『ピアノで具体的な目標って?』

寄稿者:中嶋@管理人


レッスンをしていていつも気をつけていること。

☆一人一人に具体的な目標を設定する☆

ありがたいのは半年に一度、生徒さんたちの成長を確認できる機会があるということ。クリスマス会とホームコンサート(発表会)は、一人一人の成長を確認し、心新たに次のステップへのカリキュラムを組み立てる、ありがた〜いきっかけなのです。
ピアノ講師になりたての頃・・・・

具体的な目標ってどんな目標があるんだろう?

と悩んだことがありました。思いつかないんですねぇ〜これが。<(;~▽~)でもね、具体的な目標が作れるようになると、レッスンにメリハリが出てくるんです。少しずつ少しずつ引き出しが増えてきて、(まだ足りないので増殖中ですが・・・)具体的な目標の数も増えてきました。

私がこのような具体的な目標を持てるようになったのは、発達障害のお子さんたちのお陰です。とにかくあらゆるテクニックを細分化し、生徒さんの状態を分析しないと教えられない。これはとてもありがたい経験でした。

それから、生徒さんをコンクールに参加させたことも、たくさんの引き出しを作るいい機会となりました。音楽的なテクニックや表現力など、ひとつひとつ具体的に見えてくるようになったからです。ありがたかったのは、この生徒さんの成長を一緒に見守ってくれる、経験豊富な先生がいらしたこと。生徒さんを通してこの先生から多くのことを学ぶことができました。

ピアノで具体的な目標を持つってどういうこと?

ピアノを習っているけれど、次々に取り組む曲にだけ夢中になって、自分のどこが成長してるのかよくわからない・・・という方。具体的に何を目標に練習しているのかよくわからず、ただ目の前にある曲に取り組んでいる・・・という方。

今までより複雑な楽譜で音符通りに指が動きます。

これは上達の目安ではないと私は思うんですよ。では、どんなことが「上達」の目安となるのか?ここに「具体的な目標」となり得る、「具体的な言葉」をいくつか並べてみますね。

【導入初期】

・ピアノを演奏する姿勢
・ピアノを演奏する手の形
・ピアノを演奏する第1関節
・肩を上げない(肩を下げて)
・腕をラクに
・手首をラクに
・美しい音色
・レガート
・大まかなフレージング
 (フレーズの終わりを尻もちをついた音にしない)
・フォルテ、ピアノなど大まかなデュナーミク
・安定したテンポ感
・拍子感
・鍵盤の把握
・音の高低の把握


【導入中・後期】

・ピアノを演奏する姿勢
・ピアノを演奏する手の形
・ピアノを演奏する第1関節
・脱力
・付け根への意識
・指先への意識
・安定した手の形(指くぐりなど)
・手首の使い方
・腕の重みの使い方
・左右のバランスの違い
・左右の動きの違い
・ABAなどの構成の感じ方の違い
・美しい音色や響き
・アーティキュレーションによるニュアンスの違い
・デュナーミク
・拍子感
・聴音力
・読譜力

【中級以降】

・体重の掛け方
・付け根への意識
・指先への意識
・指の独立
・脱力の追求
・ピアノの響き
・ハーモニーの変化(音のバランス)
・左右の歌い方の違い
・構成感
・ドミナント→トニック
・フレージング
・デュナーミク
・自然なアゴーギグ
・さまざまな拍子感
・さまざまなペダリング
・さまざまなタッチ
・様式感
・聴音力
・読譜力


昨年と音数の変わらない楽譜だったとしても、これらが身についているのとついていないのとでは、楽曲の仕上がり具合が全く異なってきますよね。私はブルグミュラーが演奏できる子に、バイエルレヴェルの楽曲を弾かせることがあります。楽曲への取り組みの「深さ」が全く異なってくるので、仕上がりがより音楽的に美しいものになるんです。

また、こういったことを「自分で考えられる」ということも、私が常に生徒さんへの目標に設定していることです。いつも「言われるがまま」ではつまらないですものね。

「随分頭が使えるようになったなぁ」
「随分自分の意見が言えるようになったなぁ」
「随分自分で自分の音を判断できるようになったなぁ」


こんな風に思えたとき。楽曲がそれほど進んでいなかったとしても、すごく嬉しかったりするんですヨ。特に、導入後期〜中級程度の生徒さんの場合、これを一番の目標にしているので。

中級以降の追及は、実は一生続くもの。私が今も追及し続けていることばかりです。昨年より今年の方がハーモニーの変化がつけられるようになった・・・とか。楽曲の構成感が出せるようになったとか・・・。そこに作曲家別、様式感などが加わってくると、いっくらでも目標を設定することはできちゃうんですよね。

ちなみに私の今年の目標はバッハです。バッハの楽譜を、より深く読めるようになりたい。それが私の具体的な目標です。つい最近取り組んでいたアレグロ・バルバロは、「音量」が目標でした。

そのほかに常に目標に据えているのが、楽曲分析をいかに演奏に生かすか・・・ということ。どうしてもちょこまかした小さな演奏になりがちな私。(T_T)楽曲を大きく捉え、それを演奏に生かせるようになりたいのデス。「音楽の精神性」をいかに表現するか。ここらへんも一生をかけて追及していきたいコト。

言い出すときりがないんですよ〜。ピアノの響きも追求し続けていきたいし、音色の変化も追及し続けていきたいコト。ん〜〜目標だらけですねぇ〜<(;~▽~)

たかだか8小節の簡単な教材曲を、私とピアニストの巨匠と呼ばれる人が演奏したら、巨匠の演奏の方が桁違いにすばらしいだろうと思ふ。「追求」しなければならないことは、そういうところ。

生徒さんの親御さんは、楽譜の進み具合でお子さんの成長を見てしまいがち・・・。

「ピアノの響きがよくなってきましたね。」
「左右のバランスが随分できるようになってきましたね。」
「指がしっかりしてきましたね。」
「レガートがなめらかになってきましたね。」


こういう具体的な褒め言葉が、親御さんたちの「誰と比べるわけでもない」、お子さんの成長を見極める耳を養わせてくれます。

ピアノで音楽するってどういうこと?

楽譜の進み具合に着眼するのではなく、「音楽の本質」をみんなと分かち合っていきたいな。