クリック メディック(PS)






1999年。


人類にとって未知の病原菌が発生した。

その名はバクルス!

これまでの医学知識・技術の一切を根底からくつがえす存在。


治療手段はなく、呼吸するだけで感染する。

人々はただ、バクルスに感染しないことを

祈るしかなかった・・・。


時は流れ、2016年。


医者の姿は一変していた。

バクルスを倒せるのはバクルスのみ!


医師の乗った潜水艇を

細胞レベルまで縮小して


患部にいるバクルスと、その医師自慢のバクルスとを

戦わせるのだ!



・・・ポ○モンですか?

かもね。



暗い雰囲気の漂うストーリー設定ですが

ちょっとケース裏を読んでみましょう。




推理・探検・実験の処方が一つになった

全く新しいタイプのテキストアドベンチャーゲームです。

主成分は新処方MTBすなわち

「問診」「テキストダンジョン」「バクルス戦闘」の3つ。

これらの成分で一日に必要なゲーム要素

「謎解き」「好奇心」「冒険心」をすべてカバーします。

またテキストダンジョンは、荒れた医学知識を修復します。

(中略)

きちんと治したい時、お早めにどうぞ。

*添付の解説書をよくお読みの上、お使いください。

*使用中は自動車等を運転しないでください。

*直射日光を避け、なるべく湿気の少ない

涼しい場所に保管してください。

(ケース裏から一部引用)




この新しい治療方法をVB治療といい、

治療を行う医師のことをVBドクターと呼びます。

VB治療は医師に大きな負担をかけるため、一日一回しか行えません。

そのため一日に一人、

休診日があるので、最大で一週間に六人を治療することになります。

ゲームは一週間を単位として進みます。



患者さんは月曜日にまとめて入院してきます。

容態などを考慮しつつ順番に治療します。

まずは問診です。

患者さんを呼んできて話を聞きます。

バクルスが体のどこにいるのか、

またバクルスの属性は何なのか、

この患者さんの話が最大のヒントになります。

要領を得ないおばちゃんなんかもいますが。



VB治療の準備として、注射を一本だけ打つことができます。

打つ種類は、患者さんの話を聞いて、カルテを見れば

まず間違えることはないでしょう。

問題は、注射をするときに押すボタンのタイミングです。

下手だと患者さんが痛がります。

効果には関係ないですけど。



さていよいよVB治療です!

軽快な音楽にのせて床が割れ

ライトアップされた潜水艇が現れます。

ええ、ここは病院です。



バクルスには属性があり、

三すくみ、つまりジャンケンの関係になっています。

相手を推理して、有利な属性を選んで連れて行きましょう!



体内は、「テキストダンジョン」、この言葉の通りです。

テキストによる器官の説明があり、

そこから行ける場所が文中リンクで示されています。

そのリンクをクリックしながらたどって、体中を駆け抜けるのです。

心臓から血流に乗って胃に行き、

そこから十二指腸、小腸、とかいう風です。



中学校の理科の授業みたいで勉強になるかも。

子供にやらせたら、「医者になるッ!」とか言い出したりして。



潜水艇のエネルギーと患者さんの体力に注意しつつ

無事に患部にたどり着ければ、待ちかまえるバクルスとの戦闘です。

バクルスを画面内に配置しましょう。

連れてきているバクルスは、コアなのです。

一斉に分子を放出しはじめ、分子同士の戦いになります。

分子が相手のコアに到達して、破壊すれば勝ちです。



相手のバクルスを倒すと

抜け殻を見つけることができるかもしれません。

これを持ち帰って研究室で実験を繰り返し

より強いバクルスを生み出します。



基本的にはこの流れで進むのですが

ときどき急患が入ります。

ここが腕の見せ所。

少ない情報に悪い容態。

さらに注射がつかえません。



ジャケットからはわかりませんが、

このゲームには声優さんが27人もついています。

桑島法子、納谷六朗・・・等々。有名どころもいてビックリです。

あんまりしゃべらないですけどね。

極端な演技に注目。




患者さんからの感謝の言葉。

退院後しばらくして届く感謝の手紙。

休診日に起こるイベント。

これが嬉しいのです。

これを楽しみに遊びます。

なので、もう少し充実させてほしかったな、と思います。




読んでもらってわかるように、このゲームは”面白い”です。

しかし

実はこのゲームを紹介するかどうか、かなり迷いました。

なぜなら

長すぎるロード時間、食いすぎるメモリーカードなど

その、たくさん詰まっている面白い要素を打ち消すくらい難点が多いのです。


けれども、このゲームに僕は

このまま埋もれさせるのは残念だ、と思わせられてしまいました。

それで紹介することにしましたが…

ここで紹介している他のゲームに比べるとクソゲーとの境が

より微妙なので、購入される方はご注意ください。



それらの難点を改善し、

より、患者さんへの思い入れ・会話イベントを重視した

続編を希望します。

もう出てたりして。