【クラヴィコードU】

この魅力的な楽器クラヴィコード。
現存している一番古いものはドメニコ・ダ・ペサロという人が製作した1543年のもの。
3オクターブ半ほどの音域があるそうです。(c3〜E)
最初はイタリアで製作されていたクラヴィコードですが、
16世紀になるとヨーロッパ各地に普及し、
17世紀にはドイツで多く作られるようになり音域も4オクターブまで広がりました。

16世紀というとルネサンス期ですね。
この頃日本へ初めてヨーロッパ船が到着しました。(1542年)
その7年後フランシスコ・ザビエルが鹿児島に上陸。
その中に、このクラヴィコードがあったようです。
「十三ノ琴ノ糸ヒカザルニ五調子ヲ吟ズ」と当時の文書にあります。

クラヴィコードは小型の楽器で持ち歩きやすいものだったんです。
旅行ばかりしていたモーツァルトは、その中でも極めて小型のクラヴィコードを愛用。
古いクラヴィコードには脚のないものが多く、
容易に持ち運びができるだけでなく、机の上に置いて弾くこともできました。
現代のキーボードのような手軽さですネ。

最後にバッハについて書いたフォルケルの一文をご紹介。

「バッハがいちばん好んで弾いたのはクラヴィコードであった。
ハープシコード(チェンバロ)は多用な表現能力を備えてはいるが、
彼にとって感情表現が十分でなかった。
またピアノフォルテは、彼の生存中まだ幼児期にあった楽器だったために、
彼を満足させるには荒削りすぎた。
それゆえ彼はクラヴィコードを練習用、
および一般に個人的な音楽の楽しみのための最上の楽器、と考えたのである。
彼の洗練された考えの表現には、この楽器がもっとも好都合であった。
実際クラヴィコードは音の点では貧弱だったが、
きわめて柔軟性に富んでいるので、
ハープシコードやピアノフォルテからはこの楽器ほどの
こまやかな表現が得られるとは信じがたかったのである。」

音が小さいというだけで衰退してしまったクラヴィコード。
フォルケルの一文を読むと、復活してもらいたいものだ・・・と思わずにいられません。
でもね、コンサート向けじゃないんですよね。(_ _;)
誰の耳にも届かないほど微弱な音なので。
いつか欲しいな。自分で調律できなきゃだけど。
調律の方法を覚えて、自分用に欲しいものデス。
場所もあまりとらないし・・・。探せば売ってるし・・・。
いつかね、いつか・・・。