「ああぁぁぁん!いったぁぁぁぁぁぁいっ!!」
あたりに木霊する妖しい声。
見ればそこにはリナがいる。だが、その瞳には大粒の涙が浮かんでいた。
「もう、もっと優しくできないのぉ〜〜?!」
そこにはリナ1人ではなくもう1人、大柄の・・・男がいた。その男はリナの前に屈み込み、何やらもそもそと蠢いている。
「うるせぇ!おめぇが大人しくしねぇのが、悪りぃんだろーが!」
相当口の悪い男のようである。だが、口とは裏腹にその目と態度は真剣で・・・せっせとリナのものをいじくっている。
そして、男の手がリナの先端部分にあるモノに触れる。そしてそれをクリクリと蠢かした。
「あっ、やだっ!・・・痛っ!〜〜もっと優しくしてよぅ・・」
「・・・さっきも言ったろーが!少しはじっとしてろ、おめぇが動くからつねっちまうんじゃねぇか!」
「だって!!」
「だっても、へちまもねぇ。・・それとも、このままでイイってんなら話は別だがなぁ。」
聞けば冷淡、とも言える台詞を投げつけている。リナの方を見ようともせず。
対するリナは目前の男からの刺激にとうとう瞳に溜まった涙が零れ落ちた。その涙は男の逞しい手の上に降り注がれる。
「!?・・・・・おめぇ・・・・そんなに痛かったのか?」
リナの涙に相当驚いたのか、男が俯かせていた顔を上げる。緑の瞳と赤い髪のコントラストが印象的な男だった。
「あ、当たり前でしょ!あんなに激しくいじるんだもん・・・・・ガーヴの馬鹿。」
「あー、わかった、わかった、ったく!
さっきのはお子様には刺激が強すぎたってことにしてやる!」
「んなっ!誰がお子様よぉ。もう、お子様じゃないわよ!!大体・・・・・あぁ!」
どうやら、男は彼の魔竜王の称号を持つものだったようだ。
ガーヴが痛みに耐えるリナをお子様呼ばわりしたのに、リナは当然100倍(!)の言葉で応酬しようと口を開く。
が、それは罵詈雑言ではなく、甘えるような応えでしかなかった。
おそらく、ガーヴが先手必勝とばかりにリナの先端部分を弄り回したのが原因だろう。
だが、その動きは、先ほどとは全く違い、優しく優しくなぞり上げるように動かしている。
「っ・・・・ぁ・・・・・ぅぅ・・・・・・もう・・・やればできるんじゃないのぉ・・ガーヴったらぁ・・・・・・・」
リナの方も先ほどとは違う声音に変化していた。そう、痛みを堪える色が消えていた。
その様子にガーヴも満足したようで、唇の端を歪め笑みを作っていた。
「ったりめぇだ・・・・俺は、あの小生意気なゼロスとは一味も二味も違うぜ・・・・年季も・・・・テクニックも・・・な。」
「ん・・・・なら、はやくシてよぉ・・」
「おおよ。待ってろ、イイ子でな。すぐよくしてやる・・・。」
ガーヴは言うなり、またもリナの先端部分を弄り、摘み上げ始めた。
とたんにあがり出すリナの声。
その声に正比例して笑みが濃くなっていくガーヴ。
「・・・っ・・・・・や・・・・あああっ!」
「・・・・!!・・・・っと!ここか?!!」
不意に強くなるリナの声。
その声にガーヴが、最上級の優しい笑みを湛え、リナに囁きかけた。
「いいか、じっとしてろよ、そうすりゃ痛いこたぁねぇ・・・あっという間に天国にイかせてやるからよ・・・・・。」
「ガーヴ・・・・・ほんとよ?もう、あんな痛いの・・嫌よ・・・・・優しくして・・・・・ね?」
「フッ・・・・言っだろーが。イイ子にしてろって。」
無骨なガーヴの手がリナの髪をなでた。不器用な行為だったが、それでも彼女にとっては安心のいい材料だったようで・・・リナはガーヴの手と笑みに不安をかき消され、素直に頷いた。
「イくぜ?」
「・・・う・・・・うん、シて。」
ガーヴとリナの視線が絡み合う。と同時にガーヴが蠢き始めた。
そう、すべてはここからが肝心なんである。
しかし!!
「おまちなさーーーーーーーーいっっっっ!!!」
どこからか湧き上がる凛々しき声!!
ガーヴとリナがその声の元へと視線を巡らせる。
そこには、某大国の王女と、その他数名(笑)!!
「リナさんっっ!!!いけません、いっけませぇぇぇぇぇぇぇぇんっっっ!!」
またも響く大音声。
そして、始まるのだ。正義の心の雄叫びが!
「わかってるんですか?!
その人がどーゆーシロモノか!!魔族ですよ、魔族!!!
生きとし生けるもの天敵!百害あって一利無し!ゴキブリ以下!
いいえ、それどころか、生ゴミの日に捨てても回収さえしてくれない、リサイクルしようにも逆立ちさせたって無理無理!な、はた迷惑極まりない、もう後は、混沌の底に埋めるしかない魔族ですよ!それも魔王の腹心!・・・・まあ、元がつきますけど。
そんなのと昼日中から○○○○なんて!
なんとゆーことををををををっ!!!!」
さすがは正義の使者を名乗るだけはあるようだ。
このえげつないことこの上ない口上に外野席の連中が賛同する、
しかし、それ故にさしもの魔竜王もリナと共に唖然としているようだった。
呆然とする二人を尻目に尚も圧倒的迫力で正義の口上が虚空に満ちるのだ。
「リナさん・・・・・人は誰しも過ちを犯すといいます。けど・・・世には許されない事があるんです!!
しかし、今、今ならまだ間に合います!!
そんないい歳して、グレてひねくれまくった極道街道まっしぐら!
オヤジ筋肉ゴリラ元腹心生ゴミなんかと縁を切り、真人間になるんですっ!!!」
「・・・あの・・・アメリア・・・?」
エキサイトする正義の使者様には神の声以外聞こえはしない。
リナの声など塵同然だった。言われ放題のガーヴはというと・・・あまりのことに目が点になっている。
「・・・そうですか。これだけ諭しても聞き入れてもらえないならば、例えリナさんと言えどこのアメリア、正義の使者の名にかけてそこの不良生ゴミともども天に代わって天誅あるのみ!!
いきます!
正義の使者必殺、フライング・ネックブリーカー・ドローーーップッッッッ!!!」
正義の使者の闘気が頂点に達し、足が地を蹴った!!
「・・・魔族に刺さった棘取ってもらうのって・・・・・悪?」
「・・・・・・おい、棘取るのがそんなに悪いのかよ・・・・・・・?」
びしぃぃぃっ!!!
妙に間伸びした音が鳴った。
見れば、正義の使者様及び外野席のお歴々十把ひとからげのフィギュアが完成していた。
そして―――
「ねえねえ!早く取ってよ、もう!!」
「何言ってやがる!!おめぇがわりぃんだろうが!!ったく、すぐに『痛い、痛い』なんぞと・・・・・大袈裟な。」
ガーヴが怒り半分、呆れ半分でリナに文句を投げつけた。
「それに俺は最初から止めたろーが、あんなささくれ立った板っ切れを素手で掴むんじゃねぇって。見てみろ、おめぇの指。刺の針山じゃねぇか。」
「だって、あれは貴重な物なのよ!!お宝なのよ!!」
「なにがお宝だ!大量の棘を取らされる身になれってんだ!!」
「なぁんですってーー!!あなたが最初に『俺は人間経験(?!)が長いから、刺抜きなんか軽いもんだ』って威張るから、頼んだのにぃぃぃぃ!!」
「ぎゃーぎゃー喚くな!経験豊富なのは本当だ、俺は嘘なんざ言ってねぇ!痛いのは、単におめぇがじっとしてねぇからだっっっ!!」
「うぅ・・・・だってぇぇぇぇぇぇ・・・・・・い、痛いの苦手なんだもん。」
ガーヴの外見からは考えにくいほどまともな意見に、さしものリナも声のトーンが落ちていく。
最後には、またも目に涙を溜めてモジモジしているリナを見たガーヴがため息を漏らしていたほどだ。
「だぁぁあぁ、もう、しようがねぇ・・・わかった、わかった。おら、手だせ。今度こそ、ちゃんと取ってやるからよ。」
「・・・・・・ほんと?」
とたんにリナの顔が輝いた。
「ああ・・・・気に食わんが、俺も、ゼロスと同意見でな。嘘はつかねぇ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
だが、ガーヴの最後の言葉にリナの顔が一瞬にして強張る。
「ん?どうした。手だせよ。」
「・・・・ゼロスと・・・同じ・・・・・?」
「あん?それがどーした。」
リナの表情に気付き、怪訝な表情を向けるガーヴ。だが・・・
「・・・・・ゼロスと同じってことは、
『嘘はつかないけど、ほんとの事も言わない』
ってことじゃないぃぃぃっっっっっ!!!!やっぱり痛いんでしょーー!!
こぉんの、嘘吐きっ!詐欺師魔族!!」
『詐欺師魔族』
後から思えば、このリナの言葉。
これこそがメガトン級爆弾自爆解除コードになったと思われる。
「なんだと!誰が詐欺師だ、俺がいつホラ吹いたってんだ!!」
「ゼロスと同じって言ったじゃない!そんなこという事体が詐欺師よっ!!」
「のやろぅ・・・・人が1000年に一度あるかないかの親切心を踏みにじりやがって!!」
「ほらほら、言ってる尻から(嘲)。あんた・・・・人じゃないじゃない。嘘吐き!」
「〜〜〜〜〜〜☆△○・・・・・・もう、許さねぇ!!リナ=インバース、お前は今ここで3枚下ろしにしてやる!」
「ふふんっ!やれるもんならやってみなさいよ、こっちこそラグナ・ブレードでキングギドラの三枚下ろしにしてやるからっ!!!」
―――そして、メガトン級爆弾が炸裂する。
爆風と、岩をも溶かす灼熱の嵐が付近一帯を席巻している。
その遥か後方の空には・・・・・猛烈なる熱風に煽られ、吹き飛ばされた正義の使者様、その他数名の影が遠ざかっていった。
(本編?・・・・完!)(改稿 2007.2.15)
今回の懺悔室。
ざ・キワモノ!!!
ガーヴ×リナでございます!
もう、だめだめですな。この大王は。まじ、キワモノに心引かれて日が暮れて〜〜♪(意味不明)
頭の中はキワモノ一色。
ご本尊そっちのけでこの体たらく・・・・・。
いやいや!
これも私の進む道〜〜♪
世にご賛同いただける方が居るかぎり!(いなくても自己満足っつーことでupするだろーけど。)
わたしのキワモノな妄想は続くのです。
ってーことで!!
まずは、このガーヴリナを強烈(?!)プッシュしていただき、且つ書く原動力となったばさま、ねこまたさんにこのキワモノを捧げさせていただきます。(いらねーよってば!!!!)
三下管理人 きょん太拝