2004.08.01


      「さびしい青春だったんですね」

      青春・・・青春ですか。いや、たしかに青かったですが

      春ではなかったような気がします。

      いいんです。これから来るんです、夏が。英語で言うたら

      ブルー・サマー

      うわっ、かっこいい。

      「来るんですか? 夏」

      来ます! これからは僕の時代です!

      この頃ハヤりの男の子 ですから!

      「このごろハヤり、って」

      むしろ ”男の子” の方が恥ずかしかったのですが。

      みんながマユ毛を薄くしすぎた反動で、これからはマユ毛の太い人がモテるのです。

      「できますよ、太く」

      そんなのマガいものです。

      天然にはかないません。

      だってだってなんだもん。





    2004.08.06


      あ、もしもし、母さん? 僕。 うん、新しいアパートは無事に借りられた。

      事務所の本当に近くでなあ。 『コーポ□□○○』って言うんやけど。

      「ポーコ?」





    2004.08.07


      前回の阿波踊り練習にて。

      一緒に練習している人の娘さんが、汗を拭くために持ってきたタオルを振り回している。

      そのうちこっちに近づいてきて、狙ってくる。

      引きつけておいて、サッ、サッとかわしてやる。

      目に見えて面白くなさそうな表情をしたかと思うと、ゲームを仕掛けてくる。

      開いた手の平の上にタオルの真ん中が来るように持って、とってみて、って。

      一回目は普通に速く取りに行って失敗。

      二回目は、ゆーっくり手を近づけておいて、サッと引き抜いてやる。

      すると交代だと言って。

      まあ、そんなの何回やったって取られはしない。

      ますます不機嫌そうにしていたかと思うと

      パッっと手の平の上方向へ引き抜かれる!

      あっ! 卑怯?!

      練習後、座っていると近づいてきて。うん? 今度はどんな攻撃を仕掛けてくるんだろう。

      「抱っこしてー」

      えっ?! ええええええええええええ。

      両手を開いてそのまま正面から体重を預けてくる。

      い、いやいやいやいや。そ、それはちょっと。

      抱きとめられずにいると。

      踏まれた。

      帰り際、見送ると

      「おばさーん」

      おばさんて。





    2004.08.08


      阿波踊りの練習に行ってきた。ちょっと休憩と座っていると

      ぐわぁ。

      一緒に練習している人の娘さんにうちわで顔を叩かれる。

      ふつうの子供なら平らな面で来ると思うのだが。水平に骨組みで打ってくるとは恐るべし。

      「ムラサキの見せてー」

      ああ、別にいいよ。

      なんか知らないけれど僕の右腕の大アザを目敏く見つけて以来、毎回見たがる。


      雇い主のため半分、自分の思い出半分で撮影していると、撮って欲しいって言うので。

      デジカメを向けると、ぴょんぴょんと飛び跳ね始める。

      それじゃ撮れない。動画モードにして何秒か。しかし、こんなのでええんか?

      再生して見せてやると、大笑いして。また飛び跳ね始める。

      いやいやいや、それでええんか?


      いつも通り次々と繰り出してくる蹴りをかわしてやると、今度は唾を。

      前回あたりから唾をつけようとしてくるが。

      あかん! 唾はあかん!

      床を拭きながら

      ええか、唾はあかん。蹴りとパンチならいくらでも受けて立つが、唾はあかん。

      思う存分、蹴られた。

      まあ、そうそう当たるものではないけど。

      隙があると、冗談でだけど、極真空手四段の先輩秘書さんが打ってくる環境にいるわけだし。

      今の防御は良かったんじゃない、とか教えて下さる。

      帰り際、見送ると

      「おじさーん」

      おじさん言うな!

      暗くて見えないけど、くすくす笑いが聞こえた。





    2004.10.16


      たしか10月の1日くらいだったと思いますが。8/10から9/26分までアップしたのは。

      ご挨拶が遅れました。びれっじαです。皆さん、お久しぶりです。

      引っ越しに伴いましてネット環境が失われました。

      現在、事務所の回線を使わせてもらって、この更新をしています。

      とか言ってるうちに4周年ですよ。

      いやあ、ありがとうございますありがとうございます。見に来てくれる皆さんあっての4周年。

      そんなめでたい日でありながら。

      たぶん、掲示板、動いてませんでしたよね。

      契約プロバイダのDTIが8月末日をもって、CGIを大幅に変更する、とかいうメールが。

      とにかく暫定で書き込みができるようにしておきます。


      あー、めでたい日ですけど。恒例のネタは用意できませんでしたねえ。すいません。

      代わりに最近のゲーム事情など書いておきます。

      なかなかゲームをする、まとまった時間はないわけで。

      覚悟を決めて椅子に座り、画面に向き合うのはオックウです。

      なので。寝る前の布団でGBAをちょろっとやるのが主に。

      『東京魔人学園 符呪封録』(GBA)

      ってのが面白かったです。

      トレーディングカードゲームの類。僕はこの手のゲームに滅法弱いっすからねえ。

      それに、比較的しっかりしたストーリーがついていてくれたので楽しめました。

      カードを「仲間にする」っていう感覚も、いい感じ。

      実は最近、ひとつだけPCゲームも。

      『巣作りドラゴン』(WIN 18禁)

      迎撃戦が熱い。  巣を作り、罠やモンスターで冒険者を迎え撃ちます。

      毎ターン1コマずつ命令を出す? ノーノーノー、そんなゲームはもうウンザリ。

      なんでそんなトコまで命令せなイカンねん、というゲームが多い中

      大まかな方針だけ与えておけば、非常にリズミカルに戦闘します。

      下手をうつと、リズミカルにサックリやられてもしまいますが。


      今日。なぜだかどうしてだか、『雫』 のBGMを久しぶりに聴きました。

      胸の奥が膨らんで左右に揺れるような感覚。





    2004.08.10


      空手四段の先輩プロデュースで引越しを敢行!

      3tトラックを運転してきてくれる、強力な助っ人も呼んでくださる。

      それに仕事を終えた先輩2人も加わって下さり、実に幸せ。

      「うわっ、久しぶりに見た! 男の一人暮らし」

      「有り得ないだろ」


      あ、その風呂とトイレは

      7年間一度も掃除してないので。

      「なんだコレ」

      炊飯器です。

      「炊飯器です、って。そんなことはわかるっての」

      あ、いや、そういう意味では。

      「掃除しろっ」

      すいませんすいません。

      「彼女ができたとして、ご飯を作りに来てくれても。このガスコンロ見たら帰るよ」

      彼女ができて・・・ご飯を。

      「いやいや、できてないから! 妄想しないように」


      アレ気なアイテムを含む家財道具が多すぎて

      クレーンまで付いちゃっている3tトラックなのに、載り切らなかったというのが

      これまた実にアレ気。

      残りの荷物は伴走車へ。そして出発。


      トラックの3人掛けになっている助手席で。

      隣りの先輩の携帯が鳴る。伴走する後続車かららしい。

      「何? 畳が折れた? いいからいいから」

      畳が?! 畳ベットの畳が折れちゃったのですか。

      「まったく。こんなことで慌てるから。素人さんは」


      積み込み3時間、搬入45分で、つつがなく終了。すいません梱包が甘くて。

      みなさんへのお礼の焼肉を予算以内で収めて頂いたことといい

      完璧なプロデュース。

      畳も寝てみれば問題はなかったし。まさに完璧。


      ・・・というような感じでありました。引越しは。

      翌日の事務所の納涼会で報告する。

      「引越し呼ばれてないなあ。好きなものウニ」

      うわあ、すいませんすいません。

      二次会がカラオケだったので

      『メトロポリタン美術館』『ハンバーガーショップ』『みかんのうた』とか。

      雇い主の奥さんから一言、

      「それって歌なの?」

      大不評?!





    2004.08.17


      阿波踊りの練習にて。

      少し遅れて到着すると。い、いやいやいや、できませんて。

      みんなが見守る中、一人で体育館の真ん中を通って、向こうの壁まで踊れって。

      「なら、行きたーーーい」

      視線を下げると、前にいた男の子が言う。

      おお、行け行け。行ってくれ。

      「じゃあ一緒に行ってあげて」

      男の子は僕に目配せをすると踊り始める。

      とにもかくにもついて行く。

      反対側の端に着くと、見上げてきて、うなずく。

      ありがとう!

      走って戻ってゆく。





    2004.08.18


      夜。引越した新居の前の商店街を歩いていると。

      「びれっじさーーーん」

      振り返ると、車を止めた、ひとつ年下の先輩が呼んでいる。

      はーい、なんですか?

      「犯罪者みたいなのが歩いているなっ、と思って」

      いやあ、犯罪者みたいじゃない、

      とは言えませんが。





    2004.08.19


      会場にて。設営後、僕はビデオカメラ担当。

      「じゃあ俺は、ICレコーダー担当」

      いやいやいや。同い歳で国家一種合格者の先輩が言う。

      「ICレコーダー担当秘書」

      いやいやいやいや。言い直されても。


      三脚から下ろしてフリーハンドで撮影中、電池切れに。

      慌てて立ち上がって、頭上のテレビカメラに頭突き。

      その晩のニュースに僕もチラッっと映っていた。





    2004.08.20


      空手四段の先輩に構えられると、ずるずると後ずさるしかない。

      ここは夏祭り会場、公園の脇。雇い主が来るまでのあき時間。

      「構えてみなよ。攻撃は最大の防御だよ」

      「いいから打ってきなって。いいから思いっきり」


      そんなこと言われても、打ち方を知りませんし。

      いわゆる正拳突きを教わる。

      しかし教わったところで。筋肉の付き方のお手本、人体標本みたいな手足に、

      割れてはいないんだけど、プロレスラーのような、見るからに打たれ強そうなボディ。

      こ、こんな体へ打ち込んだってぇーーー。

      ぼこっ、ぼこっ

      しっかりガードしているつもりなのに、心臓のあたりへ的確に当てられる。

      手加減済みとはいえ、2度も3度も連続で当てられては。

      「こうやってお互いに打ち合って、いいのを入れられて、うっ、ってなったらボコボコ」

      「ひたすら打ち合って、いいの入れられた方の負け。そういうスポーツだから」


      いや、ちょっと、楽しくないような。

      ぼ、僕には向いてませんんんんんん。


      仕事が終わって、雇い主にラーメンをおごってもらい。先輩に送ってもらう。

      「この達成感がたまんないよね」

      酔っ払ってしまいました。おつかれさまです。

      「らしくないなー。今日はまだ終わってないかんね。靴磨きがあるから」

      アパートの玄関先にまで来てくれて、

      ぼろんぼろんになっている僕の革靴を磨きながら、磨き方を指導してくれる。

      「あ、なに?! この炊飯器でご飯炊いたの? こえええーーーーー!」

      鋭くも冷蔵庫前のモノに視線が注がれる。

      あ、大丈夫ですよ。ピッコロ大魔王とか封じ込めてませんから。





    2004.08.21


      阿波踊りのお祭り、本番当日。テントの設営など、走り回ったあとに。衣装に着替えて。

      いつものみんなところへ合流する。と、踊りの上手い女の子のひとりが僕を見て

      「あれっ、どこがおかしいのかな? あれっ、えっ、えっえええええーーーーー」

      あれっ、ヘンですか?! とても光栄な方に着付けてもらったのですが?!

      ・・・あ。 からかわれているのか。


      いよいよ人だかりで埋め尽くされた沿道を流し踊ろうという、直前。

      緊張してますね、緊張せずに行きましょう、というような会話が交わされている中。

      うしろにいた、その女の子から声を掛けられる。

      「緊張してないでしょ?」

      はい。してません。

      「そんな感じがします。  もっと緊張してください!」

      すいませんすいません。

      でも。僕には上手くなんて踊れないし。教わった通りにするだけだもんなあ。緊張、ねえ。


      「びれっじ 最高ッ!」

      沿道から先輩の掛け声が聞こえたり。事務所を通じて知り合った方に応援してもらえたり。

      ああ、なるほど。こういうのはとても嬉しいものなのだなあ。





    2004.08.22


      阿波踊り2日目。着付け時。下帯がない。昨日もそんなの巻いてませんでしたけど?

      「誰か下帯あまってなーい?」

      あまって余分に持っていてくれたのは。

      「良かったわねえ、若い女の子ので 」

      「鼻血出せ、鼻血」

      鼻血なんか出しませんよお。

      「でも赤くなってるじゃない」

      顔を手で覆ってみたり。

      「かわいくないから。オプション料金とるよ」

      「洗濯済みなら千円、洗濯前なら二千円」

      「二千円?! それなら俺が!」



      いつも一緒に練習していた人と。

      昨日から娘さんがなんか冷たいんですよ。目が合っても蹴りにも来ないし。

      「おとなしくなっちゃって。口紅をつけたら」

      うはははははははっ?!


      祭りも佳境という頃。やっと近くへやってきて、いつも通りお父さんにしがみついている。

      「口紅ついてる?」

      「ついてるよ」

      「ねえ、ちゃんと口紅ついてる?」

      「ついてるって。気にしてジュースも飲まないし。あ、訊いたらいいじゃない」

      うわははははははは。 ついてるよ。


      すべて踊り終わった別れ際になって、やっと少し調子が戻ってきたみたい。

      僕のそばで空蹴りを。

      自転車の後ろ、子供用の座席に乗り込むのを見送る。

      「これ、あげるー」

      何だろうと見れば、硬く握りつぶされた、わたがし。それも指の先ほどの。

      ありがとう。ひょいと口に放り込む。

      「何もらったの?」

      そう言いながら寄ってきた小さな男の子へ向けて、かがんで口の先で見せる。わたがし。

      わたがしなら、こんなに持ってる、 片手の袋をこちらへ掲げるので。

      ああ、たくさんあるなあ。そう答えたら

      むしりっ。

      な、なにをするかっ!?

      胸毛を引っ張られた。





    2004.08.24


      今日まで車の運転の練習を少しずつ重ねて来てはいたのだけど。

      まだ先だろうと思った ”一人旅” があっさりと。

      荷物を積み込み、僕の身元保証人さんとでもいう方にバックを見てもらって、いざ出発。

      途中のガソリンスタンドでは、先に出ていた先輩2人が立っていて、見送って下さる。

      なんとも。嬉しくも気を引き締め。

      九死に一生スペシャルを3〜4回繰り返しながらも、なんとか。

      荷物のお届けと、約束していた打ち合わせを済ませて帰還。


      「初心者マークつけてください」、と事務所の女の子から。

      いやあ、つけたいんですけどお。つけてもすぐに落ちちゃうんですよね。

      吸盤式の、車内からガラスにくっつけるのなんで。

      えっと、ガラスにガムテープってマズイんでしたっけ?

      「ついにフロントガラスを割ったのですか?!」

      いやいやいや。初心者マークを貼ろうかと。

      「そんなカッコ悪いのやめてください。今持ってますか?」

      僕から受け取った初心者マークから、吸盤部分だけを外して、

      お湯を満たしたマグカップの中に浸し、ゆらゆらと揺らしている。

      「これで戻るんです」

      どういう原理なんですか?

      「原理なんか知りません。いいから戻るんです!」

      はあ。すごい裏技ですねえ。

      いやあ、大変お世話に。ありがとうございます。


      アパート探し、引越し、運転の指導、駐車場探し、車庫証明、自動車の名義変更、

      そうしてご自分の車を安く譲ってくださり。全部、空手四段の先輩秘書さん。

      「俺は嬉しいよ。右も左もわからなかった、びれっじが。一人で車に乗ってさ」

      本当にありがとうございます。





    2004.08.25


      「またこんなところにタオルのカスつけて」

      朝、保証人さんが僕の頬っぺたから糸くずをつまみ上げる。

      「こいつ、ヒゲが硬いからタオルがついてくんの」