【スクエア・ピアノ】

ジルバーマンが亡くなった直後、
プロイセンとオーストリアの間に7年戦争が勃発しました。
ベルリン楽派の優秀な音楽家たちは次々に宮廷を離れていき、
ジルバーマンの技術を受け継ぐ弟子たちは、
1760年集団でイギリスへ渡ります。

弟子たちのリーダーであったツンペは、
1761年に自分のアトリエを持ち、
そこでスクエアピアノを製作しました。
現存している最も古いスクエアピアノは1766年製のものです。


これは国立音楽大学所蔵のスクエアピアノ。製作年代はわかりません。

この楽器、クラヴィコードに似ていると思いませんか?
当時のフォルテピアノは、
古くからある鍵盤楽器の外形や装備を受け継ぎました。
スクエアピアノはクラヴィコードから、
グランドピアノはハープシコードから受け継いだのですね。

ツンペの発音機構は、イギリス式シンプル・アクションと呼ばれています。
ジャックがハンマーレヴァーの根元を突き上げる方式で、
木のハンマーはなめし皮で巻かれていました。

スクエアピアノは小型で経済的だったため、
イギリスで爆発的な人気を勝ち得ます。
クラヴィコードに比べると音量が豊かでしたし、
スピネットに比べると表現力が豊かだったからです。
1770年代には、1年に何百台も製作されたそうですよ。