自作受信機(高1中2)


真空管の受信機はデジタル化の進んだ今日、部品の入手が困難で製作をあきらめてしまうアマチュアも多いとだと思います。それでもメーカーの製作した無線機とも違うデザインの「こんな無線機があったら・・」という思い。そして、初めての受信機製作という未体験の感動求めて自作を始めました。

コリンズの無線機といえば、Sラインが有名で私がHAMを始めた中学生の頃はCQ誌にこのシリーズの無線機がずらりと並んだシャックの写真が掲載されていたものです。業務用のコリンズ無線機は軍用のものが有名ですがデザインはまったくこのSシリーズとは異なり大きくゴツイイメージがあります。下の写真は右側がR-390A、左側が75S-1です。これらの機器の仕様や歴史については別のホームページにおまかせするとして、R-390Aはパネルを見てのとおり受信周波数をカウンターで表示する等、1950年代のダイヤル表示主流の時代にあって、かなり先進的な操作性を追及したものでした。
R-390Aの生産開始から1年後、51-S1の生産が軍用又は業務用受信機として開始されます。デザインは写真のとおりSラインのデザインを踏襲しており、コリンズ社の業務用機器としてはスマートかつソフトな印象を受けます。周波数表示はメガヘルツ、100KHz表示をカウンターで行い1KHzまで直読可能なダイヤル表示と組み合わせています。リジェクションチューニング等の混信対策機能も搭載されており、よく整備されたものはその抜群の安定度と操作感からか、デジタル化の進んだ現在でも、アマチュアの実用には十分耐えるとも言われています。こうした機器を見ていると、コリンズでは当時周波数表示についてダイヤル表示よりもカウンタを採用することに、こだわりのようなものを感じるのは私だけでしょうか?

じゃ!デザインはこんな感じでいくかな。周波数表示はデジタルカウンタを組み込めれば100Hz台直読になって高性能。でも中身が高1中2じゃコリンズ受信機に申し訳ないような気もするな・・。なんて考えながら部品集めにかかることにしました。その後、受信機1台分の部品集めにはかなりの時間を要することになります。

製  作
こつこつと、貴重な主要部品を集めているうちに約1年間もかかってしまいました・・。集めた部品の事情によって設計方針を立てなければならないのですが、その核になるのは高周波段のコイルセットとバリコンになります。今回は運良くトリオのコイルセットSHと180PFの周波数直線3連バリコンが入手できましたので、BC帯を後で追加できるよう2バンド切り替えの余地を残して3.5MHz〜7MHz+BC帯の2バンド受信機が作れそうです。その他は以下の通りです。

1 IF段は1段目にメカフィル(国際電機のSSB用)
2 2段目はトリオのIFT、T-26又は5S用汎用品
3 BFOコイルはコリンズのR-390用
4 ギヤダイヤルはパネルデザインの都合からTS-520のダイヤル機構とする。
5 ケースはデザインの都合上、FT-101の抜け殻を再塗装して使用


構成は、トリオのコイルSHを使った受信機の資料をJF1VHXさんのHPから参考にさせていただきました。オリジナルと異なるのは、メカニカルフィルタを1段目のIFTに代えて挿入してあります。
さて、ケース、シャーシはFT-101で減速ギヤダイヤルはTS-520であるため当然色々な寸法が合わない。メインダイヤルのノブ位置を優先しなければ、思ったようなデザインのパネルにはならないので、位置を決めると減速ギヤ、バリコンと次々に寸法の合わない部品のシャーシ固定作業が発生する・・。IFTもmt管用のT21やT26ならOKだが、ST管サイズのT-11では、ケースの天井に穴を開けなければ収納できないおまけに、コイルセットも下部シャーシの厚みが取れず縦方向の取り付けに苦労することになった。この寸法違いの状況が発覚した瞬間に、本当に製作をあきらめようかと思ったが頭を冷やして考えれば何とかなるものである。下の写真は3連バリコンをシャーシパネルの中間に埋め込んで固定したところ。減速ギヤはもう少しガッチリと固定したいところであるが、製作手間が多くなり断念した・・。
部品のレイアウトを考えながら穴あけが大体終わったところ。ロータリースイッチは既設をそのまま再使用したため、写真の右側がRF段になる。バリコンのすぐ後ろにR-390AのBFO用PTOを固定した。周波数の調整は小型バリコンを正面パネルに固定して行う予定。コイルセットは、直径12mm程度のシャーシ穴からシャーシ上部へ貫通させアルミアングルで固定することにした。これでコイルセットを短く切断しなくても収納可能となり、調整が容易なレイアウトが取れた。これで、ほぼ難関はクリアしたかに思えたが、まだまだ多くの難関があった・・。

配線・動作試験
ここからは、黙々と配線作業に入っていくわけだが、お作法として 「アースライン→ヒーター配線→電源回路→AF増幅段」を済ませたところが左の写真。右側がRFセクションの写真である。IF段、DET(写真右側)はまだ未配線。ちょっとロータリーSWが持て余し気味で、RFスペースを占領している。バンド増設時は再検討の余地が残る・・。






配線作業に必要な部品を一通り取り付けて、干渉するところや配線をチェックしてみる。(写真下)この時点では、メーターやダイヤルノブ等は仮設状態。細かいデザインの作込みは音が出てからやることにする。メカニカルフィルタは写真右中央に見えるが、内部の緩衝材を清掃し新しく緩衝材で包んだ後ケースに収めユニバーサル基板に取り付けて固定した。正面のアルミパネルも仮設で、これがないとオリジナルのスチールパネルではSメーターやその他のツマミが意図とする位置に取り付かない。正面パネルはもう一枚のアルミパネルを作り込まなくてはならない。
基本的な配線を終了して、いよいよ電源投入である。運がよければこの状態でめでたくAMの受信が可能となる筈だが・・・。?
世の中、そんなに甘いもんじゃなかった。色々と単発的に疑っても埒が明かないので、配線の再チェック。その結果、1箇所の誤りを修正して見事受信ができた!!この一瞬がたまらんですなーー。

パネル作り
受信機の調整を大まかに行った後、Sメーター回路とBFO回路を配線しました。
メーター回路は12AT7の差動回路を採用。BFOは、さすがにコリンズのコイルである。発信周波数はほとんど変動がなく、水晶発振回路のような安定感があります。



さて、ダイヤル周りのパネル・・。この作りこみは「受信機の顔」になる部分であり、いろいろと思案したあげく、アクリル板の加工が最も融通が効きそうな感じです。2mm厚のアクリルをコリンズオリジナルパネルと同程度の寸法に切断し、ダイヤル部分とカウンタ用の窓をヤスリで根気よく削ることにしました。



液晶表示のカウンタ窓と周波数直線バリコンを使ったアナログダイヤル窓をようやく加工。パネル固定用にねじ穴を数か所あける必要がある。アクリルの加工は、糸のこ、ドリルをつかいますが、あせって工具を操作すると刃先の過熱でアクリル部分が溶け出します。ゆっくりと糸のこを引くこと、ドリルは回転数をできるだけ低速にして操作をします。



メインダイヤルとパネルを仮止めして様子を見ます。Sメーターもパネル用のフレームを作ってみました。
どうでしょう?ツマミはまだ適当なものを取り付けていますが、何となく通信型受信機の雰囲気がでてきましたね!?
この後は、いよいよ周波数のデジタル表示とツマミ類の調達とパネルの塗装と文字表示があります。これは、少し時間がかかりそうですが、マイペースで仕上げていきたいと思います。



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