ラットマン (原題=Quella villa in fondo al parco)
1989年 イタリア
監督
脚本
アンソニー・アスコット
デビッド・パーカー・ジュニア
出演 ネルソン・デ・ラ・ロッサ
デビッド・ワーベック
ジャネット・アグレン
エヴァ・グリマルディ
....RATMAN
....Fred Williams
....Terry
....Marlis
story
 ストーリーなんて有って無いようなものです。こんな映画にドラマを期待されても困ります。ですが一応は簡単にご紹介しときましょう。
 マッド・サイエンティストの遺伝子操作により生み出された世界最小にして最強の生物「ラットマン」。牙と爪には猛毒があり、 一年間で2000匹にも繁殖する究極の生物兵器。(あっさりと)研究所から逃げ出したラットマンは近隣の町を全滅させ、近くで グラビアを撮影していたモデルとカメラマンにも襲いかかる。果して人類の運命やいかに!

review
 記念すべき第一回目がこんなZ級映画でいいんでしょうか。いいんです。そういうサイトだから。

 配給は泣く子も黙るアルバトロス。毎回々々、こんな映画を探し出してくる鑑定眼には恐れ入ります。いったいどんな基準で選んで くるんだろう。やっぱり上司に誉められたりするんだろうか。
「なかなかやるじゃないか!次の課長のポストにね、君を推薦しとくよ」
とか言ったりして。こんな会社で働いてみたいなあ。 宣伝文句も切れてますよ、「世紀末奇形人間誕生!!これは人間なのか?」。 ギリギリのところで勝負してます!って感じで 好感が持てますね。

 さて、世紀末奇形人間の正体やいかに!っと思いきや上映から1分であっさりご対面。あのなあ、これが唯一の売りなんだから、 ちょっとは出し惜しみしろよ。そのくせ中盤くらいまではチラチラとしか正体を現しません。まあ、私くらい映画に詳しい 者が見るとピンとくるのですが、やっぱりあれですよ、編集を間違えたんでしょう。1が7に見えた、とかそういうヤツですよ。 ええ、間違いありませんね。
 主役のネズミ男ですが、所詮ネズミとサルの合成ですから大した活躍をするわけでもありません。 っと言いますか、モノホンの障害者なのであまり無茶なアクションは強要できません。 襲われる人間も大事そうに抱えてキャアキャア叫んでますし。 例えるなら首の据わっていない赤ん坊を抱っこしてあやす母親のようなものでしょうか。このあたりは映画から母性愛が伝わってきますね。
 最も小さい男としてギネスブックに載るだけあって、ネズミ男はかなり小さいです。横にマイルドセブンでも置いてくれたら 分かりやすいんですけど、見たところ40cm強でしょうか。エマニエル坊や(実はおっさん)もビックリですね。
 ラストの阿鼻叫喚の地獄絵図も素晴らしい出来映えですよ。見てもらえば分かると思いますが、たくましい想像力が問われそうです。

 私の評価としては、これは押さえておいて損は無い映画だと思います。 もし、上司との会議やコンパの席上で、
「君、私はね50cmはあると思うのだがどうかね」
とか
「ねぇ、ラットマンてイケてなあい」
などと問われた場合、返答に行き詰まると大変です。知らないでは済まされません。 ややもすると「使えない奴」「つまんない男」と、あらぬレッテルを貼られて、その後の人生を大いに狂わせてしまうかもしれません。 上映時間85分は完全に時間の無駄ですが、人生を無駄にしない為にも見ておいた方が良いでしょう。さあ急げ!

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監督のアンソニー・アスコットは60年代後期から70年代中期にかけて有数のマカロニウエスタンを手掛ける。イタリア本国での評価は高い。

製作のF・D・アンジェリスはルチオ・フルチの主な作品、それ以外にも「人間解剖島ドクター・ブッチャー」などを手掛けた有能なロデューサーである。監督作品もあり。

出演者他作品
ジャネット・アグレン   人食いシャーク・バミューダ魔の三角地帯の謎(1978年 イタリア=スペイン)
               地獄の門(1980年 イタリア)....Sandra
ネルソン・デ・ラ・ロッサ D・N・A(1996年 アメリカ)....Majai
 

 

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