『From her to him』
「ぜる〜、あはは。ねえねぇ〜星が見えるよ〜。」
「・・・完璧に酔ってるな。」
「よって〜なんか〜ないよ〜。おらおら、あしらにぃ〜ほしぐわ〜あるじょ〜。」
「口回らなくなって来てるだろうが。」
またか。
この頃リナのやつ暇さえあればお酒を飲んでいる。
そのつど酔っぱらっているのである。
そして、だいたい後始末するは俺だった。
「ねえ〜、ぜるぅ〜わたちの〜おちゃけなきゃら、ちょっとぜるぅ〜のちょだーい。」
(ねぇ、ゼル私のお酒もう無いから、ちょっとゼルの頂戴!)
「だめだ。そんなに酔って。ほら、部屋に戻どれ。」
「ぜるぅ〜は〜どうちゅるの〜。」
「俺はもう少し飲むが・・・」
「じゃあぁ〜あたちもいるろ〜。」
(じゃあ、私もいる。)
「だめだ、お前はもう上に行け。」
「なら〜ぜるぅ〜、」
「なんだ?」
「わたちの〜こと、抱いて・・・」
・・・はあ?
俺の目は点になる。
幸い、酒場にはおれたち意外誰もいない。
俺は少し顔が熱くなるのを感じる。
「・・・うへにちゅれてって〜。立てない。」
なんだ。そう言う事かよ。
少しガッカリ(おいおい、笑)したが安心したため息を漏らし、俺はリナをおぶる。
「ぜるぅ〜おんぶより、だっこがいいよぅ〜。」
「・・・わかった。」
仕方なく俺はリナを抱き寄せ、抱き上げる。
「やった〜おひめさぁまだっこ〜。」
「上に行くぞ。」
「う〜ん、いいよ〜〜。」
すーすー
優しい小さな寝息俺の首に掛る。
俺が階段の真ん中あたりでリナの顔を覗き込むと、案の定寝ていた。
そして、いつの間にかリナは俺の首に手を回していた。
「おいおい、寝るなよ。」
何の反応もない。
俺はリナの部屋の扉の前まで来る。
だが、両手が塞がって扉が開かない。
うっ・・・どうすれば・・・
しょうがない、リナを優しく揺さぶり眠りからさます。
「・・・うっ〜ん・・・」
半分起きた様にリナは少し目を擦る。
「リナ扉を開けてくれないか?」
俺はリナをドアノブの近くに近付く。
コクコク
とリナは首を頷きドアノブをひねり、また俺に腕を回し寝はじめる。
部屋に入りリナをベッドの上に横たえるが手を放してくれない。
しょうがなくリナの腕を外そうとするが、
「・・・行っちゃ〜らめ〜。」
半分開いた目でリナが俺を虚ろな目で見る。
「おいおい、俺だって部屋で寝なきゃいけないんだ。」
リナの顔が真っ赤になり、
「・・・・・・ねえじゃ、行く前にお休みのキスして・・・」
しっかりした声で言い、ちゃんと開いた目でこちらを見る。
「・・・お前起きてたのか?」
「・・・うん。」
「・・酔ってもいないのか?」
「うん。」
リナの肩が少し震えているのが分かる。
俺は布団をリナの上にかぶせ・・・
「お休み、リナ。」
軽く額にキスを落とす。
本当にキスすると、自分を押さえてられそうに無いから・・・
「・・・お休み、ゼル。」
リナは少し不満げに、でも嬉しそうにこちらを見て微笑む。
俺は愛しい少女を最後に見つめベッドから立ち、ドアを開ける。
ドアを閉める前にもう一度だけリナを見つめる。
瞳と瞳が見つめ合い・・・
パタン
扉がしまった。
俺は部屋に向かい歩く。ベッドに寝転がり今起きた出来事を思い出す。
腕にはリナを抱き締めた温かさが残っている。
初めて朝がまちどうしかった。
「おはよう、ゼル。」
「おはようございます、ゼルガディスさん」
「よっ!」
いつも道理の朝。
でも何かが違う。
目と目が合う度、リナの暖かい笑顔が・・・
たわい無い会話が・・・
リナとガウリイが話していても、いつもとは違い心の中は冷静だった。
「ねぇ、ぜる。」
「なんだ?」
「今夜もまた一緒に飲もうね。」
リナがウインクしながら言う。
「・・・ああ。いいぞ。」
「あれ?ゼルガディスさん、リナさんが酔って後始末が大変で嫌だって言ってませんでしたっけ?」
「いや、そんな事言った覚えないが?」
「そうでしたっけ?」
アメリアが頭をひねる。
また瞳と瞳がぶつかる。
リナのあの微笑み。
俺に見せるあの優しい微笑み・・・
誰でも無い、俺だけの為の笑顔・・・・・・
The End
セラフィーナ様よりのコメント!!
これはtomeさんのリクです。甘甘じゃないかも、、、、ごめんなさ〜い。(うるうる)
でもゼルリナだから許して〜〜〜。
それでは、文句言われる前に逃げます。
セラフィーナ Selaphina