料理とワインの店:BISTRO KRI-KRI  
   

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花族
 
 
 

 周辺には柿の木を植えているお宅が多い。もちろん実をたべるためである。渋柿の場合は皮をむいて数珠つなぎにぶら下げ、干し柿をつくる。この辺のは大きくて食べでがある。近頃は田舎でもお菓子が簡単に手に入るが、昔はお正月には欠かせない甘味であったろう。
 実を取る頃には葉はすっかり落ちてしまっているが、美しく色づくので地面に落ちてからでも目を惹く。拾ってきては玄関の水を入れた鉢に浮かべるのがこの時期の楽しみでもある。

 前項のジンジソウの続きになるが、現代美術家の大西清自という人の小さな作品を所持している。これが木の葉のレリーフである。それこそ柿かサクラかという、葉っぱといえば日本人がすぐに思い描く形である。全体が銀色で、掌四方の大きさだがそのわりに重い。素材はなんだろうか。皆目その辺のことはわからない。頑丈な台座から一枚の葉が浮き出ている。あるいは沈みかけている。それがひどく哀しい。哀しくて、少しセクシーである。もっともこの二つは相反するものではなかろう。ご本人にいただいたものだが、この人も同じような雰囲気の人だった。長めの髪と口ひげ、ハスキーな声、うるさくしていてもどこか寂しそうで、またセクシーでもあった。個人的な付き合いは無かったので、どういう経緯で作品をもらうことになったのかわからない。きっと母や私に親しみを感じていてくれたのだろう。
 春秋のお茶の集いに玄関に置くこともあるが、普段は部屋のなかに転がっている。文鎮としては大き過ぎるのでドアのストッパーにしているのだ。たまに蹴飛ばしてひどく痛い思いをする。失礼とは思いながら、それでも日々の大事な愛用品である。仕舞いこんで忘れるよりはいいだろう。
 

 頂き物と言えば、小島信明さんには版画をもらっている。青空に入道雲が浮かぶ連作だが、ご自身のサイン入りで、私の名前まで入れてくれている。小島さんとは一度新宿のボルガという焼き鳥屋さんで飲んだことがある。彼がアメリカへ行く前のことだった。寡黙な紳士だったが、ふたりでポツポツとどのような話をしたやら。
 現代美術の人たちは派手な行動に似ず一様に紳士であった。そこへいくと芸大の美術家たちの方が女性のことではいろいろ発展家が多かったように思う。いい男が多かったから実際モテもしたのだろう。芸大派は女性、現代美術派は酒。私の中では単純にそう色づけされていた。昔のことだが。
 

 そうそう先日、ストリーキングをした雪田さんから自作の本が届けられた。私のことやら父のことやら書いてあるそうだ。昔の私に会うのが恐くてまだ読めずにいるが。(2007年11月20日)
 

 

 カキノキ科 本州から九州、中国に自生する。甘柿は関東以西に良品を産し、富有、次郎、御所など。渋抜きにはアルコールを噴霧し密閉する方法が一般的。

 
 
 
     
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