スペクトラルフォース(PS)






今回は戦国系のSLGです。

みなさんはシミュレーションゲームをしますか?

三国志とか信長とかの。

僕も嫌いではないのですが、

話を聞く限りじゃ、ドンドン複雑になっていっているみたいだし、

続編が出る度に知っている武将に囲まれてイチからやる、っていうのは

いまさらなぁ、という気がしてしまいます。



スペクトラルフォースにも続編や関連作品が何本か出ていますが、

1作目以外は、とりあえず横に置いておきます。



もう一度、初めて三国志をプレイした頃のようなドキドキを味わいたい。

知らない世界で知らない武将に囲まれながら乱世を生き抜いてみたい。

そんな風に思っていたときに出会ったのがこれでした。

中古で1680円。

なんとなく古びて小汚い感じながらも、光っておりました。



40カ国もの群雄がひしめく、剣と魔法の世界。

最初選択できる君主は4人だけですが、

数回のクリアーで全ての国を担当できるようになります。

登場武将は186人。

そいつらのすべてにバックストーリーがあります。

重い過去を背負っているのがいたり、

キャラ同士に深い因縁があったりするわけです。

とてつもなく凝っています。


というか、それは、

ゲームのためにキャラを作ったのではなく

キャラと世界の設定を先に作っておいて、それをゲーム化したからなのだろう、

と思います。多分。



キャラクターにくらべて、システムは驚くほどシンプルです。

いや、むしろチープとさえ言えるかも知れません。

必要最小限のコマンド以外を削ぎ落として、

シミュレーションのエッセンスだけを残した、というような感じです。

コマンドは月別に分かれているのですが、

例えば税収の月にやることは、徴兵と相場を利用した売買、このふたつだけです。

初心者が入門用として遊ぶのにも良いかもしれません。

ややシンプルすぎて不親切に感じるかもしれませんが。



将棋もオセロもルールはシンプルです。

でも面白いわけで。

何でも複雑にすれば良いというわけではない

ということを上手く表現しているように思います。



そして、僕が最も高く評価しているのは、


武将の数値が見えないこと。


キャラの顔付きやコメント、実際に仕事をさせてみたときの成果。

それらで能力を判断するのです。

シミュレーション=数値

みたいな先入観のある中で、これは思い切った試みです。

相当斬新です。



それで、実際にプレイしてみるとどうなるか。

共に苦難を乗り越えてきた武将には、だんだん思い入れができてきます。

自分なりのバックストーリーが、その武将にはできてくるのです。

そうなるとおかしなもので、

知力が実はそれほどでもない者が立派に軍師を務めたり、

本当は自分より能力が高い相手に対して、戦場で互角以上に渡り合ってしまう、

なんてことがよく起きます。

知らないということは、すごいことです。

多分、成長や経験点なんてものはないと思うのですが・・・。



僕は思わず脇目もふらずに4周か5周クリアーしてしまいました。

キャラとシステムが合わさって妙な魅力が生まれている、

ってことなんですかね。





以下余談です。

このゲームのオープニング主題歌は

10人が聴いたら、5人は、いや8人くらい?

は下手だと答えるかもしれません。

しかし僕はまた何かしら光るものを感じてしまったわけです(笑)。

試しに一晩中流してみました。


うーん・・・

・・・下手な歌には・・・味があるのです・・・。

個性がある、というと急に陳腐な言い方になってしまいますが。

世の中に、上手い歌手というのは、きっとたくさんいるでしょう。

でも、

好きになる歌って、それが上手かったからですか?

それだけじゃないですよね?

一流と言われる人たちは、

おそらくこの「味」をも兼ね備えているのではないか

なんていうことを考えちゃったりして。



声優も下手、なんでしょうね(一部を除いて)。

ウィザーズハーモニーというゲームをご存知ですか?

これなどはその一点で、くそゲーの烙印を押されてしまったりする作品です。

ウィザーズハーモニーがくそゲーかどうかは判断しかねますが、

ま、もう少し総合的に見ないと損することもあるんじゃないかな、と。

それだけです。蛇足でしたかなぁ?