『本番に向けて』

中嶋@管理人


私、本番とても緊張するタイプです。手は汗でいっぱいになります。前の日から眠れなくなります。しかしここ1年人前で弾く機会を多く持つようになり、コツのようなものを少しずつつかんできつつあるようです。そのコツは、プロのピアニストのそれとは違うかもしれませんが、今回お教室のクリスマス会の際、子どもの生徒に言ってきかせたら結構効き目があったように思うので、書き留めることにしました。

まず、よい緊張感に包まれるためには、
「できる限り練習したぞ!」という思いが必要でしょう。少しでも不安を抱えていると、緊張感は悪い方に作用すると思うのです。「あそこ弾けるかな?」なんて部分が少しでもあると、緊張感は否応なしに高まって、自分に自信がなくなり頭が真っ白になります。暗譜にしても、「どこかで止まっても、なんとか最後まで弾ききることができる。」という自信がないと、本番辛いですよね。ということで、暗譜に関しては本番近くなってきたら、楽譜を見ないで部分練習するよう生徒さんたちには勧めています。どこからでも演奏できる状態を自然に作れるからです。

次に、せっかくここまで練習してきたのだから、本番なるべくいい演奏がしたい!という思いをかなえるためのコツです。子どもに教えていて思うのは、レッスンでいい演奏を聴かせてくれても、本番指だけが動いているような演奏になってしまうことが多々あるということです。なんでかなぁ〜、と悩んでいたのですが、
大切なのは集中力。人前で弾いている、という緊張だけで弾いてしまうとそういった演奏になってしまうのでしょう。

この集中力。よく周りのことは気にせず、演奏する楽曲に夢中になればいい・・・なんていわれますが。具体的にどういうこと?音楽にのれればいいだけ?果たしてプロのピアニストは、音楽にのっているだけなのか・・・。そこら辺はリサーチしたことがないのでわかりませんが(笑)、すごい集中力で演奏している、ということだけはわかります。演奏会へ出かけても、1,2曲目はなんとなく慣らしの演奏で、その後すごい集中が出てくる演奏家がいたり、最初の部の演奏はすごい集中力だったのに、最後の方で力尽きてきたかな・・・なんて演奏になる演奏家がいたり、イロイロですよね。ほんと、あの長い時間集中しつづけるって大変なことだと思います。(私は1曲でヒィヒィです。(^-^;A )

では、演奏に集中するとは具体的にどういうことをいうのか?子どもの生徒に教えていて、まずはそこから指導しなければならないのだ、と実感させられました。普段から
「頭を使って演奏しよう。」と声がけしているのですが、声がけだけでは無理。本番前、常に念頭に置きながら弾いて欲しい部分を、じっくりと確認し、暗譜した状態でそのことを気遣うことができるかも確認します。今回のクリスマス会は暗譜ではなかったので、楽譜に目立つように書き留めました。

演奏に夢中になるという状態は、「ここはこう弾こう」「次はこう弾こう」と常に頭がさえていることだと思います。ただなんとなく感情を込めて・・・では、いい演奏に繋がらないと思うのです。それまで培ってきたものを存分に発揮できるためには、そういった意識を常にもっている必要があると思います。また、そういった意識が、「うまく弾いてやろう」と周りを気にする意識から遠ざけてくれるとも思うのです。演奏に集中するとは、自分の弾きたい演奏をはっきりさせて、そう弾けるよう常に心がけながら演奏していることを言うのだろう・・・そう思います。

今回生徒何人かにこのような指導をして、それぞれが本番流された演奏ではない、頭を使った演奏をしてくれました。本番よい演奏ができるように導く重要さ、というものを実感させられた思いです。

最後にもうひとつコツがあるので、それを書いておしまいにしようと思います。誰もが経験することだと思うのですが、最初の数小節ってなかなか音楽の流れにのれませんよね。特に私はそうなのです。ということで、
いつも出だしだけの練習をします。まず、音を出す前の気持ち。このときすでにその楽曲のノリが体にないといけません。それから演奏を始める。この訓練を何回も繰り返しします。最初の出だしで音楽にのることができると、それ以降の音楽は自然とそのノリについてきてくれ、最後までよいノリで演奏することができるでしょう。

子どもの場合、「指が動く。音をはずさない。」それだけで曲が弾けるようになった気になってしまいますが、音楽ってそういうものじゃないんだということを、しつこく伝え続けていきたいなと思います。