自閉症について

自閉症は、知的障害やダウン症と違い、理解してあげるのが難しい障害です。自閉症という診断でなくとも、発達障害者の中には自閉的傾向のある人は多くいます。自閉症について理解することにより、そういった傾向をもった人との関係もスムーズにいくことが多いと思います。私もまだまだ知らないことばかりですが、やはり知っているとレッスンにかなり役立ちます。お母さまや障害に詳しい先生方などから、さまざまな意見・アイディアをいただき、レッスンをしています。これですべてのことがわかるわけではありませんが、ここに自閉症の特徴を載せたいと思います。(社団法人自閉症協会発行「自閉症の手引き」からの抜粋)

また、一人一人個性が違うため「これ」といったカテゴリに当てはめられない場合もあります。毎年違う診断名をもらう子がいるほどです。そのため、下記に抜粋した文章では理解していただけない部分があることと思います。是非当HPにリンクしてある「ペンギンくらぶ」を訪れてみてください。

  

自閉症は、その文字がしめすような自閉の殻に閉じこもって周囲の人に打ち解けないというような障害や状態ではありません。また、乳幼児期に不適切な教育をされたために、心を閉ざしてしまったというような情緒障害でも症候群でもありません。

自閉症の人は、見たり聞いたり、そのほか感じたりすることを、一般の人のようには受け止めたり理解したりはできないことが分かってきました。そのために、一般の人が通常やっているような方法で、話しことばや身振りを用いてコミュニケーションすることが容易にできません。

その上、自分の周囲の環境や状況の意味することも理解できないことが多く、慣れない場面には大変な不安や混乱を感じているのです。

【自閉症の特徴】

♪言葉の発達の遅れ
 言葉の遅れは必ずあります。話せるようになっても、尻上がり特有のイントネーションがあったり、反響言語(オーム返し)がたくさん混じったり、紋切り型のことばであったり、一般の人は用いないような用語で話したりすることが少なくありません。また、生涯ひとことも話さない人もいます。身振りや表情など別の方法を用いたコミュニケーションもほとんどしません。

♪対人関係の困難さ
 乳幼児期には抱かれることを喜ばないとか、幼児期になって呼びかけられても振り返らないとか、相手と視線を合わせようとしないなどといわれるように、周囲の人と共感的な関係を築くことがたいへん困難です。

♪アンバランスな感覚
 身体に触られることには過敏に反応して嫌いますが、けがの痛みには平気で、むしろ鈍感に思われることがあります。また赤ちゃんの泣き声、犬の吠え声、特定のテレビのCMなど日常的な音にひどく不快がって泣き叫ぶかと思うと、一般の人には耐え難い硬質のガラスや金属がすれ合う音にはケロッとして平気でいたりします。

♪活動や興味の範囲が狭い
 手をひらひらさせたり、紐を目の前にかざして振ったり、コマのようにくるくるまわったり、上半身を前後にゆすったりするような、反復的な動作を繰り返します。またミニカーやブロックなど横一列に並べたりすることに没頭して、他の遊びや活動に興味や関心が広がりません。

♪変化に対する不安や抵抗
 ものを置く位置、歩く道順、着替えの手順、生活の日課やスケジュールなど、決まったやり方にこだわって、変化に強い不安や抵抗を示すのが普通です。

幼稚園・保育園での接し方は】

 自閉症児は、人に無関心で、殻に閉じこもっているように見えますが、実は大変敏感で、まわりの人に用心深く接しようとしています。無理に母親から離そうとしたり、強引に何かをさせないで、あなたが気に入っている遊びを楽しみながらやってください。
 マット運動、ボール遊び、水泳などの全身運動が有効です。この時、さりげない手助けや声かけをしてあげましょう。折り紙、粘土遊びなど手先を使うことは成長に役立ちます。
 集中しやすいように、整理された部屋で、一対一で学習します。言葉かけは欠かさないでください。無言でおこなってしまうと、言葉が身に付かないのです。かんしゃくなどの問題行動のときは、優しいが毅然とした接し方をします。行動をよく観察して、かんしゃくを起こしても要求が通らないことを、根気よく教えます。体罰を与えても全く効果はありません。

【学校での指導は】

問題行動には意味がある、よく見てきめ細かい、指導プログラムを立てて。
自閉症の特徴は、小学校の年代でいちばんはっきりします。いろいろな子どもとの出会いの中で、言葉の使い方や人との付き合い方がうまくできなくて、奇声を出したり、自分や人をぶったりすることがあります。

これらの行動は障害に原因があるのですから、それを知り、適切な環境を作らなければ、直りません。自閉症児は新しい環境に遭遇すると、自分の経験のパターンに頼ろうとするところがあります。ですから、新しい場に入ったときに、探索行動が起きます。子どもの発達段階を知り、細かいステップによるプログラムを作り、それを順序よく進めていきます。
からだをよく動かした後で学習したり、整理された狭いところで、視線が教材に向くようにして、出来るだけ、わかりやすい教材を使います。

職場ではどう接したらよいのか】

自閉症の人は、その障害のために、できないことや苦手なことがあります。このことを、まわりの人が理解してあげてください。このことによって自閉症の人の社会適応は大変よくなります。

♪自閉症の人の苦手なことは
 ・抽象的な質問、長い文章などは苦手です。「ちょっと手を貸してくれ」といわれて、真面目な顔で手を差し出すのが自閉症の人です。ですから、簡単な言葉やジェスチュア、文字、絵、写真など、その人の理解できる手段で接してください。
 ・職場で隣の人の仕事がまだ残ってるのに、自分の仕事が終わればさっさと帰ってしまう。これは「仕事がまだあるから手伝って」と指示されれば解決することなのですが、このように「察する」ことが苦手なのです。
 ・あらかじめ決められたルールや手順などは一旦理解し、会得すればスムーズに出来るようになります。反面、急な変更は多くの場合ストレスの原因になります。

簡単に言えば、言葉のわからない外国で生活する不安やストレスと同じようなものに、自閉症の人は常にさらされていると考えてください。

【自閉症の人に街で出会ったら】

自閉症の人たちが街に出ても、特に問題はありません。性格的に極めて純朴で要求や感情をありのままに表す人たちですから、付き合ってみると楽しい人たちでもあるのです。しかし、時には、こだわりや癖が、何も知らない人には、おかしく見えたり、迷惑に感じることがあるかもしれません。自閉症者の癖などは、不安定になっているときに、自分の気持ちを安定させたり回復させるためにしていることも多いのです。おかしな言動も「そうせざる得ない事情がある」のだということを、理解してやっていただきたいのです。

1 おかしなことをしたり、言ったりしたとき。
 笑ったり、指差したりしないでください。彼らのプライドをきずつけないでください。

2 社会的ルールに従わないとき
 「列に並んで待ちなさい」とか「お金を持って買いに来なさい」とか、はっきり教えてやってください。

3 話しかけてきたら
 聞いてやってください。あなたが外国人に道を聞かれたとき、丁寧に教えるように「この人は何が言いたいのかしら」と考えて、話し相手をしてやってほしいのです。

4 困っている様子が見えたら
 どうか、放っておかないでください。いかにも自分の意思でなくそこにつれてこられたような感じで1人でいたり、しばらく同じ場所でふらふらしていたり、電車の中で1人で歩き回っている人がいたら。疲れ果てた様子で道端に座り込んでいたり、寒空にはだしでいる。服の着方が異様だ。こだわりや、奇妙な手つきを繰り返しているなど。
 時には駅などで、自動販売機の使い方が分からないのかもしれない。声をかけて手伝ってやってください。大人の迷子かもしれません。迷子なら、交番につれていってください。