監察軍の工作室007
〜「マクロス・クロニクル」創刊7号正誤表〜

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創刊7号の内容と正誤表と解説
注:基本的に
およそ赤字の表記は間違っているもの、
はたまたかつて公式だったが消されたもの
およそ青字の表記は正しいもの
およそ緑字の表記はどちらともいえない微妙なもの
になっております。
01-04 スーパーバルキリー
*総解説 劇場版が大好きなクロニクルでは珍しく、今回は総じてTV版の記述に
なっております。(これもあとでキヤノン砲仕様の劇場版のシートが出るのかな?)
が、前号の予告編への正誤でも書いてますが、悲しいかなTV版の画稿に
劇場版の色指定で彩色しちゃってるので奇妙な違和感があります。
(もちろんTV版のスーパーパックは
もっと緑がかったカラーリングです。)
基本的にスーパーパーツの形式番号や設定等はTIA「マクロスプラス」によるものなのですが、
例によって文章を端折っていくうちに怪しい内容になってしまったようです。
まず、原典の「マクロスプラス」の脚部コンフォーマルタンクの
形式番号の表記にブレがあり、一番古いMAT同人誌「マクロスジャーナル」では
「CTB-04 コンフォーマルタンク/高機動ブースター」の表記だったのですが
TIA「マクロスプラス」ではこれと「NP-FB-01」が混用されています。
で、クロニクルでは「CTB-04」で一本にしてしまった様です。(元本にマクロスジャーナルを
使った臭いっす。)ただ、TIA「マクロスプラス」ではVT-1に装備された脚部スーパーパック
(VF-1のそれに2個のバルジの追加が見られるタイプ)を
「NP-FB-T1 コンフォーマルタンク」と定義しているので、VF-1のそれは「NP-FB-01」と
したほうが整合性があるような、、、、。
なおこの記事にある「戦闘継続時間の短さ」ですが、河森氏のインタビュー
(アニメージュ83/3付録マクロスコレクション)では
「現実的には(中略)ノーマルで3分、バーニアを多用した
高機動戦闘の場合1分以下でしょう。」と答えています。
それでは個別に正誤です。
07-01 「機体解説」本文より
「この装備の中心である機体上部のブースター“FASTパック”から、
このタイプのバルキリーは『FASTパック装備型バルキリー』
(通称スーパーバルキリー)と呼ばれる。」
*解説 まず、VF-1のスーパーパーツを指して言われる「FASTパック」ですが、
河森氏のインタビュー(Bクラブ 145号)でも言及があるように、
元ネタは実機のF-15Eの「FASTパック」なのですが、
これは御存じの通り実機のF-15Eの開発において、戦闘機であるF-15を
攻撃機に改造するにあたって増加する機体重量への対策と
航続距離の増大のために、かねてから開発メーカーである
マクダネルダグラスから提案のあった「FASTパック」と呼ばれる
(エンジンナセルに張り付ける形式の)増加燃料タンクを
装備したことに由来します。このため「FASTパック」というと
VF-1では脚部の増加燃料タンクの事を指すのが自然なのですが、
マクロスでは背面ブースターと腕部ミサイルパックと
三点セットで装備されるのが一般的であったため、資料でも慣例的にこの三点を
「FASTパック」と呼称し、これらを装備した機体を「FASTパック装備型バルキリー」と
呼んでいます。(ただし脚部のみスーパーパーツ装備で背面はブースター以外の
特殊ユニットを装備したの機体も劇中に登場しています。ただ、これが
「FASTパック装備型バルキリー」と呼称されているかは不明ですが。
この点からいけば「FASTパック装備型バルキリー」と呼んで差しつかえないと
いうことです。)従いまして、この文章のように背面ブースターのみを
「FASTパック」と捉えたり背面ブースターが付いていることを
「FASTパック装備型バルキリー」の根拠とするのは間違いでしょう。
追記:「FASTパック」の「FAST」は「Fuel and Sensor Tactical」の略で
F-15に於けるマクダネルダグラスの元々の提案は、空力的に悪い影響を与えにくい
(エンジンナセルに張り付いた)形状のカセット式パレットに
追加の燃料を搭載するだけではなく、偵察装備やECM装備を詰め込むことで
機体能力を広く拡張するプランだったが実際に実用化されたのは
増燃機能だけだったらしい。(風紋様どうもです。)
07-02 「主要パイロット」より「一条輝」
*解説 前号、予告編から書いてますが輝はロイの形見のVF-1Sに
スーパーパーツを装備して使用します。この単元は「スーパーバルキリー」
ですから間違いではないのですが、ここの挿し絵のような
(スーパーバルキリーの実用時点で喪失されていた)VF-J輝仕様の
スーパーパーツ付きには乗ってません、つか乗れませんので念のため。
(この仕様の機体そのものは「マクロスVOXP」のOPに登場します。)
同 「サイズ比較」のシルエット画像
*解説 別に間違いでは無いですが、これのシルエットの元の画稿に若干問題が。
スーパーのほうはTV版のスーパーバルキリーとして一般的なものから
描かれているのですが、なぜかノーマルのほうは製作初期に玩具開発用に描かれたらしい
変型可能な三面図を元にしているんですね。(マイアニメ82/10月付録のアニメ資料館や
インプレス版「河森デザインワークス」の巻末インタビューに収録されているモノ。
変型の為のパーツが書き込まれているのだが、手首が収納されてなかったり、
主翼が後方まで描かれていてシルエットが一般的な三面図と異なります。)
なぜわざわざ入手の難しい特殊な図版をチョイスしたのかは不明ですが
なによりスーパーのほうはガンポッド付きでノーマルはガンポッド無しなのが
チグハグですね。
07-03 「運用記録」より
「大戦末期の宇宙戦力はFASTパック装備型が大半をしめており
2010年代の主力機となっていったことは間違いがない。」
*解説 たしかにTIA「マクロスプラス」の記事で
「実戦配備後のスーパーバルキリーは、宇宙における2010年代の主力戦闘機の地位を
ゆるぎないものとした。」というがあるのでこれをクロニクル式の翻訳しちゃったんだと
思うんだけど、、、、だいたい戦後のどさくさで「VF-1」ぐらいしか実用に
なる戦闘機がない状況で「主力機になっていった」もへったくれもないやろ、とか、
「FASTパック装備型が大半をしめて」もなにも、こういう装備って
ミッションごとに付けるとか付けないとか考えるんじゃねえの?とか
、、、もうさあ、そのまま写そうよ、、、、。
同 「バーニアノズル」の画像のキャプションより
「(CTB-04では)バーニアノズルは1ユニットにつき5機が装備されており」
*解説 、、と書いてあるのに画像には2個しかノズルがありません。
他の線画にも2個しかありません。唯一、07-01〜02にある
天神センセのイラストにのみ、なんとなくあるような、ないような
よく見えない状態で三連ノズルが描かれています。
これはどういうことかというと、もともとTVシリーズの設定画では
ここに収録された線画の通り、ノズルが2個しか描かれておらず、
ノズルとノズルの間にちょっとずれて描いてる黒の塗りつぶしの帯は
別にノズルではなかったのですが(ただ、演出として黒の塗りつぶし部分は
バーニアとして作画することが許されていたらしい。)のちの
劇場版でディテールを追加して設定画が描き直された時に3連ノズルが
追加されたのですが、TIA「マクロスプラス」の解説などでは最初から
存在したものとして取り扱われたため
、画稿では描かれてないませんが片側タンクに対して
合計5個のノズルがあるという認識になっているようです。
同 「ファイターモード」の画像のキャプション
「反応弾は各形態で運用可能だが、モジュールの配置構造上、
主にファイター形態で使用された。」
*解説 問題は「モジュールの配置構造上」ってとこでしょうか?
たしかに劇場版の最初の戦闘でもファイターで接近しつつ距離のある内に
反応弾を発砲し、敵の数を減らした後、ガウォークで減速して、速度を合わせ、
しかる後にバトロイド等で戦闘となるわけですが、
これは戦術として反応弾をファイター状態で使用しているのであって別に
「モジュールの配置構造上」ではないですよね?
だいたい反応弾なんていう物騒な兵器を、ガウォークやバトロイドで団子状態に
なって戦闘してる時に打つわけにはいかないので普通はファイターでの使用になるかと。
同 「ガウォーク/バトロイドモード」より、図版のキャプションより
「腕部ミサイルポッドの運用には、ファイター形態よりも、
バトロイド/ガウォーク形態の方が適していた。」
*解説 まずこの記述の原典が見つかりません。で、本文中にあるように
腕のスーパーパーツには左右それぞれ1パックに付き3箇所からミサイルを
発砲できるのですがF時でもは後方に2口、前方に1口で使用可能ですので
別段ハンデがあるわけではなく、G/B時でも肘方向へはあまり実用に
ならないでしょうし、いずれが有利ともいえないような、、、。
05-06 YF-21
*総解説 上のVF-1ではスーパー仕様は「スーパーバルキリー」として
別の単元になっていたのですがこっちはスーパー仕様と手足を
排除したリミッター解除モード、他を含んで、4ページになっています。
前回も殺されていたガルトはこの単元では「強烈なG」の為に死んだことになっています。
ゼロのラストシーンの記事もそうですが、生死不明などぼやかしてある出来事を
根拠もないのに無理に断定しなくても、、、、、、、(そんなことしてると
あとで、視覚、他をサイボーグ化したり、メカと同化したガルトが新作に登場して
泣くことになってもしらんどー。しらんどー。)
追記:VF-27はゼネラルギャラクシーの「ガルド・ワークス」の開発という設定が……
07-05 「リミッター解除モード」の本文より
「YF-21の特徴のひとつとして、極端なまでに機動性能に偏重した設計思想が挙げられる。」
「そして、機動性偏重の極みとも言えるのが、リミッター解除モードだった。」
*解説 この単元に於けるYF-21の特徴の捉え方の問題なんですが、
やはり「マクロスプラス」本編のあり方からいって、仕様要求上
「VF-11」より勝った前提で「YF-19」と比較し記述がされる
べきでしょう。(逆にVF-4であればVF-1との比較になるでしょうし、
SV-51ならVF-0と比較すべきでしょう。つまり有るべき比較対象が
機体によって、おのずと存在するということです。)
ここでこの2つの機体の特徴について書かれた資料を引用してみます。
「競合相手のYF-19が超AIによって操縦系統をバックアップして、
人間の限界を超えた機動を可能にしているのに対して、
こちらは一部にゼントラーディのテクノロージー(原文ママ)を使用、
脳波コントロール・システムを搭載させることによって同様の機動力を確保している。
特徴としては、YF-19よりも重武装で搭載エンジンの出力も高いため、
集団での一撃離脱戦時の打撃力は勝っている点が挙げられるが、
しかし運動性能に関しては若干劣っているため、格闘戦時の機動性に関しては、
軽快さを売りにしたYF-19に多少おくれをとってしまうこともあるように
見受けられる。」(マクロスプラスLD3巻のライナーノートより)
「YF-19に比べて重武装、高出力エンジンであり、一撃離脱時の
攻撃力は勝っている」(ハセガワ1/72 YF-21キット インストより)
ここを読むと「YF-19の方が軽くて運動性が高い、YF-21ほうは
より重く、その分、出力の大きいエンジンを搭載することで同等の機動性を確保したが
運動性においてはYF-19が勝っている」というふうに読めるのですが
本来、「運動性」は「機動性」の中に内封されるため、
この文章ではどういう優劣があるのか分かりにくくなっています。
おそらく、クロニクルの筆者もふくめてこの「運動性」と「機動性」が
ごっちゃになっている(ロドもそう)為にこの文章が
理解しにくいわけです。で、この際ですので風紋さんの解説をそのまま
再録します。
「そもそも機動性という言葉が曖昧というか便利に使い過ぎる風潮が
蔓延してるんですよね。マニューバビリティーというのはまず
マニューバを行える能力の事で、マニューバとは飛行機なら
インメルマンターンだのヨーヨーだのバレル
ロールだの、となってくる訳ですが、そうなると機動性とは何か。
・機首を別の方向に向ける素早さ(瞬間最大旋回率)
・別の方向に向ける操作を維持出来るパワー(維持旋回率)
大雑把にこの二種類のパラメータに分けてみますが、この二点を分けて
考えないと、なんだか判らなくなる話だと思います。
個人的な理解では、前者をagility、後者をmobiltyと考えているのです
けれど、要するに一瞬だけ小さく回るか、大きく回るけどその分減速しない
から結果的に早く回れるよ、という違いですね。
無論どっちかだけ、という戦闘機はあり得ないですし、どっちもーという
のもまた難しい話なので、そこらへんは要求や設計の匙加減になります。
で、AVF計画はVF-11を上回る高機動性というのが要求されているので、
YF-19とYF-21はこの二つのパラメータはVF-11を上回っていると考えられ
ますが、そこを上回った領域で、agilityはYF-19が高く、mobilityは
YF-21が高い、という味付けになっているんだと思います。実際は後半19が
エンジン換装されるのでmobilityはよく判らなくなってますが。
(TIAマクプラの19の記述でも機動性、とは云わず「運動性」とagilityの
ニュアンスで書いている辺り、ライターさんは区別して書いてあると
思われます)クロニクルの論調ですと機動性という言葉にも二つのパラメータが
あるんだよという理解がないままこの辺をかなりごっちゃにして言葉を
使っているように見受けられますので、うーんどうかなという。
機動性という言葉でYF-21を語っちゃうと、YF-19の時にはどう書くん
ですか、やっぱり運動性なんですか、という疑問が浮かびますね(苦笑」
ロド公では理解が難しい内容ですが、ようするに航空機の機動性には二つあって
単純に機動性として括れない。そしてその二つは以下の通り、
*一瞬だけ小さく回れる=agility=YF-19のほうが得意
*大きく回るけどその分減速しないから
結果的に早く回れる=mobilty=YF-21のほうが得意
で、これが前提とするとYF-21側がわざわざ、「リミッター解除モード」で
重量物の手足を捨てるのは、開発競争で打ち勝つべく、緊急時に軽量化で
「劣っているagility」を解決するためということなります。
ということで単純に機動性に偏重とかの話じゃないですね。
で、YF-21の解説で機動性に偏っている(ので19に勝る)としてしまうと
今後出てくるであろうYF-19の単元ではどう解説するのかが気になりますね。
同 「リミッター解除モード」における裏面のカラー図版のキャプション
「露出したガウォーク時のホバリング用ノズルは機動制御に用いられたと考えられる。」
*解説 まずこれを明記した資料とか劇中の描写はありましたっけ?
確かに排除後は裏面にガウォーク時のホバリング用ノズルが露出するわけですが、
ガウォークの場合はエンジンブロックが前進することでスリット状のノズルが
開口されるのですが、エンジンブロックが前進してないこのモードではスリットが
開口している様子がないんですよね。ということで記事はちょっとフライングかなと。
07-06 「FASTパック装備時」より本文
「4000kgまでのオプションを装備可能となっている。」
*解説 これも根拠となる資料が見つからないのですが、
まさか、TIA「マクロスプラス ムービーエディション」に載ってる
平面図に付帯するスペック表の
MAX OVER LOAD 39207kg
MAX OVER LOAD (space)48306kg
の下の数字から上の数字を引いて2で割ったんでしょうか?
もしそうだとしたらわからんでは無いですが、、、
断定するのは無理がありますね。(例によってウイキの捏造記述かな?)
ちなみに「劇場版マクロスプラス/7」のパンフではこれの日本語表記らしき
ものが載っているのですが、
最大離陸重量(大気圏内戦闘用)39270kg
最大発進重量(宇宙空間フォールドブースター装備時)48305kg
これではなにがなんだか分からんですね。(上記の英語版を誤表記したのかな?)
最大離陸重量と最大発進重量となにが違うのかとか、(宇宙だから「発進」なの?)
英語版では宇宙ではと読めるのがフォールドブースターとか飛躍した記述になってるし
数字も良く見ると細かく違うし。なんじゃろね。
(誰か根拠になる記事御存じでしたらBBSまで連絡下さい。お願いします)
同 同 本文より
「このFASTパックはYF-21の特異性に即した設計がなされ、既存機種の
スーパーパーツとは異なる点も多い。中でも目を引くのは、装着時でも
フォルムがほとんど変化しないほどの小型化であろう。ステルス性を
重視する本機にとって(アクティブステルス性能を有するとはいえ)追加装備の
大型化は好ましいものではなく、密着化、小型化が図られたのである。」
*解説 おそらくこの文章はTIA「マクロスプラス MOVIE EDITION」の
「機体開発にともない、追加兵装及びプロペラントタンクからなる
ファストパックの開発も同時にすすめられた。ステルス性能を損なわず、
またいずれの形態でも運用可能なユニットを要求された開発スタッフは
可能な限り、システムをコンパクト化することで、複雑なシステムをもつ
YF-21の機体表面に変型に関係しない設置面を確保し、ユニットの形状は
レーダー波を受けにくいコンフォーマルタイプを採用することで困難と
思われた要求に対処した。ニューエドワーズでおこなわれたテストでは
ファストパックの装着、未装着時ともにRCS(レーダーに映る断面積)は
ほぼ同じという結果がえられた。」
が原本らしくこれをクロニクル式に要約したようです。
「既存機種のスーパーパーツとは異なる点が多い」ですが、
実際にここに書かれた特徴(小型でコンフォーマルタイプで密着してる)は
そのままスーパー装備のYF-19にほぼそのまま当てはまりますので、
別段、YF-21独自ということはありません。
また、この記事では書かれていませんが
歴代のスーパーパーツが備えていた「追加ブースターを持たないという点」が
YF-19/21最大の特徴ですが、これもまた19/21共通の要素です。
またこの記事では言及されていませんがYF-19/21のファストパックは
大気圏内外両用なのですが、これもVF-11(ジャミングバース仕様など)
、VF-5000などで設定されていますね。
同 同 下面を示した図版のキャプションより
「機体下面を覆うFASTパックは整流カバーを兼ねる。」
*解説 これ読むとノーマル状態のプレート(バトロイド時に腰に来てるやつ)と
交換式のように読めますが、「河森正治マクロスデザインワークス」でも
「大腿部のプレート(中略)に装着される」と明記されていますので
普通に考えてノーマル状態のプレートの上に密着して
取り付けられているだけだと思うのですが、(なんかこれを示した
資料ありましたっけ?)ノーマル状態の設定画に
「銃口前に、巡航時は引き込み式の整流,ステルスカバー出ます」
というキャプションがあるのですがまさかこの記述からクロニクル式に
それを拡張して、「ノーマル状態で整流カバーが出てくるんだから、
スーパー状態ではFASTパックに
整流カバーがあるのだ」とか読んじゃったのかな?
同 「フォールド・ブースター装着時」より本文から
「競合機と同じブースターが用いられている理由は、
オプションとしての汎用性を鑑みた結果であろう。」
*解説 もちろんこんな設定はいずれの資料でも明記されたことはありません。
御存じの通りここで言及している戦闘機用のフォールドブースターは
マクロス7にも登場してVF-17でも使用されている新中州/オーテック製の汎用品で、
この時点で、ようやっと実用レベルに達したところの最新ツールです。しかも
使用後は損耗のため使い捨てです。(この後のエピソードであるマクロス7でも
いまだ不安定な動作を見せており。使用後に爆発することもあった。)なので、
同機能の部品を各社で独自開発をしたり、さらにそれを各機体専用パーツ化すると
いうこと自体が無理というか、不自然のように思うのですが、、、。
これを書いた人、TIA「マクロスプラス MOVIE EDITION」のYF-21のとこだけ
読んで、YF-19の記事は読まなかったんじゃなかろうか?
07-08 マクロス7船団
09-12 一条輝
07-09 「人物相関図」
*解説 間違いではありません。前回より変化があって「のちに〜」という表現が
入るようになり、劇中の変化が表現されるようになりました。
07-10 「01.予期せぬ出撃」より
「(略)市街地に不時着してしまう。そこで彼は、ミンメイと出会った。」
*解説 創刊5号のタイムシートでもそうだったのですが、
互いに認識できて、初めて会話するのはこの時なので間違いではないのですが、
その前の自販機のシーンで、輝はミンメイを見かけていて、
ロイがミンメイ(のヒップに)見とれる(そしてロイが変わっていないことを確認する)
くだりがありますので、、、書き直すなら「ミンメイと再会した。」か、
「ミンメイと初めて言葉をかわした。」、、ですかね?
同 「02.ミンメイとのサバイバル生活」より
「(略)フォッカー少佐のVF-1Sの先導でマクロスへと退避した直後、
すぐさま自分のファン・レーサーでミンメイを連れて地上に戻ろうとした。
しかし直前にマクロスがフォールドしたため、彼らは宇宙空間に投げ出されてしまう。」
*解説 劇中では輝の乗ったVF-1Dはゼントラーディ人が脚部を掴んだまま
絶命してしまったため動くことができなくなり、
ロイは二人が乗ったままのコクピットブロックだけをVF-1Dから分離し、
自らのVF-1Sの肘に取り付けてガウォーク状態でマクロスに帰還します。
ですので、これをを先導というのはちょっと、、、、。
で、「直後」とありますが、劇中だと3人がマクロスへ帰還したあと、
ロイは式典の会場に残したままになっていた輝のファンレーサーを
マクロスまで運び、(ロイ本人が運んだのか誰かに運ばせたのかは不明)
ファンレーサーと再会した輝が感激するくだりもありますので
「直後」ではありません。またミンメイと輝がファン・レーサーで
マクロスの外に出た後に(辺りはまだ地球の空)フォールドを行いますので
事実関係が逆ですね。
07-12 まん中の図版のキャプションより「ヘルメットのツバ」
*解説 はい「ツバ」です。日本人ならバイザーなんて言っては、、、、、、
正確にいうとツバの出っ張りですね。(間違いじゃないけど違和感が、、、。)
13-16 超時空要塞マクロス〜愛おぼえていますか
17-18 ルーシー・マクミラン
19-20 ミス・マクロスコンテスト
21-22 ファースト・コンタクト
23-24 鳥の人争奪戦
07-23 関連事項 「改竄される歴史」より
「歴史的事実の発見で時系列が見直される場合もある。
例えば統合戦争の終結年月には諸説あり、当初は2007年1月と
されていたが鳥の人事件解禁後は2008年12月とされた。(中略)
今後も研究は続き、未来永劫`新事実`が現れ続けることは間違いない」
*解説 うちではずいぶん前から指摘してきたことへの解答
なんですが、これではミも蓋もないんです。涙がとまりません。が、かといって
「お前、偉そうに文句バッカ抜かしてるけど、なんかうまいたたみ方でもあるんかい?」
と言われたら、、、「すいません。こんなの無理です。作品作る時にちゃんと後の事を
考えてから作って下さい」としか言い様がありません。
そもそもマクロスゼロの出発点(2008年9月)の描写で明白に
「統合軍と反統合同盟が(継続して)戦争中」ですし、クロニクルでも
「鳥の人事件後、反統合軍からの脱退が相次いだ」と記述されている関係上、
鳥の人事件が隠されていようと無かろうと、事件の隠ぺいとはお構いなしに
2008年9月までは複数の国家によって反統合同盟がきちんと成立してるわけで、
せめて、2007年1月に一度停戦が行われたとかでもしないと、
(そうすると2008年9月前に再び局地戦が始まったとかに
せんといかんですが)仮説としてでも「2007年1月終戦」
なんて話が出て来ようがありません。これが最後の戦闘が終わった時点を終戦とするか、
停戦の手続きの終了時点とするか、反統合同盟の主要国家が離脱して形骸化した時点とするか
等で、明確な年時が不明で諸説あるというならそれらしいけど、
これでは説にもなりません。せめて「マクロスゼロ」が
「統合戦争終戦後に反統合同盟残党によって起こされた事件」
としておけばよかったんですけど、もはや覆水盆に還らずですね。
(まあスターダスト作戦を挿入するために1年戦争の終戦が延ばされたような
状況ですね<分かりやすいガノ表現)
加えて言うともし前からそういう設定になっていたのなら
ヒストリーシートの「統合戦争の終結」の項でその旨を記事にしとくべきなので
「すべてのマクロス作品は劇中劇である」と同様の後出しジャンケンなんですね。
あと、毎度書いてますが、終戦年時の変更に伴って終戦に関連する事例が
ドミノ式に辻褄が合わなくなってるのでそれもなんとか、、、なんねえよな。
このほか84年時点の公式設定類、「幸か不幸か(デストロイドの)その強大な
破壊力を人類に向かって発揮することなく終戦を迎えた」とかもこの手の
エクスキューズで凌いじゃうのかなあ。
追記:この際だから書いちゃうけど「『劇場版マクロス』はマクロス世界で
終戦アニバーサリーで作られた映画で現実世界の『NHKの大河ドラマ』
みたいなものだから正史とは違う世界観となってる」
って簡単に言われますけど「NHKの大河ドラマ」で
歴史上の実在の人物の出目や歴史上の出来事を架空のものに改竄して
放送できると思いますか?いささか古い話だけど筒井康隆の「モーツアルト伝」ですら
「事実と違う!」という苦情が殺到して連載が中止になってるんですよ。
「豊臣秀吉は大阪出身で織田信長を殺して下克上したあと世界征服しました。
めでたしめでたし。」とか。「二次大戦で日本はアメリカ、イギリスとともに
連合軍としてドイツ、イタリア、ロシアの枢軸軍と戦い、激しい戦闘の末、
打ち勝った」とかできると思います?「架空のドラマですから」で済むと
思います?よほど入念に事前のエクスキューズをしておかないと
大変なことになりますよ。あなた、ホイホイ納得してる場合でないですよ。
むしろ史実ほど厳しい目にさらされるドラマの題材はないのであって
そこらのドラマなんかより入念にリサーチしてやるのが普通です。
それこそ諸説を元にそれぞれの立場から「異義あり!」というつっこみに
さらされるケースが多く(実際にNHKが歴史上の人物である登場人物
の説明で地元の団体から苦情が入り謝罪したケースがある)
例えこれが「架空戦記」や「タイムスリップによる歴史干渉物」のように
「IF」を持ち込んで飛躍したSF小説であっても検証を手加減してはくれません。
(素直に別世界でいいやん。なぜに統一論を求めるんですか?
あー、畳めんもんは畳めんて。あっこれではクロニクル全否定だ)
今日の標語「アカン。後出しジャンケン、アカン」
07-24 「投入されたOTM兵器」のSV-51図版のキャプション
「アクティブステルス機能や武装面においてはVF-0を上まわっていた。」
*解説 これは間違いとは言い切れないのですが、誤解を生じさせやすいので注釈です。
マクロス世界においてのステルスですが、TV版当初(82年)は現在でいう
「ステルス」という概念がほぼなく、作品にもそれを反映した描写はありません、
が、そのからのち、F-117やB-2の公開等、実機において、
ステルスが話題となった90年代にマクロスプラス/7が制作され、
これらステルスの要素はマクロス世界に「アクティブステルス」として
YF-19/21へ持ち込まれたわけですが、この「アクティブステルス」は
2040年代なりのOTM応用レーダーに対するステルスであり、
現代のレーダー波の反射や吸収、レーダーに対する正面の面積の縮小等とは別種の
「スイッチをいれると積極的に機体の存在を消し去ることのできる」
魔法のような技術です。で、マクロス世界では
「アクティブステルス」といえばこれを指すのが普通だったわけです。
ところが、この後マクロスゼロ制作に至って、2008年の設定であるかぎり
いま現在の実機の「ステルス技術」を考慮しないわけにはいかないため
VF-0、SV-51、ゴーストなどの機体は「ステルス能力」を持つと設定
されていますがこれらは前述した実機における消極的なそれであり、
マクロス世界における2040年以降のそれとは全く別の区別して語るべきものです。
ということでVF-117とかのやつと並べて考えないように、、、、。
だいたいこの号の「YF-21」の単元では「ステルス」と「アクティブステルス」を
ちゃんと区別して記述してるのに。こっちはなぜにごっちゃに表記するかなあ。
(でも制作側も新旧の技術をごっちゃにしてそうなんですよねえ。
VF-0がPPBパンチを繰り出してるってホント?)
同 「関連事項」の「マヤン島と島の人の伝承」本文より
「この島に統合軍のパイロットが流れ着いたことで歴史は動いたのである。」
*解説 このへん、「ここで鳥の人の部品を奪い合って戦争したこと」が
「歴史が動いた」ことなのか、それとも「核兵器による壊滅的な破壊を
島の少女の若い軍人への思いが救った」ことなのか、いまひとつ詳らかでないのですが
後者であればわからないではないですが、前者であれば別にシンちゃんの
漂着に関係なく起った事件なんですよね。
間違いではないんですが、違和感が、、、というかこの号から
文章の所々に劇的と言うか情熱的なというか詩的な表現が入るようになってますね。
(ライターさんか、編集者が変わったのかな?以後ちょっと要注意です。)
25-26 プロトデビルン
*総解説、この単元ですが、基本的にマクロス7時の年表、アニメージュ95/11〜96/2の
連載記事、LDのライナーノート等の記述を元に、微妙に膨らました内容になっていて
間違いとは言えないが、それは断定できないという記事連発になっています。
当方(風紋VF工房BBS内スレッド)でも検証を行っていますが、
結論がでておりません。つきましては根拠となる記述が御存じの方がありましたら
連絡ください。よろしくお願いします。
07-25 本文より
「その事実に気付いたプロトカルチャーは、何度かプロトデビルンとコンタクトを
図ろうと試みたものの成功しなかった。」
*解説 これは原本が見つかりません。お話的に
「おおお、お前は何者だ?どうして自分の意志で動くのだ?」
というような会話は当然あったであろうと思いますが、、、。
(何か知ってる人連絡下さい。)
同 本文より
「本来であればエビル・シリーズの生体超空間器官を通じてサブ・ユニバースから
エネルギーが供給されるはずだが、どのエビルの回路も正常に動作しなかったため、
精神エネルギー生命体はサブ・ユニバースに帰れず(元々一方通行だったのかも知れない)、
生きるためには他者のスピリチアを摂取してエネルギーをまかなうしかなかったのである。」
*解説 まず、「どのエビルの回路も正常に動作しなかったため、」ですが
これもまた根拠が不明です。マクロス7時の解説では
「(サブユニバースには)超高レベルの異次元エネルギーが充満しており」これを
生体超空間器官を通じてエビルシリーズに流入したが、流入されたエネルギーが
意志を持っていて、彼ら異次元エネルギー体がこの宇宙で生き続けるためには
スピリチアが必要だった。、、、とされていますが、過去の資料において、
「異次元エネルギー」=「スピリチア」という定義もされていませんし、
(生体超空間器官の?)回路の不具合の所為で「異次元エネルギー」の供給が
断たれたとか、不具合の所為で意志を持った「異次元エネルギー」がサブユニバースに
帰れないといった記述もありません。
さらにマクロス7の年表では「彼等に侵略の意志が最初からあったのか、
たまたま召還されエビルシリーズという入れ物に閉じ込められてしまった被害者なのかは
謎だった」とされています。(劇中では彼等はこの宇宙で生き延びるための方策を
画策しますが帰還しようとはしません。)
また、この記事の通りであればエビルシリーズの生体超空間器官の回路に起きている
不具合を修復/改善すればサッキュバス状態を解決できて、しかも
故郷へお帰りいただける可能性が出てきてしまうんですが、
それではバサラが歌う必要が無くなってしまいますので、
(まさか歌ったたら、機能的不具合が治るというのかしら?)
マクロス7自体が成立しません。というわけで「ハイそうですか」とは言えません。
同 本文より
「(バジュラ云々した後で)地球外の知的生命体とは「歌」という
平和的なコミュニケーションが和解に導いたことを忘れてはならない。」
*解説 確かにTV版のマクロスではミンメイが歌ったことで地球人類は絶滅の
危機を逃れましたし、マクロス7ではプロトデビルンの宿命を解決しました。が、
あれって「和解」なのかと。さらにこれらの決着を手放しで平和的コミュニケーションと
いえるのかと。「カイフン」並みの寝言を書いているんじゃないよ!と。
(ところでバジュラって知的生命体と呼んでいいんでしょうか?)
07-26 「エビルシリーズとプロトデビルン」より
「生体超空間器官(生物の松果体組織をベースとした遺伝子工学器官)」
*解説 過去の資料において、「遺伝子工学的な生体超空間器官」とか
「非常にコンパクト」といった設定は散見できるのですが、
「松果体組織をベース」という記述ははみつかりませんでした。
(何か知ってる人連絡下さい。)
同 「関連事項」より「アニマスピリチア」の本文から
「スピリチアの海」
*解説 この言葉自体初めて出てきた名称です。(困ったなこりゃ。)
過去の資料において、サウンドエナジーシステムの仕組みとして、
歌い手のサウンドエナジーを呼び水に「N次空間」からエネルギーを取り出す。
という設定はTIAマクロス7アニメーション資料集等に
散見できるのですが、
「N次空間」=「(プロトデビルンの意志の由来の)サブユニバース」
と定義されたことはありませんし、「サブユニバース」に充満していた
「超高レベルの異次元エネルギー」=「スピリチア」も定義されたことはありません。
バサラが歌うことで「サウンドエネルギー」を行使できて、その効果で
失われた「スピリチア」が回復/増大するという描写はありますが
「サウンドエネルギー」=「スピリチア」という定義もありません。
従いまして、これらを全部一まとめにして出元を「スピリチアの海」した
この一連の記事自体が今回改めて独自に関連付けられたことになります。
(これも根拠など、何か知ってる人連絡下さい。)
27-28 愛おぼえていますか/天使の絵の具
07-27 左下の解説より
「じっくりと聴かせるドラマディックな」
*解説 「ドラマチック」か、「ドラマティック」でしょうね。
29-32 変型トイ やまと1/72シリーズ
*総解説 とりあえず誉めてはいなかったです。
でもYF-19はやまと社、初の自社開発商品だったのだが、
繰り返しの発売延期の末(開発途中で中国側のパートナーだった会社が
逃亡したとかしないとか、それがまた現在のトイナミ社だとかちがうとか、
試作品の公開から数年後、やっとこさっとこ製造販売されたのだが)
余りの酷さに発売直後から改修がなんども入って
(関節がクリック付きなのはいいけど左右でクリック位置が違っていて
ガウォークの姿勢が斜めなのは序の口で、全体に噛み合わせがタイト過ぎて
ツメがバキバキ折れちゃって、てんで変型不可だったり
手首が両方右手だったり、左手だったり、かと思えば、もともと付属してないはずの
平手が付属していたとか、尾翼が両方右だったり、左だったり、片方または
両方無かったり、尾翼以外でも顔面左右の部品が接着した形跡もなく
なかったり、ガンポッドがなかったり、他多数いろんなものがついてなかったり、
という生産管理状態だった。)
パーツの変更、交換をくり返して望まないのにVer.2,0まで進歩してしまった、
(金型を改修して噛み合わせとテンションを緩め、一部プラ製のパーツを金属に
改めて補強し、日本に入ってきた製品を開封、検品し直したり、
物凄い努力があったんだけど、それでもやっぱり壊れて困った。最終的に色替えの
VF-19Aで膝裏の繰り出し蛇腹等がなくなりVer.2.5まで進化する。)こととか、
買った直後はすごく満足だったんだけど、プラがなにかに被爆しているかのごとく
日に日に関節部が腐って腐って粉々になっていく旧VF-11の事とかは書いて無いです。
(未開封のYF-19を中古購入する場合はよく注意してください。
もちろんメーカーのパーツ交換などの保証期間はとっくの昔の終わってます。)
あとYF-21の記事で「ファイター時のフォルムがなるべく薄くなるように設計されつつ、」
と書いてあるけど、この薄さに直結する脚部の収納がノーマル版では縦での収納で
分厚くなっていて、一説では某ヘビーユーザーの方がいじってるうちに
「これ脚を横にして収納したらほとんど改造無しで全体が薄くなるやん」
と気付き、簡単な改造で機体を薄くすることがプチブームとなるとともに、
メーカーに情報が… で、後に出た「ファストパック版」ではやまと社自身が
そういう仕様にして発売したとか、、、、ということで1/72ノーマル版を
探して購入しようという人はこの点を注意ください。
(ついでにいうと私の買ったノーマル仕様はやっぱり関節砕けて壊れた。
あとファストパック版は脚の車輪とかコクピットも改良されてるはず)
まあ、こんなもんですね。
以上毒舌も枯れ果てつつ創刊7号は終了。以下8号へ続く。
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