「・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
部屋の中に人の気配がする。おそらく、二人ほど。
なにやら、ぼそぼそと声が聞こえる。怪しい・・・・、更に耳を澄ましてみると・・・・・
「・・・・・・こっ、こんなの無理だ・・・ゼル・・。」
微かに涙声がする。部屋の中の一人には間違い無いようだ。
「フゥ・・・・・いいか?ガウリイ。これをヤらないとどうしようもないんだぜ?」
ため息と同時に別の人間の声がする。どうやら、この部屋主達はゼルガディスとガウリイのようだ。
「・・・・ど、どうしても?」
ガウリイの声には、既に哀願以上のモノが含まれている。
「分かりきったことを聞くな!この為に旦那も俺に金を払ったんだろうが!!・・・・俺も、早々暇じゃないんでな、さっさとヤってくれ!」
冷酷に響くゼルガディスの叱咤にガウリイは一瞬体を強張らせた。それでも、ガウリイは恥ずかしそうに抗って見せる。
「で、でも・・・オ、オレこんなこと・・やっぱり・・・ムリ・・・。」
「・・・・ったく!仕方のない奴だな・・もう一度最初からじっくり実地で教え込んでやる。体にな。だから、よく覚え・・」
「その程度じゃ、ダメだ!・・・・いやっ・・その・・オレ・・・・・・」
ガウリイは、ゼルガディスの言葉を遮った自分自身の積極的な部分に、なにより大胆さに驚いていた。その証拠に彼の頬が赤く染まっていた。
対するゼルガディスはガウリイの意外な反応を見て、自然口元が緩んでいた。が、素直に笑みを見せるはずも無く、いつもにまして例のニヒルな笑いをガウリイに贈った。
「なら・・・・・旦那にもよく分かるようにしてやるから、これをタップリ濡らせよ!」
ゼルガディスはガウリイに囁きながら、ガウリイの目前に己のモノを突き出した。長いモノだった。
「・・・・さあ、準備をしろよ、ガウリイ。十分濡らしておかなと途中何度もヤってもらわんといかん羽目になるぞ。」
その言葉はガウリイの羞恥心を刺激したのか、彼の顔は更に朱に染まっている。
とうとう、ガウリイは観念したのだろう。ゼルガディスのモノを手にした。
――― ちゅぷ・・・ちゃぷ・・・ちゅぷ・・・・ちゅぷ・・・
そして、部屋にはなにやら粘性のある液体を跳ね上げるような音が響き渡った。
ガウリイは頬に朱を垂らしながらも、ゼルガディスのモノを濡らしている・・・・。
暫し響いていた水音がやんだ。
ガウリイはゼルガディスの瞳を見つめた後、自分のモノをゼルガディスの手に委ねた。
「・・・・ゼル、こ、これでイイか?」
「ああ・・・・これだけタップリなら・・・・一気にイけるぜ。」
普段とはまったく違うガウリイの一面を垣間見ながら、ゼルガディスはガウリイのモノを開く。そして、優しく指を這わしてやる。
「ゼルっ・・・・そんな、ことしてないで・・早く・・・苛めないで・・くれよ・・・・はやく、はやくしてくれ・・・リナ達にみつかったら・・・・・」
「フッ・・・案外旦那も可愛いとこがあるんだな、この程度であいつ等を気にするとは・・・・・しかしこれなら、十分だ・・・・・綺麗なモノだしな・・・」
開かれたガウリイのモノを見つめながらゼルガディスは言い募る。そして、いきなり激しく己のモノを動かし始めたのだ!!
「・・あっ・・・あああ!・・・・ゼ、ゼルゥ、そんないきなり・・・」
「・・・・・ふん、旦那のモノがこの程度で裂けたりするか!!まだまだ、これからだ!!!」
あまりに激しい所作にガウリイの切ない抗議が起こる。しかし、ゼルガディスはその程度のことではおさまるはずもなく・・・・それどころか、ゼルガディスの動きはますます加速していく。
ガウリイの首筋に汗が流れてはじめていた。
「ゼル!そんな・・・そんなに・・・・・あああっっっ!!!」
ゼルガディスはガウリイの唇から一層切ない声音を上げさせると、ようやく、動きを止めることにした。
「ま、こんなもんだろう。・・・おいガウリイ、今度はヤれるだろ?」
「・・ああ・・・た、多分・・な・・・・」
意味ありげにニヤリと笑いかけるゼルガディスに、額に汗を浮かべながらなんとか、返事をするガウリイ。
・・・・と、その時、二人の眼差しが真剣なものに変化する。その視線はドアの方へと向けられていた。
バタン!!!!
気配を消してドアの前に立ったゼルガディスとガウリイがドアをいきなり開く。すると、ドアの前に居たのは・・・・
「リナ!!」
「アメリア!!」
ガウリイとゼルガディス、二人の驚愕の声が響く。そう、ドアの前にはリナ、アメリアの二人が貼りついていたのだ。
それも、腰をかがめ、耳にはガラスのコップまで当てて・・・・。古風な盗み聞きのスタイルである。
「あっ!あはははは。はぁい!ゼル!ガウリイ!」
「・・・・ゼルガディスさん、ガウリイさん・・・・・」
リナとアメリアの顔は、冷や汗と歪んだ笑みが浮かんでいる。
「リナ、アメリア一体なにやってんだ?」
ガウリイの質問に、鋭く切り込んだのは誰あろう正義の使者・アメリアだった。
「おっ、お二人共・・・・どんな、嗜好を持とうとそれは個人のことだとは分かっているつもりです!
・・・でも、でも、それをこんな真っ昼間からなんて教育上良くありません!!!!
いいですか?そんなことでは、正義の・・・・」
更に続くアメリアの演説を何処吹く風とばかりに軽く言葉を返したのは、クールガイ・ゼルガディスだった。
「?・・何の事だ。単にオレは旦那に初歩の呪文についてレクチャーしてただけたぞ!」
この一言で、今の今まで真っ赤な顔で黙りこくっていたリナが、呆けた声を出す。
「へっ?・・・・呪文のれくちゃー?
じゃあ、あんた達デキてた訳じゃ・・・・」
「オイオイ、誰と誰がデキてるだと!!
今言った通り、旦那に個人教授してただけだ。そ・れ・に!!
俺はノーマルのストレート(?)だ!!」
「おっ、おい、ゼル!何も言わないでくれよ。ナイショの約束だろ!」
「悪いがガウリイ、俺は変な誤解を受けたくないんでな!
・・・・分かったか?リナ。だからもう、変な邪推をするな!!!」
ゼルガディスはそこで言葉を切った。しかし!
ガウリイは不味い所を見つかったショックの為か、時代劇の悪役よろしく、自分から全てを白状し始めたのだ。
「うわっ!ゼル!やめろって!!俺が呪文を使いたいなんて言えば、リナ達に何言われるか・・・そう思って・・・・」
「俺はまだ、理由なぞ言っとらん。それに・・・別にかまわんだろう、この位。
大体、コソコソコソコソ隠れて如何こうしようってのが間違いの元なんだ!」
「なにを!ちゃんと協力もしただろ?!ペンにもインクを山ほどつけたし、なにより金まで払ったってのに!!!ズルイぞ、ゼル!!」
「協力?ペンにインクをつけるのがか?馬鹿も休み休み言え!!それに、金?フッ・・・そんなもの最初の呪文詠唱のレクチャー分にしかならんな!第一俺は、旦那がリナに馬鹿にされて悔しいから、無理だってのに魔法を教えろって言ったんだろうが!!!挙句に、呪文を覚えられんっていうから、わざわざ羊皮紙に呪文発音用の綴りまで書いてやったんだ。旦那にも解るようにな。その分の追加料金を頂きたいくらいだ!!!」
「んだとぉぉ!俺が物覚えが悪いのはとーぜんだろう!それを・・・それを、あんな早口でまくしてられたって覚えられるはずないだろーーが!!それに羊皮紙を用意するのだって命懸けだったんだぞ!!なんたって、リナのところからチョロまかしてきたんだからな!!!」
「そんな、ことをいばるな!!・・・って?リナのものをチョロまかした・・・だと?!!
ガ・・・ガウリイ、貴様!!」
ガウリイの勢いノリノリの言葉に恐怖のどん底を実感するゼルガディス。そして・・・自分の物を盗られたという現実に光速で復帰するリナ!
リナの眼差しは魔王よりも猛悪に染まっていた。さもありなん。
すでに、未来の運命は定まったのだ!
ああ、憐れ也、ガウリイ・ガブリエフ。
そして、地獄の門が焔を吐いた!!
『うふふふふ・・・・・増幅版・ブラスト・アーーーッシュ!!!!』
「っっぅぅうどああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
キラーーーーーーーーーン!!
そして、金色の流れ星が一瞬、昼の青天を飾った。
「旦那・・・あんな呪文食らって・・・・生きてられるのか・・・・?」
後には・・・青い顔を土気色に変えた魔剣士の呟きに、今尚続く、正義の使者様の演説が降り積もるばかりであった。
完!!
・・・ふっふっふっふっ・・・・・ふふふふふ。
今回のは・・・今回のは、いくらなんでも、ゼル、ガウリイ両FANに殺される・・・・。
さすがに、これを堂々とupするだけのこんじょーはない・・・・・。
何かの拍子にこれを見てしまわれた方。
許してーーー!!(TT)(号泣!!)
で、これも、軽く5年以上前のブツです。なんたって、打ち込みに使っていたパソ子が、98〇1〇Xでしたからねぇ・・・。
うーーむむむむ。歳がばれるな。
三下管理人 きょん太拝