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1985.11 ウインディ・ストリート

江越: さぁ、それでは、大滝詠一大先生のインタビューでございまして、東京にこれから電話をするということで、実は、今、もう電話つないでしまったということでございます。ひとつ呼びかけてみたいと思います。電話の向こうにあなたがいる。もしもし。

大滝: あー、もしもし。

江越: 大滝詠一さんでいらっしゃいますか?

大滝: どうも、どうも、大滝詠一でございます。

江越: どうも、どうも。いやー、これは感激ですね。

大滝: どうもはじめまして。

江越: 大滝フリークの私といたしましては。

大滝: なんと!

江越: えぇ、なんと。

大滝: お珍しい(笑)。

江越: いやー、感動いたしました。今まで、いろんな番組で、「大滝スペシャル」などとやっておりましたし、

大滝: ありがとうございます。

江越: 夜中にやっておりました番組では、

大滝: えぇ。

江越: あなたさまの「ナイアガラ・ムーン」のですね、

大滝: はい。

江越: 「楽しい夜更かし」をテーマ・ソングにして、5年ぐらいずーっとやっておりましてですね。

大滝: それはすごいことですね。

江越: えぇ。もう、ほんとに話せるなんていうのは、今日で、もう、僕はどうなってもいいと思っております。

大滝: いやー、僕もうれしいです、でも、なんか、そういう方とお話しできて。ほんとに。

江越: 実はですね、

大滝: えぇ。

江越: 今年、僕は6月に、あの、某パーティーで、

大滝: はい。

江越: 大滝さんとお話しをしてしまったんですよ。

大滝: やはりっ!

江越: あのー、はっぴいえんど復活になりました、

大滝: はい。

江越: あのー、国立競技場の、

大滝: あー、あの後の?

江越: はい。えー、「ALL TOGETHER NOW」コンサートの、

大滝: はい。

江越: 打ち上げパーティーのときに、果敢にもインタビューをしてしまいまして(笑)。

大滝: やはり、なんか初めてじゃないような気がしまして。今、お話ししてたら。

江越: そうでしょう?もう、うれしくてしょうがなかったんですけれども。今年は2回もいいことがあったってんで、

大滝: あー、そうでしたか。

江越: 思い切って、宝くじ買おうかなと思ってるくらいですけれどもですね。

大滝: はい。

江越: 今、東京はどうですか?今日は、お天気はいかがでございましたか?

大滝: 今日は割合よかったですね。

江越: あー。

大滝: まだ、本格的な冬には、まだならないみたいですけども。どうでしょうか、熊本の方は?

江越: 急に冷え込んでまいりましてね、

大滝: あー。

江越: びっくりしておりますけどね。

大滝: はい。

江越: 最近、あの、大滝さん、またスタジオにこもりっきりという情報を聞いておりますが。

大滝: スタジオはだいたい終わりまして、

江越: えぇ。

大滝: 今、あのー、「フィヨルドの少女」のプロモーション期間中ということなんですよ。

江越: あー、なるほど。

大滝: はい。

江越: 大滝さんがこうやって、電話インタビューとか、こういう感じのプロモーションというのは、初めてではないですか?

大滝: 電話インタビューは初めてです。

江越: 初めてですね。

大滝: はい。

江越: これ、どういう心境の変化でございますか(笑)?

大滝: そうですね。あのー、いちおう、「ロング・バケーション」から始まって、「イーチ・タイム」まで、去年の「イーチ・タイム」まで、

江越: はい。

大滝: まぁ、だいたい、まっ、松本君とコンビを組んで、

江越: えぇ。

大滝: まっ、夏物を中心とした、あのー、「ロング・バケーション」の絵のようなイメージの、

江越: えぇ。

大滝: ものを、だいたい5年ぐらいやってきまして。

江越: はい。

大滝: で、「フィヨルドの少女」は、まぁ、冬ということなんですが、

江越: うーん。

大滝: 「フィヨルドの少女」で、ひとつ、このシリーズの、

江越: うん。

大滝: 区切りをつけたいと、

江越: なるほど。

大滝: いうことなんですよ。

江越: ははー、そうですか。

大滝: で、「ロング・バケーション」のときも、あのー、えーっと、全国の、

江越: えぇ。

大滝: あのー、まわったりしました。

江越: あー、そうですか?

大滝: えぇ。

江越: あー、なるほど。

大滝: で、それと同じように、

江越: えぇ。

大滝: まっ、冬の方のときも、何かやろうということで、

江越: うん。

大滝: こういうことになりました。

江越: あー、そうですか?

大滝: えぇ。

江越: えー、「フィヨルドの少女」の話はひとつ、後半にとっておくことにいたしましてですね、

大滝: はい。

江越: えー、最近、あのー、スタジオで何かやってらっしゃったというのは、何かニュー・アルバムかなんかでございますか?

大滝: はい。あのー、それは、この「フィヨルドの少女」の、

江越: えぇ。

大滝: あのー、プロモーションということを兼ねまして、

江越: はい。

大滝: えー、今まで夏というイメージがものすごく強かったので、

江越: うん。

大滝: えー、冬のイメージのもので、なにかアルバムをつくろうということで、

江越: えぇ。

大滝: あのー、アルバムをつくったんです。

江越: はい。

大滝: で、冬の曲を全部集めても、

江越: ほう。

大滝: 歌が入ってるのは5曲しかなかったんですよね(笑)。

江越: (笑)。

大滝: まぁ、夏のものは10何曲もあるんですが、

江越: えぇ。

大滝: で、冬のものは5曲しかなかったので、

江越: えぇ。

大滝: 企画倒れに終わったんです。

江越: あっ、はー。

大滝: で、でも、発売はしないけども、

江越: うん。

大滝: うーん、一応、つくるだけつくってみようということで、

江越: はい。

大滝: えー、これができあがりまして、

江越: ほー。

大滝: もうすぐ放送局の方々には聴いていただけると思うんですが。

江越: ということは、これは一般発売ではないということですか?

大滝: えぇ。ですから、あのー、昔ある曲の、

江越: えぇ。

大滝: を中心に5曲ですからねぇ。

江越: うん。

大滝: ですから、ちょっとあのー、お金を出して買っていただくには、あまりにも忍びないので(笑)、

江越: いやー、しかし。

大滝: 形としてだけつくったんです。

江越: 大滝ファンとしては、これはまた(笑)。わざとこれ、一般発売しないんではないかという。

大滝: そういうのじゃないですよ。

江越: そうですか?

大滝: 僕の場合は、あのー、一応シングルを出したときなんかでも、

江越: えぇ。

大滝: ストリングスのものをね、

江越: えぇ。

大滝: 出したりとか、インストゥメンタルを出したりとか。

江越: えぇ。

大滝: で、それも、あのー、売り出さないではいますけどもね。

江越: はい(笑)。

大滝: でも、そういうのも別にあのー、わざと、いじわるしてるんじゃなくて、

江越: えぇ。

大滝: うーん、ちょっと、なんか、あんまり出し過ぎみたいに言われるのもあれだし、

江越: なるほど。

大滝: それから、あまりね、お金を出して買ってもらうには、あまりに忍びないということで出さないだけです。

江越: それにしましても、プロモーション用のレコード番号が独特になっているというのは、これ、どういう訳でございますか(笑)?

大滝: えー、プロモーション用の(笑)、

江越: (笑)、「OT」とか。

大滝: プロモーション用にはとにかくね、

江越: えぇ。

大滝: あのー、違うレコード番号も打たれたりしますし、

江越: えぇ。

大滝: で、あのー、プロモーションのCDというのを、つくったんですよ。

江越: はい。

大滝: これが。

江越: プロモーションCDですか?

大滝: プロモーションCDは確かこれは、世界ではわかりませんが、日本初だと思います。

江越: はーっ、コレクター泣かせですね(笑)。

大滝: いや、そんなことはないんですけどね。タイトルは「SNOW TIME」という、

江越: あー、なるほど。

大滝: 冬向きの(笑)。

江越: 冬向きの(笑)、「SNOW TIME」。涙が出てくるような。

大滝: あのー、ジャケットもなかなかによいですよ、これは。

江越: あっ、そうですか。これ、楽しみで。

大滝: えぇ。

江越: いつごろ配布の予定でございますか?

大滝: 配布はですね(笑)、

江越: (笑)。

大滝: 12月の、あのー、あたまには、もう、お届けできると思いますけども。

江越: これは楽しみですねー。

大滝: ですから、まぁ、あのー、ラジオ局の方には、いろいろとあのー、インストゥメンタルなんかもありますし、

江越: えぇ。

大滝: 使っていただけると、非常にうれしいんですが、

江越: えぇ。

大滝: あの、もし、ファンの方は、それを、まぁ、あのー、聴いて楽しんでいただくということで、

江越: なるほど(笑)。

大滝: ひとつ、ご勘弁を願いたいということです。

江越: なんか、いっしょにビデオもつくってらっしゃるそうで。

大滝: はい。「フィヨルドの少女」というので、

江越: えぇ。

大滝: ビデオ・クリップを、

江越: うん。

大滝: つくりました。

江越: あー、はー。これは、

大滝: で、中にね、

江越: えぇ。

大滝: フィヨルドの少女が登場してるんですよ。

江越: おーっ、これ、また、クイズになるんじゃないですか?

大滝: これは、すごいよ。

江越: さて、誰でしょう?

大滝: すごいよ。

江越: すごいです?

大滝: うーん。

江越: 大滝先生、ご本人のご出演は?

大滝: これはね、ほんとは、よーく見ると、出てるっていう噂もあるんですけども、

江越: うん。

大滝: 私はなんか、寝てるうちにできましたんでね、

江越: (笑)。

大滝: あんまり覚えがないんですけど。

江越: あーっ。

大滝: なんか、あの、どっかのシーンにいるっていうふうにも、ちょっと聞きましたけども(笑)。

江越: (笑)、これ、あのー、クイズになってますね、じゃぁ。

大滝: 私はつくっているときは、とにかく寝てました。

江越: なるほど(笑)。

大滝: (笑)。

江越: これは楽しみだなー。そうですか。

大滝: はい。

江越: それではですね、この辺で1曲いこうと思うんですが、

大滝: はい。

江越: なにをいきましょうかね?

大滝: あのー、この「フィヨルドの少女」の前にですね、

江越: うん。

大滝: やっぱり、この冬物の、ひとつのきっかけになりましたところの、

江越: えぇ。

大滝: 「さらばシベリア鉄道」という、

江越: あっ、いい曲ですね。

大滝: 4年前に太田裕美さんも、カバーしてもらいましたけれども(笑)、

江越: (笑)。

大滝: 今回は、まぁ、オリジナル・バージョンで、

江越: えぇ。

大滝: 聴いていただこうと思います。

江越: では、「ロング・バケーション」の中からひとつ、かけましょうかね。

大滝: はい。

江越: はい。ワンマンでやっておりますので、今、ごちゃごちゃと準備をしております(笑)。

大滝: 準備をしてる(笑)!

江越: では、「ロング・バケーション」から、「さらばシベリア鉄道」を。

 曲:

大滝詠一/さらばシベリア鉄道

江越: さて、えー、聴いておりますうちに、今年は、あのー、はっぴいえんどの復活という、

大滝: はい。

江越: もう、ものすごい衝撃的な、日本のロック・シーンにとりましても、一ページを飾ってしまいましたね。

大滝: これは、我々にとっても、衝撃的な出来事でしたね(笑)。

江越: ほーっ。といいますと、あれですか?あのー、復活というのは予定されてなかった行動なんですか?

大滝: 全然、全然考えてませんでしたよね。

江越: あー。

大滝: で、まぁ、はっぴいえんどっていっても、どう言うんでしょうかね?あのー、若い方は、もう、ほとんどご存知ないと思うし、

江越: うーん。

大滝: まぁ、15年前のバンドですからね。

(ここで、達郎さんの曲が流れる)

江越: あらっ?

大滝: 山下さんが何か言ってますね(笑)。

江越: (笑)、今、何か、びっくりしました。

大滝: 今のはなんか、一瞬、山下さんのように聞こえましたね。

江越: はー、何でございましょうかね?

大滝: えぇ。

江越: 失礼いたしました。今年のやはり、あのー、6月に行われました、国立競技場の「ALL TOGETHER NOW」コンサートでの、

大滝: はい。

江越: あの、再編がきっかけになったんですかね?

大滝: はっぴいえんどですか?

江越: えぇ、はっぴいえんど。

大滝: えぇ、だから、そこでコンサートがあったか、なかったか。あのー、あったら再編しなかったかどうかっていうことは、ちょっとわかんないんですけれども、

江越: えぇ。

大滝: とにかくなんか、4人とも、あのー、昔とか、再編とか、嫌いなんですよね。

江越: あー。あのー、

大滝: その4人がやっちゃったというのはね、

江越: うん。

大滝: 僕らにも、ちょっと不思議です。

江越: 「EACH TIME」のLPについておりました新聞がありまして、「EACH TIMES」というのを読んでおりましたら、

大滝: 「EACH TIMES」(笑)。

江越: 「はっぴいえんどの再編は1%もない」というふうに、あのときは書いてありましたから。

大滝: あー、あのー、ほんとにそう思ってましたね。

江越: あー。

大滝: で、あのー、4人とも、当日までほんとうにできるんだろうかみたいなことでもやってましたよね。

江越: あー、はー、はー、はー。

大滝: えぇ。

江越: それが、こういうふうに、ひとつなんか、形を作ったというのは、やっぱり自然な心の動きで?

大滝: そうですね。4人とも、まぁ、だから、たまたま4人ともおなじ気持ちになったんでしょうね、瞬間的に。

江越: はー、ははー。

大滝: えぇ。

江越: そうですか。最近、あのー、松本隆さんのエッセイっていうか、「ブルータス」に載っておりましたが、ああいうのを読んでおりますと、

大滝: あっ。

江越: なんか、こう、やっぱりそういう気持ちの「ノリ」があったというようなことが書いてありましたね。

大滝: そうでしたね。もうお読みになりました?

江越: えぇ。もう、こういう情報は、はやく読んでおります(笑)。

大滝: (笑)。

江越: フリークでございますから(笑)。

大滝: あの、小説が出るらしいんですよね。

江越: なんか、自分の「私小説風の」というのを書いてありました。

大滝: そうらしいですね。

江越: えぇ。

大滝: そこに、あのー、細野も大滝も「らしき人物」が登場するという噂ですけども。

江越: おーっ。これまた楽しみでございます。

大滝: えぇ、あまりよく書かれてないんじゃないかと心配なんですけどね(笑)。

江越: (笑)、そうですか。

大滝: どんな登場の仕方をしているか。

江越: うん。なんか、すぐ、ファンとしましてはね、

大滝: はい。

江越: それじゃぁ、はっぴいえんどとして、なにかこれからまた、コンサートやLP出すのかなという気がするんですが、

大滝: えぇ。

江越: その辺はどうですか?

大滝: これがないんですね。

江越: もう、まったく予定なし?

大滝: だから、そのー、「また再び解散するために、我々は再編した」というようなことを、

江越: (笑)。

大滝: 言いましたね、あの頃。

江越: はー。

大滝: えぇ。

江越: センセーショナルがお好きなみなさんでございまして(笑)。

大滝: どうなんでしょうかね?でも、こういうバンドがひとつぐらいあってもいいんじゃないかということでやりましたよね。

江越: おもしろいですねー、いや、でも、ほんとうに。

大滝: えぇ。

江越: センセーショナルなことでございまして。では、あのー、そのときのライブがLPになって出ておりまして、

大滝: はい。

江越: なかなか評判を呼んでおりますが。この中で、僕も国立競技場の見て、思わず20分間のステージの時間、「じーっ」と僕はもう、埴輪みたいに硬直して見ておりましたが、

大滝: (笑)。

江越: この感動を今一度。では、あのー、大滝さんのソロでおとりになりましたオープニングの曲の「12月の雨の日」をひとつ聴いてみたいと思います。

大滝: はい。

江越: はい。

 曲:

はっぴいえんど/12月の雨の日

江越: さて、いよいよニュー・シングルが、今月のあたまに出ました、「フィヨルドの少女」。

大滝: はい。

江越: この話をちょっと最後にやろうと思うんですが。

大滝: そうですね。

江越: えぇ。

大滝: まぁ、先程から何度も出てましたけども。うーん、冬物ということで、特に今回は冬でも、まぁ、シベリアから、ちょっと北欧の方へ、

江越: えぇ。

大滝: あのー、移りまして。

江越: はい。

大滝: えー、北欧の感じを出そうというので、北欧からギタリストを呼んだんです。

江越: なんか、マッチ・ルータラという名前ですか?

大滝: えぇ。マッチ・ルータラという名前だったんですね。

江越: えぇ。

大滝: 非常におもしろい名前だったんで(笑)、

江越: (笑)、僕、最初聞いたときにですね、

大滝: はい。

江越: これ、なんか、わざと、変なペン・ネームっていうかですね、

大滝: えぇ。

江越: そういう感じの名前かなと思っておりましたら、本物っていうか、本当のフィンランドのギタリスト。

大滝: 本当なんですね。

江越: はぁー。

大滝: で、だから、あのー、あの頃、マッチ・ルータラって、おもしろい名前でしたから、

江越: はい。

大滝: クイズを考えましてね。

江越: ほう。

大滝: 「この人の本名はなんでしょう?」なんていう。

江越: (笑)。

大滝: で、「コッチ・キータラ」とか「アッチ・ムイタラ」とか、いろんな名前考えたんですけれども。

江越: (笑)。

大滝: 本名はマッチ・ルータラという。

江越: マッチ・ルータラ。これ、大滝さんとどういう関わりで?

大滝: えーっと、彼はフィンランドでグループをやってまして、

江越: えぇ。

大滝: で、ムスタングスっていうグループなんですけど。

江越: ほー。

大滝: インストゥルメンタルを中心にやってるんですよ。

江越: ほーっ。あのー、聴いた感じでは、非常に繊細な音で、昔、あのー、「霧のカレリア」とかですね、

大滝: えぇ。

江越: いわゆる、スプートニクスとかおりましたけど、あんな雰囲気のグループですか?

大滝: あのー、彼らは北欧のスカンジナビア半島に、よく、たくさん、ああいうバンドって、いっぱいいるんですよね。

江越: はーっ。

大滝: 実は、未だに。

江越: 未だに?

大滝: 未だにいるんです。

江越: トラディッショナルですね。

大滝: はい。で、彼らが、そのー、さっきかかりましたた「さらばシベリア鉄道」、

江越: はい。

大滝: これをね、演奏して、レコードにしてるんですよ。

江越: フィンランドでですか?

大滝: えぇ。

江越: まぁー。

大滝: これがなんと。

江越: はぁーっ。ということは、えー、「ロング・バケーション」があっちまで行ってるということですね。

大滝: 行ったということなんですね。

江越: すごいですねー。それで、日本に、大滝さんお呼びになって、

大滝: そうです。

江越: レコーディングをしたと。

大滝: そのレコードをとあるところで手に入れまして、

江越: えぇ。

大滝: それで、彼のギターがとてもよいので、

江越: うん。

大滝: えー、電話をしたら、「来る」ということになりまして。

江越: えぇ。

大滝: えぇ。

江越: はー。気軽にきたもんですね、また(笑)。

大滝: なんか、そういうもんですね。

江越: おもしろいですねー。

大滝: びっくりしましてですね。

江越: あのー、外国のアーティスト、プロデュースは今までもありましたけどね、

大滝: えぇ。

江越: あのー、はっぴいえんどのときも、最後のLPなんかは。

大滝: はい。

江越: その、外国ミュージシャンとのジョイントっていうのは、今までありましたかね?

大滝: 僕、初めてですよ。

江越: 初めてですよね。

大滝: はい。

江越: うーん、いかがでしたか?こういう感じは。

大滝: ですから、向こうも、例えば、おもしろくて(笑)、

江越: えぇ。

大滝: 向こうも英語は、そのー、第2国語な訳ですよね。

江越: あー、はー。

大滝: フィンランドは、あのー、「フィニッシュ」っていう言葉があるそうで(笑)、

江越: (笑)。

大滝: おもしろくて。だから、「いつ始まったんだ」とか、いろんな冗談言って、笑わせましたけどね。

江越: えぇ(笑)。

大滝: (笑)。で、なんかあるんだそうですよ。

江越: あー。

大滝: で、ところが、向こうも英語があまり得意じゃないので、

江越: はい。

大滝: あのー、途中に入った人間同士でいろいろやってるんですよね。

江越: うんうん。

大滝: そうすと、ギターを「ジャーン」と弾くでしょ?

江越: はい。

大滝: で、「『ジャーン』と弾くんじゃなくて、そこはなんか『ボロリーン』というふうにいかないかな?」みたいなことで、

江越: うん。

大滝: で、どういうふうに言ったかというと(笑)、途中に入った人間が、おもしろかったのは、「ボロリン・ノット・ジャン」って言ったんですよね。

江越: (笑)。

大滝: (笑)。そしたらね、「わかった」って、

江越: おーっ。

大滝: 「OK」って言ったんだよね。

江越: すごいっ(笑)。

大滝: これがおかしかったですねー。「ボロリン・ノット・ジャン」。

江越: 「ノット・ジャン」。

大滝: これがね、流行って、流行って、そのあと、スタジオで。

江越: (笑)。はー、通じるもんですね、案外ね。

大滝: まぁ、向こうも、英語がね、第2国語だという、

江越: えぇ、えぇ。

大滝: ことで、ネイティブじゃなかったっていうことも幸いしたとは思うんですが、

江越: (笑)。

大滝: 非常におもしろかったです。

江越: おもしろかったですね。

大滝: えぇ。

江越: ってことは、なかなかいい「ノリ」のレコーディング風景だった訳ですね。

大滝: えぇ、非常に楽しかったですよ。

江越: うーん、なるほど、そうですか。えー、では最後に、この「フィヨルドの少女」を聴きながら、ひとつお別れしたいと思いますが、

大滝: はい。

江越: えー、今年はあと一月半ございますが、どうなんですか?

大滝: 今年は、もう、これで(笑)。

江越: (笑)。

大滝: あと1曲、あのー、人に曲を書きましたけども、

江越: えぇ。

大滝: 小林旭さんという、昔の、

江越: はー、はー。

大滝: 昔のじゃないな、今でもそうですが、

江越: えぇ。

大滝: 大スターに曲を書きまして、それが12月ぐらいにリリースされると思いますけど。

江越: ほーっ。タイトルはなんというんですか?

大滝: えーっと、「熱き心に」という、

江越: あー。また、「アキラのツイスト」かと思いましたけど(笑)。

大滝: やはり。

江越: 違いました(笑)?

大滝: 「アキラのダンチョネ節」の中に、そんなことはないですが。

江越: (笑)。

大滝: 「北帰行」のような感じの、

江越: はー、はー、はー。

大滝: 歌を書きまして、だいたい、この「フィヨルドの少女」と、こう、姉妹ソングというふうに感じていただけると思うんですよ。

江越: あー、そうですか?

大滝: えぇ。

江越: あー、なかなか、これも、

大滝: これも楽しみにしていただけると。

江越: 楽しみですね。というと、だいたいそれ、プロデュース終わりましたら、

大滝: はい。

江越: 福生の方に、またこもってという。

大滝: そうです。来年からはニュー・アルバムのレコーディングに入ります、これが。

江越: あっ、いよいよ!これまた楽しみですねー。

大滝: はい。

江越: そうですか?どうも、長々とお時間をいただきまして、

大滝: いえいえ。

江越: ありがとうございます。

大滝: ありがとうございました。

江越: 今日はこのあと、どういうふうなスケジュールになっておりますか、今夜は?

大滝: 今日は、このあとですね、

江越: えぇ。

大滝: 辛いラーメンを食べて、それから寝ようと思います。

江越: (笑)。そうですか?

大滝: はい。

江越: では、また、あのー、新しい音を期待しておりますので、

大滝: ありがとうございます。

江越: えー、プロモーション・ビデオも楽しみにしております。

大滝: 楽しみにしててください。

江越: どうもありがとうございました、大滝詠一さんでございました。

大滝: はい、どうもありがとうございました。失礼します。

江越: では、「フィヨルドの少女」をどうぞ。

 曲:

大滝詠一/フィヨルドの少女

 この番組は、HPを開設したときから「いつかは活字起こしやらなければ」と思っていた番組でした。というのも、この放送を聴いてなければ、ここまでのナイアガラ・フリークにはなってなかったと断言できるからです。私がいつも使っている「ナイアガラ・フリーク」というのも、この番組での江越さんを真似てのものですし、プロモ盤の存在を教えてくれた番組でもあります。とにかく、私にとっての「ナイアガラの源流」にあたる放送でした。当時、FMステーションに、この放送の案内が出るとすぐに、ステレオに「○月○日『ウインディ・ストリート』エアチェック!」と紙を張って、指折り数えて、放送日を待っていました。内容も期待にたがわずおもしろく、何度も何度も繰り返し聴いたため、かなりテープがヨレてしまってます。大滝さんの初の電話インタビュー、おもしろかったでしょ?それから、「フィヨルドの少女」のプロモーション・ビデオ、お持ちの方いらっしゃいませんか?私、知人からダビングしてもらったのを持っているんですが(岡部まりがやってた番組です)、どうも大滝さんが言ってる内容とは異なり、番組が独自に映像を重ねたものだと思うのです。「アニメらしい」という情報もありますが、ほんとうのところはどうなんでしょうか?
 また、この番組のDJだった江越さんは、この他にも「CD BOOK1」が出たころ、このCDの特集をやってくれました(このときのテープはどっかにいってしまいました)。そんな訳で、勝手に「ナイアガラ・フリークの師匠」とあがめていましたが、先日、この江越さんとお会いする機会をいただいた時に「実は、大滝さんに電話でインタビューしたことを、すっかり忘れてたんだよ(笑)」と言われて、とてもビックリしました。

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