Happy Valentines!!


「ねえ〜ゼル、これ、あげる。」
え?俺の前に差し出されたのは小さな箱だった。
「・・・・なんだ、すごい御機嫌だな?」
「受け取ってくれるんでしょ。」
嬉しそうなの笑みでこちらを見る。

ーめちゃっめちゃ可愛いぞ、こいつ

「ああ、中はなんだ?」
リナの手から箱を受け取った。
「う〜んと、まあ、開けてみれば、わかるよ。」
「そうか、なら・・・」
「ちょっとゼル!今、開けちゃ駄目!」
「なんでだ?」
「一人の時開けて!」
「・・・まぁ、いいが・・・」
「ふぅ〜、ありがとう。ゼルは木の下で何やってたの?」
「すこし、ボ〜ッとな。」
「そう、いいね、丘の上って。街が見渡せて。」
「そうだな、リナは何してたんだ?」
「盗賊狩り&お宝探し!」
「・・・おいおい。」
「ちょっと、白けないで、嘘よ。」
すこし頬に赤みがさした、そして、

「ホントわね、ゼル・・を・・探して・・たの。」
恥ずかしそうに頬を手で隠す。

そんな可愛げな少女を見つつ、俺は安心出来る。
張り詰めていた物が緩む。

そして、いつもとカッコが違うのに気が付く。

「リナ、その服。」
「あ、今気が付いたの?アメリアと買い物に行ってね。可愛いから買ったの。」

それは胸元が少し出るベイビーブルーのTーshirtに、長いジーンズのスリット付きのスカート。顔にはすこし化粧に、唇にはグロス。髪には青い蝶の形のクリップが散らばっている。

いつもの魔道士姿では見違える程女らしさがはえる。

か・・・可愛いぞ、おい!

「・・・ねぇ、やっぱ、今、箱を開けて。」
「いいのか?」
「うん。私あっちで待ってるから。」
そう言い木の反対側に回る。

「わかった。開けるぞ。」
「いい〜よ!」

ビリ

包装紙を出来るだけ綺麗に、丁寧に取る。

パカ

箱をあけると・・・

『Happy Valentine!』
のカードと

美味しそうな匂いのするハート形のチョコに、

彫られた『Be my valentine.』

初めて誰かから貰ったプレゼントと優しい言葉。

「で?答えは?」
木の向こうから声がする。

「Will you be my valentine?」
その声を聞き振り向く、

そこには大好きな少女がいた。
限り無く愛しい・・・リナ。

俺は立ち上がり、正面に立ち、そっとリナの頬に触れる。

真っ赤になる、リナ。

その一つ一つの表情が可愛くて、愛しくて・・・

「ねぇ、ぜる〜聞いて・・・」

思わず抱き締めて、キスをする。
始めは優しく、二度目は舌を少し入れた。

「・・・っ・・ぜる〜・・く・・るし・・い」
「ああ、すまん。」

余りにも長過ぎたせいか、リナは息が上がっていた。

「・・・そ、それはyesってことよね?」
真っ赤な顔を俺の胸に埋め聞く。

「ああ。」

「・・・よかった〜。ねぇ、ゼル、チョコ食べてみて。初めて作ったんだから!」
「わかった。」

俺はチョコを割り口に入れる。

「けっこう、いける。」
「ホント?よかった〜!」
「リナも少し試すか?」
「いいの?じゃ〜少しちょうだい!」

ふっ、引っ掛かった。
リナもまだ爪が甘いな。

俺はまたチョコを割り口に含む。

「ちょっと、ゼル。ちょうだ・・・」

俺はまたリナにキスをした。
気持ちを確かめるように、深く。

「・・・ちょ!ゼェルゥ〜ずるいわよ!く、口移しなんて・・・」
真っ赤になりつつ抗議するリナ。

「もっと欲しいか?」
意地悪そうに聞く。
「もう!ゼルって意外にスケべ!」
顔を膨らませ、俺を見上げる、
「でも、好き。だから許す。」

最高の笑顔で、お日さまのようなポカポカした笑顔。

「・・・好きだ、リナ。」
俺の素直な言葉にまた真っ赤になる。

「わたしも。」

そして俺達はまたキスを交わす。
幸せを噛み締めるように・・・・・・


セラフィーナ様よりのコメント!!

あはは、、、甘甘。甘過ぎて私も書きつつ気持ちが悪くなりそう、、、、
まさに、Sweet。

苦情きっと、いっぱいありそう、、、、あはは。(とにかく逃げます)

それでは、Happy Valentines!!

セラフィーナ   Selaphina


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