料理とワインの店:BISTRO KRI-KRI
   

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左:MAY 右:十兵衛
撮影:岡崎伸彦
 
     
  スフィンクス  
     
 


 癌の手術の翌年、十兵衛にまた災難が降りかかった。突然動けなくなったのだ。上半身は起き上がるが、腰から下が微動だにしない。
すぐ困ったことに気づいた。おしっこが出ない。明らかに精密検査が必要な常態なので近くの個人病院では対応できないと判断した。癌の手術をした大病院に電話を入れたが予約は一週間後にしか取れなかった。動かせないので、それまでは往診で尿を抜き取ってもらうしかない。以前かかったことのある獣医のHに頼んだ。
 

 大病院予約の前々日、その日は土曜日で、翌日曜はHの休診日だった。一日だけ別の獣医を頼むつもりでいたら、Hが尿袋を十兵衛の身体に貼り付けた。それで一日もたせようというのだ。
 しかし数時間でカテーテルははずれ、尿袋の中に血が!
 元々カテーテルには十分な長さが無かった。
「うちには大型犬用の長いのがなくてねえ、これで何とか届くだろう」などという言葉を不安な思いで聞いていたのだが。
 すぐにHに電話をした。往診時間が過ぎたので翌日にしか来られないと言う。抗生物質を飲んでいるから大丈夫という判断だった。
 翌日なんとか尿を抜いてもらい、強い薬ももらった。強い薬は値段も高い。更に「休診日なので、割増料金をいただきまーす」とダブルパンチ。

 さて大病院で検査をしようとしたらできなかった。血液の状態が悪くDICという症状に陥り途中で検査を中止した。十兵衛は意識がモーローとして私のこともわからないようだった。正直もうダメかと思った。その後も状態は悪く、輸血までした。なんとかエサを食べられるようになるまで3週間かかった。
 検査ができないため、どこが悪いかはわからず仕舞いだった。かれこれ1か月入院して目が飛び出るほどお金を払った。十兵衛は相変わらず動けない。

 それでも一つだけ良いことがあった。入院中に寝返りを打てるようになったことだ。気づいてくれたのは助手の先生だった。「どうもね、夜中に自分で反対側を向くみたいなんですよ」
退院の日、その先生がリハビリの仕方を教えてくれた。「もし良くなったとき、歩けないといけないから」と。
それが十兵衛の復帰の元になった。入院中、おしっこは固定カテーテル(こちらは長い管があったのか上手なのか、問題なかった)だったが、便は垂れ流しなのでその助手の先生には随分迷惑をかけた。

 私は今でも検査麻酔に耐えられないほど症状を悪化させたのはあの寸足らずのカテーテルのせいだと固く信じている。あれで内臓を傷つけ疫力を下げてしまったと。Hは悪い獣医ではないと思うが、考えは寸足らずだった。

 
     
 
     
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