計をどうやってんのか?」ってやつ(笑)、また?

山下: すごいですよね(笑)。

大滝: 頼むよー。いいよ、そこまで心配しなくても。

山下: (笑)。なんか、あのー、ほんとに、あれになったら、助けてくれるんでしょうかね?

大滝: なんかね。

山下: えぇ。

大滝: だから、それを期待して。

山下: ありがたいですね。

大滝: 期待して。

山下: 「期待は失望の母」(笑)。

大滝: (笑)。

山下: と、そもそもの「アンアン小唄」を、あのー、玉川カルテット、やるということになったのは、どういう経過なんですか?

大滝: あれは、そのー、田村ディレクターっていうね、長い付き合いの、

山下: ビクターの人ですね?

大滝: そうですね。以前、あのー、小泉今日子、今もそうだと思うけど、小泉今日子の担当になってた人なんだけども。で、それで、「快盗ルビイ」で、いっしょに仕事をしたことがあるんですよね。あのー、10年ぐらい前に。

山下: うん。

大滝: で、彼が独立をして、で、それでまわってきた仕事らしいんだよね。

山下: ふーん。

大滝: それで、「アンアン小唄」も担当だったんですよ、山田邦子の。

山下: あー、なるほど。

大滝: そんとき、山田邦子の「アンアン小唄」の担当が田村ディレクターで、

山下: なるほど。

大滝: まっ、そんときにも、あのー、まぁ、一生懸命つくったんだけども。で、前から、なんか、「もう1回、生かす道はないか」っていうことで、彼は考えてたらしくて。で、「いかがでしょうか?」っていうことなんで、まぁ、詞の手直しをちょっと手伝っただけ。

山下: ふーん(笑)。

大滝: ですけど(笑)。

山下: 「だけ」(笑)。いいねー、ほんとに。

大滝: (笑)、いやいや。だけど、そういうのも、だって、プロデュースのうちですよ。

山下: そりゃ、まぁ、そうですよ。そのとおりで。

大滝: だから、いろんなプロデューサーの、プロデュースの方法があってね。今、プロデュースっていうと、なんか、もう、「一から十まで全部やらなければならない」だとかさ、

山下: (笑)。

大滝: 「なんとか、かんとか」って、誰かがなんか、そういう名前利用したくて、なんかいいたくていってるんだかしらないけどさ、

山下: (笑)、そうそう。

大滝: だいたい、あのー、ハナからさ、ひとつじゃないんだよ、仕事の中身なんてのはね。

山下: そうね、うん。

大滝: で、いろんな形があるわけよ。

山下: 野球選手つったって、ピッチャーもいりゃぁね、

大滝: えぇ。いろいろあって、

山下: キャッチャーもいて。

大滝: だから、お金だけ出す人もいれば、そのー、なんにもしない人もいればね、

山下: そうね。

大滝: あのー、我々が、あのー、「はっぴいえんど」のときのプロデュースの方っていうのは、馬主さんの方ですからね。

山下: うん。

大滝: で、そういうことだって、じゅうぶん、ちゃんとお金出した人だから。

山下: タニマチだって、立派なプロデューサーですからね。

大滝: あるんですよ、そういうようなことね。だから、あの、ラジオの番組をプロデュースしてると、「いったい、どのへんまで関わっているのか」って、

山下: (笑)、たくさん来てますよ、そういうの。

大滝: いいじゃないのよ、もう。聴けよ。おもしろきゃ、それでいいんだか。

山下: (笑)。で、「アンアン小唄」は、

大滝: あっ、「アンアン小唄」のテーマだったのね、これ(笑)。

山下: そうです。話しがちゃんと、

大滝: なんだかなー(笑)。

山下: いいじゃありませんか。もう、のんびりやることにしたんですよ。

大滝: そうそうそう。

山下: いいんですよ。

大滝: で、えーっと、

山下: もともとは、

大滝: 山田邦子のヴァー、この話ししてないのか?

山下: してません。

大滝: あっ、そう?

山下: えぇ。

大滝: じゃぁ、山田邦子のヴァージョンに、途中で、「アンアンアーン」っていうのを、当時の玉カルさんに頼んだの。

山下: ふーん。

大滝: で、あそこのなかにはね、玉川カルテットがコーラス入っているのよ。

山下: なるほど。

大滝: 結構、贅沢なつくりをしてるんだけれどもね。

山下: なるほど。

大滝: つくりだけはね。

山下: なるほど。ソニー・ボノが、あのー、あれを、スペクターの曲を歌うようなもんですよね。

大滝: なもんでね。

山下: そうですよね。

大滝: で、それで、だから、逆にコーラスに入ってる人が、本チャンを歌うっていう。まぁ、そういう考え方だったんですけれどもね。

山下: ふーん。だけど、「アンアン小唄」は、もともとは「レッツ・オンド・アゲイン」に入ってるあれでね。

大滝: そうでしたね、えぇ。

山下: だいたい大滝さんは、

大滝: そのまた、大元があってね。

山下: あー、そう?

大滝: うん。あれを、あのー、山形かゑるこさんのは、あれ、オリジナル・バージョンじゃないんですよね、あの「アンアン小唄」は。

山下: あー、そうなの?

大滝: うん。

山下: ふーん。

大滝: で、あのー、キングの、

山下: それ知らない。初めて聞いた。

大滝: 日高なんとかさんっていう、女性歌手がいたんですよ。

山下: えぇ。

大滝: あのー、で、その人がね、あのー、曲、つくったんですよ。

山下: へぇー。

大滝: で、つくって、デビューする前に引退しちゃった。

山下: あっ、コロンビア?はー、はー。

大滝: あのー、キング、キングの人。

山下: キングだ。

大滝: ふーん。

山下: なんで、その仕事が来たの?

大滝: えーっとね、これが、以前、はっぴいえんど、ばれんたいん・ぶるーをやる前に、友人だったところの中田佳彦君っていう人がいるんですよ。

山下: (笑)。

大滝: (笑)、細野、中田、大滝という、そのー、「日曜日にレコードを聴く会」という、3人がいまして、

山下: 有名な中田さんですね。

大滝: 彼が、あのー、ディレクターになって。

山下: あー、そうなんですか?

大滝: で、えーっと、ホールド・アップというグループを最初プロデュースしてて、

山下: ホールド・アップってありましたね(笑)。はい、はい。

大滝: それで、なんか、そのー、彼女のそれがまわってきて。で、細野さんに相談したところ、で、細野さんが「『デジタル演歌』ってのはどうだ?」って(笑)。

山下: (笑)。だけど、78年の話しでしょ、それ。

大滝: そうだよ。

山下: 早いですね。

大滝: それは早いよ。それでね、「デジタル演歌」っていう、あの人、ああいう、コピー・ライターだからね。

山下: (笑)、天才ですからね、あの人はね、コピーは。

大滝: 天才なんだよ。ほんと、コピーつくる天才なのね、彼は。で、「デジタル演歌」っていうヒントを与えたらしくて。で、それにそって、中田君が矢野さんに、矢野誠さんに頼んだんですよ。

山下: へぇー。

大滝: で、矢野さんのアレンジで、あのー、A・B面つくったなかの、

山下: へぇー。

大滝: そのA面。

山下: それが「アンアン小唄」だったんですか?

大滝: 「アンアン小唄」だったの。

山下: 音あんですか、それ?

大滝: あるんですよ。キングから買い取った。

山下: あぁ、そう?

大滝: うん。

山下: じゃぁ、持ってはいるんですね。

大滝: ずいぶん前に買ったんだけどね、

山下: へぇー。それって、だけど、一度も陽の目っていうか、

大滝: あぁ、まだ、オン・エアしたことない。

山下: したことないでしょ。

大滝: 1回も。

山下: 来年ですね、それね。

大滝: うーん。昔、「GO! GO! Niagara」でやったんだったか、やらないんだったか、忘れたけど。

山下: 僕、その話し始めて聞いたですよ。

大滝: あー、そう?

山下: うん。へぇーっ。

大滝: で、それをだから、カバーしたんですよ、あれ。

山下: あー、そう?

大滝: うーん。

山下: もう、「レッツ・オンド・アゲイン」自体がカバーなんだ。

大滝: あのー、「アンアン小唄」自体がね。その前に、さらにオリジナルがあるというね。

山下: ふーん。

大滝: 「それ行け、スマート」的な話しなんだ。

山下: その歌手の人、女性なんでしょ、もちろん?

大滝: 女性。

山下: いわゆる演歌っていうか、そういう人なんですか?

大滝: まぁ、演歌方面ので、

山下: の人なんですね。

大滝: 売り出そうという、あー、美空ひばり的な歌唱法だったんですよね。

山下: ふーん。どなたかの弟子かなんかなんでしょうかね?

大滝: なーんの、全然知らないんだよ。

山下: そこまで、全然関知してないでしょ(笑)。

大滝: なんにも知らない。名前だって、覚えてない。

山下: 会ったこともない。

大滝: あぁ、全然ない。

山下: あー、そう。

大滝: ふん。

山下: へぇー。

大滝: レコーディングは、その、中田君と矢野さんにまかして。僕はだから、メロディーつくっただけ。

山下: じゃ、矢野さんがアレンジしてるんですか?おもしろそうですね、それ。

大滝: アレンジしてる。おもしろいよ。

山下: おー。

大滝: オリジナル・バージョンの方がいいできだよ、オケは。

山下: (笑)。

大滝: まちがいなく。まぁ、でも、あのー、「レッツ・オンド・アゲイン」に入っているやつも、そのー、矢野さんキー・ボードやってるしね。

山下: あっ、そう。なるほど、そういう関係なんだ。

大滝: で、それで、頼んだんですけどね。

山下: へぇー、それはしかし、聴いてみたいですね。

大滝: ずいぶん、だから、「アンアン小唄」も長々とね。

山下: すごいですね!4度目のカバーですね。

大滝: うん、1回もヒットしてないけども。

山下: (笑)、そんなのばっかり。

大滝: (笑)。なにが悪いんだろうかな。

山下: 不思議な人ですね、しかし。

大滝: 「アンアン小唄」?

山下: いやいや、大滝さん。

大滝: 私?なんで(笑)?

山下: カバーの多さ。

大滝: いやー、

山下: ねぇ。

大滝: まぁね。

山下: うん。

大滝: うーん。

山下: すごいですね、それ。

大滝: あたんないんだよ(笑)、全然。

山下: 「アンアン小唄」ですよ、だって。カバーが。

大滝: そうそうそうそう。

山下: ねぇ。

大滝: 「アンアン小唄」。いまどきね、「小唄」出さないよ。小唄勝太郎さんもいないんだしさ。

山下: ねぇ。

大滝: だから、ねぇ、「小唄」っていうタイトル自体がね、もはや、もう、ジャンルにないでしょう、もう。今の、歌の。今、「小唄」ってタイトルつけて、出そうっていう人、いないでしょ、誰も。

山下: うーん。

大滝: まぁ、「音頭」も、

山下: まったくね。

大滝: たまにあるかぐらいだけどさ。

山下: そうですよね。

大滝: 「なんとかブルース」も、ちょっと、そろそろなくなってるかなってとこでしょ?

山下: もう、うん。そうですね。

大滝: でしょ?まぁ、それは、流行り廃りがあるわけだからさ、当然なんだけど、まぁ、ただ、

山下: 「みんな踊ろうぜ」とか、「ダンスだ」とかいっても、「なんとかブギ」もないですもんね、今。

大滝: 「ブギ」は、まず、しばらくない。「スモーキン・ブギ」か「ハイティーン・ブギ」(笑)、ブギでもないのに。

山下: アメリカでもステップがなくなってるんですよね、だから。ステップの名前ってのがね。

大滝: あー、そうだね。

山下: 踊りの名前。だから、「ハッスル」とか、そのー、「バンプ」とか、

大滝: うん。

山下: そういう、ねぇ、あった、そういうものが、今ないですね。

大滝: ないだろうね。形がないやつだからね、今はね。

山下: うん。だけど、ダンスの定型がないんでしょうね、きっと。

大滝: ないでしょうね、もうね。

山下: だから、こう、なんていうの?人の波の上で泳いでるっていうか、

大滝: っていう、まぁ、いろんなね、ああいう、

山下: ありそうですね。

大滝: だから、60年代のダンスって、非常にコミカルだったよね。

山下: そうですね、確かに。

大滝: 喜劇的な要素が、「ホース」とかね。

山下: えぇ。

大滝: だいたい、馬のマネするとかさ。

山下: (笑)、「モンキー」とかね。

大滝: そうそうそう。だから、ああいう、競馬のCMなんかも、「ホース」の歌でやれば(笑)。

山下: (笑)。

大滝: 馬のマネして踊るとかさ。だから、ほんとに動物シリーズだったね、あのころはね。60年代は。

山下: あのー、大滝さん、競馬とか一切なさらないでしょ?

大滝: 全然やらないです。

山下: 僕も全然しないんですけどね、

大滝: うん。

山下: 僕のドラムの、あのー、ローディーがね、

大滝: うん。

山下: こないだ、中山記念を、初めて買って、

大滝: ほー、ほー。

山下: 2000円買ったら、当たっちゃったんですよ。

大滝: あらっ。

山下: そしたら、80,000円?

大滝: あらっ。

山下: それで、「部屋代払った」つうんですけどね(笑)。

大滝: 部屋代払ったって、オチがいいね。

山下: それでね、

大滝: うん。

山下: 電話かかってきてね、僕のブタカン(舞台監督?)とこに、ひろしにね(笑)。電話かかってきて、

大滝: (笑)、ひろしー。

山下: それで、まぁ、彼もそんなのしないんだけど、やり方ぐらいは知ってるじゃないですか?

大滝: うん。

山下: で、「どこで換えればいいんですか?」つったらね、「そらぁ、もちろん、おまえ、銀行いってね」、あのー、とある銀行、宝くじ売ってる銀行。

大滝: うんうん。

山下: 「あそこの上みると、JRAという窓口あるから、そこへ行け」つってね。

大滝: うん。

山下: (笑)、そしたら、それ、すっかり信用して、銀行の窓口に、

大滝: 銀行に行ったの(笑)?

山下: 馬券出して、「換えてくれ」つったって(笑)。

大滝: えらいっ(拍手)!

山下: みんなに笑われて(笑)。素直な、

大滝: オチがいい。

山下: 素直な人間でね、

大滝: ひろしがそれいったわけ?

山下: それ、教えたの(笑)。

大滝: ひどい、相変わらずひどいやつだねー、あいつは。

山下: (笑)。

大滝: もうね、顔に出てるけど。

山下: そういうあれでね。そうか!だけど、そのあれは、大元を聴いてみたいな。それは来年だな。

大滝: あー、「アンアン小唄」はね。うーん。

山下: でも、

大滝: いや、あれですよ。あのー、今年、無料サービスは去年で終わりなんだ。

山下: あー、そう?

大滝: うん。

山下: 今年からどうなるんですか?

大滝: 有料。

山下: なんなの(笑)、その「有料」っていうのは?

大滝: 有料、1回いくら。

山下: へぇー。

大滝: だから、あのー、もう、「仏の大滝」も去年で終わり。

山下: なんだか、よくわかんないけど(笑)。

大滝: なにいってんだかなー。

山下: 具体的にどうするんですか、それで?

大滝: えーっと、だから、あのー、なんかのボックスとか、そういうのに入れようかと。

山下: あー、なるほど。

大滝: うん。

山下: もう、だから、あれだ、「タダでは聴かせない」と。

大滝: タダなんかじゃ、もう。

山下: (笑)。

大滝: あのね、つくづく思ったんだけどさ、

山下: だんだん(笑)、

大滝: 俺、基本的にさ、あのー、すごく大事なこととか、あのー、一般性のあるものは、ラジオでよくやってるのはね、

山下: えぇ。

大滝: あのー、パブリック・ドメインという思想を元に考えているわけ、そういう方がね。

山下: えぇ。

大滝: なんだけどさ、あのー、水とか空気とかね、あれもパブリック・ドメインと考えているわけ。

山下: なるほど。

大滝: で、水はある程度、お金払うから、みんな大事に、ある程度、使うけども、

山下: うん。

大滝: 空気は、タダだとなるとね、ありがたみがわかんないんだよ、みんな。

山下: うん。

大滝: でね、そのー、それが、こう、日常的になってくると、だんだん、だんだんひどくなってくる。

山下: うーん。

大滝: 理想はわかるけどね、そのー、自由の限界もだんだん広がっていくとね、

山下: うん。

大滝: やっぱり、まずいんだ。

山下: (笑)。

大滝: そこで、経済行為をそこに入れて、ある種の代償を払うっていうことによって、大事にするっていう心を、

山下: ペイね。

大滝: やっぱり、養っていかなきゃ、ダメだと考えたんで、50になってね、

山下: 課金をすることにしたんですね。

大滝: だから、あれだよ、「仏の大滝」は去年で終わりだ。

山下: (笑)。それほどサービスしてたとは思えないけどな(笑)。

大滝: あっ、そうなの?なんだ(笑)。あれでも、充分、自分じゃ、サービスのつもりだったんだけどね。

山下: じゃぁ、一応、既発は、だったらいいと。

大滝: まぁね。

山下: あれですね?

大滝: そうそうそう。既発だ。

山下: じゃぁ、「レッツ・オンド・アゲイン」の、

大滝: 揮発性のものだから。

山下: 「アンアン小唄」をかけましょうよ。

大滝: あっ、かけよう。

山下: えぇ。僕、しばらく聴いてないし。

大滝: うん。

 曲:

山形かゑる子/アンアン小唄

山下: 思い出しましたよ。「はい、じゃんけんぽん」って、僕がやってるんですよ。

大滝: (笑)、君は、「アンアンアン」っていうのをさ、ずっとやってたよ。

山下: 「アンアンアン」

大滝: 「アンアンアン」ってのを。ちゃんと、君の声、入ってたじゃない。

山下: やってたよ。

大滝: 忘れちゃだめだよ。

山下: 思い出しましたよ。

大滝: うーん。

山下: いや、芸の幅が広くなったのは、ひとえにおかげだね。

大滝: まったく、まったく。

山下: ほんとに。

大滝: こればっかりはね、うん。

山下: もう、これの「禁煙音頭」のね、なにが「煙に目がしみる」だよ(笑)。

大滝: 今にして思えばさ、

山下: あれが初めてで(笑)。

大滝: 一番のレパートリーじゃないのよ。

山下: あれが一番最初に歌って(笑)、

大滝: あれが一番最初だ、だから。

山下: あれで、歌って、「結構、いい曲だな」とか思ったのが(笑)、そのへんから始まってんの。しょーがない。

大滝: (笑)、はじまってるんだ。だから、きっかけになってるってやつでね。

山下: うん。

大滝: あのー、最後の方にはいないんだけど、出だしの方にはね、

山下: (笑)。

大滝: アイディア段階とか、そういうところにね、必要な人間なんだよ、私って。

山下: (笑)、そのとおり。

大滝: うーん。ねっ。で、あれ、「じゃんけんぽん」だけど、最初、「『じゃんけんぽん』というのは、多分、ある独特の、地方のものなんだろう」から、あと、あのー、「別々、いろいろ探すと、なんというのかな?」っていうようなことをやったんだよ。

山下: うーん。

大滝: そしたら、どっかいったら、「じゃらけつほい」っていうのがあるっていうからさ、で、やってたの。「ちっちのち」っていうのが、あるって、「どこなんだそれ?」っていう(笑)。それは、なかに入れてたんだけどさ。

山下: うん。

大滝: で、あのー、今日終わると、あのー、NHKのFMで、今度、「ポップス伝」の「2」を、ちょうど放送するんですよ。

山下: あー、そうですか?えぇ。

大滝: あのー、明日から、連夜5夜にわたってやるんだけどね。

山下: 時間軸としては、いつぐらいなんですか?要するに、その、特集を、

大滝: あっ、明治の、あのー、明治の、えー、出だしから。また、もう1回、「1」を少し踏襲しつつ、

山下: ふーん。

大滝: あのー、戦後の方までっていうことで。ようやくね、5回で、あのー、「1」と「2」でね、ようやく総論がね、

山下: (笑)。

大滝: みんなね、だから、総論聞いてるとさ、「もう、わかった」と。そのー、「全部の流れじゃなくて、俺は個々のあれが聞きたいんだ」とか、

山下: うーん。

大滝: いうのはわかってんだけどさ、個々のさ、そのー、やりたいのは、やまやまなんだよ。なんだけど、総論を一回やっとかないと、

山下: 総論をやらないとね。

大滝: 個別にやっても、みんな無理が、あのー、あれだから、ようやくだからね、これが終わって、各論に入れるんだけれども。

山下: なるほど。

大滝: でもね、あのー、自慢じゃないんだけどさ、あれは、今回、自分のアルバム以上のものなんだよ。

山下: (笑)、自分のアルバム以上(笑)。

大滝: 以上じゃなくてさ。俺さ、アルバムづくりっていうようなこと、音楽活動っていうようなことが、アルバムづくりとか、シングル製作だけに集約されるっていうこと自体がね、俺は非常に偏った考え方だと思ってるわけ。

山下: (笑)。

大滝: 音楽なんてさ、

山下: よくわかります。

大滝: そんなにさ、狭義なものじゃないんだよ。ものすごく広義なもんなんだよ。

山下: そうですね。

大滝: だからね、あれが俺のニュー・アルバムなんだけど、どうせわかってもらえねーだろうなと、はなから思ってない。

山下: (笑)。

大滝: でさ、あのー、それをね、「だったら、音楽活動っていうか、創作活動でやればいいじゃないか」っていうふうに、みんな思うと思うの。「お前の解説はもう聞き飽きた」と。

山下: うん。

大滝: 「それを音楽活動にしてこそ、ミュージシャンじゃないか」って。やったのが、「レッツ・オンド・アゲイン」なんだよ。

山下: (笑)。

大滝: やってんだよ。もう、20年も前に。

山下: よくわかります。はい。

大滝: だから、「レッツ・オンド・アゲイン」は、だから、ああいうような、あのー、いつものごたく並べてるやつの音楽活動だったんだけどさ、才能が至らずに、あの程度にしかならなかったんだよ。

山下: (笑)。

大滝: 難しいんだよ、ああいうのは。

山下: (笑)。

大滝: そんなかの、いま、ひとつなの。「ワン・オブ・ゼム」なんだよ。

山下: (笑)。

大滝: いいんだよ、わかんなくたって、俺は。

山下: だって、前後のあれ、なんにもないですからね。もう、唯一無比で、あそこで、屹立してますからね(笑)。

大滝: (笑)。あそこで終わる予定だったんだよ。で、ようやくだから、「分母分子論」から、「普動説」で、

山下: なるほど。

大滝: で、今度のラジオ番組っていうのが、あれの解説なんだけどさ、

山下: うーん。

大滝: で、また、だから、あれを、創作活動しても、せいぜい「レッツ・オンド・アゲイン」どまりなんだよな。

山下: (笑)。

大滝: で、あれ以上のもんも、できやしないんだよ。

山下: (笑)。

大滝: もう、終わったの。だからね、放送聴いてくれって。あれが俺のニュー・アルバムなんだよ。

山下: なるほど。

大滝: ニュー・アルバム以上だよ。もう、あれ以上のものはないと思ってる。

山下: (笑)。

大滝: ほんとに。だから、これからもし、「やってくれ」っていうんだったら、「2」が終わって、「3」をやってくれっていう。だからそれ、お金とってないんだから。パブリック・ドメインなんだからさ。

山下: なるほど。

大滝: まぁ、いいから、ごたく聞いてよ。タダなんだからさ。

山下: うーん。なかなか、

大滝: どないだ?

山下: この1年で、理論をさらに、また、構築してきましたね。

大滝: いやいや、おなじようなこといってますけどね。

山下: お送りいたしてまいりました、「山下達郎サンデー・ソング・ブック」。1999年第1回目のサンデー・ソング・ブック、おなじみ、大滝詠一さんをゲストにお招きいたしまして、「新春放談パート1」。えー、99年新春放談パート1、いかがでしたでしょうか?えー、来週も引き続き「パート2」、お届けいたしたいと思います。お楽しみに。えー、今週の木曜日、1月7日、そして金曜日、8日から、99年の私のライブがスタートいたします。名古屋のみなさん、お待ち申しあげております。

(誕生日メッセージは省略します)

山下: 「山下達郎サンデー・ソング・ブック」、来週も引き続き、大滝詠一さんをお招きいたしまして、新春放談パート2、お楽しみに。来週もセイム・タイム・セイム・チャンネルで。みなさん今年もよろしく。ごきげんよう、さよなら。

 前回の更新から1年以上。「再度聴き取りを行い、内容の精度を上げていく」と豪語していたにもかかわらず、このていたらく。来年の新春放談までには、完成させたいと思い、10月に入ってから作業にとりかかりました。1ヵ月もあれば、1本できるだろうとふんでいましたが、あまりの文字数の多さに、一向にはかどりませんでした。
 さて、この放送直後にオンエアされた「ポップス伝2」ですが、これ、「1」とあわせて、活字(本)にしてくれないでしょうか?冬眠前の「アミーゴ・ガレージ」で、「モニター画面のスクロールと《印刷活字》とでは“説得力”が違うように思える」というような一文がありましたが、ラジオも同様だと感じています。特に、「ポップス伝」のような、「ながら聴き」が難しい番組は、ぜひ、活字にして、繰り返し読んでみたいものです。まぁ、こんなこと書きながらも、あの有名な格言を思い出しつつ、「そうなんだよなー」とミョーに納得してしまうところに、わずかながら、修行の成果が見えているのかもしれません。


新春放談 index