タッチ(2)
〜 想い出の樹2006.11.02より 〜

今回は、同じ「置く」でもちょっと違います。指も手首も動かさない「置く」です。
「置く」というよりも、「載せる」というイメージかも・・・。
・・・・・ちなみに、「置く」も「載せる」も私のイメージで、
    タッチにこういう名前が付いているわけではありません。


・腕をラクにした状態で
・手首を安定させ
・指を固める
   ↓
そのままストンと鍵盤の上に置いて(載せて)弾く。


無駄な動きを一切排除したタッチです。
素直で純粋でクリアな響きを得ることができます。
ちょっとでも必要のない動きを入れると、その
純粋な響きが損なわれてしまいます。
ただ、ストンと指を鍵盤の上に置く(載せる)だけです。

例えば、私の大好きなコレ。

ギロック こどものためのアルバム

この中で一番好きな曲
『サラバンド』。
うっとりしちゃいます。
でも、このうっとりさせられる響き、
左の伴奏が飛び跳ねてしまったら
台無しです。
左手の落ち着いた3拍子。

私のイメージは、ヴァイオリンソロを、
チェンバロやヴィオラ・ダ・ガンバの通奏低音が支えてる感じ。
思い浮かべただけで、う〜〜っとりですね〜。
バロックダンスを知っている人は、踊りも思い浮かぶかもしれません。

この曲。左の伴奏はこのようになっています。
gillock-sarabande

注意書きに「全体を通してポルタートで」と書かれています。
しっとりと落ち着いた伴奏です。
ちょっとでも飛びぬけた音があると、しっとり感が損なわれてしまいますね。
私はここを「置く」(載せる)タッチで弾きます。
とても純粋に美しく響く上に、しっとりした雰囲気を出すことができるからです。

大切なのは1−5指の「枠」です。
私はよく、生徒さんに以下のような体験をしてもらいます。

okuyubi-1

1−5指で鉛筆を支えます。
このとき青●の部分がくぼみます。

okuyubi-2

下からみるとこんな感じ。
腕はラクに・・・が基本です。
空中でこのような理想的な手の形「枠」を感じたら、
鉛筆を持ったまま、鍵盤へ向います。

okuyubi-3

写真では色鉛筆の色が水色に変わりましたね。
これ、
鉛筆の長さがコツなんです。
この水色の色鉛筆は、
サラバンドの1小節目「ラーミ」の音程と丁度同じ長さです。

色鉛筆を少し深めに持ったまま「ラーミ」を弾いてみます。
1−5の枠をしっかりと安定させたまま弾くという体験です。
この形が安定していれば、あとは鍵盤の上に「置く」(載せる)だけです。
弾こうとすると失敗します。無駄な動きが出てきちゃう。
ただ素直に「置く」だけです。

このタッチ、いろんな場面で使われます。
もちろん1音だけで使うこともあるんですヨ。
前回の「置く」タッチがいいか、今回の「置く」(載せる)タッチがいいか。
いろいろ試してみるのも楽しいですね。