料理とワインの店:BISTRO KRI-KRI
   

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  イソさんと五人の仲間  
     
 
イソさん 「こんばんわ」
「こんばんわ」
平田くん 「今日は仲間を連れてきたの」
「そう、こんばんわ」
イソ 「マスターこんばんわ」
マスター   「ギャッ。わーっ」
「あ、今マスター、パニクってるから。ほっといて」
仲間達 「ども」
平田 「この人たちこんなだけど、すっごくいい編集者なの」
編集者 「よろしく芳賀です」
「この方もイソさんの親戚?」
イソ 「どうしてですか?親戚でも何でもありませんけど」
「だって前歯が、ほら……」
平田 「あ、あ、そうなの、この人ずっと前歯がないの。あたしたちは全然気にしてないから。ねっ、芳賀さん」
芳賀 「……」
平田 「あ、そ、それより何にする、ビール?」
仲間達 「……」
平田 「あ、じゃビールください。一人一本当てで七本」
「しかし何よね、イソさんの知り合いって本当に歯のない人ばっかりね」
仲間達 「……」
平田 「きょ、今日はね、みんなに引越しを手伝ってもらったお礼なの。あ、あ、ビールがきた。乾杯しましょう。ねっ、はい、カンパーイ」
イソ 「カンパーイ」
仲間達 「……」
「どうして歯がない人ばっかり集まるのかしら。何か匂いでもするのかしら」
イソ 「なるほど、なるほど。歯のない匂いねえ。あるかもしれませんね。お互い、その匂いの中にいると安心するいうか」
「そうそう、そういう中に一人でも歯科医に通ったことありません、てな人がまぎれこむと何だかどちらも居心地が悪いような。ところで平田さんは歯あるの?」
平田 「まあ、イソさんと一緒にしないで。ウツルものでもあるまいし。もちろん、歯医者には通ったことあるけど。あたしね、麻酔があまりきかなくて三本くらい打つの。それがつらくてつらくて」
イソ 「それは僕も一緒ですね。二本、三本となんやらだんだん顔、重うなって」
仲間A 「そりゃあイソ、麻酔がきかないのは酒の飲み過ぎや。しかし何やね、あれは口の中の感覚のうなって水でグチュグチュやってるつもりがバーバー服にかかりよる]
平田 「ほんと、唇なんてタラコ状態」
「三本も打つからじゃない?あなたたち本当に三本が好きよね」
仲間A 「そやそや、打ち過ぎや]
イソ 「打ち過ぎて、自分でやるわけやなし。こっちかて迷惑や」
仲間A 「おれの知り合いに麻酔ゼンゼン打たへん歯医者いてるで。岡谷で開業してるんやけど、それが星と泉の歯科医院ってゆうんや。カッコええやろ」
平田 「わ、メルヘンチック」
「痛いと目から星が出て、バーバー服にかかるのが泉ね」
芳賀 「しかし麻酔使わないって、歯を抜かないっていう意味ですかね?」
仲間A 「ああ、いくらでもいてるよ、そういう歯医者。患者が抜いてくれて泣いてたのんでも絶対ぬかへんガンコ医者。ゆうたら歯の鉄人や」
芳賀 「それは痛そうだなあ」
「抜く方が痛いんじゃない?あなたどうだったのその前歯?」
芳賀 「……」
仲間A 「それがね、近頃じゃなるべく歯を残し、しかも痛くない治療が主流なんやて。だから歯医者は古いとこ行ったらあかん。儲けよう思てスッポンスッポン抜きよる」
「でもいくら抜かないからって、まるで抜かないのも危険じゃない?」
イソ 「せやから自然に抜けるようにするのが一番とちがいますか?毎日毎日、上下左右にグラグラさせてると、ある日とつぜんホームランみたいに気持ちようスッコーンと抜けますねん。僕も弟もそうやって自然に抜いてます」
「それは自然に抜けるんじゃなくて、むりやり抜いてるのっ」
イソ 「けど麻酔打たれて抜かれるよりよっぽど楽、いやもう楽とりこして快感ですわ」
「とにかく、抜かなくていい歯は残して、抜くしかない歯は抜いたほうがいいのよ」
イソ 「それも一理ありますな」
「一理じゃなくて十里も百里もあるわよ」
イソ 「ほな、ゆずって三里にしときましょか」
「じゃそれで手を打ちましょう。ハガサンボン締め」
平田 「イソさん、なんだかみんな、もう帰りたいって」
 
 
     
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