監察軍の工作室002
〜「マクロス・クロニクル」創刊2号正誤表〜

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創刊2号の内容と正誤表と解説
注:基本的に
およそ赤字の表記は間違っているもの、
はたまたかつて公式だったが消されたもの
およそ青字の表記は正しいもの
およそ緑字の表記はどちらともいえない微妙なもの
になっております。
02-02:メカニックシート「SDF-1マクロス」
まずこの単元そのものの問題として、この単元で語られているのが挿し絵も含めて
「劇場版のマクロス」であるということ。いずれ別項できちんと示す予定ですが、
「劇場版とTV版の違いについて」(まだ暫定版)
劇場版とTV版ではマクロス自体がまったく別物であって、こういう単元で
一つのものとして扱って、なおかつ劇場版準拠というのは大変問題があります。
(マクロスの両腕がどうした以前にこの2作品は世界観や構造も違うので
いっしょこたにするとなにもかも具合が悪い)
ただ、ページの端に「愛」というマークがあるのでのちのちにTV版の別シートが
でてくるのかもしれません。というところで現時点ではあくまで「劇場版マクロス」の
記述としての検証とします。
機体解説下のデータ欄
・全長約1200m 全幅約600m
・全備重量約2200万t
・運用慣性質量約1800万t
・動力系システム>OTMヒート・パイルシステム・クラスター
・重力制御系システム>OTMグラビティ・コントロールシステム
・噴射推進系システム>OTMノズル・クラスター、
OTメイン・ノズル・クラスター、OTバーニア・クラスター
・兵装>OTM艦首砲撃システム×1、OT誘導集束ビーム砲システム×8、
OT超高速電磁レールキャノン×4、
大型自己誘導対艦ミサイルランチャー、その他ロケット兵器、火器多数
(注釈としてOTM=オーバーテクノロジーオブマクロス、
OT=オーバーテクノロジーと記載されてます)
開発系譜図* SDF-1はメルトランディー軍の墜落艦を修復したものである
*解説 上記の数字、記述は「全備重量」を除いていずれも
パーフェクトメモリー(みのり書房)の140pにあるTV版のスペックです。
OTMとOTの2種類あるところも同じです。
(原本には副ロケット兵器、中型火砲等の記述もあるのですが、、、)
前述の通り、この単元が劇場版/TV版を問わずにマクロスとしての記述であれば
(劇場版マクロスのスペックは別途存在するので)
開発系譜図の「メルトラン〜云々」の記述と矛盾するし
劇場版と限定すると丸っきりの間違いとなります。
不思議なのは「全備重量」のみ劇場版の設定の数字なのですが
「運用慣性重量」と「全備重量」っていうのはなにか区別があるんでしょうか?
(このへんはおそらく比較検討なしに書いているんだろうなあ、、、
そうか!!フォールド装置やコンデンサーや虚空に消し飛んでいった装置の重さが
400万tなのか!!、、ってなこと絶対考えてないよね。ね。ね。ね。)
もちろん前号でマクロスのことを「ゼントラーディ軍の墜落艦」と記述してるので
百科としての整合性がないですね。(墜落艦という表現もおかしいのは前号の記述の通り、
「はなたれた」ので「落着した艦」が妥当。)
といったところで何について何を書きたいのかさっぱり分からない単元ですが
補足的に劇場版のスペックを追記しておきます。
・全長約1200m 全幅約600m 全備重量2200万t
・動力系……O-T-M反応炉システム群
・超時空航行系……O-T-Mフォールド・システム群
・噴射推進系……O-T-Mマクロ・ノズル・システム群、他多数
・火器……O-T-M艦首砲撃システム×1、アームド艦載機格納システム×2、他多数
(劇場版のスペックはこうなっているため不足の数字をTV版で補おうっていうのは
分からないではないんですが、、、、)
02-05:メカニックシート「VF-1Jバルキリー」
02-05:「VF-1J 量産機」
*解説 この単元はようするに
「TV版の本編に標準型の塗装をしたJ型が登場していた」
という事例から
「すんげえ!普通、標準塗装はA型って決まってるのに、J型もあるんじゃん!俺の大発見!!」
と勘違いしたライターさんが「妄想俺様設定」を書いてみたぞ。
という内容です。ほとんどがデタラメと知識不足のなせる技ですがあんまりひどいので
濃厚にやります。
同・機体解説
「生産数の少なかったJ型にも量産機タイプが見られた。」
「頭部に2門の対空レーザー機関砲を搭載したJ型は、A型以上の高い攻撃力を誇り、
量産機と言えども火力強化仕様として扱われたようだ。」
*解説 そもそもね。VF-1ってね。
全部量産型。(試作はVF-Xだから)
んでね、普通、戦闘機というか、工場で大量生産される兵器って
「量産型」って言わないで「生産型」ってよぶよね。
それも「生産型」とかって言葉はあくまで「試作型」との比較で用いる言葉だから、
「試作型が1942年5月に初飛行し、翌年2月には生産型がロールアウトした」とか
「試作型では中翼であったが生産型では低翼に改められた」と
いうような記述にしか出てきません。だってさあ、アンタ、
「生産型のプリウス」とか「量産型のデンター歯ブラシ」とか「量産型のiPOD」
って言いますか?
つまりね兵器と限らず、まとまった数が作られる工業製品ってば全部量産型であって
(試作型とかワンオフで作られたものと比較されない限り)わざわざ
生産型とか量産型って言わないんです。
なんでこんなに「量産型」なんて言葉が安易に用いられるようになったかというと
全部バンダイの「量産型ザク」って商品名が元凶なんだけどあれも
(量産品の普通のザクを改造して性能アップした)シャア専用ザクとの比較で
出てきた名称だから、やっぱり「量産型」って言葉はおかしい。
厳密には「一般型」とかせめて「通常型」って言うべきですわな。
(シャア専用機のほうが欧米の手作り高級カーみたいな
ワンオフの生産だったら、比較の上で量産型でも
いいかもしれないねえ、じいさんがジッと見て、う〜〜んとうなりながら
超硬スチール鋼を手曲げしてるのん。)
もちろん、当時は「敵の兵器が量産された規格品だということが
驚くべきリアルな描写だった」というのはいうまでもないけど、だからって
「量産型」「量産型」ってことさらに書いた後遺症がこういう記事を
生んでしまうんですなあ
だもんで、(資料上、生産数は少ないとはいえ)VF-1J自体が量産機であり、
VF-1Jに量産機とそうでない機体があるかのような記述は間違いつうかデタラメです。
劇中のカラーリングを見て、、
(設定画ではあくまで標準機の)A型に多く見られた
茶/白のカラーリングと同じだからといってJ型量産機なんていう言葉を
作ったらアカンて。
普通に考えるなら、この茶/白のカラーリングは型式を問わずに
存在するVF-1の基本カラーの1種と解釈するのが妥当。
(1号のマックス専用チューンナップVF-1J後期型の件といい、クロニクルも
ガンダム病の根が深いなあ)あと創刊1号のVF-1Jのメカファイルの記事も
影響してるんだろうなあ、、、困ったねこりゃ。
同・右下の主要パイロット「一条輝」
*解説 わざわざVF-1J量産機なんてやらかしているのにも関わらず、
その主要パイロットが「一条輝」って、、、、、。
じゃあ、量産型でないVF-1Jってどんな機体で誰が乗ってるのさ??
おしえてくれえ。いやマジで。
(現在この本の全号の記事で一番ワーストね。)
*08/8/31追記 量産型でないJ型の話がバンダイのメカファイル
(84年頃、バンダイのキャラクター模型に付属した設定画やスペックの
描かれた一枚もののデータ集。専用のバインダーが別売されてて
集めるとメカ設定集ができるのが売りだった。マクロスでは
84年にイマイ/アリイからバンダイに金型が移って再版した時に
付属していた。)に載っていたという情報を調べてみたら以下の
文章がありました。
「超時空要塞マクロス7 VF-1Jバルキリー スーパーファイター
増加ウエポンシステムは規格された同一のものであるため
外観、性能共に大きな違いはないものの、それを装着するバルキリーに
多少ではあるが性能面での違いがあった。タイプによって、その生産時期が
異なるために機体に多少の改良が加えられているためである。したがって
本体となるバルキリーにあわせて、エンジンなどにみあった調整が
なされているわけである。しかし前線においては幾つかの特例とも
言える、マイナーチェンジが存在していた。より高性能をと望む
パイロットの希望にこたえるために改良されたタイプである。
これは優秀な戦果を上げたパイロットなどにのみ許されたもので
その多くが 燃料搭載量増加による稼動時間の延長であった。
これを可能にするためには装甲などを支障ない限りそぎ落とすと
いう簡単な作業ですむために、多数の機体がこの改造を行って
いたようである。 VF-1Jではマクシミリアン・ジーナスもその
一人であり、彼の場合は増加ウエポンにも同作業を施していた
ようである。」
えっと、「優秀な戦果を上げたパイロットのみ」なのに「多数の機体」
だったり、そもそも2009年のOT使用のチョー精密な最新鋭戦闘機を
運用現場のスタッフの裁量で軽量化したりパーツ減らしてちゃんと
問題なく飛ぶんやろか?とか、(現場のスタッフが気付くような
無駄な部分はすでに設計の段階で削ぎ落としているであろう機体で)
「装甲などを支障ない限りそぎ落とす」のはとてもじゃないが
「簡単な作業」とは思えないとか、そもそも、状況から言って
毎日修羅場で、大破した機体を原料に、ニ個一、三個一の「オコシ」で
とりあえず稼動する機体数を確保するのが精一杯のはずの
マクロス艦内で呑気にそんな贅沢ができるのか?とかのツッコミは、
この際おいとくとして、百歩譲って、これを半公式と見て、
そういう「エース用のスペシャルチューン」が行われたとしても
そうした機体を「量産型でないJ型」とは呼ばないのは本文の通りです。
あと創刊1号にあった「強化された後期型のJ型」にもあたりません。
(まさかホントにジーさんが手曲げしてるような文献がでてくるとは…。)
02-06:メカニックシート「VF-1J 大気圏脱出用ブースター付バルキリー」
・機体解説より
「全長18mを超える大型ブースターは推力22500kgに及ぶロケットエンジン4基を内蔵し」
*解説 このブースターの数値設定はアニメージュの付録の
「マクロスディクショナリー」(パーフェクトメモリー以前の資料)が初出で
アリイ/イマイ の「超時空情報 Vol.7」にも引用されているのだがそれによると
「ブースター付きバルキリー」
全長18.9m、全備重量120.5t。
推力は22.5t×4×4(超時空版では「22.5t×4をさらに×4」とある)
つまり、大きいノズルの中でクラスターされてる小さいノズル一個の推力が
22.5tでそれが4×4。全部で16個分ということです。
さらに、重要な点は「マクロスディクショナリー」と「時空情報」の記事は
あくまで「ブースター付きバルキリー」のスペックです。
つまり全長というのはバルキリー込みの長さですのでブースターだけの
全長はせいぜい18.9mの2/3程度になるはずですから
「全長18mをこえるブースター」も間違いですね。
これもどっかの誰かかがwikipediaに書き込んじゃったのをそのまま
丸写しです。(ちなみにこれに関してはディクショナリーからの
移植記事の多いマクロスガイドブックに記述がありません。)
(追記:08/8/27 推力に関してwikipediaの記事が修正されたもよう。
ウイキのほうはデータを書き換えたら終わりだから簡単でいいわな)
同・関連事項「VF-1Jの追加装備」
誤:『GPS-1S』を装備した『アーマードバルキリー』
正:『GBP-1S』を装備した『アーマードバルキリー』
*解説 これもまたwikipedia丸写し。まああれです、宿題を丸写しするならもうちょっと
出来杉君とか、、ましなところを、、、、、、、。
まあお仕事でやってはるんですから、、ねえ。
(追記:08/8/27 wikipediaの記事が修正されたもよう。)
02-07:メカニックシート「SNNバルキリー」
02-08:メカニックシート「SNNバルキリー」・ファイターモード&ブースターの
画稿に付けているキャプション
「(SNNバルキリーの主翼について)中央に空間があるものの、翼平面形は
高速飛行向きのデルタ翼に近い形状となっている」
*解説 問題はこれを「デルタ翼」と呼んでいいかどうかですが、、
やっぱ結合翼ですね。これ。
この形式は70年代後半に前進翼機なんかと並んで
試作が検討されたり、構想が練られたりしていたので、
(実機制作や飛行まではあまりいかなかったみたい。)たぶんデザインした人
(マクロス2は誰がどれをデザインしたのかよくわからないのよね)のほうは
はっきり「結合翼」という認識で描いていると思います。
で、この形式は正面から見て菱形のボックスを形成するため
通常の翼形状より強度が上がるというのが売りですので
(逆に言えば同じ強度を得るための構造材が少なくてすむため軽く作れる)
解説本文の「軍用機より軽量」というのは合致するんですが、
「高速で安定」は当たらないような、、、、。
(まあデルタ翼って認識なんだから、そう書きますか。)
まあ、もっとも「マクロス2」にはガウォークになると主翼が裏返っちゃう機体も
出て来るので現代のテクノロジーで云々するのはそもそも当たらないのかもしれません。
そういえばこの機体もガウォークになると翼端を内側に畳むとか
よーわからんギミックがありますね。(なんてったって100年先の話だしなあ。)
02-09:キャラクターシート「ミレーヌ・フレア・ジーナス」
02-13:ギャラリーシート「マクロスF」
02-17:キャラクターシート「反統合同盟の兵士」
02-19:タイムラインシート「マヤン島攻防戦」
追記 この単元で「マクロスゼロ」の事件は2008/9の出来事と
されているが、現在、(2008/10)「マクロスF」のムック本などで紹介されている
最新の年表では2008/7になっている。ゼロに関しては統合戦争の終結年など
過去の設定を台なしにする改竄が多いのだが、本編のいつの出来事か
きちんと特定されていないと思わなかった。
初代マクロスに於ても「マクロス進宙式」が何月何日なのか不明ではあったが
こっちは80年代初期のアニメで、それから20年後の作品がこういうことに
全く配慮がないのはあまりにも無責任である。
(ゼロにはそうでなければ発生しないような過去の作品との矛盾が多数
生じているのだがようするに何も考えないで作ったということであろう)
02-19 「#02 マヤン島攻防戦」より
「国籍不明の可変戦闘機、統合軍を襲撃」から
F-14の解説文の中
「TF30-P-412エンジンを積んだA型で、100Km以上の射程を
誇るAIN-54フェニックス空対空ミサイルを搭載している。」
*解説 これはゼロ当初から問題になったネタなんですが
たしかにビックウエストの公式サイトではA型とされているのですが
河森氏自身が雑誌インタビューやF-14ムックなどで
「ゼロに登場する機体はA++」
(記事によってA+++という表記もあったはずでブレがあります)
と語っており、バンダイ側の公式サイトでは「A+改」とされています。
ようするにA型に対して(もしかしたらOTを応用した)近代化改修
がなんどか入った機体ということなんですが、
具体的に劇中ではどうかというと「外形はD型、
コクピット周りはA型」という状態になっています。
(ただしハセガワが販売した統合軍仕様の1/72 F-14はA型のキットに
統合軍のデカール追加したものだった。なぜそういう仕様なのかとか、
この機体の模型的考察はうちのコンテンツの
プラモデルリスト3ハセガワ編を
参照下さい。)で、もともとA型のエンジンは低出力や飛行中の
ストールなど問題のあるものでしたから、まず間違い無く
実機と同様に換装されていると思われます。
実機の場合はB/D型でGE F110-GE-400となっていますので
これか、そのOTM改修版が妥当かと思われます。
さらに武装もA++だとすると「AIM54フェニックス」
(御存じの通りこれは実在の兵器で「AIN」も間違いで「AIM」が正解)ではなく
「AIM-120AMRAAMおよびAIM-9サイドワインダー」になり
これを裏付ける河森氏の記事(GM誌Vol.8)も存在します。
(ただ実機のF-14はAMRAAMを装備できるように改修される前に退役が
決定してしまったために、最終のD型でもこれを使用できません。)
また劇中でも「フェニックス」には見えない様です。
(で、劇中ではどのミサイルが装備されていたかより、ミサイルに三本青帯が
描かれていることのほうが重要だったりしますが、これはまた別の話)
02-23:ヒストリーシート「『小白龍』公開」
*解説 別に間違いとかではないんだけど
マクロス本編でもはっきりとストーリーが語られない『小白龍』の
全ストーリーはここをクリック
の下のほうの「83/4 41号」の青字のところを参照下さい。
(別にそれだけですねん。)
02-25:ソングシート「…だけどベイビー!!」「SWEET FANTASY」
02-27:グッズシート「YAMATO 1/60 完全変形VF-1S with
スーパー&ストライクパーツ ロイ・フォッカー機」
02-29:グッズシート「YAMATO 群雄【動】」
02-31:メイキングシート「河森正治(1)」
「実はバルキリーの根源は高校時代のマンガにあったという新事実が判明した」
*解説 えっとマクロスパーフェクトメモリーが1984年発行で、思いきり
その話がマンガ本編といっしょに載ってますので24年前から良く知られた新事実ですね。
(全ページの載録でもしてくれてたら尊敬したのに、、、、。)
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以上創刊2号は終了。以下3号へ続く。
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