エンドセクター(PS)






意外なことに、あまり知られていないらしいトレーディングカードゲーム。


トレーディングカードゲームを知っていますか?

集めてきたカードを自由に組み合わせ、

対戦相手と、そのカードの組み合わせの妙や、駆け引きを楽しむゲーム。

そんなようなものです。


カードを集める楽しみ、独自の組み合わせを工夫する楽しみ、そして対戦。

楽しみが多い分、

ハマる人はとことんまでハマり込んでしまうのが玉にキズ。




新感覚トレーディングカードゲーム

カードを集め、デッキを組んで相手を撃破!!

コレクター心を熱くするサウンドノベル型RPG。


総勢100人以上の有名イラストレーター描き下ろしによる

500種類のカード。

(パッケージ裏から一部引用)




『デッキ』というのはカードを組み合わせてできた山札のことです。


サウンドノベル型と言っている通り、ストーリーの進行に合わせてカードを集め、


ドラゴンやミノタウルスといったモンスターカード

ファイヤーボールなどの呪文カード

村正や那須与一の弓などなどのアイテムカード

それにちょいと特殊なフォーメーションカード、


それら多種多様なカードを組み合わせて、


あなたの前に立ちふさがる敵と戦ってゆきます。




あなたと対戦相手は向かい合って対峙します。

先に相手のライフをゼロにすれば勝ち、先にゼロにされたら負け。

なのでモンスターの召喚と、その召喚位置は重要です。

敵の攻撃を遮断するように味方モンスターを配置し、

敵マスターへ攻撃が通るように敵モンスターを倒していくことになります。



また、このゲームの特徴は、リアルタイム制であるということ。

基本的には、時間の経過と共に魔力が貯まっていき

必要魔力が貯まれば、召喚その他カードの行使が可能になります。

そして行動前待機と、行動後硬直があります。

つまり大技を使うには時間が掛かるわけです。



なに? ドンくさいからリアルタイム制だと操作に自信がない?


そりゃあ、素早い人の方が有利でしょうけど、そこはそれ。僕でもできたんですから。

なすべきことはそんなに多くはないので。

ある程度、行動のパターンを覚えればなんとかなるかと。

というか

ストーリーが進めば自然に身に付いていくでしょう。





トレーディングカードゲームが好きな人というのは、絵にうるさい人が多いわけですが

カードイラストは概ね良好だと思われます。

が、ちょいと ”遊び” の要素が他のものに比べて強いかな。

この手のカード絵には普通、怖いくらい厳かなものが多いわけですが・・・

僕は好きだけどなあ。こういうクスッとできるの。



そしてその収集したカードのイラストは、ギャラリーで鑑賞することもできます。


例えばガブリエルのカードなら、こんなコメント付きで。



ガブリエルは、この天界で最も美しく綺麗な存在だ。
我々の外見のせいもあるのだろうが
地上では唯一の女性天使と言われている。
そんな失礼な話もあったものではないが、
それ以上に私は思う。
「おーい、ドミちゃん!! お茶にすんべ。いい煎餅、手にはいったんだって」
人間は本当に外見に騙されやすいと。

〜『ドミニオンの天界白書』 





カードゲームを彩る、ストーリー部分はどうかといいますと。

サウンドノベル型RPG という、わけのわからない響きに

不安を感じた方もあろうかと思いますが、大丈夫。

RPG というより AVG であり

出だしこそ、

ネバーエンディングストーリーの

パクリかよッ!?

などと思ったりもしましたが


タロットカードにちなんだ物語に、ぐいぐいと引き込まれていきます。


僕のように、『戦うには理由が必要』なプレイヤーには有り難かったです。



物語は、あなたの選んだ選択肢により展開を変えていきます。

ストーリーだけではなく、その選んだ行動によって、あなた自身の善悪度も変化します。

あなたの性格が善に傾けば、神獣や天使の召喚が楽になるでしょうし

悪に傾いたのならば、魔獣や悪魔の助けを借りることができるでしょう。


秀逸、秀逸と言ってもいいと思います。


僕の心に雫のような深い痕を刻んだこのストーリーは。





あなたがもしこのゲームをプレイし、そして悲しくなってしまったのなら。

一度のクリアでは、すべての謎を解くことはできません

上記の括弧の中を見てみるのもいいでしょう。