815・単球ステレオアンプその2


このアンプを製作してから時間もたったので、デザインもリニューアルし具体的な改善点を記載します。




 「815真空管1球ステレオアンプ」のサイトではオリジナルのデッドコピーを製作しました。しかし、以下のような難点があり聞き辛く、正直なところBGMを小音量で流すにもつらいものがありました。 

1 音量を上げて聴いているとなんとなくうるさい・・。作った本人 は思い入れがあるのでひいき目に評価しているが、ステレオアンプとしての魅力のようなものがイマイチ不足??

2 ハムがある。完成当初は全く無いと思っていたが、スピーカーに耳を付けて聴いてみると音量に関係なく僅かに聞える。ラジオであればまったく気が付かないレベルだが、オーディオ機器としては妥協できない。




ということで、電源回路の見直しと、入力トランスの取替え、バイアス回路の定電流化を行いました。


回路図



電源回路は倍電圧整流回路になっていますので、単純に電解コンデンサを470μFに交換しています。配線スペースが狭く、窮屈な ので、トランジスタを使ったリップルフィルタのほうが効果も大きく省スペースに仕上がると思います。写真は右側にある2個の黒い電解 コンデンサが取替えた470μF200Vです。実はこれでもまだ不充分で、結局2段のフィルタ回路を組み込んでいます。左側の電解コンデンサと200オーム3Wの抵抗器です。手持ち部品の流用でB電圧は下がりますが、これで完全に電源ハムと縁が切れました。

左側シャーシの横に小さなトランスがあります。


入力トランス
 
 前回の製作では、春日無線変圧器OUT41-375を使用していましたが、流石に回路変更でスペースが無くなってしまいました。 考え込んでいるところに「入力回路ならTr用でも良いのでは?」とのご意見をいただき、サンスイのトランスを調べてみました。よく考えてみれば、巻き線比がある程度あればコアはパーマロイを採用しているので音質も期待できます。STシリーズのTS14は22.4:1ですから入力信号を0.3〜0.5Vpと想定すれば6.72〜11.2Vpに昇圧できます。これなら815は十分ドライブ出来そうです。なお、出力側に6kΩ程度の抵抗がトランスF特性の平準化のために並列に入っています。効率を考慮すれば20KΩ程度が妥当かと思います。これは手持ちの部品ですが、値によって音質に変化がありますので色々値を変えてみるもの良いかと思います。

写真↓はサンスイのST-14


取り付けは、少々横着をしました。↑本来コア部分の取り付け足は、しっかりと固定してアースするべきです。 お恥ずかしい限りですが、これでずいぶん配線スペースが取れました。


バイアス回路定電流化

 これは、定番のLM317Tをつかいます。バイアス電圧は8V前後なので保護用の抵抗器は使いません。LM317Tの入力電流は ADJとOUT端子間の抵抗器の値で入力電流=1.25V÷Radj(Ω)で決まります。共通カソード電流値はスクリーングリッドの電流値 も含めて62.5mAとして20Ωとしました。



写真は10Ωの抵抗を2個直列で使っています。LM317Tの端子は上からadj/out/inです。シリコングリスを塗布したマイカシートとともに アクリル製のねじでシャーシに固定しています。


正面パネル



 秋葉原でちょうど良い化粧パネルはなかなか見つかりませんでした。塗装もすれば見栄えが良くなるのですが、既に配線や部品が取り付いて いるのでこれもむりがあります、正面の化粧パネルはタカチのラック用パネル幅44mmを購入して切って使うことにしました。厚みは1.2mm程度 でしょうか。これだけでもぐっと感じがよくなります。ヒトの目とはかなり正確なもので、このパネルを少しでも斜めに切ったり曲線に削ると全体に違 和感が出てしまいます。写真の向かって右側は撮影による歪みで加工ミスではないのですが、ちょうどこんな感じに見えてしまいます。

 音質は、内部抵抗の高い送信管ですから、期待すべきではありませんが意外なほどマトモに鳴っています。