AIR。
夏の始まりとともに
その言葉をあちこちで見かけるようになっていた。
だけど、それがKEYの最新作であるとは知らなかった。
8月の末。
知ったときには、もう時既に遅く。
2000.9.08早朝。
秋葉原で僕の姿を見ることできたという(笑)。
朝の空気に包まれて閑散とした街に
僕と同年代くらいの若い男性ばかりが
静かに
だけど、ものすごい行列を作る。
中にはその場で意気投合する人たちも。
「ここの時間なら何とか仕事に間に合うので・・・」
「いやぁ有給とりました・・・」
「Kanonは・・・」
「ONEは・・・」
8:00開店。
店内中、ガンガンに流れる「鳥の詩」
うん。いい歌だ。
だけど、この雰囲気、どこかで・・・。
何かに似ているような?
あっ、そうか映画館だ。
映画館のロビーがこんな感じだっけ。
特典は、ベルをふたつ頭に乗っけた銀色の目覚まし時計。
それから二日間。
僕はAIRの世界で心を遊ばせたのだった。
前の2作とは違う。
これは僕の勝手な印象だ。
ONEがエヴァだとすれば
これは宮崎系。
挿入歌のせいだろうか。
思い出ぽろぽろや耳をすませばが浮かんでしまった。
これはKanonほどの人気は出ないだろうな
そう思った。
キャラクターが不完全なのだ。
いや! 悪い意味では全然ない。
こういうゲームをしたことのある人なら、こんなことを感じたことはないだろうか。
キャラクターが完全すぎる、と。
幼なじみ、不思議な少女、活発な女の子、背の高い人、低い人、ロング、ショートカット・・・
色々個性はあっても
そのベースとなる人格は完璧。
そうは思ったことがないだろうか。
そんな人物は現実にそうそういるものではないけれど
そうでなければ「痛い」キャラクターになってしまう。
あくまで僕は、だけど
少し「痛い」と感じた。
良い意味で。
そして、そういうキャラクターが3人だけ、というのもすごい。
マウスをとても遠く感じた。
マウスまでがとても遠かった。
そんな感覚。
意識から指先までが。
僕は
この作品が
多分
好きだ。
*このページのBGMは
村雨葵さんからお借りしています。