2000.09.29
◆NASDAQジャパンは3:10まで◆
最近ある会社の公開に立ち会ったので、公開日に関するドキュメントを一つ。
私も今回初めて知ったのですが、NASDAQジャパン市場はなんと3:10まで
やっているのです。証券取引をやっている人間なら誰でも後場は3時までだと
思っています。
今回の銘柄も3:07に寄り付きましたが、その後3:10まで取引は続き
ました。3時まで端末を見ていて、買い気配だったため、「もうこれで今日は
ストップ高で終わり」と思っていた人も多かったと思いますが、その後も取引
はどんどん続いたわけです。
買い気配の切り上げについても、通常は10分間ごとに5%ずつ気配を切り
上げていって、場合によっては公募価格の倍以上まで気配を切り上げます。
今回の銘柄は公募価額は40万円でしたが、ストップ高は94万円でした。
またガーラの場合には当日はストップ高の買い気配でしたが、公募価額60万
円に対し120万円で終了しました。
これまでの株式公開と言えば店頭登録のことでした。店頭市場では公開日は
11時に1回値段がついて終わりです。しかしマザーズ市場やNASDAQジャパン
市場では初日もふつうに取引が行われます。と言うことは買い気配あるいは売
り気配のまま一日中続くこともあるわけです。
最初の気配、あるいは板(買いと売りのそれぞれの注文の内訳)が出るのは
朝の8時半頃からですから、もし一日中気配のままだとすると6時間40分も
気配に注目していなければなりません。これは苦痛ですよ。気配は10分おき
に入ってきますから、会話をしていてもすべて10分間で切断されます。イラ
イラとした一日を送るわけです。
これが買い気配ならまだ救われますが、売り気配で1日中過ごした日には気
が狂うのではないでしょうか?
◆日興証券全株抽選の方針を変更◆
これに関しては、今月はじめの日経新聞でも報道されましたが、日興証券が
これまで割当株全部を抽選で投資家に配分していたのを方針変更して、日興証
券割当全体のうち4割を支店の裁量に任せることにしました。
今春以降日興証券は他の証券会社に先駆けて、全引き受け株を公平な抽選に
よって投資家に割り当てていましたが、その結果、本来の投資家ではなく、公
開株目当ての投資家への割当が多くなり株価の乱高下が多発したことから、割
当方法を見直したようです。
発行会社において最も困ることは、公募売出し株が安定株主の手に渡らない
ということです。公募株価の水準に関係なく、公募で取得して、必ず寄り付き
で成り行きで売る人が多い場合には、どんな人気株でも公開日の寄り付きは売
り気配で始まってしまいます。そうすると会社としては、安定株主に対して株
の取得や買い増しをお願いしなければ、健全な株価形成が実現出来ません。
今回の方針変更は20日公開のカワチ薬品から適用されていますが、株価の
動きが注目されます。
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