料理とワインの店:BISTRO KRI-KRI
   

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  その十三 小鳥の訪問(ニ)
   
   

 

 
 
 庭の一番奥の木に、男主人が鳥の巣箱を設置した。一種の飾りである。小さな庭だし、まさか本当に鳥が来るとは思わなかった。
  ところがそれがシジュウカラを引き寄せた。何度もやって来ては小窓から中を覗くのである。主人たちのコウフンは大変なものであった。
「ちょっと無い物件ですよ、庭にはエサが置かれるし、住人は一週間に一度しか来ないから、ゆっくり子育てができますよ。大きな犬がいるけど、なに、ボンヤリした犬だから心配いりません。家賃もむろんいりません」
 シジュウカラは考えるように首を傾けていたが、とうとう巣箱の中に入ってしまった。やがて小窓から顔を出して、そのまま首を左右に振るのである。
  主人たちは抜き足差し足で庭の手入れをした。ワタシが声を出そうものならゴツンとゲンコツが飛んできた。シジュウカラはなんのこともない風で、やっぱり首をユラユラ振っていた。
 

 次の週シジュウカラは忙しそうだった。葉っぱやらワラやらを盛んに運び込んでいた。しかもはっきりと二羽のシジュウカラがいた。主人たちの喜びは頂点に達した。会う人ごとに「いやあ、庭にシジュウカラが巣をつくってねえ」とやった。
 二羽のうち、メスの方は用心深いようだった。何かくわえてきても容易には巣に入らなかった。近くの枝にとまってグズグズしている。オスはイライラするらしく、しきりにピーピーと鳴いた。するとメスはやっと巣箱に取り付き、それでもまだグズグズしていた。ワタシは動きを止めてじっと見守った。えらく肩がこる。
 

 そしてその次の週、シジュウカラは姿を消した。理由がわからない主人たちはオロオロとその日を過ごした。一度、近くの枝に来て、うるさく鳴いたシジュウカラがいた。あのオスかもしれない。
 女主人はワタシが脅したに違いないと言った。男主人も疑わしそうにワタシを見た。
  だがワタシは知っている。男主人が蹴飛ばして開けた雨戸の音に、メスが驚いて逃げ去ったことを。

 

 

   
 

教訓  大砲ノヨウナ、大キナ音ヲタテテハイケナイ

   
                  つづく
   
 

 

 

            

   
 
 
     
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