815-1球ステレオアンプ


 ある日、「真空管1球入魂!」という本を読んだことから、「815」という真空管を使った1球ステレオアンプを作製 することになりました。電力増幅管ではありますが本来、送信機のファイナルとして開発され65年以上経過しています。




 815はVHF送信機を自作したことのある人ならよくご存知の、2E26が2ユニット内蔵された構造のオクタルベース、 双ビーム管になっています。VT287という名称からRCAが軍用に製作したもののようです。 RCAの特性表1943年を見るとプッシュプル動作を前提にした送信管のように見えます。Epは高め、プレート損失20W、 Ipは80mA程度が動作点です。A級シングルでステレオに使えるのでしょうか?  こんな真空管をアンプにしてしまうのは「まことにもったいない」話なんですが、なかなかキュートな容貌なのでシャック のマスコットに製作してみました。


注)本アンプの回路は、「真空管1球入魂!」著者:龍田壱球 発行所:株式会社マイクロマガジン社 掲載のものと基本的な部分は同等です。


主な構成

 真空管1球しかありませんから、当然のことながら利得が思うように取れません。入力は出力トランスを代用して 信号の昇圧を行っています。このような事情から入力インピーダンス8Ωに限定されるため、信号はヘッドフォン端子 のある機器からということになりますが、実用上はライン入力に限定されるより使い勝手は良さそうです。

 電源はトランスレス回路になっています。バイアス−7.3V、プレート電圧250V(倍電圧整流)、スクリーン電圧12 5Vで40mA弱のIPがこの機器の測定結果でした。ヒーター電源は12V0.8Aが定格ですが、省スペースを考えスイッチ ングレギュレーター12V1A(秋月)を使用してみました。心配していたノイズも全く無く、良好な結果が得られました。


シャーシ加工
 

「ウィーン、ガリガリ、ゴリゴリ・・・。イテテッ」 シャーシパンチも先日購入。なれない手つきでキズだらけの手になって いしまいました。出来合いのシャーシは高額なことと、ちょうど良いサイズが無いので普通のアルミシャーシ150×200 をニブリングツールでカットし、150×150の大きさにします。正面はSWとステレオミニジャック・ボリュームの穴あけ、背 面はSPコネクタ、ヒューズホルダの取り付け用穴を開けました。

 真中の大きな穴は、下部にサブシャーシを設置するとともに、シャーシ下部の通気も考慮してみました。15mm下側 に真空管ソケットが付きます。写真では穴の加工部分がに見えますが実物はもう少し体裁が良いので弁解しておきます。

 真空管アンプの製作はこれで2台目、少しは上達したかなー。


部品の取付け

 部品を取り付けてみると、思った以上に狭い空間である。サブシャーシの上にラグ板を取り付けるも、その上にCR類を 半田付けするスペースが無い・・。ヒューズフォルダも結構出っ張ってしまった。



写真右隅に取り付けた黒い物体は、ヒーター電源のスイッチングレギュレーター。ケミコンの取付けは何とか出来たものの、 写真下の入力昇圧用トランス2個が入るか??




とっ、いう訳で写真上部側を電源系統、下部側を信号系にして何とか収まりがつきました。茶色の大きい金属皮膜抵抗は電源側のインピーダンスが低いので、整流用ダイオードの尖頭電流保護をしており、トランスレス回路特有です。 配線状況はお恥ずかしい限りで、半田付けも含めて只今修行中・・。(^^;)


電源を入れてみる

配線も終了し、一通り回路チェックを行っていよいよ電源投入です。可変トランスを使って30V印加したところで電圧チェック。  あっれー???B電圧がマイナス・・・。おかしい。よくよく見ると1Aのヒューズが切れている。
こんな時は、電源回路が原因の場合が多い。調べてみれば整流用ダイオードが1個、極性が無くなっていた。使ったものが どうやら10年以上前のもので、ジャンク箱から出してノーチェックで取付けてしまった。ジャンク部品は信用してはいけない鉄則 をコロっと忘れておりました反省反省。

 その後は、順調に電圧を上げていき、AC100VでB電圧は295V程度、無負荷なのでOK。ヒーター電源も12.2Vこれは定電圧 なのでOK。何とか真空管が取り付けられそうです。


みっきーまうす!?



プレート配線を少し長めに取り付けたので、こんな感じになりました。829Bを漫画あられちゃんの「ニコチャン大魔王」と称する 方もおりますが、こちらは「ミッキーマウス」でしょうかね。 音出ししてみると、結構出力が取れているようです。十分過ぎる音量で満足満足。音質は、低音が控えめで、タイトな音質です。 FMやCDを手軽に聴く、お部屋のインテリアなどの用途に、一台いかがですか?


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