料理とワインの店:BISTRO KRI-KRI
   

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  いぬけい  
     
 
左:MAY 右:十兵衛
撮影:岡崎伸彦
 
     
  旅は犬連れ  そのニ  
     
 

 さて、旅は苫小牧から余市へと移る。
 ちょうど余市川に鮭が上がっていると聞いて、舟をお借りすることにした。オットのなれない舵さばきに気分が悪くなり川面に顔を近づけると、鮭がスッスッと上がっていくのが見えた。
  これが想像以上に力強い。切り身のシャケしか知らない私には感動モノであった。そうなると船酔いなぞどこぞへ消えてしまうからおもしろい。
 

 すこし上流に堰がもうけられていて、それ以上はいっかな鮭とて、さかのぼれはしない。そのあたりで必死の産卵をするしかないのだ。川の表面にはすでに命の仕事をまっとうした鮭の死骸が浮いている。大きく口を開け全身キズだらけの姿は、その荘厳さで見るものを圧倒する。
 その間にも、あらたな魚群がスッスッと上がっていく。それはつきることなく続いて、自然のいとなみの不可思議さに私は腕組みをしたまま声も出ないのであった。
 

 ふと見ると、船縁に二本の前足をかけ、「伏せ」のかたちでハヤテがじっと川面を見ている。犬にもなにか感じるものがあるのだろうか。すこしでも身体を起こせばひっくり返りそうになる小さな舟の中で、泳げないハヤテが神妙にしている。つくづくと犬というのもまたフシギな生き物だと思う。そうやって飼い主のそばにいれば、どんな恐怖にも打ち勝つことができるというのだろうか。
 

 あれ以来、ハヤテが鮭を見ることはないが、川や池でコイを見ると、ものすごくコウフンするようになった。私も人影に寄ってくる色とりどりのコイの背中を見ながら、余市川の鮭を思い出す。

 
     
 
     
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