もうそろそろ歩き疲れてきた。



焼き蛤は昔のものなのだろうか。

ないのかな。

残念だな。

そう思いながら駅まで戻って来ると。








駅の目の前かい。

フシアナかも。







こんなものまで売っている。







この蛤 煮ても焼いても食べられません!

っときた!



店内を一通り見回してから、店員さんに訊ねます。

あの。焼き蛤を探してきたのですけど。
土曜・日曜しかやっていないのですか?

うーん、今日は金曜日ですよね。


店員さんが真空パックになった焼き蛤を勧めてくれたけど。

「やっぱり目の前で焼いたものの方がいいですか?」

はい。


じゃあ、明日か明後日また来ます!





日曜日に出直してくると

店員さんがカウンターから飛び出すようにして迎えてくれた。

あー、見憶えていてくれていましたか。






これが桑名の焼きはまぐりだ!






どうですか? 意外じゃないですか?

僕はずいぶん意表をつかれました。


『焼きはまぐり』という言葉から、

じゅーじゅー音を立てながら鉄網の上で口を開いている大きな貝

そんな映像が浮かんできませんか?

おつゆも、じゅるっ。

くわっ。 うまそう。



しかし、まあ考えてみると、伊勢参りの沿道で売る食べ物なのだとしたら

こういう形状の方が食べやすく売りやすいのは確かだろうなあ。

汁をすすれないのは残念だけど。


さて僕の感想は。

香ばしさに、甘辛いタレが強調された、やわらかく大きな貝

そんな感じです。


伊勢神宮を目指して歩いていく途中に、いきなりこんなのに出会ったら

なるほど、結構なインパクトかもしれません。



家族に、真空パック詰めのをお土産としたところ

「やわらかくて美味しかった」、となかなか好評。


「あー先をこされたかあ」

「焼き蛤の認識を改めんといかんなあ」

とか言いながら味見していた親父!

親父も食べに行こうとしとったんかい!

・・・酔狂は血筋らしい。



鉄はまぐりは、健康志向のばあちゃんに。

喜んで使ってもらえているよう。





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