料理とワインの店:BISTRO KRI-KRI
   

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左:MAY 右:十兵衛
撮影:岡崎伸彦
 
     
  ヤギュー・ムギューサイ  
     
   それほど苦労しても、十兵衛は週に一、二度は家でウンをやらかしてしまう。アイウエエオアオで出たはずなのに奥の院にでも隠れていたのか、明け方になると門からお出ましになる。空閨を守り、ただ十兵衛のお尻のみ掻き抱いて眠っている私の、鼻っ先にである。当の十兵衛は、自分の下屋敷に異変が起きているというのにシラカワ夜船。こちらも明けやらぬ空の下、緞帳のように重い瞼は、未だ開けやらぬ。
 ・・・と、ただならぬ気配と言わんや、単に臭気のせいと言わんや、ふと目が覚める。だが敵はすでに十兵衛の尻の下で事切れている。開けやらぬ瞼など何処へやら、三白眼をひきつらせてタオルやシーツを替えねばならぬ。

 運よく敵が顔を出さんとする正にその瞬間、目覚めることがある。殺気としか言いようがない。さすが我も先祖は武士、などと胸を張っていられるのも束の間、早、十兵衛の尻 尾は上段の構え、受ける太刀を探す間もなく敵がムギュムギュムギュウ・・・。
「ひゃーっ、新聞新聞、ああ間に合わなーい、これっ、お尻で踏むんじゃないっ、あーっ、 踏んじゃったー」
「悪い悪い、気づかなかったもんで」
「いくら麻痺があるからって、動物なんだから勘てものがあるでしょ、勘てものが。毎日どれだけ洗濯させるのよ」
「オイラにできるのはイノチのセンタクだけさ」
「飼い主の命を縮めておいてよく言うわよ」
「ブシはイノチを惜しむものかは」
「鰹ブシのくせに」
「たしかにセッシャ、カツオブシは大好物である」
「何がセッシャよ、あんたはただの犬の十兵衛なのよ、名字帯刀は許されてないの。柳生十兵衛とは違うの」
「セッシャは柳生殿と呼ばれたい」
「そんなに名字が欲しいなら、今日からヤギュー・ムギュー斎と名乗りなさい」
「かたじけない、柳生無牛斎とな?なかなかに強そうな名である」
「漢字じゃないわよ、カタカナでムギューよ、あんたが私のベッドの上でやらかすものの擬音よ」
「糞ギュー」


 

 
     
 
     
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