激甘ゼルリナ!
『ドラグ・スレイブ!!』
私は '力ある言葉' を放つ。
後ろを振り向くと、ゼルが最後の仕上げに入っていた。剣を振り上げ、力を込め振り下げる。真っ二つに切り裂かれたレッサーデイモンの最後の一匹が倒れた。
「お疲れ、ゼル」
「・・・ああ。」
「どうしたの?」
「何でも無い。」
と言いつつゼルは汗だくである。
いくら戦っていたからと言って、こんなに汗をかくのは変だ。
「ちょっと、見せて。」
私はゼルの白い上着を無理矢理脱がす。
「おい?!・・リナ、ちょっと待て!!」
「そこに座って、黙ってて!」
すとん
素直にゼルが土の上に座る。
私はゆっくりと脱がすと、やはり探していた物があった。
「汚してるじゃない!!」
「平気だ、こんなの。」
「本当に?」
私は少しだけ脇腹の傷に触れた。
「・・・・っつ。」
ゼルがまともに震え、硬直する。
「ほら、平気じゃない!ちゃんと言う事聞いて。」
私はゼルをその場に寝かせ、傷口に向かい呪文を唱える。
「・・すまん。」
「どって事ないわよ。ちゃんと言ってね、怪我した時は。」
私は消毒をして、傷を塞いだ。
出血は少ないが、傷口は深い。ゼルの体力が持つ内に専門のお医者さんに連れて行った方がいいかも・・・・
「ねぇ、ゼル一端街に戻りましょう。」
「・・・・おい、リナ?!」
「ゼルの傷、お医者さんに見せないと・・・・」
「だが!!」
「分かってる。今引き返すと・・ガウリイやアメリアに合う事になる・・・・」
いまゼルと私は駆け落ち同然でパーテイを抜けて来た。
後ろめたさは、ある・・けど、私とゼルの決めた事。
「・・ゼルも私もリザレクション、使えないし・・戻ろう、ゼル」
「・・・・せっかく・・」
「でも、ゼルのこと考えたら・・ねぇ」
「・・くそ・・また戻るのか・・」
ゼルが思ってる事はすぐ解る、きっと街に戻ったら私がガウリイと行ってしまうと思って心配してるんだろう。
「ゼル。」
ふて腐れたように明後日の方向を向くゼルを呼び掛ける。
「なん・・・・」
ゼルの言葉は私の口によって塞がれた。
短い、あま〜いキス。
私からの初めてのキスに、ゼルは赤面し驚く。
「やった〜!不意打ちキス作戦せ・い・こ・う(はあと)!」
「何が作戦だー!!」
「だって〜いつもゼルの不意打ちキスに、私ばっかりが慌てるんだもん。復讐だよ。」
目と目が逢い、二人でクスクス笑う。
「こんな復讐ならいつでも受けて立つ。」
「そ〜う?」
私が勝った!という感じの笑顔が気に喰わないらしく、
顔を近付けてくる。
「そんなんじゃ、別に赤面しないょ〜・・・・」
今度は私の言葉が彼の熱いキスに止められる。
息苦しい程のキス。
舌が私の口を割って入ってくる。
頭の中がほわほわして、とろんのしちゃう感覚。
体が芯から熱くなる・・・
聞こえるのは私達の吐息と唾液の音だけ。
ふぅ〜
ようやく、ゼルが放してくれた。
息を思いっきり吸う。
「どうだ、復讐してみるか?」
かああぁ〜
顔が赤くなったのが自分でも解る。
手をぱたぱた振り、
「無理だってこと、知ってるくせに〜」
「そうだな。リナには復讐より先に復習だな。」
「ちょっと〜、ぜる〜酷いよ。もう・・・」
膨れてそっぽを向く。
「・・・・リナそろそろ行くか、街へ。」
「そうだね、行こうか。」
「戻る」とは言わない、「行く」だけ。そして・・・・
「ねぇ〜ゼルの怪我治ったら、ゼフィーリアに行かない?」
「家に帰りたいのか?」
お子さま扱いしてゼルが頭に触れる。
私はゼルにもたれ、耳に小声で呟く、
「ううん。あのね、家の近くに教会があるの、小さくて可愛いんだ〜。でさ〜ぁ〜・・・」
ぼわぁ〜
一気にゼルの顔が真っ赤に染まる。
やった〜復讐大成功〜!!
The End
セラフィーナ様のコメント!
リナの最後の「・・・・」の所は皆様のお好きな様にイメージしてくださいな〜。
もちろん私は、教会(はあと)と言うと一つしか浮かばないけど〜・・・・(想像中)
とにかく、今日も明日もゼルリナを書きまくります。
こんな馬鹿な私にコメント、批評ください〜。
では〜。
セラフィーナ Selaphina