監察軍の工作室001
〜「マクロス・クロニクル」創刊1号正誤表〜

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創刊号の内容と正誤表と解説
注:基本的に
およそ赤字の表記は間違っているもの、
はたまたかつて公式だったが消されたもの
およそ青字の表記は正しいもの
およそ緑字の表記はどちらともいえない微妙なもの
になっております。
01-06:メカニックシート「VF-1Jバルキリー」
01-02「機体解説」の中
誤:ノースローム社
正:ノースロム社
*解説 単純に誤植でしょうね。
同「末尾のJは日本エリアで生産されたことを示している」
*解説 間違いとはいえませんが、いままでの資料、TIA 「マクロスプラス」
(小学館刊のアニメムック、ジスイズアニメーションシリーズ
以降TIAと表記。千葉氏によるもっとも信頼性の高い解説を収録)
だと「生産地域の頭文字をとったと思われる」
と曖昧な表現だったものが明言したかたちになっています。
同「データ」の中
「推力 11500kg×2」
*解説 もともとこの数字だったものが
TIAマクロスプラスにおいて「1150kg×2」
(まず間違いなく一桁間違えた誤植)と表記されて以来、
それが定着してしまい長谷川のバルキリーのキットの
解説でも「1150kg」になっていたものが
もとの自然な数値となったもの。
同「データ」の中
「GU-11ガンポッドの装弾数180発」
*解説 いままで口径などは明記されていたのですが
装弾数がきちんと示されることがあまりなく、
千葉氏によるMAT同人誌「マクロスジャーナルエクストラ」などでは180発、
「セレクト・カード 超時空要塞マクロス」(小学館)や
「ホビーハンドブック」(小学館)などでは
200発だったのですがこれで180発ということに、、、。
いずれにしても戦闘機の備え付けのガトリング砲としては
異常に少ない装弾数なんですが、、55mmですからねえ。
01-04関連事項「人命救助にも利用された形態」
誤:早瀬美沙
正:早瀬未沙
*解説 古典的誤植です。本編でもまちがったテロップが出てたりしますが
もちろん正解は「未沙」です。
01-05「機体解説」中の
「新中州重工生産のJ型は、電装およびエンジンが
大幅にチューンナップされた後期型も生産されたが、
その絶対数が少なかったため、ごく一部の限られた
パイロットが受領するにとどまった。VFの操縦に
関しては天才的な才能を持っていた”マックス”こと
マキシミリアン・ジーナスが搭乗したVF-1は、この
後期型であり、」まで
同 「運用記録」中の
「マクロス帰還後に空母プロメテウスへと配備されたマックス機」
01-06「機体解説」中の
「マクロス帰還後に空母プロメテウスへと配備されたミリア機」
*解説 過去の資料にまったくない独自の記述です。
VF-1の改良/仕様変更については、TV版と劇場版とでデザインが
異なっていることを設定的に飲み込む意味もあって、ヘッドパーツによる
型式にかかわらずTVのものをブロック1の初期生産タイプ、
劇場版のものをおよそブロック5以降の後期の生産タイプとする設定が後に
ほぼ公式となっていますが、J型に限って改良された後期型というのは
記述がありません。したがってマクロスが地球帰還後に後期型の機体を
受領したとか、マックス/ミリアが使用した機体が後期型だった等も
独自の記述となります。
追記:84年にイマイとアリイのマクロスのプラモデルの金型がバンダイに移り
再版されました。このときにメカファイルというメカ設定の書いてある
ぺら紙が付いていたのですがこれに以下のようなものがありました。
「超時空要塞マクロス7 VF-1Jバルキリー スーパーファイター
増加ウエポンシステムは規格された同一のものであるため
外観、性能共に大きな違いはないものの、それを装着するバルキリーに
多少ではあるが性能面での違いがあった。タイプによって、
その生産時期が異なるために機体に多少の改良が加えられて
いるためである。したがって本体となるバルキリーにあわせて、
エンジンなどにみあった調整がなされているわけである。
しかし前線においては幾つかの特例とも言える、マイナーチェンジが
存在していた。より高性能をと望むパイロットの希望にこたえる
ために改良されたタイプである。これは優秀な戦果を上げた
パイロットなどにのみ許されたものでその多くが燃料搭載量増加に
よる稼動時間の延長であった。これを可能にするためには装甲などを
支障ない限りそぎ落とすという簡単な作業ですむために、
多数の機体がこの改造を行っていたようである。
VF-1Jではマクシミリアン・ジーナスもその一人であり、
彼の場合は増加ウエポンにも同作業を施していたようである。」
多分、こういった記事を斜読みしたか理解できずにガンダム式に処理したのか
そんなところだと思います。もちろんこのメカファイルの記述そのものが
壮絶にめちゃめちゃなので現在これを是する向きはいないとは思いますが、、、。
おそらくTV版で小隊長機として存在したJ型が
劇場版ではほぼ登場しない(アーマード仕様は登場する。
劇場版とTV版では小隊構成が変更になっていることも影響あり)
こととVF-X/VF-X2等のゲームで改良型や超高性能型のVF-1の
マックス機やミリア機(もどき)が登場すること等の
影響と思われますが、はっきり明言した記事はほかにありません。
これに類してJ型には
「アーマードオプションは当初 同社生産のJ型専用の装備だったが
新中州重工以外のメーカーからの苦情で後にどの型式
でも装備可能になった。」(出典B-CLUB)
「1Jには変形機構に問題があってアーマード専用機になった」
(出典は後述)
等の記述が雑誌等に散見されましたがいずれも公式としては
定着していませんね。
追記:「1Jには変形機構に問題があってアーマード専用機になった」ですが
これの出典は「ハイメタル ストライクバルキリー」(劇場版公開後にタカトク1/55トイの
金型がバンダイに移動して、パーツ追加で発売となったもの。)に付属の
メカニカルファイルで、正確には
「変形システムに若干の不良があったVF-1Jがすべてこれ(アーマードバルキリー)に回された」
という記述だったそうです。(すべてのJ型に変型機構の問題があったわけではないと
読めるのがミソ)これが半公式とすると、やはり劇場版にアーマード仕様しかJ型が登場しないことと
関連するんでしょうね。 ジェットファイア−様情報ありがとうございました。
07-08:メカニックシート「VF-19改エクスカリバー」
09-12:キャラクターシート「リン・ミンメイ」
01-09 「人物相関図」
*解説 これも間違いとはいえないんですが
両親→リン・カイフンのところに勘当した息子とありますが、
反戦運動で放浪をしていたり、父親と確執もあるようでしたが、
勘当といえるほどのものかどか微妙ですね。
01-10:キャラクターシート「リン・ミンメイ」
01輝との出会いより
誤:「その危機に輝のVF-1Dとロイ・フォッカーのVF-1Jが駆けつけ」
正:「その危機に輝のVF-1Dとロイ・フォッカーのVF-1Sが駆けつけ」
*解説 はいはい当然S型ですね。(もうなにも言うまい)
13-16:ギャラリーシート「愛おぼ(のポスター等)」
17-18:キャラクターシート「マッシュ(マクロスII)」
19-20:タイムシート「異星人の存在と統合戦争」
01-20 ページ右半分の年表
誤:2001年5月 統合軍本部をアラスカに建設開始。
同基地にグランドキヤノン1号基を建造開始
正:2002年5月 同
*解説:これも困ったなあ。
後述の旧原本2つの年表では2002年になっていて
おそらく単純な誤植か書き間違いのはずなんですが、
後述の新年表ではこの事例が消滅しているのでもしかしたら、、、、。
____________________ちょっと重要________________________________
注:従来、マクロス年表の原本は「パーフェクトメモリー」収録版と
これにマクロス7とプラスに関わる前後部分が追加され、
改稿された「劇場版マクロスプラス/マクロス7」のパンフレット
収録版によっておりました。
(様々なムックやゲーム攻略本に収録された年表類、解説は
ほぼ全部、これらの写しか、これらの記述から憶測したり
妄想的に拡張したものだったわけです。)
長らくこれがマクロス世界の基本年表として機能してきたのですが
「マクロスF」の製作にあたり年表が新規に追加、改訂されたようです。
おそらくは前作の「マクロスゼロ」の時点でも年表の改訂があったようなのですが
きちんとした形で公開されず、(発売予定だった「マクロスゼロ」の
ムックは延期になり流れてしまっている)
今回、妙なところから表に出てきたと思われます。
(出元はメガミマガジンクリエーターズVOL.11〜メガミマガジン2008年5月号別冊)
「マクロスF」に関する部分は「ダイナマイト7」以降ですので問題ありませんが、
「マクロスゼロ」に関係する2009年以前の事例は大幅に変更があったようです。
(VF-0の挿入に伴うのVF-1の開発史、鳥の人事件の挿入に伴う
統合戦争の終結時期、デストロイドの開発、実戦使用の時期など)
本稿ではこれら3つを原本として取り扱うこととしますが
当然これら3つの中には矛盾した記述(または変更された事例)
がありますのでそれらはそのつど記述します。
追記:終戦時期の変更問題は創刊7号においてクロニクルの見解が示されました。
詳細は創刊7号の正誤表で。
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21-22:ワールドガイドシート「超長距離移民船団」
01-21 本文中
誤:「ゼントラーディの墜落船ASS-1が」
正:「落着した監察軍の艦船であるASS-1が」
次点:「落着したメルトランディ軍の艦船であるASS-1が」
*解説 これは完全に執筆者のエラーです。
TV版であれば監察軍、劇場版であればメルトランディ軍の
艦船で、いずれも落着前の状態の設定画が存在します。
また劇中の主砲の自動発射エピソードと、なにより主題歌が
「マっクロのそーらーをーつらぬいてー、ちきゅうをうった
いかずちはー、われらーおさないーじんる〜いにー
めざめてく〜れとハナタレタ、、、」
で、「放たれ」とるんですから墜落ではなく
人為的な投下です。よって墜落船という表現も不自然ですね。
このほかASS-1という呼称はあくまで地球側が勝手につけた名称ですので
「墜落船ASS-1」という表記もまた不自然ですね。
また、通常の年表では監察軍VSゼントラーディ軍(男女混成巨人)の
世界観で語られるのが普通ですのでやはりここは監察軍とすべきでしょう。
01-22 「メガロード級」
*解説 この前後の記事は微妙な内容を含んでいます。
いずれも間違いではなく、前述の年表を元にうまく事実関係を
構成しなおしているのですが、いくつかの問題点を含んでいます。
じつは今回資料を確認して気付いたのですがじつは
いままで「マクロス級」「メガロード級」については
きちんと整理して記述されたことがありません。
過去において明言されているのは、
「SDF-1マクロスはマクロス級一番艦である」
「SDF-1マクロスの修復と同時進行でSDF-2メガロードが
月面で建造開始されていた」
「ボトルザー戦後にメガロードは移民船として大幅な改修を
受け、メガロード01となった。」
だけです。つまり、
「かつてのSDF-2メガロードはマクロス級二番艦だった」とか
「改修されたメガロード01はメガロード級一番艦となった」とか
を明言した記述は存在しませんし、そもそもに(一部のゲームを除いて)
「メガロード級」という言葉も「マクロス級」のSDF-@@に相当する
所属記号もまったく明言されてなかったということです。年表上、01のほか
メガロード02、03、13という艦船の存在が確認できますが、
これもまたメガロード級二番艦、三番艦、十三番艦なのかもわからないと
いうことです。(例えばこれら戦闘艦も移民船も区別なくひとくくりに
マクロス級とすることもできなくはない)さらに最新作「F」では
マクロス級四番艦「グローバル」なる艦が
登場しますがこれの立ち位置もまた不明ということです。
(見た目はマクロス/旧メガロード系なんですけどね。)
近年、「wikipedia」などでこれら統合軍艦船にかんして
独自の妄想的解釈で艦船の分類を行ったり、「ロボテック」の
艦名を持ってきて数増ししたりするのが横行しておりますが、
国内の資料の実情はこの通りで、歴代の可変戦闘機の開発史ほどには設定が
整備されておりません。記事上でもこれらの事情を飲み込んでいるのか
やや曖昧な表現になってます。
もし千葉氏や河森氏の監修の上できちん設定されたのなら大きな意味が
あるのですが、、、、はたして、、、。
このほかこの記事では近距離移民船なども前述の年表から構成された内容です。
(艦船にかんしては河森氏のインタビューなどで断続的に統一性のない
発言が続いていますので、今後もびっくりするような変更があり得ます。)
23-24:ヒストリーシート「ギャラクシーコンサートツアー」
解説 本文全体の「VENUS SOUND FACTORY=VSF」
これまた間違いではありません。シャロン・アップルのプロダクション名ですが
小説版「マクロスプラス」では「アップルプロダクション」という表記、
というのもあったんですが、バンダイチャンネルなんかでの表記も
「VENUS SOUND FACTORY」になっており、これに統一したようです。
25-26:テクノロジーシート「バリアブルファイター」
01-25 本文
「2008年11月に量産第一号であるVF-1が完成し、統合軍に引き渡された」
*解説 現在、これが公式になっているようです。が、過去の資料では日付に
差異があります。前述の劇場パンフとTIAマクロスプラスでは
この日付なんですが、パーフェクトメモリーでは2008年8月に実戦配備という
記述になってます。はたまた、マクロスディクショナリ
(アニメージュ付録。パーフェクトメモリー以前の資料)
では2008年8月に量産1号機が引き渡しになっています。
VF-1の生産開始、実践配備に関してはかなり方言があったのですが、
前述のマクロス7のパンフ以降、この記述が確定となったようです。
また無理矢理VF-0の存在を挿入したためかつて表記のあったVF-Xの設計時期や
VF-1の初飛行時期などは白紙にされたようです。
*余談ですが、VF-0とは「(VF-1の?)反応炉の開発が間に合わず、
チューンナップした従来のケロシンエンジンを(VF-1の機体に?)載せた機体を
VF-0とした」と認識していたのですが、この年表では完全に別個の機体となったようです。
なお、旧年表ではVF-1は2005年末に設計がまとまり
2006年初頭より試作開始、2007年にVF-X(VF-1の試作テスト機、
マクロス本編では変型機構の完成していないファイター状態のみの機体だった。)が
初飛行し、2008年になってようやく生産開始となっていました。が、
現在の新年表では
「2001年8月 デストロイドが実践投入され、対地球人に使用される。」
(旧年表では2006年6月にデストロイドMBR-04シリーズ正式採用、量産開始)
*新年表以前はデストロイドは「(統合戦争終戦にいたるまで)人類に対して使用されたことが
一度もなかった」という設定が明示されていたのですが、、、。
「2002年2月 VF-0計画がスタート、同月ゴースト2200の量産開始」
「2004年12月 VF-0の1号機完成」
(旧年表では2007年2月にVF-X1、プロトタイプの飛行試験開始)
「2008年11月 VF-1シリーズ量産1号機ロールアウト」
「2008年12月 統合戦争終結 正式に統合政府が樹立される。」
(旧年表では2007年1月)
、、、になっています。作品のリリース当時から「マクロスゼロ」自体が
時空列的に物凄く具合が悪いというか、先祖なのに最先端な
デザインの有り様はいわずもがな、開発史そのものを大幅に組みなおさないと
整合性がとれないないなあと思ってましたが、案の定
こういうことになっていたようです。
追記:終戦時期の変更問題は創刊7号においてクロニクルの見解が示されました。
詳細は創刊7号の正誤表で。
あとマクロスゼロ以前の資料では
「新星インダストリー社は新中州重工とストンウエル・ベルコムがVF-5000
開発時の2012年に合併してできた」
とされていましたが、これもVF-0の公式設定で
「VF-0の開発(2002〜2004年頃)には新星インダストリー社が関わった」
と記述されたことで消えてしまったようです。
またVF-1とは別個の開発進行となりましたので従来の資料にあった
「VF-1は当初から一社の開発では手に負えず数社で開発したけど
それでもうまく行かずにさらに数社の開発会社を追加してなんとかした。」とかの
「VF-1を開発して実用品にするのは大変だったのよ」という過去の設定は
まるっきりなかったことというか存在できなくなっております。
なおこの本(マクロスクロニクル)ではVF-1の前の開発機体がVF-Xで
後の機体がVF-4なのでVF-0はVF-Xの前の開発になってるんですけど、
(無理矢理でもVF-XをVF-0のプロトにしないと33話「レイニーナイト」の整合性がとれない
んですが、、、、、。)
27-28:ソングシート「ダイアモンドクレバス」「射手座☆午後9時Don't be late」
29-32:グッズシート「変形トイ タカトクトイス」
01-29 関連事項より
誤:「2002年には金型の完全復刻を敢行する」
正:「2001年12月には新金型で復刻版を発売」
*解説 ついでにいうと発売が2001/12だから金型はもっと前に作られてますなあ
(確か、発売の半年前のおもちゃショーとかで展示してたような。)
*ジェットファイアー様情報ありがとうございました。
以上創刊号は終了。以下2号(8月7日配本)へ続く。
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