基本姿勢と操作

馬に乗ったらまずは姿勢を正しましょう。
ちゃんとした姿勢をとってちゃんとした指示を馬に与えれば馬は騎手の指示通りに動いてくれます。
でもね、この基本姿勢を維持していくのがタイヘンなのです。。


騎乗時の姿勢

騎乗時は体を真っ直ぐにしてリラックスする。
これが基本です。
横から見た場合、地面に対して騎手の踵、腰、耳が垂直の直線で結ばれなければなりません。


脚は真っ直ぐ、下へおろすようにして力を抜きます。
鐙は親指の付け根あたりで履くようにし、軽く体重を掛けて踵を下ろして足の裏と地面が水平になるようにします。
普段から、ふくらはぎの内側を馬の体に当てておきます。


腰は力を抜いて真っ直ぐにします。
鞍つぼの真中に腰を下ろしますが、骨盤が寝ないように腰を起こしておきます。
左右の坐骨に対して均等に体重を乗せて馬の背中に坐骨を真っ直ぐ刺すような感じにします。

背中
背中は反り過ぎないようにします。
背筋は真っ直ぐ起こして、脊髄の湾曲は自然な形になるようにします。

胸、肩
しっかりと胸をはって肩は開きましょう。
肩の力は抜いてください。

首、頭
首もしっかりと起こし、力まないでリラックスします。
頭は首の真上に載せるような感じにして、しっかりと前を見ます。
首や背筋が丸くなるので、絶対に下を向いてはいけません。



上腕部は肩から力を抜き、脇は締めて肘も力を抜きます。
下腕部は手綱と同じ角度にして、ハミから肘までがまっすぐになるようにします。


手首、手
手綱は逆手(ハミの方に小指が来るように)で持ち、親指と人差し指でしっかり挟みます。
中指と薬指からは力を抜いて柔らかく手綱を持ち、薬指と小指の間から手綱が出るようにします。
手首は真っ直ぐにして力を抜いて柔らかくします。


基本的な操作

馬を自分の意図したとおりに動かすには、そのための操作をしなければいけません。
しかし、馬は機械ではないので、ハンドルやブレーキやアクセルのようなものが元々ついている訳ではありません。
しかし、馬を訓練することで我々の指示を理解してそのとおりに動くようになります。
我々はどうするのかと言うと、その正しい指示の出し方を覚える必要があります。

しかしながら、本当に正しい操作は本当に難しいので、一夕一朝にできるのもではありません。
長い時間をかけて一生懸命練習することで身に付けていきます。
ここでは、その練習をするためにまず、簡単な方法で動かすということを念頭におきます。
このページに書いたことは、基本的に最初の練習で体に感覚を覚えさせるためのものですので、基本的にNGですから一刻も早く忘れちゃってください。

では、簡単に馬の操作について述べます。

覚えやすくするために、車に準えて例を挙げていきます。

アクセル
馬を歩かせたり、走らせたり、スピードを上げる操作ですが、その操作は基本的に脚で行います。
具体的にいうと、自分のかかとで強く馬のおなかを圧迫する、もしくは蹴る。
乗馬の本やインストラクターによっては「蹴ってはいけません」といわれる場合があります。
ええ、本当は蹴るものではありません。
しかし、初めて馬に乗っていきなり「脚、坐骨、拳のバランス」を使って馬を動かせと言ってもそりゃムリってもんです。
それに、馬に乗って動いてくれなきゃツマラナイしね。
なので、最初のうちは蹴ってもいいかな〜って思います。
もちろん、よく調教された初心者用練習馬に限り、です。

両足を軽く広げ、矢印の方向に踵の内側で蹴る。

ブレーキ
馬を止めたり、スピードを落とさせる操作です。
馬にブレーキかけるために、よく「手綱を引け」と言いますが、これは初心者の方でもあまりオススメしません。
私のオススメは次の操作です。
1.両方のふくらはぎで馬の体を強くはさむ。
2.体を起こす。後ろにそっくり返るようなカンジで。
3.体を起こす時の背中の力を使って手綱を自分のお臍のほうへ引き寄せる。
こうすると、馬の体が起き上がってきた状態で止まるので、馬も止まりやすく、また脚で馬のおなかを圧迫しているので、馬は前へ行こうという気勢(前進気勢)があるので次の動作(歩くとか、走るとか)に移りやすい。
逆に、手綱だけ引っ張るとハミが馬の口に食い込むだけなので、馬は痛がって逆に反抗して突っ走る可能性があるので、危険でもあります。

脚をしっかり締め、背筋で上体を起こして、拳をお臍に向かって引くと、図のように馬は後躯が踏み込んだ状態で停止する。

ハンドル
方向転換させるときは簡単に言うと、曲がりたいほうの手綱を引いて曲がりたいほうへ体重を傾けるって感じですね。
その際に、反対側の手綱を緩めると曲がらなくなりますし、方向転換動作中は常に馬を蹴っていないと止まります。
この旋回はけっこうムズカシイかもしれません。
がんばってください。(笑)
手綱捌きや旋回に関しても本当はもっと複雑ですが、それはまた後で・・・・

一応、とても簡単にアクセル、ブレーキ、ハンドルに関して触れて見ました。
しかし、ここに書いた方法は初心者の方が、慣れるまでの間の操作方法です。
この方法では決して上達は望めませんので、慣れてきたら次の段階へ進まねばなりません。


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