あたしはゼロスの話に耳を疑った。頭が混乱する・・・あたしは闇に向かいもう一度たずねる。
「ねえ・・・ゼロス今の話本当に!本当に!!本当なのね?!!!」
あたしのいきおいにたじろぎながら
「ええ・・・・本当ですよリナさん。さっきからご説明しているとうりなんです。 それにそんなにたいしたことないじゃありませんか・・・キスのひとつやふたつ・・・」
「冗談じゃないわよ!!!乙女の唇を何だと思っているのよ!!!」
ゼロスをにらみつけると、あたしは、おきまりの呪文を唱えようとする。
「あの・・・リナさん失礼ですが・・・呪文を唱えても無駄なのでは?」
ゼロスが楽しそうに闇からあたしを見てる。
そこであたしは気がついた・・・今の私には呪文がつかえない。
いつもなら呪文でこんなやつ吹っ飛ばせるのに、くっくやしい・・
あたしのすぐ隣までやってくると。耳元でささやく。
「リナさんどうします?このまま呪文つかえないまま普通の女の子として過ご
しますか?それとも僕とのキスひとつで魔力をとりもどしますか?」
ゼロスはいやみっぽく笑ってる・・・きっと面白がってるのね。あたしに降り
かかった不幸に。
あたしは何も言えずにただ顔をそむける。
・・・・でも、どうしよう。
絶対ファーストキスの相手が魔族なんてイ・ヤ。それもあんな、あんなゼロス
なんて
「絶対・・・・イヤ・・・・・!!!!!」
あたしはおもわず叫んでいた。
あたしはすぐ隣のゼロスを突き飛ばす。しかし倒れることなく宙に浮かぶ。
ゼロスがあきれたようにあたしをみつめる。
「何もそんな言い方しなくても。それにリナさん。僕にもいろいろお仕事があ
るもので困りましたね。結論からいうとリナさんは、普通の女の子として魔
族にねらわれながら生きていく・・・といいますか早死になさるおつもりな
んですね。」
「それもイヤよ!!ゼロス!!絶対ほかに方法あるでしょう?」
あたしの質問に顔色が変わるゼロス。
「・・・・あっありますけど。リナさんそれのほうが・・・」
慌てるゼロスの言葉をさえぎって。
「どんな方法よ?教えなさい!!!!!」
しばらく沈黙が流れる。
「・・・・わかりましたリナさん。でも何を聞いても本当にに怒らないでくださいよ・・・」
「わかったわよ。早く言って!!」
あたしはゼロスをせかす。
「じゃあ、言いますよ・・・リナさんが僕と交わればいいんです。」
「ま・じ・わ・り・ですって!!!!」
「もちろん意味はご存知ですよねリナさん」
「・・・・・・」
顔を赤くして黙り込むあたし。もちろん意味ぐらいはわかっていた。
そんなことを考えるだけで、目の前が暗くなった・・・結局キスするほうが楽
じゃない。2択なら・・・・
「あの・・・そろそろかえりますね。リナさん。明日の晩に結論をだしてもら
いますから。 僕としては交わり希望なんですけどね。それでは」
「この・・・・変態魔族!!!!!」
あたしはまくらを闇に投げつける。しかしゼロスにぶつかることもなく床に落
ちる。
あたしは、迷っていた・・・・このまま呪文が使えなくなったら。本当にこの
先どうしていいのかもわからない。
なにより、ゼルやアメリアやガウリィにこれ以上迷惑もかけれない。
「でも・・・キスなんて嫌・・・・!!!!!!」
ふとんをあたままでかぶるとじたばたするしかできなかった。
「そんなにキスがいやなのか?」
突然、ゼルの声が聞こえた。
あたしは起き上がるとゼルをにらむ。
「乙女の部屋にこんな夜遅くノックもしないで何しに来たのよ!!!」
「あのなぁ。いっておくが少し扉があいていたんだ。無用心だと言おうとしたらゼロスがいたんでな。悪いと思ったが立ち聞きした。」
「じゃぁ・・・聞いちゃったの?・・・・魔力を戻す方法。」
あたしは力なくベッドに座る。もう、ゼルの顔なんか見れない。
絶対、ゼルにだけは聞かれたくなかった。
好きな人には・・・・絶対。
黙り込んでいるあたしにゼルは言った。
「ファーストキスの相手がゼロスになるから嫌なのか?だったらお前の好きな
やつに言えばいいじゃないか?なんなら俺からガウリィに言ってやろうか?
」
「・・・・・・・・?!!」
ゼルの言葉に顔を上げる。
「・・・・・・なんでそこにガウリィがでてくるのよ!!!」
ゼルは不思議そうにあたしを見てる。
「リナはガウリィが好きじゃないのか?」
あたしはゼルに枕を投げつける。
「なに勘違いしているのよ。違うわよ・・・ゼルの馬鹿!!!!!」
「だいたい人が心配して言ってるのに・・・なんだよその・・・」
「・・・・・・だいっきらい!!」
あたしは途方にくれていた。ゼルが好きなんて言えないじゃない。そんなこと
ぜ
ったい・・
「泣いているのか・・・」
ゼルが近づいてくる。あたしの頬に手が触れる・・・。涙をそっとぬぐう。
・・・・・?????
次の瞬間、気が付くと抱きしめられていた。
「・・・・ゼル・・・」
何?なんでこんなことするの?
しばらく沈黙が続くあたしは恥ずかしさと、戸惑いでパニックになっていた。
「リナ・・抵抗しないってことは少しはうぬぼれていいのか?」
「え??」
「俺のこと・・・好きか?」
最後は少し小さい声で・・・・
あたしはうなずく。ゆっくりゼルを見つめる。
瞳と瞳が合う・・・・お互いの顔が近づく・・・・唇が重なる・・・・
スローモーションのようにそして、あたしにはとても長い時間に思えた。
あたしのファーストキスは少しせつなかった。
恥ずかしくてゼルの胸に顔をうずめる。あたしの髪を優しくなでるゼル。
とてもきもちがいい・・・
あたしは夢を見ているような気分でゼルの腕の中にいた。
そんな気持ちを壊すかのようにまた、闇から声が聞こえる。
「あらあら・・・お取り込み中でしたか。ずいぶんアツアツですね。」
「何しに来たのよ!!!・・・変態魔族!!!!!」
「悪いがとりこみちゅうなんでな帰ってくれないか。」
ゼルがあたしを抱きしめる腕が強くなる。
「あの・・・大事なお知らせだったんですが」
「なによ・・・」
「実はあれリナさんの負の感情を食べるためのうそだったんですよ。でもその
おかげでお2人がうまくいくなんて魔族としてはとても心外ですね・・・・
」
「嘘?それじゃ・・どうすればあたしの魔力は戻るのよ!!!」
「もう戻ってると思いますけど・・・」
「えっ!?」
あたしはゼルと顔を見合わせる。
ためしにあたしは小さくファイヤーボールを唱える。
蝋燭に灯がともる。
これであの変態魔族をぶちのめせるわ。
そんな気配を察したか
「・・・ということでリナさん僕は帰ります。」
「待ちなさい・・・ゼロス!!!!」
あたしは呪文の詠唱に入る
「そんなことよりもっとあいつに効く方法があるぞ。」
耳元でゼルがささやいた。
「え?何。!」
あたしが言い終わらないうちにゼルはあたしの唇を塞いだ
あっけにとられるゼロス
でもゼロスにはかなりこたえたらしい。
苦痛の表情をうかべると、すぐに闇へと消え去った。
「あいつには幸せが一番こたえるのさ。呪文より被害が少なくていいだろう」
笑いながらゼルは言った。
あたしは顔を真っ赤にして
「ゼルのばか・・・」
ゼルに抱きついた。変態魔族もたまには役に立つのね・・・よりによってキュ
ーピット役なんて。
プライド高いからきっと今ごろくやしがってるわね。
あたしはそう思うと少しおかしくなった。
「何笑ってるんだリナ。」
「秘密です。」
口元にゆびをあて、ゼロスのまねをしていった。
顔を見合わせるといつまでも2人で笑い合っていた。
そのころゼロスは
「せっかくリナさんのキスが手に入ると思ったんですけどね。まあいいでしょ
う・・・今回は、 彼に譲りましょう。でも次は・・・・楽しみですね。僕
のリナさん」
闇にゼロスの笑い声がこだました。
ゼロスが何を狙っているのかはまた次のお話で・・・・
おしまい
・・・・おまけ
ドン!!!扉が開く。
「リナ!!!なにやってるんだ!!!」
「ゼルガディスさん!!そんな不潔です。」
アメリアとガウリィが勢いよく部屋に入ってくる。
あたしはゼルから離れようとする・・・でもゼルはあたしを放してくれない。
「何か問題でもあるのか?」
「リナから離れろ!!!」
ガウリィが剣を振りかざす。2人はにらみ合ったままだ。
「ちょっと待ってよ・・・ガウリィ。」
あたしはただあたふたするしかできない。
「リナさんひどいです・・・」
アメリアが横で泣き出している。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・数時間後
あたしはこうなった、いきさつを説明した。
「そういうことならわかった。リナ慌ててしまってすまない。」
「いいのよ。ガウリィ。」
「ゼルガディスさん・・・・・」
そういってアメリアはまた泣き出した
。
『すまんな。アメリア俺たち付き合ってるんだ。』
さっきのゼルの言葉を思い出す。
「リナ・・・保護者としていわせてもらうが」
「何ガウリィ?」
「つきあうのはかまわない。だが・・・・キスまでだぞ。いいな。」
なにもいえなくなったあたしのかわりに
「わかった。ガウリィのだんな。で、いつまで俺は我慢すればいいんだ」
「2年だ・・・だから俺はお前たちのあとに何処までもくっついていって監視するからな。保護者として。!!」
「わたしだって、リナさんのあとについて見てますから・・・」
アメリアが同調する。
こんなわけであたしたちの妙な監視つきの恋愛が始まった。
おしまい。
まずは、私のいきなりなお願いにもかかわらずご快諾いただきましたムッキー様に心よりお礼申し上げます。
本当にラブラブです!!
ああ・・・・悩めるリナちんが・・・かわええ・・かわええーーっっ!!(絶叫!)
そして、わざわざおまけまで・・・。
本当に素晴らしいお宝をありがとうございました♪
【お詫び】
すみません・・・・丸1日悩みまくったのですが・・・タイトルが・・・間に合いませんでした。すみませんすみません。・・・・苦手なんです。タイトルつけるのって・・・・(TT)
三下きょん太 拝