料理とワインの店:BISTRO KRI-KRI
   

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  そのニ 村の悪党
   
   

 田舎へ行って、まずやらなければならないのは、隣近所の観察である。どんな人間がいて、どんな生活をしているのか。家族構成も重大である。だれが一家を仕切っているのか、彼らはどんな誇りを持ち、あるいはコンプレックスを持っているか。

 これは難しい。こちらが観察する前に観察されているからである。相手は警戒してピリピリしている。そんな人間を正確に観察するなど不可能である。しかし、それは致し方ないと考えるべきである。向こうにしても、隣に来る人間によっては生活に支障が出る。 農家の場合はことにこの支障に敏感だ。一日の仕事は決められたようにすすめなければならない。季節も作物も待ってはくれない。わずらわしいことはごめんだ。変化も困る。とうわけで、こちらの顔を見ないうちから敵と考えている人種がいても不思議ではない。それだけ切実なのだ。
 

 と、そんなことはツユ知らぬ能天気な主人夫婦は、花の名や酒の味に気をとられている間に、一番観察されてはいけない人物に観察されていたのであった。悪党である。
  もちろん悪いやつは都会にもいる。いや圧倒的に都会のほうが多い。だから人を見れば泥棒と思って生活している。それなのに都会人は神話から抜け出せない。「こんな美しい景色の所に悪い人なんかいるはずがない」と。
 

 その上、田舎の悪党は気が長い。何年もかかって信用させ、獲物を大きく太らせてからむさぼり食う。
「あーんな人間信用するからじゃ。東京は生き馬の目ぇ抜くってゆうけんどもヘエ、簡単にだまされただねえ。困ったよお」
 善良な村人も助けてくれようがない。後の祭りというやつである。
 

   
   
   
   
   
  教訓 ドンナ美シイ土地ニモ 悪党ハイル
    つづく
 
 
     
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