映画館。



もちろん無言で観ているのだが

隣の席から友人の険悪な気配が飛んでくる。



明日にも台風が直撃しようという


東京新宿。



そんなどしゃぶりの中

呼び出したのは僕。







映画は終わった。


字幕が流れている。


原作:横山光輝


「ぶっ」


吹き出している。


し、仕方ないよな、やっぱ。

















・・・

























ロビーまで来ても、言うべき言葉が見当たらない。

























・・・

























伊能忠敬(予告)観たいよなあ…。


























「ぷっ! あーっはっはっはっは! そうかそうかそう来るか!」

「良かったぞ今の切り返し!」

「この映画を観ての感想はそれかあ!」


そんな背中をバンバン叩いてきそうな勢いで喜ばれても。

いや、ホントにふとそう思っただけなんだけど。





「コメディならコメディって言ってくれんとなあ」

「こっちにも心の準備があるからなあ」





「○○が出てきたときは震えた」


ああ。アレは、やりすぎ。





「たいていのモノはどこか良いところを見つけられるのだがなあ・・・」


うーん。瞬間、瞬間にはインパクトあったぜ?





あと…いっぱい引くだけ引いた伏線さ…

き、気になるよな…





淀川長治さんの言葉を借りれば

”大好きなお蕎麦も食べられなくなる”

って感じなんだろうかなあ。





駅まで戻ってくるとでかい看板。









”すべての映像が世界を挑発する!”









な、なにも 客まで挑発する ことないだろうに。

あぶないあぶない。






「いやあ、えらいもん観せられてさあ」

友人が受話器を押さえながらこっちに訊いてくる。

「なあ、REDSHADOW 赤影を一言で言い表すとどうなる?」

うーん。 瞬間芸?







夜。 目を閉じると・・・



デンデンデン デデンデ デンデン

デンデンデン デデンデ デンデン

デンデンデン デデンデ デンデン



ギターがうなり出し


まぶたの右側から左側へ

無駄に宙返りする忍者が

通り過ぎて行きます。


忍者が一匹

忍者が二匹

忍者が・・・


”赤影、参上!”




眠れるかあああああ!








口直しだ! 口直し!


SFを観ましょう!


サイエンス・フィクションじゃあないよ!

サムライ・フィクション(同監督作品)のことさあ!




これを読んだ方は

ご自分の友人にREDSHADOWを勧めるのは

どうかと。




じゃないと




その友人の子供を引き取って実の娘として育てた上

一生自らの罪と向き合っていくことになるかもよお。




「なんでこうなる・・・」