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1995.3.12 大滝詠一ナイアガラ・ワールド

(始まりが若干きれています)

能地: 「…ナイアガラ・ワールド」と題しまして、いよいよ活動を本格的に再開しました、大滝詠一さんの音楽を特集したいと思うんですが、大滝さんの復帰第一弾となりました、プロデュース作品、「うれしい予感」を歌っている、この方といっしょに、

渡辺: (笑)。

能地: 大滝詠一さんを語りあげたいと思います。

渡辺: (笑)、はい。こんばんは、渡辺満里奈でーす。どうも。

能地: どうも、どうも。

渡辺: 「語りあげる」という、すごい企画ですね。

能地: うーん。

渡辺: いいんでしょうか、こんなことで(笑)?

能地: おおいに。でも、満里奈ちゃん、

渡辺: はい。

能地: こう、「ぽっ」と突然、10年の沈黙を破って、

渡辺: はい。

能地: 世の中に復帰された、大滝さんとともに。

渡辺: うん。

能地: 満里奈ちゃん、何年の沈黙を破ってでしたっけ(笑)?

渡辺: 私は3年ぐらいですかね。

能地: 3年の沈黙を(笑)、

渡辺: 沈黙を破って。

能地: 破って、こう、ともに現れて、「ナイアガラ・ファミリー」の新しい一員となったわけですが。

渡辺: そうなんですよねー。いつのまにか。

能地: 「ナイアガラってなんだ?」と思ってる人もいるんでしょうね。

渡辺: そうでしょうね。

能地: ねぇ。

渡辺: たぶん、私は、「ナイアガラ」とかって、小学校6年生とかに聴いてたから、きっと、最後とか、最後よりもちょっと下とかですよね?

能地: そうですね、リアル・タイムとかでは、もしかしたら、一番若い世代。ちなみに、まぁ、「ナイアガラ」っていうのは、

渡辺: はい。

能地: 大滝詠一さんの「滝」をとって、「ナイアガラ」なのかどうか、「ナイアガラ・レーベル」というね、大滝さんの個人レーベルがあって、そんなこともあって、大滝詠一関連の作品群は「ナイアガラもの」というふうに(笑)呼んでいるわけですが、たぶん、意識的にすごい「ナイアガラ・マニア」とかいるじゃないですか?

渡辺: うん、そうですね。

能地: 40歳ぐらいの人まで。

渡辺: (笑)。

能地: 意識的な「ナイアガラ・マニア」もいるんだけど、

渡辺: えぇ。

能地: 自分でも意識しないうちに、こう、気が付いたら、「あっ、私もナイアガラ・ファンだったんだ」っていうことがね、たぶんあると思いますが。

渡辺: そうですよね。聴けば、「あっ、この曲か!もう、すっごい、これ好きだった」っていうのは、絶対ありますよね。私とかはね、その小学校6年生ぐらいのときに、聴いたのがあれだったんですよ、「A面で恋をして」。

能地: 「A面で恋をして」、ナイアガラ・トライアングルVol.2っていう、大滝さんと、佐野元春さんと、杉真理さんと3人で歌った、

渡辺: そうですね。

能地: 化粧品のコマーシャルかなんかだったんだよね。

渡辺: あっ、そうみたいですね。資生堂かなんか。

能地: 覚えてないですか?

渡辺: もうね、覚えてないんですよ。で、私は何を覚えているかっていうと、「A面で恋をして」は、うちの姉が、中学の体育祭の応援合戦かなんかのテーマ曲に「A面で恋をして」が選ばれたりして(笑)、

能地: (笑)。

渡辺: それで、こう、みんなで並んで、「A面で恋をして」で、踊りをつくって、踊ったりとかするんですよ(笑)。

能地: えっ!じゃぁ、「A面で恋をして」を歌える?あっ、踊れる?

渡辺: 踊れない、踊れない(笑)。そのときの応援の?踊れないですよ。それをね、私は聴いてて。

能地: そのときは別に、「私はこれから、ナイアガラ・ファミリーの作品のファンになる」とか、全然そういう意識なかったですよね?

渡辺: うん、意識はなくって。で、そういう曲があって、それで、「トライアングル2」っていうアルバムありましたよね?

能地: うん。

渡辺: あれとか、あとー、そのとき流行ってたから、山下達郎さんとか、聴いてたみたいですね。

能地: うん。たぶんね、「A面で恋をして」はみんなよく知ってると思いますが、

渡辺: そうですね。

能地: それを歌っていたのが、こう、大滝詠一さんであり、

渡辺: はい(笑)。

能地: それを歌っていた大滝さんが、例えば、松田聖子ちゃんの曲書いてたりとか、小泉今日子さんの「快盗ルビイ」、曲書いてたりとか、気が付かない人も多いんじゃないかな。

渡辺: そうでしょうねー。

 曲:

ナイアガラ・トライアングル/A面で恋をして

 曲:

うなづきトリオ/うなづきマーチ(途中から会話がかぶさる)

渡辺: 私、最近気が付いて、「えーっ!」って驚いたんですけど、「うなづきマーチ」。

能地: あっ、ねっ(笑)。

渡辺: 「うなづきマーチ」は、「えっ、これ大滝さんだったんですか?」っていうのは、今回、いっしょにお仕事をして、

能地: うん。

渡辺: スタジオで、今度、なんですか、作品集ですか?

能地: えぇ、えぇ。

渡辺: が出るじゃないですか。

能地: うん。

渡辺: それを聴かせていただいて、そのなかに「うなづきマーチ」が入ってるとき、ひっくり返りましたけど。

能地: それも、じゃぁ、「A面で恋をして」とおんなじぐらい?

渡辺: うん、おんなじぐらいとか、もうちょっと前とかですよね、「うなづきマーチ」って。

能地: 小学生?

渡辺: うん、小学生。それはもう、全く、全然知らないで、「ひょうきん族」とか好きだったから。

能地: なんか、私、この前、大滝さんにお会いしたんですけど、「満里奈ちゃんに『うなづきマーチ』をスタジオの中かで聴かせたとたん、あいつ、スタジオの中で踊りはじめた」って(笑)。

渡辺: (笑)。踊ってはいないですけど、いや、いちおう座りながら、「うわー、懐かしい!」とかって、そんな盛り上がるじゃないですか。

能地: 「あいつ、『うなづきマーチ』踊れるんだぜ」って、おっしゃってましたけど(笑)。

渡辺: そうそうそう。それで、「こういう振りだったんですよね」とかって、手をこうやってね、かざして、うなづくじゃないですか。

能地: (笑)。

渡辺: それをやったんですけど(笑)。やだ、顔が熱くなっちゃった。そうなんですよ。

能地: でも、なんか満里奈ちゃんの世代って、「うなづきマーチ」って、幼児体験として、根強くねず、

渡辺: あれっ、根付いている?

能地: 根付いてますよね?

渡辺: そうですよね。「ひょうきん族」とか大好きだったからね。

能地: スチャダラパーの歌で、

渡辺: あっ、そうそうそう。

能地: 「メモレー」、

渡辺: そうそうそう。

能地: 「コピレー」っていうのも(笑)、

渡辺: そうそうそう。

能地: あれも、「うなづきマーチ」からとっていたのかなと。

渡辺: そう!私もそう思った。「あぁ、あれだったのか」思って。

能地: ちなみに、うなづきトリオのシングルの、あのB面って、なんだか知ってます?

渡辺: なんでしたっけ?

能地: 「B面でうなづいて」(笑)

渡辺: あっ、そう(笑)。

能地: おなじころに出たんですよね(笑)。

渡辺: あっ、そうか、そうか。それでか。ふーん。

能地: 大滝さんの音楽って、すごい、メロディアスな美しいものと、「うなづきマーチ」みたいなおもしろいものっていうのが、つねに裏表っていうか、交互交互に出ていて、満里奈ちゃんの今度の「うれしい予感」も、カップリングが植木等さんの、「針切じいさんのロケン・ロール」。これまた、なんか、対極的な曲になってるんですよね。

渡辺: そうなんですよね。だから私は、そのなかの、メロディーよい、美しい曲の方だったんですよ。

能地: (笑)。

渡辺: だからね、ナイアガラ・トライアングルとかを聴いて。で、私、ちょうど貸しレコード屋さんとかが出てきたときだったから、貸しレコード屋さんで、いろいろ、その、「ナイアガラ・ムーン」とか借りて、聴いてたんですよね。

能地: えぇ、えぇ。でも、それ、結構おませじゃないんですか?

渡辺: うん、お姉ちゃんがいたから。

能地: あぁ、お姉さんの。いくつ上のお姉さんなんですか?

渡辺: ふたつなんですよ。ふたつ上なんですけど。だから、なんだ?「ムーン」とか聴いてたんですけど、全然印象に残ってないのは(笑)、

能地: (笑)。

渡辺: 音頭とか入ってるでしょ。なんか、ちょっと、「美し路線」じゃないじゃないですか?

能地: 「この人、こんな人じゃないはずなのにー」っていう(笑)。

渡辺: だからね、全然きっとね、印象に残ってないんですよ。

能地: うーん。

渡辺: 「こういうものがあったんだ、そういえば」とかっていう(笑)。

能地: じゃぁ、その、「美しいもの」を歌ってる大滝詠一さんが好きで、でも、誰がつくったかわからない「うなづきマーチ」も好きな、

渡辺: そうそうそう(笑)。

能地: 子どもだったという。

渡辺: そうだったんですよ。

 曲:

大滝詠一/君は天然色

能地: 80年代あたまのころといえば、「ロング・バケーション」という、日本のポップス史上に残る、金字塔、大ヒットアルバムですが、

渡辺: うん、金字塔。

能地: 「ロング・バケーション」は?

渡辺: 「ロング・バケーション」は聴いてました。すごく。「君は天然色」だとかも、すごい好きで、聴いてたし、

能地: うーん。

渡辺: あとー、なんだ?「FUN×4」とか、

能地: うんうん。

渡辺: よく歌ってましたね。すごく聴いてたアルバム。

能地: これは、

渡辺: 今回の、「うれしい予感」をいただいて、「はっ、『君は天然色』?」なんて思ったんですけど(笑)。

能地: (笑)。

渡辺: あとから聞いたら、「姉妹品をつくりたかった」っていうのを聞いて、「あー、なるほどなー」と思ったんですよ。

能地: それで、大滝詠一さんに、「渡辺満里奈さんは、メロディーが体に染み込んだ歌い方をしている」というお褒めの言葉を(笑)。

渡辺: そうなんですよ。なんか、「お褒めの言葉」なんだか(笑)。

能地: でも、子どものころに、そんなによく聴いてた曲の姉妹品を、自分が歌うとかって、緊張しませんでした?

渡辺: もう、すっごい緊張しました。

能地: ふーん。

渡辺: もうね、すごく、その、大滝さん、「大滝詠一っていうすごい人なんだ」ってのが、すごくあったし。その曲を歌うっていうことが、すごく緊張した。

能地: うーん。

渡辺: 実際、本人とかにお会いしたときは、「おっ、この人があの10年間休んでいた大滝詠一か!」と思って。

能地: 自分だって、3年休んでたくせにっていう(笑)。

渡辺: (笑)。そう、もう、名前負けしちゃって。「はっ」なんて(笑)。そうだったんですよね。

能地: 「ロング・バケーション」って、すごい、満里奈ちゃんも、すごい聴いてたと思うし、私も高校生から大学生ぐらいのあいだで、

渡辺: えぇ。

能地: とにかく、全員持ってたのかなー。

渡辺: そうだったんですか。

能地: なんか、ジャケット、写真とか、ほんと載ってないじゃないですか。

渡辺: うんうん。

能地: だから、大滝詠一という人の実態は、なんだかよくわからないんだけど。でも、その、ジャケットっていうのは、すごい、誰もが持ってて。で、永井博さんの絵が流行ったから、

渡辺: そうですよね。

能地: もう、サーファーの家いくと、

渡辺: そうそうそう(笑)。

能地: あの絵のブラインドが、こう、かかってて(笑)。

渡辺: で、「FINE」(本のこと?)とか買ったりして。

能地: (笑)。

渡辺: うちのお姉ちゃんも、そういうあれですか?中学生とかで、流行もん好きじゃないですか。

能地: サーファーですか、もしかして?

渡辺: サーファー、陸サーファーだったんですよ。

能地: 陸サーファーが出始めたころなんだ(笑)。

渡辺: サーフィンやらないけど、「サーファーのかっこして、海行って」っていう感じの陸サーファーで。そんときに、お姉ちゃんから借りて、聴いてましたけどねー。だから、小学生にしては、あれだったかもしれない。「もう、歌謡曲なんて、なんで?」なんていってたような、こましゃくれた(笑)、あれだったから。

能地: (笑)。私なんかね、大学生になると、男の子の車のなかに、「ロング・バケーション」と、聖子ちゃんのアルバムと、あと、山下達郎さんの「FOR YOU」っていうアルバムが、

渡辺: うんうんうん。

能地: それがもう、なんか、日本の大学生の、

渡辺: (笑)。

能地: 「必携アイテム3点」みたいな感じで。まぁ、そのころ、CDないんで、永井博さんのカセット・レーベルにね、コピーして。

渡辺: そうそうそう!

能地: カセットがね、聖子ちゃん、大滝さん、達郎さんというのが、3点セットでね。

渡辺: やった。私もすごいやりました。

能地: やりましたか?

渡辺: 「FOR YOU」とか、すごい聴いてたもん。

能地: ふーん。

渡辺: 今ね、聴いてもね、全然、もう、OKっていうか、はまるんですよ、すんごく。

能地: (笑)。

渡辺: もう、久しぶりに聴いて。「ロング・バケーション」とか、「トライアングル2」とか、久しぶりに聴いたら、すごいはまっちゃって、車のなかでガンガンかけてたりとかするんですけど(笑)。

能地: (笑)。

渡辺: いいですよー。

 曲:

松田聖子/風立ちぬ

渡辺: 私、よく考えたら、聖子ちゃんにも、曲をいっぱい書いてるじゃないですか。

能地: うん。

渡辺: で、聖子ちゃんの曲とか、好きだったのが、見てみたら大滝さんの曲だったりとかってのが、

能地: はーん。

渡辺: すごく多かったんですよね。

能地: うーん、あれですよね、「風立ちぬ」のアルバムに入っている、

渡辺: そうそうそう。「いちご畑でつかまえて」とか、もう、すっごい、異様に好きで。

能地: うん。

渡辺: で、歌詞をノートに書いて覚えたりとかね、

能地: はーっ。

渡辺: いっしょに歌ったりとかしてましたけど。

能地: ねぇ、聖子ちゃん世代ですよね、満里奈さんは?

渡辺: そうですね、ちょうど。聖子ちゃんとかを、もう、すっごい聴いてて、なんていうアルバムでしたっけね?あっ、「風立ちぬ」に入っているのかな?そう、そのー、アルバムをいっぱい聴いてて、片面大滝さんがプロデュースしてるんですよね?

能地: えぇ。

渡辺: 「Candy」は(笑)、

能地: 「Candy」は、

渡辺: えぇ。

能地: 「Rock'n roll Good-bye」は、

渡辺: 「Rock'n roll Good-bye」も、大滝さんなんですよね。

能地: 「ジャジャジャジャジャ・・・」

渡辺: 「ジャジャジャ、悪いけど行くわねー」ってやつですね。

能地: そうです(笑)。

渡辺: あれは、よく歌いましたね。

能地: うーん。「風立ちぬ」はいいアルバムですよね。

渡辺: いいアルバムですね。

能地: 私、最近、なんか、夜中に爆音でこれを聴くのが趣味(笑)。

渡辺: もう、ほんとに、喉がかれるまで歌いますよね。

能地: うーん。

 曲:

大滝詠一/颱風

渡辺: うん、それで、この、「風立ちぬ」か。

能地: えぇ。

渡辺: 「いちご畑」とか、そういうやつを聴いて、それでちょっと、あいだがあくのかな?

能地: その辺の、だから、大滝さん個人の、オリジナル・アルバムつくったりの活動はないんですけど、ほら、小林旭さんの、

渡辺: そうそうそう。

能地: 「熱き心に」とか、

渡辺: 「熱き心に」と「冬のリビエラ」。

能地: そう、森進一さんの「冬のリビエラ」とか。

渡辺: そうそうそう、そういうのがあって、

能地: あのへんは、「あっ、大滝詠一だ!」とか思ってました?

渡辺: いえ、全然みてないんです。で、「あー、すごい、いい曲だなー」と思って、

能地: (笑)。

渡辺: 思うと、あとで気が付くと、「あっ、あれも大滝さん。これも大滝さんか」っていうのがあってね。それで、2〜3年ぐらい前に、はっぴいえんど、いや、違う、最初に「大瀧詠一」、ファーストを聴いたんですね。

能地: うんうん。えぇ、えぇ。

渡辺: 「ファースト」を、誰かが、「これいいんだよ」なんていって、

能地: うん。

渡辺: 聴かせてもらって、「あー、大滝さんって、私、『ロンバケ』とかしか知らなかったけど、こんな、いろんなことやってたんだ」と思って、

能地: うん。

渡辺: それから意識するようになったんですよね、きっと。「あっ、これが大滝さんだったのか」とか。

能地: 「あっ、そういわれてみれば、これも、これも、これも、これも」

渡辺: うんうん、そうそう、そうなんですよ。それで、「『指切り』って大滝さんの曲だったのか」とか。で、はっぴいえんどになるんですね。

能地: ふーん。

渡辺: はっぴいえんどを聴いて、はっぴえんど、CDが結構出てたんで、

能地: ちょうど、「はっぴいえんどボックス」とかが出る前ぐらいですよね?

渡辺: そうですね。

能地: なんか、そのー、世の中で、大々的な「はっぴいえんど再評価ブーム」みたいなのが起きるちょっと前ぐらいですよね、たぶん?

渡辺: そうですね。それで、はっぴいえんどとかを聴いて、「あー、なるほど」と思ってたら、「すごくかっこいいなー」なんて思って、「はっぴいえんど伝説」、萩原健太さんの(笑)、「はっぴいえんど伝説」とかも読んでみたりして、

能地: えぇ(笑)。

渡辺: それで、「はっぴいえんどに捧ぐ」っていうアルバム、

能地: うん。

渡辺: なんていうんですか、ああいうアルバム?

能地: オムニバス、

渡辺: あぁ、オムニバス。

能地: トリビュート・アルバムっていうのかな?

渡辺: があって、それに「参加しませんか?」っていう話しがあって、

能地: えぇ。

渡辺: 「あっ、じゃぁ、大滝さんの曲だったら歌います」とかいって(笑)、

能地: うん。

渡辺: なんだかしらないけど、大滝詠一にすごいこだわってて、「大滝さんの曲だったら歌います」って。で、何曲か候補をあげて、そんなかで、「空いろのくれよん」っていうのを歌ったんですね。

能地: 満里奈ちゃんがカバーした、「空いろのくれよん」が入ってる、「風街ろまん」というセカンド・アルバムがあるんですが、

渡辺: えぇ。

能地: それ、72年かな?たまたまうちに、父親がそのアルバムをなぜか持ってて。

渡辺: えぇ。

能地: 私、小学校2年ですよ。

渡辺: うん。

能地: で、聴いてて、印象に残ったのが、「颱風」と、あと、一番最後に入ってる「あいうえおの歌」、

渡辺: うんうん。

能地: 「あいうえお、かきくけこ」っていうのを、ただのせているだけの、

渡辺: えぇ、えぇ。

能地: の歌で。今思うと、っていうか、大滝さんにそのお話しをすると、「やっぱり、無意識のうちにナイアガラ・ファンだったんだな」といわれるんですが、

渡辺: えぇ。

能地: たぶん、子ども心には、おもしろい歌だったから(笑)、よく覚えてたんだと思うんだけど、なんか、すごい衝撃で。遠足のときに、バスのなかで、みんなで1曲ずつ歌うじゃん。

渡辺: えぇ、えぇ(笑)。

能地: そのとき流行ってる、なんか、天地真理の曲とかを順番に歌って、私は、「絶対、『颱風』っていう曲は、こんなにおもしろいんだから、すごいヒットしている曲だ」と思って、「じゃあ、私は、『颱風』っていう曲を歌います」っていって歌ったら、バスのなか、「シーン」としちゃって、

渡辺: (笑)。

能地: 「そんな歌あるわけない!」っていわれて、「だって、うちにレコードがあるもん」って。

渡辺: それすごいですよね(笑)。

能地: すっごい、いやながきだったと思う。

渡辺: (笑)。すごい、小学校2年生で?

能地: うん。「ナイアガラ・チルドレン」なのかもしれない、だから。

渡辺: いや、「かもしれない」じゃなくて、「ナイアガラ・チルドレン」なんですよ、もう。そっか、それで、能地さんが2年生のときに、そうやって、「颱風」を歌ってて、

能地: うん。

渡辺: 私が小学校6年生のときに、「A面で恋をして」とかを歌ってて。

能地: いや、「うなづきマーチ」を踊ってたという(笑)。

渡辺: あっ、そう。「うなづきマーチ」を歌ってて(笑)。もう、これは能地さんとも「姉妹なんじゃないか」っていう。そういうので、この、ふたりでお話しするっていう機会がもたれたんです。

能地: えぇ。なんかこう、大滝さんのね、「君たちはナイアガラ姉妹なんだから」(笑)、

渡辺: (笑)。

能地: 「兄弟げんかしないで、仲良くするように」といわれ、

渡辺: (笑)、けんかしてませんよ。

能地: ねー。

渡辺: そう考えると、なんか、「すごい、つながってるんだなー」という感じが。

 曲:

大滝詠一/それはぼくぢゃないよ

能地: 満里奈ちゃんって、

渡辺: はい。

能地: ライブで大滝さんの曲をカバーしてますよね、「空いろのくれよん」だけじゃなくて。

渡辺: はい、そうなんですよ。あっ、「空いろのくれよん」、アルバムで歌って、「それはぼくぢゃないよ」、

能地: 「ファースト」に入ってる。

渡辺: 「ファースト」から。それを歌ったことがあります。

能地: あと、金延幸子さんという、

渡辺: えぇ、えぇ。

能地: すごく昔に、2年ぐらい前にまた、カムバック・アルバムを出されたんですが、

渡辺: 出されましたね。

能地: すごく、はっぴいえんど、だから、もう、元祖、女性シンガー・ソング・ライター、日本の?

渡辺: うん。

能地: 吉田美奈子さんが、「お姉さん」と慕っていたという、伝説的な女性シンガー・ソング・ライターの方が、

渡辺: そうだったんですか?

能地: うん。で、大滝さんとコラボレーションなんかもしていた、金延幸子さんという人がいるんですが、

渡辺: はい。

能地: その方の、「あなたから遠くへ」という曲も、

渡辺: はい、カバーしているんですよ。

能地: ねぇ。

渡辺: それは、のちほど、再発とかがいっぱい出た時期に、CD屋さんでいろいろ、「じゃぁ、ちょっとはっぴいえんどとかもすごいいいし、関連のものも聴いてみよう」と思って、何枚か取り上げてたんですね。で、意識を、全然意識してなくて、金延幸子っていう、「み空+2」があって、1曲だけしか大滝さん入ってないんだけど、「でもなんかこれ、ちょっと、聴いてみようかな」と思って、買ったら、「あなたから遠くへ」っていうのが、すごくよくて、

能地: うん。

渡辺: 琴線に触れちゃって、「これはいい」と思って、ライブでカバーしたりしたんですけどね。

能地: そしたら、これがなんか、おもしろいことにというか、なんか、ある、福生にお住まいの(笑)、

渡辺: (笑)。

能地: 大滝詠一さんという方が、ふと気付かれたことには、

渡辺: えぇ。

能地: 「あなたから遠くへ」というのは、「あい色」っていう言葉で、はじまるんですよね、歌詞が。

渡辺: あー、そうです、そうです。確か。

能地: で、そういえば、「色ではじまる曲がとても多い」っていって、

渡辺: うんうん。

能地: なんか、大滝さんが自分で調べてみたら、例えば、満里奈ちゃんの歌った「空いろのくれよん」が「空いろ」、

渡辺: 「空いろのー」

能地: 出てきたりとか、あと、「それはぼくぢゃないよ」が「茜色」でしょ?

渡辺: うん。あっ、ほんとだ。

能地: だから、歌い出しが「茜色」ではじまる、「それはぼくぢゃないよ」と、

渡辺: うん。

能地: 「あい色」ではじまる、「あなたから遠くへ」、

渡辺: (笑)。

能地: 両方カバーしてたりとか、

渡辺: うんうんうん。

能地: ほかにもなんか、「花いちもんめ」に、「黄色」が出てきたり、「はいからはくち」に「蜜柑色」が出てきたりとか、「田舎道」っていう曲に、「マーマレード色」が出てきたりとかするわけですが、渡辺満里奈さんのデビュー曲、

渡辺: はい。

能地: 「深呼吸して」。その歌い出しは、

渡辺: 「ラズベリー色」なんですよね(笑)。

能地: そうなんですよ(笑)。「だからどうした」っていうのかもしれないけど、

渡辺: うん。

能地: でも、ちょっとこれは、

渡辺: それはすごく、

能地: おもしろかったですよね、その話しを聞いたときには。

渡辺: おもしろい話しですよね。しかも、私、全部歌い出しが色になってるんですよね。「空いろ」、「茜色」、「ラズベリー色」。

能地: うーん、そうそう。なんかね、大映ドラマのように、「やっぱり、私、お父さんの子だったのね」みたいな(笑)。

渡辺: そうそうそう(笑)。なんか、出生の秘密が、どんどん解かれていくみたいな感じの。

能地: ねぇ。

渡辺: ねぇ。

 曲:

金延幸子/あなたから遠くへ

渡辺: 「パレード」を聴いてたんですよ。

能地: うん。

渡辺: 「パレード」を聴いてたら、

能地: シュガ・ベイブの。

渡辺: あっ、シュガー・ベイブでした。そしたら、私のデビュー曲とかって、おにゃん子クラブのなかでは、ちょっと違った、後藤次利さんとかに書いてもらってなくって、曲を。で、なんか、その当時、ディレクターがやりたかったのが、竹内まりやさんとか、須藤薫さんとか、ああいうなんか、こう、ちょっと、カレッジ・ポップというか、「カレッジ・ポップの高校生版みたいなものがやりたかった」というんで、「深呼吸して」というデビュー曲ができたんですけども。私が気が付いたんじゃないんだけど、他の人が、「パレード」聴きながら、「あっ、『深呼吸して』って、これじゃん!」とかって、

能地: あぁ!なるほど。

渡辺: で、そうやって聴くと、「あぁ、なるほどな」とかって。

能地: それで、私もね、ご存知だと思うんですけど、渡辺満里奈さんの大ファンで、

渡辺: (笑)。

能地: デビュー時から、すごい、あっちこっちで大騒ぎしていて。デビュー曲を聴いて、

渡辺: えぇ。

能地: 「なんて、いい曲なんだろう」って。それまで、あまりアイドルの曲って、それほど興味なかったんだけど、

渡辺: うん。

能地: 「深呼吸して」を聴いたとたんに、「あっ、これだー!」みたいな感じで、すごく、こう、惹かれた。ファン・クラブも入ってた、私、実は。

渡辺: (笑)。あれ、そうなんですか?

能地: えぇ。渡辺満里奈のお店にも行ったことあります(笑)。

渡辺: それは聞いたことある(笑)。

能地: (笑)。

渡辺: ファン・クラブは知らなかった。

能地: スタジオで、「うれしい予感」のスタジオで、

渡辺: えぇ。

能地: 初めて大滝さんにお会いになったわけですか?

渡辺: はい、そうです。

能地: 見たことなかったでしょ、それまで?動く大滝さんって。

渡辺: なかったですよ、見たこと。

能地: ねぇ。

渡辺: うん、ないないない。

能地: ないですよね。だって、写真だってなかったんですから。

渡辺: そう。若いときの、「ファースト」のときの写真とか(笑)、ああいうのしか見たことなかったから。

能地: どうでした、お会いになって?

渡辺: 「あーっ、本物だー」って感じ。

能地: 「動いてるー」って(笑)?

渡辺: それじゃぁ、なんか普通の(笑)。

能地: (笑)。

渡辺: いや、でもね、「あのまま歳とってる」っていうか、ちょっと、「くまのぬいぐるみみたいだな」と思ったんですけど(笑)。

能地: (笑)。なんか、若乃花の奥さんみたいなこといってますね。

渡辺: (笑)。そうですね。そうそうそう、声とかを聴くと、「あー、あの声だーっ」とか思って、もうほんとにね、ただのファン状態だったんですけどね。

能地: 私もね、ちょっとね、とある会でね。とある場所で、これ、いっていいのかな?

渡辺: いってください(笑)。

能地: 大滝さんとカラオケ・ボックスいったことがあって、

渡辺: (笑)。それ、いいなー。

能地: 私、大滝さんが歌うとこなんか、誰も見たことないっていうじゃないですか。

渡辺: うんうんうん。

能地: スタジオとかも誰も入れないで、

渡辺: あっ、そうそう。もう、噂がすごいんですよね、大滝さんって。

能地: 電気暗くして、エンジニアだけ残して、全員外に出しちゃって歌う。

渡辺: そうそうそう、絶対顔見せないっていう。

能地: それなのに、私、大滝さんとデュエットした。

渡辺: (しばし沈黙)、デュエットしたんですか?

能地: えぇ。果たして、いっていいのかな?

渡辺: それはもう、姉といえども、私は聞かないと気がすみません、なんて。

能地: えっ、いっていいのかな?怒られるかな?

渡辺: だいじょうぶですよ。

能地: 私たちのお父さんですからね(笑)。

渡辺: そうそうそう。もう、子どもだから、娘だから。

能地: フランク永井の、「東京ナイトクラブ」を。

渡辺: なんですって!お姉ちゃんずるい、それは。なんて(笑)。

能地: でも、満里奈ちゃんなんかほら、「うれしい予感」の仮歌、

渡辺: うん。

能地: 大滝さんが歌ったテープを持っている。

渡辺: (笑)、そうなんですよ。それも、「満里奈さん以外聴かせないでください」とか、そういうコメント付きで(笑)。

能地: (笑)。

渡辺: なんでかなー、なんて。そうなんですよ、大滝さんについての逸話って、すごく、

能地: なんかもう、すごい噂が、

渡辺: あるから。

能地: ねぇ。

渡辺: 初めて会うときは、「怖い人」っていうか、なんでもかんでも、「がーっ」って、なんていうんですか?理詰めで、「ばーっ」っていわれたら、「どうしよう、バクバクバク」なんて思ってたんですけど。全然そんなことなくて、印象はほんとに、「やさしいおじさんだなー」っていう感じで。

能地: そうですよね。まぁ、ねっ、「うれしい予感」で、

渡辺: はい。

能地: 大滝さんも見事、久々の活動を再開され、

渡辺: えぇ。

能地: 渡辺満里奈さんも、大滝さんに比べると短いんですが(笑)、

渡辺: はい(笑)。

能地: 久々に歌手活動を再開ということで。

渡辺: そうですね。だから、せっかく、ねぇ、こう、出逢えたので、やっと、もう、大映ドラマじゃないですが(笑)、

能地: (笑)。

渡辺: 逢えたので、これはもう、ねぇ、「今やらないと」っていう感じだから、

能地: 「お父さん、あえなかった分、親孝行するわ」っていう、この空白の期間を(笑)。

渡辺: そうそう、空白をうめなくては、なんて。だから、ほんとに、「アルバムをつくりましょう」って話はしてるんですけど。

能地: えっ、大滝さんと?

渡辺: うーん、の予定なんですけど(笑)。

能地: 私、お弁当つくって、スタジオに遊びに行く(笑)。

渡辺: 遊びに来てください(笑)。

能地: うん。

渡辺: だって、姉妹がそろったら、父もきっと喜ぶことでしょう。なんて、勝手にいったりして(笑)。

能地: (笑)。

渡辺: だから、それは、「ぜひ、実現させたいな」と、重い腰をあげていただきたいなと思っているんですけどね。

能地: うんうん。

 曲:

渡辺満里奈/深呼吸して

 曲:

渡辺満里奈/うれしい予感

能地: 今年は、「ナイアガラ新時代」の幕開けの年に、っていっていいのかな?

渡辺: そうでしょう。一応、「うれしい予感」も滝シリーズの「YOO-LOO」レーベル第1弾っていうことですし、

能地: うん。

渡辺: ねぇ。

能地: そうですね。この曲を聴いて、なんか、「ぴっ」と心に引っかかった人は(笑)、どんどん、いろんな再発ものとかありますから。

渡辺: うん。

能地: あと、今日かけた、聖子ちゃんの曲とか、また懐かしく思い出して、聴いてみるもよし(笑)、

渡辺: そうですねー。絶対はまりますよ。

能地: うーん。

渡辺: もう、はまることうけあい。ぜひ聴いてほしいなと思います。

能地: まぁ、その、まだ、「自分がナイアガラ・ファミリーであること」を気付いてないリスナーのみなさまにも、この番組をきっかけに、目を覚ましてもらえたらうれしいなと。

渡辺: そうですね(笑)。

能地: ということで、「大滝詠一ナイアガラ・ワールド」、お送りしましたのは、私、能地祐子と、

渡辺: はい、渡辺満里奈でした。

 この番組、福岡だけの放送でしたが、1995年というと、今から5年前。「うれしい予感」がリリースされてはいたものの、翌96年にリリースされたアルバム(「Ring-a-Bell」)の話しは、全く出てなかったと思います。つまり、私は、この能地祐子なる人物がいったい何者なのか、全くわからなかったのです。「カラオケでデュエットしたことがある」という発言に対し、「大滝さん、マツハヤの番組では、『カラオケは行ったことない、嫌いだから』といってたぞ」と思いつつも、「どうして、この人が大滝さんと?」という疑問がぬぐいきれませんでした(これは翌年のアルバムリリース時まで解けませんでした)。それにしても、小学校2年生の遠足で、すでに「颱風」を歌っていたとは、まさに「ナイアガラの申し子」だったのかもしれません(笑)。
 ノージさんが「語りあげた」ナイアガラの世界、いかがでしたでしょうか?ノージさんが、ここまでナイアガラに言及したことは、いまだにないような気がします(先日のイベントでは、某氏の登場により、「語りあげる」ことはできなかったような気がします)。実は、このエアチェック・テープ、ロフト・プラス・ワンに持っていってて、イベント終了後に、「みんなにどうしても聴かせたい音源とか持ってきてる人がいたら、いってください」みたいな案内がありまして、すぐさま、このテープをかけてもらおうとしたのですが、ノージさんから、「それは却下」と拒否されてしまいました。それで、 ロフト・プラス・ワンでの無念を晴らそうと、急遽、「活字起こし」に取り組んだのでした。
 ノージさーん、この番組に出演した経緯とか、教えてくださーい!


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