*月刊アニメディア 学習研究社刊


80年代初期、アニメブームに乗って刊行された学習研究社のアニメ情報誌。
創刊はマイアニメに遅れる事2ヶ月、81年6月に創刊。
アニメージュ/マイアニメ/ジアニメが同一サイズの角綴じであったのに
対して後のニュータイプと同様の平綴じの形態であったのが特徴といえば特徴。
ページ数も少なく値段も400円以下で安いのだが、総合アニメ情報誌にもかかわらず、
値段に比例して内容も薄いためお買得感は全然なかった記憶がある。
どうにもお下劣っぽい女性週刊誌的な「浅い/安い/薄い」の軟派な印象が強かった。
筆者も自分で購入した事がなく全く未見であったが今回まとめて
確認したがやっぱりどうでもいいような内容だった。現在はともかく当時は
妙に硬直した堅苦しい言い回しのくせに内容はお仕事ライクな
ややピントのずれた作品考察が目立ち、誤記、誤認も多く、
表向きだけでも好きでやってる感じが全然ない編集姿勢だった。
このほか毎号、切手サイズのシール付きでペラ紙のピンナップやカード称する
ミニ図版、カセットレーベル等が付属しているが、中割り動画のような
2線級の画像が多くこの点でアニメージュ等に大きく劣る。この辺りの大人の事情の中で
同様の情報僻地にいたOUT/アニメックなどはこういった総合情報誌の
スタンスを捨てて、既出情報の深い分析や同人的なアプローチで
独自の誌面作りに向かったし、マイアニメは模型/トイを中心に据えて
ホビー誌に限り無く近付いていった。それらに相対するこのアニメディアのタブロイドな
姿勢はそれはそれで需要があったようだ。実際、マイアニメ/ジアニメ/アニメック
/OUTなどのアニメ雑誌が80年代後半から90年代なかばに全滅していった中、
(最大派閥のアニメージュと制作側とリンクしているニュータイプが
残ったのは当然といえば当然。)このアニメディアは未だに生き残っている。
個人的には全く解せない。
以下に確認できたマクロス関連記事の号を列記。


82/8 通巻14号
*表紙はカララアジバ(フルヌード)。本号がマクロス関係の初出。
線画でキャラクターを紹介1/4ページほど。


82/9 通巻15号
*表紙はザブングル。マクロスは秋の新番組として紹介2ページ
決定稿のメカ/キャラのカラー図版を紹介。特記事項はなし。


82/10 通巻16号
*表紙はラムちゃん。マクロスは放送直前につきプレゼンテーションフィルム
(第一話)の抜き出し図版で1ページ半の特集。
下調べが悪いのか、河森氏はデストロイドと戦闘ポッドのデザインを
したことにされている。次号の特集でもバルキリーのデザインを宮武氏が
やったことにされていてお話にならない。他誌ではこういうエラーは
見た事がないので情報の混乱があったわけではない。
ま、最初からダメダメなんですわ、この本。
シールにマクロス関係あり。


82/11 通巻17号
*表紙は輝とミンメイ、もちろん書き下ろしなんかじゃなく、キャラ表の
絵のセル起こし。マクロス関係は巻頭からどうでもいい記事が6ページ
白黒ページに入って河森氏と美樹本氏を交えた若手対談が載っているのだが、
前述の通りこの本(だけ)においてはマクロスのメインメカデザイナーは
宮武氏と記述するくらいなので、挿し絵で入っているバルキリーの図版が
天地逆(裏面の設定画を上下逆に配置)でも怒っちゃいけない。
当時から胡散臭い臭いがしてたけど、やっぱりこの調子だったのね。
なかほどに綴じ込みで設定資料集が15ページあり。
シールにマクロス関係あり。


82/12 通巻18号
*表紙はラムちゃん。マクロス関係は中ほど2ページでカラー。
まあ、屁の突っ張りみたいな記事。マクロスの人物作画がいいとか
ED(アルバムなヤツね。)は新しい試みで素晴らしいとか、
「お前、本編見たことあるんかい?」な記述ばっかりなので
どうでもよろしい。シールとピンナップはマクロス関係なし。


83/1 通巻19号
*表紙はマーグ。マクロス特集とあるが内容は
6ページのカラーグラビアとマクロス世界の考察。
この時点では監察軍がゼントラーディーと相対する存在として
大きく描かれると思われていて今後の展開に大きく影響すると勝手に予測。
ようするにSF作品としての壮大な完結があると思っていたらしい。
この本の傾向だけど、ほとんど無内容なくせに漢語まじりの文章で
大層な事を抜かしてるように見せる癖あり、それよか誤記、誤認を減らすべき。
ここでは石黒氏と岩田弘のインタビューが載っていてケムに巻いている
このほかTVアニメヒロインタイプ別研究という特集記事があって
ミンメイは自己中心タイプと分類されている。未沙の記述がないのが
興味深い。関係ないけどタートル号の設定資料が載ってる。
輝/ミンメイのシール(切手大が複数)付き。

83/2 通巻20号
*表紙は古代進。マクロスは小特集扱い。内容は4ページで
石黒氏と松崎健一氏のインタビュー記事。まあ、へなへななカットが
ちょろちょろと入りながらゼントラーディーの生活/文化について。
例によって難しがって書いてます。ほかはマクロス記事なし、
関係ないけどコスモクラッシャーの
どう合体してるのか全然分からない設定資料が載ってます。
やっぱりシール付き。

83/3 通巻21号
*表紙はラムちゃん。小さい字でマクロスと書いてあるが内容は3ページ、
やっぱり石黒氏のインタビュー。出版社的に書き下ろし図版や宣材の
整った絵がもらえないのかへろへろの本編の抜き出しカットばかりです。
やっと未沙の話が出て来ますが、お話的にはミリアが出て来てる頃なので
情報も貰えてない様子。以上。いわずもがなシール付き。


83/4 通算22号
*表紙はアルフィン。さらに小さい字でマクロスと書いてあるが、
記事は2つでアフレコ風景のレポート1ページと石黒氏インタビューの
4ページ。途中で声優が合流。土井美加/竹田えり/飯島真理のはず
だが、名字しか表記がなくて写真も参加者の解説もないので全然関係ない
そこらに歩いていた土井さん/竹田さん/飯島さんなのかもしれません。
なんだが非常にテキトーな記事で雑誌として最低のレベルをクリア
してません。来月はマクロス特集だそうです。
シール付きだけどマクロスキャラはありません。


83/5 通巻23号
*表紙は猿飛。マクロス大特集と書いてある。
本誌特集は豪華10ページでこの時点のストーリー紹介と
キャラクター相関図。例によって図版はメロメロ。ふ〜〜ん。
関係ないけどサスライガーの設定資料が載っているので
すこし癒される気がするのが寂しい。シールは輝とミンメイ復活。
あと、読者プレゼントでイマイの1/12フィギュアがもらえる懸賞が
載ってんだけど人形としか書いてないから貰った人は暴れたんじゃなかろうか。

付録はマクロス占いブックだが、これが曲者。
同時期、マイアニメ誌ではマクロスのメインキャラの手相を
(根拠なんかありません。意味不明な捏造。)分析して
その心理を探っていたが、こちらはなんとオリジナルタロットカード付き(!)の占い本
といってもアニメージュ誌のマクロストランプみたいな高級なモンじゃない。
付録冊子に中綴じされている厚紙に印刷されたカードを自分で切り抜いて
使うようになっているだが、わずか16枚しかないのでそもそもタロットカードと
呼ぶには大いに語弊がある。図版も例によって本編から抜き出した
動画臭いヘロヘロなもので、ほぼ全てのカードが水彩風書き下ろしでセル画流用のなかった
マクロストランプとは比較にならない。切り出したあとの付録小冊子は
このカードを使った占いのやり方の解説なのだが、これに付帯する
挿し絵が凄まじく、編集員がジャンケンで負けたために押し付けられて
描いたのではないかと思うようなお客さまに出せない逸品。
中学生の壁新聞以下。

つくづくこんなことやってた本が生き残るんだから世の中分からない。


83/6 通巻24号
*ひさしぶりに表紙にミンメイ、付録がマクロススペシャルブック。
1〜25話までのストーリーが字で書いてあったり、白黒の
設定画が入っていたり、辞典みたいになってたり、、、
つうか作りが本誌の記事とほとんど変わらないので
別冊付録である必然はごじゃりません。
本誌はアクション特集(なんじゃそら?)つうことで、
バルキリーのアクションがおざなりに載ってます。
なぜかバルキリーをして「直線ぬえメカ」とか評してますが
どう言う意味なのか全然わかりません。この本はこういう
独りよがりな造語をでっち上げて悦に入ってる記事が多いのですが
当然そんな造語が普及するはずもなく忘れ去られて行きます。
(「板野サーカス」を命名したマイアニメと対照的)。
もちろん論旨もよがってますが。
あと綴じ込みピンナップに表紙と同じ図版のミンメイ有り。
シールからはまたしてもマクロスキャラ消失。


83/7 通巻25号
*表紙はゴーグ。付録にマクロスグラフィティブックとポスターが
付いてた、グラフィティブックはボドルザー戦以降の特集記事らしいんだけど
フィルムストーリーがあるわけじゃなく、線画の設定資料も
まばらに載ってるだけでホント、本誌特集と変わらない。
図版も本誌同様に動画臭いばっかりで、そこに例によって
難しそうで無内容なキャプションが付いてる。端的にいってB級エロ本の
エロポエムな状態。特記事項はページの一部が厚紙印刷になっていて
「下敷きに使えます」と書いてあるが変則サイズでラミネート加工なんか
じゃないので「いうだけタダ」の状態。ポスターは未入手。
本誌は巻頭特集で6ページ。TV終了前で読者の結末予想を魚に
河森/松崎/石黒氏が対談。珍しくいい記事。
巻末に劇場版のネタ振り(?)の記事有り。
シールに輝とミンメイ入り。(未沙はシールにしたくないらしい。)


83/8 通巻26号
*表紙はゴーグ。巻頭にさよなら特集「マクロス」から「オーガス」へ
完結に伴い総括記事。マクロス編は14ページで大盤振る舞い。書き下ろし図版
も2枚入りの豪華版。シールはマクロスキャラ多数。


83/9 通巻27号
*表紙はウラシマン。付録は美樹本氏の書き下ろしポスターだが古(以下略)。
放送終了後にあたるので、特集記事なし。美少年特集でマックスがちらっと
紹介されているのと、先月のおさらいで名場面の紹介でのみ掲載。
このほか「メカニックデザインうらばな史2」として宮武氏の特集有り。
マクロスへの言及はほとんどないが、キングビアルの初期ラフや
(アニメージュ付録のぬえデザインノートと若干の差異有り。)
劇場版999のアルカディア初期稿(艦首ラム戦用ブレード装備でカッコよすぎ。)
が拝める。ちなみに前号は大河原邦雄氏の特集だった。
なおこの号よりシールが増量されている。


83/10 通巻28号
*表紙はモスピーダ。本誌の記事はマクロスの劇場版製作決定の
報道の1ページのみ。どうなるのか予想とか書いてあります。
マクロスとリンクしないが「メカニックデザインうらばな史3」と
して出渕裕氏の特集記事あり。このほか綴じ込みカード
(つってもクレジットカードサイズのペラ紙なので切り抜いてもどんならん。)
が美樹本キャラ特集でマクロス女性キャラ多数有り。
シールは半分がマクロスキャラ。以上。



83/11 通巻29号
*表紙は美樹本氏の書き下ろしオーガス/マクロスキャラ。
突如値段が380円から480円に急騰。多少ページ増になっているので
局地的に十年遅れでオイルショックが来たわけではないらしい。
「メカニックデザインうらばな史4」というタイトルで
河森メカの特集が載っており、バルキリーに1ページ分が
割かれている。河森氏のインタビュー中心でなかなか面白い記事。
すでにこの時点でマクロス様のメカデザイン(バルキリー=現用兵器風に
処理されたリアルなアニメメカ)を(デザイナーとして要求されても)
連発するのは嫌だという発言あり。なお河森氏はこの後、劇場版を経て
「今後、マクロスの続編は作らない」宣言に至る。(マクロス2の惨状の
のち撤回、7/プラスを製作。)
このほか美樹本氏のイラストエッセイが連載開始。思いっきり原田知世の
似顔絵を描いてます。文章は早瀬未沙との対談形式なので痛いです。 あとは劇場版の読者予想記事が1ページ有り。
シールはマクロス関連はなし。



83/12 通巻30号


*値段が380円に戻る。巻頭から「映画になってほしい名場面」特集。図版はへろへろで
読者の我侭意見が付いてるだけなので、どうでもよろしい。
このあたり、人気の割に劇場版製作の谷間で情報が少なく、各アニメ雑誌とも
記事構成に苦労が見受けられる。また「メカニックデザインうらばな史5」
として、板野一郎氏のインタビューと原画掲載。
美樹本氏のエッセイ第2回はミムジーなんかが描いてはります。
対談相手はミンメイです。やっぱキツイっす。
シールはマクロス関連はなし。



84/1 通巻31号
*表紙はモーム。付録はマクロスポスターで裏は綿の国星だそうな。(以下略)。
劇場版の関連記事が3ページあってインタビュー記事もあるのだが図版は
TVシリーズの剥ぎ取りのみ。メカデザイン特集は前号で終わったらしい。
美樹本氏の連載3回目、なぜか鉄腕アトムなんか描いてはります。
流石に対談形式はやめになって普通のエッセイになってます。
綴じ込みカードはシャワーシーン特集でマチコ先生やら、ミンメイやら有り
シールはマクロス関連はなし。


84/2 通巻32号
*表紙はラムちゃん。付録はオーガスのポスターなんだけど(以下略)。
また値段が480円になってます。多少厚みが増してます。
特集は読者によるアニメの人気投票でマクロスが一等賞になってます。
美樹本氏の書き下ろし図版が載ってます。2位のうる星はいいとして
クラッシャージョーが3位って?(そんなに興業収入あったんだっけ?)
美樹本氏の連載4回目、誰だか分からない少女を描いてます。
なぜかインタビュー形式に戻ってます。対談相手は輝。あんまり痛くないです。
このほか綴じ込みピンアップとして美樹本氏の書き下ろしマーカー絵も載ってます。
綴じ込みカードはマクロス関係有り。
シールはマクロス関連が若干有り。



84/3 通巻33号
*表紙は超人ロック。例によってTV図版流用の劇場版予想記事3ページ。
ただし美樹本氏の書き下ろし図版有り。
美樹本氏の連載5回目、パンツルック少女を描いてます。
対談相手は出渕裕氏。
シールはマクロス関連はなし。


84/4 通巻34号
*表紙はゴーグ。付録はマクロスポスターで裏はルパン(以下略)
美樹本氏の連載最終回、ミンメイと未沙への思いを語ってらっしゃいます。
対談はなし。綴じ込みカセットレーベルに未沙+輝有り。
巻末に劇場版特集2ページ有り。予告編のキャラクター図版が
TV版に混じって載っている。
シールはマクロス関連はなし。


84/5 通巻35号
*表紙はバイファム、マクロス関係は劇場版の情報が1ページ半有るのみ。
内容も予告編のカットだけで淡白な扱い。
シール/ピンナップ類もマクロス関係はない。


84/6 通巻36号
*表紙はエルガイム(誰やら知らない)マクロスは劇場版公開に向けての特集、
「マクロスの立体的な楽しみ方口座」6ページ。劇場版の情報が解禁になったのか
宣材のカラー図版を収録。特記事項なし。これとは別に「超時空シリーズの
軌跡を追う」としてサザンクロスの紹介記事があり、若干マクロスに言及。
シール/グラビア共にマクロス関係はなし。


84/7 通巻37号
*表紙ラムちゃん。マクロス関係は「サマースクリーンガイド」で
2ページ紹介。前号に載ってなかった設定資料が若干掲載。
シール/グラビア共にマクロス関係はなし。またも480円


84/8 通巻38号
*表紙は劇場版ミンメイ。劇場版直前で巻頭から6ページの特集。
劇場版の世界構造の説明、本編のシーンも紹介。このほか白黒ページで
線画の設定資料が6ページ。ピンナップもミンメイだがちゃんとした
絵を貰えなかったのか動画みたいなのになっている。
シールに輝とミンメイ入り。380円に戻る。


84/9 通巻39号
*表紙はバイファム。付録は劇場版マクロスアフレコ台本。 本誌は劇場版後始末企画で名場面集5ページ。またアフレココンテストの
募集の告知あり。前号付録の台本の抜き出しシーンを自分で演じたものを
カセットテープに録音して応募せよと書いてある。
ピンナップに未沙の書き下ろし図版有り。
シールはマクロス関係は特に無し。


84/10 通巻40号
*表紙はゴーグ。マクロス関係は読者コーナーを除いてなあんもありません。
シール、カードもなんもなし。



84/11 通巻41号
*表紙はバイファム。付録はマクロスポスター裏はバイファム(以下略)
前号同様マクロス関係は読者コーナーを除いてなあんもありません。
シール、カードもなんもなし。480円



84/12 通巻42号
*表紙はガラット(だよね、バイファムじゃないよね?)。
終わってます。なにも載ってません。読者欄だけがどうでもいいような
ことで盛り上がってます。また380円に戻る、ちなみに来月号で
アフレココンテストの発表です。はい。


*85/1以降は未入手のためここまでです。御苦労さまでした。
あまりにもつまらないので今後はマクロスに関係なく更新したくねえ。





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