料理とワインの店:BISTRO KRI-KRI
   

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左:MAY 右:十兵衛
撮影:岡崎伸彦
 
     
  キンのお話  
     
 


 テレビを観ていると、横で十兵衛がシャカシャカペチャペチャとひっきりなしに音をたてている。気が散ってドラマに集中できない。画面ではちょうどヒロインが一大決心をするところだというのに。
 四肢から腹、腰の外側まで舐めっぱなしなのである。どこもここも痒いらしい。特に念入りなのが下腹部である。突起物を右に傾け左に捻じ曲げ、時には秘蔵のナニもひっぱりだしてお掃除である。この作業が過ぎるとあちこちが皮膚病になって毛が抜ける。
 動物が自分の身体を舐めるのは、清掃ならびに傷の手当て、と認識していた。だが少しちがうようだ。獣医に聞くと唾液は雑菌の宝庫らしい。それによって膀胱炎にもなるし傷も悪化する。考えたら人間の口の中も善悪様々な菌が同居している。元気なうちはいいが、免疫力でも落ちてくると悪い菌ばかりが優勢になる。

 唐突ながら、これをキンはキンでもお金のキンに喩えてみると分かりやすい。良い菌、つまりお金は勢いのあるところにしか居つかない。勢いがなくなればお金が減る。減れば借りるしかない。しかし格差の世の中、勢いの失せた者に世間は冷たい。借りられるところはどんどん無くなって、とうとうヤミ菌に行かざるを得なくなる。やがて催促菌が出没する。「お願いしますよ」が「オイコラ、返せ」を経て「殺したルぞ」にいくまでアッという間なのである。

 だから十兵衛にも止めさせたい。
「ねえ、もういい加減に舐めるのやめたら?ダニでもいるの?」
「幸い街のダニは見当たらないね」
「やめないと今に催促菌が出て来るよ」
「オイラ、そんな菌、コワかない」
「ドーベルマンだからってヨウシャしないよ、あの手の菌は」
「オイラのこれは菌じゃない、ストレスなのさ」
「なによそれ、なにか不満でもわるわけ?」
「エサがまずい、散歩が足りない、メスがいない。三重苦だね」 
 十兵衛のカシャカシャペチャペチャは止まる気配もない。

 
     
 
     
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