料理とワインの店:BISTRO KRI-KRI
   

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  某月某日
   

近頃のテレビコマーシャルは気味の悪いものが多い。どこがどうと言えないが、なんともこちらの感性がついていけない。
 はっきりと目をそむけたくなるのまである。ハエの姿をして出てくるアレだ。アレが出るとチャンネルを替える。あんな気持悪いものを見て育つ子供の心が心配だ。と考えて、待てよ、今の子供たちは私たちが子供時代よりこの手の刺激にはずっとタフなんだと思い返した。テレビゲームや劇画、映画で慣れているのだ。モンスターも死体も怪奇現象もなんでもござれ。もっともっとと刺激を求めている。時代が逼塞しているせいもあるが、刺激がないと面白くないのだろうか。

 ああ、もうすっかり時代遅れだとガックリとしていると、また新たなコマーシャルがはじまった。健康食品のCMだ。男性が「一箱3000円でお願いします」と頭を下げている。近頃は値段をつけるにも消費者にお願いしなければならないのかと思う。「値段は3000円です」で済むことなのに。すると、「ただし、お一人様3箱までとさせていただきます」ときた。れれれ、急に高飛車かよ。態度がブレるのも時代の流れというものなのだろう。昔の人間としては一貫性のあるものにして欲しいと思っていると、一貫性のあるCMがはじまった。

 二人の中年男女が大きなテーブルをはさんで向かい合っている。テーブルの上には何も無い。そこへいきなり男が薬の箱をバンッと女のほうへ差し出して、「○○は、君のお腹の張りを治してくれるんだよね」。恰幅のいい男性は薄笑いを浮かべている。
女も負けじとその薬をパンッと相手に突き返し「そうよ、あなたの乱れた便通にもきくのよね」ときた。女も冷ややかに微笑んでいる。
 まるで、「これは君のお腹に消えた高級フレンチのフォアグラやトリフの領収書だよね」「そうよっ、あなただって高級クラブでのご乱交のつけがこーんなに溜まってるわよ」とでも言い合っているようではないか。
 だいたい同じ家に住む男女が食事時以外にテーブルをはさんで向かい合うことなどあるであろうか?顔なんか見るのもうんざりしているはずである。もしあるとすればそれはもう最後のときだけだろう。その時はテーブルを挟んで向かい合い、果てしなく応酬が続くのだ。「あの時あなたはああ言ったこの時お前はこうやった、やってないやったさ言ったわよ言ってない言わせておけばもう許せない青春返せ人生戻せ同情せぬなら金よこせ」
 それでバンッと離婚届を突き出し、「こうすればお前の腹黒さも治るよな」
「いつまでも続くと思うなエロジジイ」と何故か標語とともに判子をバンッ。
 

 すると画面のこちら側でもバンッと音がした。テーブルの向こうで新聞に頭を突っ込んでいた主人がウトウトして、ご飯茶碗に頭をぶつけたのだ。私はお茶をバンッと主人の前に置く。ここは一つ言ってやらねば。「ちょっとっ、何回言えばわかるの?食卓で新聞を・・」
 しかし主人はバンッとそのまま横になってしまった。私はむかっ腹を立てたまま食卓を片付ける。バンバンガチャガチャ、ババんのバンッ!

   
   

 

 
 
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