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寂しくないなんて嘘、あなたに本当は会いたかったの……。 必ずそこに行けば君に逢える……。 そっとディアーナは猫のガゼルを胸に抱いて王宮を抜け出た。それは今は婚約者となった騎士ガゼル=ターナとの内緒のデートの為。お忍びの先は広場。王宮の皆は知っていて知らんぷり。 ディアーナは広場で先に待っている銀髪の青年に手を振る。その表情はとても嬉しくてたまらなくて。
青空の下で気持ちのいい風が吹く。ディアーナは五月の心地いい風を頬に受けながら青年に話しかける。
そっとガゼルがごく自然にディアーナの手に自分の手を絡めてくれた。
「ふふっ、ガゼルが迎えに来てくれることもわかってましたもの……」
遠くにいてもずっと安心していられた。
ごく自然に微笑み合う、二人。 「だから寂しくありませんでしたのよ……」
ごく自然に出会って恋をしてそんな普通の幸せ。
ファンタジー調で愛あふれる物語に仕上がってます。さすが! ディアとガゼルにも、セイルとシルフィスにも、幸せになってほしいです。 |