2002.10.11
22222ヒット記念企画。これはある勇者の物語である。
CoCo壱番屋。東京ではあまり見かけないが、関西方面では名高いカレーチェーン店。
このカレー屋、辛さや量、トッピングなどを比較的自由に変えることができる。
そして1300グラムを超える量を20分以内に食べきれば・・・
タダ。
これで有名な店なのである。
もうお分かりですね?
そう。そのカレーを食べきって僕を祝ってくれる、と。友人が、ね。

訪れたのは、水道橋。
うーん、ドキドキするなあ。まず注文するのがためらわれる。
いや、僕はプリンしか食べないけど。
「このポークの1300を・・・」
お、いったー!
「ご挑戦入りまーーーす!!!」
うわあ。
大声で呼ばわったよ、この店員さん。
まずはルール説明から。
「〜〜〜米粒ひとつ残さず食べて頂きます〜〜〜」
「〜〜〜席を立たれますと失格となりますので〜〜〜」
ふむふむ。
大丈夫。常識的なことばかりだ。
何かの拍子に立ち上がる、というのには気を付けなければならんだろうけど。
そして・・・
「13時48分、ご挑戦入られましたーーー!!!」

僕は、黒ごまプリンを食べながらストップウオッチを睨む。
1分経つごとに教えていく。
ううっ
口の中ジャリジャリ〜
すげえ食感。

スプーンでさくさくと白い御飯部分を崩していっている。
そして崩しておいた御飯を、ルーとは別にバカバカ放り込んでいく。
なるほど、そういう作戦か。
しかし・・・
みるみるスピードが落ちていっている。
これは間に合わないのではないか?
と、思ってもまさかそんなことを口に出して言ったりはしないが。
淡々と秒を読む。
それにしてもまったく水に手をつけない。そんなに苦しんでいるのなら水を飲んでも・・・と思うが。
水では絶対に腹を膨らませない。そういう方針らしい。
そして残り5分。

「これ、無理・・・」
ついに友人が弱音を吐く。
だがこの段階では、むしろ僕の眼からは達成できそうに見えた。
食べている本人は段々苦しくなってくるので、徐々に悲観的になっていくが
反対に
見ている傍観者の方は段々残りが減っていくので、楽観的になっていくようだ。
だから僕の返事はこう。
「そうか? いけそうに見えるけど?」
「一生に一度のことだし、ここであきらめたら後悔すると思う」
ラスト1分!

おおーーーっ! いった! いった!
皿を持ち上げて
残りのルーを飲み干しにぃぃぃ!
「すいませーん! これでいいですか?!」
タイム19分22!

「すげえ、1300食べた・・・」
「えっ、どこどこ!?」
後ろの席のカップルも驚いている。

書類書いて、店内に飾られる写真撮影して。
レジでは
「1300グラム食べきられましたので、値引きさせて頂きます。180円になりますね」
「御馳走さまでした。どうもお世話になりました」
丁寧な挨拶返してるし。
黒ごまプリン代だけ払って水道橋を後にする。
バッ! うわコイツ走り出したよ!?
ホームに入ってきた電車に乗り込もうとエスカレータを駆け登りやがった。
お前、元気やなッ!?
すると絞り出すように
「・・・もう・・・ゴールしてもいいよね・・・」
やっぱり元気だった。