簡易版マジック旧ルール集Ver. 3.0.0  刊行にあたって  第5版から第6版ルールに移行する際に行われたルール改変は膨大な量で,複雑にいりくんでいてなかなか把握することが困難な状況になっています.  また新しい楽しみを発見するため,最近Type I(クラシック)やエクステンデッドをプレイする人口も増加しつつありますが,古いカードの中には最新のテキストとは異なる記述方式を持つために,判断しにくいもの,誤った読み方をしやすいものなどが多々存在しております.  その一助とするために,第6版ルールでの変更点や,スタンダードでは廃れてしまった古いルール,記述方式などをまとめることにいたしました.  文章中「オラクル」とあるのは,「Oracle(TM) judge's reference」のことを示しています.現行フロアルールにおいては,すべてのカードがこの記述に従って取り扱われることになっております.  オラクルとカードテキストで,異なったルール判断の行われるカードについては,出来る限り「オラクルの記述に従い」と表記するようにしております.ご注意なさるようお願いいたします.  なお,オラクルは次のページから取得できます. http://www.wizards.com/Magic/Welcome.html  これを作成するにあたって,いくつかの資料を参考にさせていただきました.GRS(General Ruling Summary;総合ルール集)やCRS(Card Ruling Summary;カード別ルール集)もその参照させていただいた文献の1つですが,この文章とは直接のつながりを持ちません.誤りなどに関する一切の責任は,筆者が負うものです.  マジックのルールは常に変化するものであり,また最新のエキスパンションの追加などによって,新たに注意すべき点などが現れる場合があります.このため,予告なく文章が改変されることがありますが,御容赦をお願いいたします.また,できるだけ最新の正しい情報を手に入れるように努めて,「古い誤ったルーリング」に従ってプレイしないようにして下さい.  この文章の著作権を放棄します.自由に再構成・配布を行っていただいて結構です.ただし,再配布者は,その利用者から疑問が出た場合にはそれに解答を与える義務と,誤りや疑問点などを発見した場合に,筆者に報告する義務をもつものとします.  できるだけ正確さを期するよう努力いたしましたが,それでもなおこの冊子の記述に誤りがある場合があります.もし誤りなどを発見した場合には,筆者のほうまでご一報のほうをお願いいたします.  それでは,よいデュエルを. (初版;1998.12.23  改定;2002.11.3) 野村和信 nomra@terra.dti.ne.jp 簡易版マジック旧ルール集目次 第1部.第5版ルールから第6版ルールへの移行 1. 常に問題となる特に大きな変更  1−1.スタック  1−2.ターン構成(00/2/19)  1−3.戦闘フェイズ(00/10/22) 2.中程度の変更  2−1.死亡条件  2−2.インタラプト(00/10/22)  2−3.マナ能力  2−4.誘発型能力  2−5.ダメージ軽減  2−6.ダメージの移し変え(00/2/19変更)  2−7.再生 第2部.スタンダード以前のルール 3.エクステンデッド  3−1.ピッチスペル  3−2.バイバック(00/10/22)  3−3.シャドー(99/9/28)  3−4.リシド(00/2/19)  3−5.サイクリング(Cycling)(00/10/22)  3−6.休眠エンチャント(Sleeping Enchantment)(00/10/22)  3−7.エコー(Echo)(00/10/22)  3−8.消散(Fading)(01/10/26)  3−9.分割カード/Split Cards(00/10/29)  3−10.キッカー/kicker(00/10/22) 4.Type I(クラシック)(書式編)  4−1.「呪文と効果」  4−2.起動コスト  4−3.「ターン終了時まで」  4−4.エンチャントの「対象」  4−5.潜伏工作能力  4−6.対象  4−7.「マナコスト」  4−8.「Play」と「Cast」と「Use」  4−9.プレイヤーを対象にとる  4−10.マルチプレイヤーゲーム関連  4−11.自分自身を破壊  4−12.「いずれかのターン終了時に」  4―13.カウンター  4−14.アーティファクト  4−15.「Discard」  4−16.アンタップコスト  4−17.埋葬する(bury)  4−18.細かな書式・用語変更 5.Type I(クラシック)(ルール編)  5−1.伏せられたカード(01/3/20)  5−2.デュアルランド(Dual Land)(00/10/22)  5−3.アンティ(Ante)  5−4.インタラプト  5−5.ランページ(rampage)  5−6.毒カウンター  5−7.エンチャント(ワールド)  5−8.バンド  5−9.〜とのバンド(Bands with〜)  5−10. エキスパンションシンボルの指定  5−11.冠雪地形(Snow-covered Land)(00/11/13変更)  5−12.累加アップキープ(cumulative upkeep)(00/2/19)  5−13.フェイジング(phasing)(00/2/19)  5−14.側面攻撃(flanking) 第1部.第5版ルールから第6版ルールへの移行 1. 常に問題となる特に大きな変更  1−1.スタック  第5版ルールから,第6版での移行時に,最も大きく変更になったルールです.  それまで,  「ソーサリー・インスタント(バッチ)」  「インタラプト(バッチ)」  「マナソース呪文(マナソース)」  「特化能力(シリーズ)」  「ダメージ軽減(バッチ)」  など複雑に別れていた呪文/能力の処理方法が,「スタック」という1つのルールにまとめて処理されるようになりました.  なおこの項では,「スタック」というものの基本的な考え方のみ説明いたします.  このルールですが,実はこれ第6版になって何か新しいルールが増えたのではなく,第5版まで存在していた1つのやっかいなルールがなくなっただけです.  そのなくなったルールというのは, 「いったん呪文/能力が解決され始めた場合には,すべての呪文/能力が解決されるまで特殊なものを除いて一切呪文/能力をあらたに使うことはできない」  というものです.  第6版ルールでは第5版ルールまでとは異なり,何らかの呪文/能力が解決された後,再びインスタントなどで対応を行う機会が両プレイヤーに与えられます.このとき,普通に対応を行うときのようにプレイヤーは対応を行うことが可能です.  それはやはり,対応された呪文/能力よりも先に解決されます.  このルール改定により,たとえば第5版ルールまではできなかった, 「プレイヤーA がなんらかの呪文を唱える」 「プレイヤーBがそれに対応してカードを引く能力を使う」 「Bの能力の解決により,打ち消し呪文が手札に入る」 「プレイヤーA の呪文を打ち消す」  ということが可能になりました. 1−2.ターン構成(00/2/19)  これも大きな変更があった部分です.  基本的なラインについてはすでに簡易版マジックルール集1に書きましたので,ここでは特に変更のあった部分のみを取り上げます. ○開始フェイズ(beginning phase) ・ターン開始時  もはや,このタイミングは存在しません.  ターンが開始した直後にアンタップステップに移行します. ・アンタップステップ  「アンタップフェイズ」から名称が変更されました.  このステップに生じる行動は,このステップにおいては,マナ能力も含めていっさい呪文/能力を使用することはできません.  このステップの間に誘発された能力は,次のアップキープステップの開始時に処理されます.このステップの間には,状態起因効果はチェックされません. ・アップキープステップ  「アップキープフェイズ」から名称が変更になりました.  「アップキープの間」に処理されると書かれたものは(ほぼ)すべて,「アップキープの開始時に」と訂正が出ています.以前から「アップキープの開始時」であったものも含めて,すべてこのステップの開始時に自動的にスタックに載せられます.  このステップの終了時にマナバーンのチェックは生じません.このステップに発生したマナを次のドローステップで使用することができます. ・ドローステップ  このステップのドローはドローステップの開始時に自動的にスタックに載せます.  これに対応することは可能ですが,何かに対応してドローすることはできなくなりました.  また,呪文が解決された後に対応の機会が生じますので,以前使用できたドローに対応してカードをライブラリの一番上に置くことによって,妨害されることなくそのカードを手札に入れる,というテクニックは使用できなくなりました. ○メインフェイズ(main phase)  「メインフェイズの間に」生じると書かれたことはすべて,このフェイズの開始時に自動的にスタックに載せられます.第2メインフェイズの頭には載せられません. ○戦闘フェイズ(combat phase)  次の節を参照してください. ○第2メインフェイズ(second main phase) ○終了フェイズ(end phase) ・ターン終了ステップ  あらゆる「ターン終了時に」と書かれたことが,このステップの開始時に自動的にスタックに載せられます.  それが解決されるのは,第5版ルールとは異なり,「ターン終了時まで」の効果が切れるよりも前です.  「ディスカードフェイズに」何々する,という呪文/能力のほとんどは,このステップの間に何かをするように変更になりました.  これにあわせて,「あなたのエンドに対応して」「あなたのディスカードフェイズに」といった宣言は,「あなたのターン終了ステップの間に」あるいは「あなたの終了時に」と言いかえるように心がけてください.  なお,「ディスカードフェイズを飛ばす」と書かれた能力は,「手札制限がなくなる」という大幅にパワーダウンした効果しかもたないよう訂正が入れられました. ・クリンナップステップ  このステップの開始時に,手札が7枚以下になるように手札を捨てます.これはスタックに載せられず,宣言と同時に行われます.  その後で,すべての「ターン終了時まで」あるいは「このターンの間」続く効果が終了します.  この2つの処理の間に誘発型能力が誘発されず,また状態起因効果が発生しなかった場合にはこのあと何も生じません.マナソースの使用機会すら生じず,マナバーンのチェックだけをすませて相手のターンに移行します.  もしどちらか一方でも生じた場合には,その後他の呪文/能力を使用することが可能になります.その場合,そのスタックが解決されたあとで,再び手札を7枚以下にすることから何度でも繰り返します(00/2/17変更). 1−3.戦闘フェイズ(00/10/22)  これも大きな変更があった部分です.  基本的なラインについてはすでに簡易版マジックルール集1に書きましたので,ここでは特に変更のあった部分のみを取り上げます.  まず,このフェイズで最も変わったのが,インスタントなどを使用可能なタイミングが3つ増えた,ということです.  戦闘開始後・攻撃宣言前  ダメージが割り振られ,実際に与えられるよりも前  戦闘ステップの終了時  順番に見ていきます. 1)戦闘開始ステップ(beginning of combat step)  戦闘フェイズに入った後,攻撃宣言を行うよりも前にインスタントや通常の起動型能力を使用することが可能になりました.  この時点で,インスタントなどを用いてクリーチャをタップさせることによって攻撃を防ぐことが可能になりました.もちろん今まで通り戦闘フェイズに入るよりも前にタップさせて攻撃を防ぐことも可能です.  また,この時にインスタントなどを使用してマナを作成し,攻撃のためのコストにあてることが可能になりました. 2)攻撃クリーチャ宣言ステップ(declare attackers step)  攻撃指定はすべて同時です.それはスタックに載せられません.それらが宣言され終わった時点で,それによって誘発された能力がスタックに載ります.  攻撃のためのコストとしてクリーチャがタップされます.以前は攻撃宣言の副次効果としてタップされていました.  攻撃指定をすべてすませたあとで,攻撃コストを支払います. 3)防御クリーチャ宣言ステップ(declare blockers step)  防御指定はすべて同時です.それはスタックに載せられません.それらが宣言され終わった時点で,それによって誘発された能力がスタックに載ります.  勘違いしているかたも多いようですが,この宣言が終了し,それによって誘発された能力のスタックが解決されたあとでもインスタントや通常の起動型能力を使用することが可能です.  この宣言の直後にダメージがスタックに載るわけではありません.  なおこの宣言後に防御クリーチャがタップした場合でも,ダメージはきちんと与え合います(99/9/15). 3.5)先制攻撃を持つクリーチャのための戦闘ダメージステップ  戦闘に参加したクリーチャの中に先制攻撃を持つ持つものがあれば,このステップが特別に発生します.このステップは,先制攻撃を持つクリーチャしかダメージを与えられないことを除いては,通常の戦闘ダメージステップと同様に扱われます.  ダメージをスタックに載せた後に対応することもできますし,スタックを解決し終わったあとでインスタントなどを使用することが可能です.  ここで場を離れたり,戦闘から除外されたクリーチャは,次の戦闘ダメージステップでダメージを与えることができません. 4)戦闘ダメージステップ(combat damage step)  第6版ルールへの移行で,もっとも大きな混乱を招いている変更の1つです.  実はこれ,「ダメージ軽減ステップの間にインスタントが使えるようになった」ということ以外にはほとんど変更が入っていないんですけどね.  まず,このステップの開始時点でダメージの割り振りを行います.これの宣言はまずアクティブプレイヤー側から,自分の支配するクリーチャについてすべて割り振り方を決定し,そのあとでその結果を見た上でアクティブでないプレイヤーが割り振り方を決めます.  この時点で,どれだけのダメージを与えるか,およびどこに与えるか,ということが決定します.  ウルザズサーガ導入時点から,トランプルのダメージの配分はここで宣言されることになっています.この時点でクリーチャに何点,プレイヤーに何点与えるかということを決定してください.  この後でクリーチャのパワーが変化したり,あるいはクリーチャが場を離れたり戦闘から除外されたとしても,このダメージ量が変化することは絶対にありません.それは必ずそのままのダメージを与えます(ここが重要).トランプルの場合でも,このダメージの配分法は変更されません.必ず,宣言しただけのダメージがプレイヤーに与えられます.  その宣言の最中,そのダメージ割り振りをすべてあわせて1つの能力とみなして(これは実際には能力ではないので,打ち消されたり失われたりしませんが)スタックに載せます.スタックに載りますので,これをインスタントなどで対応することが可能になります(99/9/1訂正).  ダメージが直接スタックに載せられるのは,この戦闘ダメージがスタックに載る場合だけです.それ以外の場合,「ダメージを与える呪文/能力」がスタックに載ることはありますが,ダメージがスタックに載ることはありません(00/10/22).  たとえば4/4 のトランプルクリーチャを3/3 で,自分自身を生贄にすることによって1点のダメージを与えることの可能なクリーチャで防御した場合のことを考えます.このとき,まずアクティブプレイヤーは普通,その防御クリーチャに3点,プレイヤーに1点のダメージを割り振ることを宣言し,スタックに載せます.そのあとで,アクティブでないプレイヤーが3点のダメージを攻撃クリーチャに割り振ることを宣言し,スタックに載ります.  そのあと,そのスタック内で戦闘ダメージに対応する形でインスタントなどを使用する機会が発生します.このときアクティブでないプレイヤーは,その防御クリーチャを生贄に捧げ,1点のダメージを攻撃クリーチャに与えることを宣言できます.  その場合,まず攻撃クリーチャに対し1点のダメージが与えられます.そしてスタックに載せられていた防御クリーチャのダメージ3点が,すでにそのクリーチャが場に存在していないのにもかかわらず,宣言通りに攻撃クリーチャに対して与えられます.これによって攻撃クリーチャは墓地に行きます.  そしてすでに場にない攻撃クリーチャの4点のダメージが,それぞれ宣言通りにもはや存在しない防御クリーチャに3点(これは与えることに失敗しますが),防御プレイヤーに1点与えられることになります.  第5版のルールに詳しかった人は,Samite Healer/サマイトの癒し手(6E-UN,W,c) のダメージを与えた後でこれをタップし,自分自身へのダメージを軽減できたことを思い出してください. 5)戦闘終了ステップ(end of combat step)  「戦闘終了時」に生じる,と書かれたことを処理するためのステップです.  このステップでもやはり,インスタントなどを使用できるようになったことに気をつけてください.  この終了時にマナバーンのチェックが入り,メインフェイズに戻る(第2メインフェイズに入る)のは同様です. 2.中程度の変更  2−1.死亡条件  第5版までのルールとは異なり,ライフが0を下回った場合には即座にそのプレイヤーはゲームに敗北することになりました.チェックが入るのはもはやフェイズの終了時だけではありません.  これは,呪文や能力の解決中にはチェックされません.従って,同じ呪文の解決中にライフが一旦0以下になり,再び1以上になった場合にはゲームに敗北しません.  同時にライフが0以下になった場合には引き分けになる,というのは変わりません.  他の敗北条件には,気にするほどの変更はありません.  2−2.インタラプト(00/10/22)  第6版ルールにより,これまでインタラプトとして扱われてきた呪文/能力はすべてインスタントに変更になりました.  これはスタックに存在している(対応を待っている状態の)呪文/能力であれば,どれでも対象にとることが可能です.必ずしも最も新しく唱えられたものを選択する必要性はありません.  この改定の結果,今まではなにかその呪文に対応した場合にはもうインタラプトによって割り込む機会はありませんでしたが,第6版ルール下ではそれが解決されるよりも前でさえあれば,何かで対応したあとでも旧インタラプトを用いてそれを打ち消したりすることは可能になりました.  また,旧インタラプトに対し,インスタントによって対応することも可能になりました.  これによって,「インタラプト」に影響を及ぼすカードのほとんどは,「インスタント」 に影響を及ぼすように変更になっています.詳しくは,オラクルの記述を参照してください(00/10/22).  2−3.マナ能力  以前,パーマネントなどの持つ「マナソース能力」あるいは「マナを生み出すインタラプトとして扱われていた能力」がここに含まれます.  「マナソース呪文」あるいは「マナを生み出すインタラプト呪文」はこのカテゴリーに含まれず,インスタントであると分類されなおしました.  マナ能力は,「マナを要求されたとき」か,「自分が呪文を使えるとき」であれば,いつでも使用することができます.それ以外の時点,例えば呪文/能力の解決中には使用することができません.  たとえ,文章中に「then」があったとしてもです.  マナ能力は,文章中に「マナ能力として扱う」と書かれていなくてもマナ能力です.  これはスタックに載せられず,ただちに解決されます.  「マナが要求されたとき」というのは,カードのテキストに「マナを支払う」と書かれている時とともに,呪文などの宣言時も含まれます.つまり,何の呪文を使うかを宣言し,対象をすべて選択したあとで土地をタップするなどしてマナを出すことも可能になった,ということです.  しかし依然としてマナプールは存在しています.いったんマナプールにマナをためて,それから呪文などを使用することも可能です.  2−4.誘発型能力  今までの「トリガー付き能力」「フェイズ能力」「フェイズコスト」「アンタップコスト」「フェイズ開始時/終了時の能力」がひとつにまとめられ,インスタントと統合されたルールによって解決されるようになりました.  誘発型能力とは,ある一定の条件を満たしたときに自動的に誘発され(つまり,これからこの能力が処理される,というチェックが行われ),そのあとで自動的にスタックに載せられます.  それは普通にインスタントなどで対応したかのように扱われ,普通のスタックのルールに従って処理が行われます.  2−5.ダメージ軽減  これも,大きな変更の1つです.かつて第5版で頭を混乱させてきた「ダメージ軽減ステップ」の考えが破棄されています.  第6版ルール下でのダメージ軽減は,防御円系と治癒の軟膏系の2種類に分類されます.  もはやこれはダメージ軽減ステップでは用いられず,通常のインスタントとして用いられ,実際にダメージが与えられたときに実際の効果を発揮します.  実際にダメージが与えられなくてもこの呪文/能力を使用できます. ・ 防御円系  防御円系のダメージ軽減は主に,エンチャントの起動型能力によって生成されます.起動コストを支払うことによって発生し,その起動型能力の解決時に「どの」発生源からのダメージを軽減するかを決定します.  呪文からのダメージを軽減したい場合には,そのダメージ呪文がスタックに載っている間に,そのダメージ呪文に対応する形で軽減能力を使用します.  そして,もしそのターンのうちにその発生源が軽減対象/プレイヤーにダメージを与えた場合,そのダメージが自動的に軽減されます.  この軽減は1度きりです.この後にその発生源から与えられたダメージを軽減しません. ・ 治癒の軟膏系  治癒の軟膏系のダメージ軽減は主に,呪文やクリーチャの起動型能力によって生成されますが,例外もあります.  これはこの呪文を使用する際には,ダメージを軽減する対象だけを選択し,ダメージを発生させるカードを選択しません.  この呪文の解決後,その軽減対象の前に何点かのダメージを軽減する「盾」が形成されます.この「盾」は軽減対象に与えられる1点ごとにかわりに削られていき,その上限を超えるだけのダメージを吸収したときか,そのターンが終了する時点まで継続します.  なお,第5版ルール下では軽減呪文/能力は対象を持ちませんでしたが,第6版では軽減するクリーチャなどを対象にとるように変更になっています.  2−6.ダメージの移し変え(00/2/19変更)  こちらも変更になっています. ルールに関しては基本的には,ダメージ軽減のルールを参照してください.  第5版ルール下では移し変え呪文/能力は対象を持ちませんでしたが,第6版では移し変える先/元のクリーチャなどを対象にとるように変更になっています(00/2/19変更).  ダメージ軽減の盾はダメージを完全に吸収することができますが,こちらはダメージを受け流すだけです.  「1点のダメージを移し変える」壁が3枚あるときに3点のダメージが与えられた場合,そのダメージはまったく同時に3点分与えられます.  複数のダメージ軽減・移し変えの盾がある場合,そのクリーチャの支配者あるいはプレイヤーがどれを使用するかを選択します.  ただし,どれも使用しないことを選択することはできません.  もし実際にダメージを移しかえる時点で,移し変え先に指定したクリーチャが場に存在していない場合には,ダメージはどこにも移し変えられません.  2−7.再生  ダメージ軽減・移し変え能力と同様,ルールが変更になっています.  実際に破壊が発生する前に使用する,ということは同一です.そして実際に破壊が生じた際にそれを置きかえるようにして働きます.  こちらも「盾」と表記されますが,わかりやすさを考えるとむしろ「身代わり」を作る能力だと考えたほうがいいかも知れません.  「再生」の能力を使用するたびにそのクリーチャの身代わりが生まれ,破壊されるような場合にはその身代わりが破壊されて実態のほうが生き残る,というわけです(その身代わりはターンが変わる時点で消滅します).  この場合,「身代わり」を作るのは破壊とはまったく関係ありませんので,なにもないときにマナを使うためだけに身代わりを余計に作っておく,というようなプレイも可能になりました. 第2部.スタンダード以前のルール 3.エクステンデッド(ルール編)  3−1.ピッチスペル(Pitch Spell) (適用セット:アライアンス,ビジョンズ,ウェザーライト,メルカディアン・マスケス,ネメシス)  カード固有のマナコストではなく,それ以外のカードテキストにあるコストを支払うことによって,そのマナコストを肩代わりできる呪文の総称です.  この代替コストの支払いは,ふつうにマナコストが支払われるのと同じタイミングで行ってください.  実際のマナコストは変更されません.何かでマナコストが聞かれた場合には,そのままカード右上の値を参照します.  唱えるためのコストを増やす効果がある場合,その影響を受けます.  アライアンスに含まれるピッチスペルのコストは,「カードをゲームから取り除くこと」です.カードは墓地ではなく,ゲーム外にいくことにご注意下さい.このとき,そのカード自身をゲームから取り除くことによってコストとすることはできません.  3−2.バイバック(buyback)(00/10/22) (適用セット:テンペストブロック)  カードテキスト中に,「バイバック:」とかかれた呪文は,そのあとに欠かれた値(バイバックコスト)を支払うことによって,それを「買い戻す」ことができます.  その呪文が解決されたあと,カードは墓地ではなく自分の手札に戻ります.カードは実際には,墓地には行きません.  必ず,「マナコストの支払い」と同時にコストを支払います.  呪文が打ち消された場合(立ち消えになった場合も含む)には戻ってきません.  「バイバックコストを支払うかどうか」の選択は,「モード(形態)」の選択として扱われます(00/10/22).  「バイバックコスト」はマナコストを増大させません.マナコストは常に,カード右上の値です(00/10/22).  3−3.シャドー(shadow)(99/9/28) (適用セット:テンペストブロック)  シャドーを持つクリーチャはシャドーを持たないクリーチャに防御されず,また持たないクリーチャを防御することはできません(例外あり).  シャドーを持つクリーチャも普通の呪文/能力の対象になることができ,また色さえ合っていれば,その色の防護円でダメージを防ぐことは可能です.  シャドーと飛行能力をもつクリーチャがいた場合,シャドークリーチャと飛行クリーチャの両方を防御できる能力をもったクリーチャのみが防御できます.  3−4.リシド(Licid)(00/2/19) (適用セット:テンペストブロック)  ほかのクリーチャに寄生する能力を持つクリーチャの種族です.  能力解決時に対象がいない場合,それは(タップ状態のまま)ただ場に残ります.  能力解決の後,タップ状態のエンチャント(クリーチャ)になります.エンチャント(クリーチャ)でも(自分の)アンタップステップにアンタップします.  これのついたクリーチャが何らかのコストとして生け贄に捧げられた場合,普通手札に戻す機会はありません.  「マナを払ってクリーチャに戻す」というのは,これの能力使用時に発生する効果の一部です.この能力の宣言以降にLicid の支配者が変更になったとしても,「戻す」能力を使用できる人間は変更しません.  「マナを払ってクリーチャに戻す」能力は,「それがクリーチャをエンチャントしている限り」使用できます.一旦クリーチャ状態に戻った場合には,その能力はもはや起動できなくなります(00/2/19).  これがエンチャント状態である場合にこれがエンチャントしているクリーチャがフェイズアウトした場合,これはエンチャント状態のままフェイズインし,クリーチャ状態には戻れなくなります(第6版ルールによる逆転(00/2/19)).  3−5.サイクリング(Cycling)(00/10/22) (適用セット:ウルザブロック,オンスロートブロック)  カードに書かれた「サイクリングコスト」を支払いそのカードを捨てることによって,カードを1枚引くことのできるカードです.  手札以外の場所にある場合にはこの能力を使うことはできません.「手札として扱う」場所にあるときですら,です.  この能力はインスタントのタイミングで処理されます.何かに対応して使うことも,これに対応することも可能です.「マナの支払い」と「カードを捨てること」がコストで,効果としてカードを引きます.  カードを引けない場合,直ちにそのゲームに敗退します.  これは土地カードなどが持つ,起動コストを持たない能力です.サイクリングの使用を打ち消すことや禁止することのできるカードはマジックには存在しません.  この能力を使用することは呪文を使うことではありませんので,「呪文を唱えるためのコスト」を軽減することのできるカードによってサイクリングのコストを軽減したり,「呪文を打ち消す」呪文によって打ち消すことはできません.  3−6.休眠エンチャント(Sleeping Enchantment)(00/10/22) (適用セット:ウルザブロック)  エンチャント(場)として場に出て,カードに書かれた条件を満たしたときにクリーチャになるカードです.  クリーチャになった後は,それは完全にクリーチャとして扱われます.もはやエンチャントとして扱われません.  呪文がプレイされた時点でクリーチャになりますので,(条件が該当する場合には)エンチャントを破壊する呪文や,場に出たときにエンチャントを破壊するクリーチャの召喚によってこれを破壊することは不可能です.  破壊呪文が解決される時点では,それはすでにクリーチャです.  エンチャントとクリーチャのどちらも対象にして破壊できる呪文であれば破壊可能です.  呪文が宣言(プレイ)された時点で自動的に「覚醒」の能力が発生し,スタックに載せられます.その呪文が打ち消されたとしても,やはり覚醒するわけです(第6版ルールによる逆転).  マナコストは,クリーチャになったとしてもやはりカードの右上に書かれている値です.  それはいかなる意味でも「クリーチャカード」とは見なされません. (フェイズアウト以外の原因で)場を離れ,もう一度場に戻る場合それはエンチャントに戻っています.初めからクリーチャにはなりません.  「呪文をプレイすること」が発動の条件です.それ以外の能力によって例えばクリーチャが場に直接出されたような場合には,クリーチャ化しません.  エンチャントである場合には当然,「クリーチャの種類」を持ちません.  3−7.エコー(Echo)(00/10/22) (適用セット:ウルザブロック)  自分の支配下に置かれた次のアップキープに,(カードの右上に書いてある)マナコストと同じだけのマナを支払わないと自動的に生け贄になります.  いかなる手段によって自分の支配下に置かれた場合にも,マナを支払わなければなりません.  これには,相手のエコー付きのクリーチャの支配を奪った状況,直接場に出された状況も含まれます.やはり支払うか,生け贄に捧げなくてはいけません.  これはただ単に「自分の支配下に置かれた次のアップキープだけに支払われるアップキープコスト」でしかありません.  マナコストでも追加のコストでもありませんので,予め唱えるときにエコー分の支払いを行っておく,というようなことなどはできません.また,「呪文を唱えるためのコスト」を軽減することのできるカードによってエコーのコストを軽減することはできません.  マナコストを支払い,それが解決された時点でそれはもう場にでており,完全にパーマネントとして扱われることに注意して下さい.  一旦フェイズアウトしたならば,それは誰も支配していませんので,場に出た次のアップキープにはエコーコストを支払う必要があります.  3−8.消散(Fading)(01/10/26) (適用セット:ネメシス)  カードテキスト上に「消散-X」(Xは数字)と書かれたカードは,それが場に出るとき(どこからどのように場に出た場合であっても),X個の「消散カウンター」が乗った状態で場に出ます.  あなたのアップキープの開始時に,「あなたはこのカードの上にある消散カウンターを1つ取り除く.それができない場合,このカードを生け贄に捧げる」という能力がスタックに自動的に載せられます.  カウンターがあるとき,「生け贄に捧げる」ことを選択することはできません. この能力の解決時にのみ,カウンターの個数を数えます.それ以外の時点でカウンターの数が0になったとしても,何も生じません.  この能力に対応する形で,そのカードの能力を用いることも可能です.  3−9.分割カード/Split Cards(00/10/29) (適用セット:インベイジョンブロック)  1枚のカード上に,2枚の呪文が印刷されているカードです.  スタックにあるとき(=呪文が宣言され,解決されるまでの間)と,スタック以外の領域にあるときには,取り扱いに微妙に変化がおきます.  また,スタック以外の領域にある場合でも,「そのカードが条件に適合するかどうか」を調べる場合と,「カード自身の特性」を調べる場合で,取り扱いに変化が生じます. <スタックにあるとき>  どの呪文を使うかを宣言する段階で,どちらの呪文を使うかが「固定」されます.  それは呪文を指定する時点で決定されます.形態(モード)の選択時ではありません.  一度スタックに載った後,どちらの呪文を用いるかを変更することはできません.  それ以降呪文が解決し終わるまで,そのカードのほかの呪文は完全に無視されます.  宣言したほうの呪文しか印刷されていない,ごく普通のカードであるかのように扱われます.  たとえば,「黒」と「赤」の呪文が印刷された分割呪文を「黒」の呪文として宣言した場合,「赤い呪文のコストを増やす」効果の影響を受けませんし,「対象の赤い呪文を打ち消す」呪文の対象にはなりません.  またこの場合,「赤い呪文をプレイした」ことに誘発される呪文を誘発させることもありません.  それが対象を持つならば,赤防護のクリーチャなどに対して使用することも可能です.  さらに,「赤いカードが墓地に落ちた」ときの能力を誘発させることもありません.  マナコスト,カード名など他の特性も同様に,使われなかったほうの特性は完全に無視されます.  この時分割呪文は「多色呪文」であるとして扱われません.「多色呪文」であることを条件に誘発する効果を誘発することもありません. <スタック以外の領域にある場合〜条件を調べる場合>  分割カードがスタック以外の領域にある場合,カードが特定の条件に一致しているかどうかを調べる効果があるときには,どちらか一方でも条件に適合すれば,それは完全に適合している1枚のカードであるとみなされます.  たとえば「墓地にある緑のカードを手札に入れる」カードで「緑」と「赤」の分割カードを墓地から手札に入れることも可能ですし,「青のカードを手札から捨てる」という効果がある場合,「青」と「白」の分割カードも捨てる必要があります.  また,後者の例で「青」と「白」の分割カードが捨てられた場合,それは「白いカードが捨てられた場合」に誘発される能力を誘発します.  マナコスト,カード名など他の特性も同様に,どちらか一方で適合しているのであれば,そのカードは完全に適合しているとして扱われます.  この場合には,マナコストなどの「合計」を数えません.  たとえば4マナと2マナの分割カードがスタック以外の領域にある場合,それは「4マナ呪文」と「2マナ呪文」の両方の条件を同時に満たします.  しかし「6マナ呪文」であることを条件を満たすことはありません. <スタック以外の領域にある場合〜特性を調べる場合>(00/10/29訂正) 「条件に一致するかどうか」ではなくカードの特性だけを調べる効果がある場合,分割カードはその特性として,「同時に」2つの値を返します. それはしばしば「合計値」を与えるように見えますが,実際には「同時に」かつ「別々に」回答を与えていることに気をつけてください. 「黒」と「赤」の呪文が印刷された分割呪文が手札などにある場合,それは同時に赤と黒のマナコストを持つカードですので,赤と黒の多色呪文カードであるとして扱われます. たとえば仮に,「墓地の1番上のカードの色になる」カードが場に存在しているときに「赤」と「黒」の分割カードが墓地の1番上にある場合,そのカードは結果として赤と黒の両方を獲得します. 同様に「手札から捨てたカードのマナコスト分のダメージを与える」カードによって「1マナ」と「4マナ」の分割カードを捨てた場合,それは同時に「1点」と「4点」のダメージを与えます. 「どちらのマナコストが多いか」というような比較をする場合には,個別にそれぞれ比較し,最も「勝利した」ものが最終的な勝利を得ます.たとえば「1マナ」と「4マナ」の分割カードと3マナコストアーティファクトを比較した場合,この3つでは「4マナ」が最も大きいですので,分割カードを見せたプレイヤーが勝利します(02/11/3訂正).  それは1枚のカードですから,「カードが捨てられるたび」に誘発される能力を1度しか誘発させません.  それは1枚のカードですから,「カードの枚数」を数える効果によって,1枚として数えられます(01/10/26).  3−10.キッカー/kicker(00/10/22) (適用セット:インベイジョンブロック)  その呪文をプレイするときに余分のマナを支払うことによって,その呪文を強化できる呪文です.  カードテキスト上に「キッカー-○」という風に記載されており,その「○」の分のコストを支払うことによって強化することが可能です.  キッカーコストを支払うかどうかの選択は,形態(モード)の選択と同様に扱われます.  支払うかどうかを決定し,実際にコストを支払うのはその呪文の宣言時のみです.  何か対応されてしまったあとや,逆に対応しないことが確定したあと,および解決時に支払うことはできません.  また,場に出たあとにコストを支払ったり,プレイ以外の方法で場に出される場合に支払ったりすることも不可能です.  打ち消される前にコストを支払います.打ち消された場合,それは戻ってきません.  コストは1度分しか支払うことはできません.余分なコストを支払うことで余計に強化することはできないということです.  その呪文が対象を持つ場合,対象の選択はキッカーの宣言のあとに行われます.  キッカーコストはマナコストを増加させません.マナコストはやはり,カード右上の値です.  マナコストの色とは異なる色のマナを支払う場合でも,その呪文は「多色呪文」として扱われません.  呪文の色などは変化しません.それはやはり,カード右上のマナコストの色に依存します.  ある色の呪文のプレイするためのコストを増減する効果がある場合,当然その効果はマナコストの色を見て適用するかどうかを判断します.キッカーコストの色によって判断しません. 4.Type I(クラシック)(書式編)  4−1.「呪文と効果」(Spell or Effect) (適用セット:〜第4版,〜ビジョンズ)  「効果(effect)」という用語は,ビジョンズ発行後のルーリングによって用法が変わりました.  それ以降は,それまで「効果」と呼ばれていたものが「能力(ability)」と呼ばれるようになり,「効果」は,「呪文/能力によって得られる結果」のことを示すようになっています.  ビジョンズ以前のエキスパンションで「効果」となっている場合には,そのまま「能力」とよみかえて下さい.  ウェザーライト以降のエキスパンションのカードで,「効果」とある場合には,それは「呪文/能力の適用によって得られる結果」のことを指します.  4−2.起動コスト (適用セット:〜第4版,〜アライアンス)  「B するためにA する(Do A to do B)」とパーマネントなどの能力にある場合,「起動コストを持つ」能力であると認識されます.  以前は生け贄などは「:」の後にかかれていましたが,この書式になっている場合には起動コストであると認識されます.  コストとして書かれた部分のテキスト中に「対象」とある場合には,それは実際には対象を取りません.条件にあてはまるいずれかのパーマネントを対象にとらずに影響を及ぼします.  起動コストの「:」の直後に「カウンターを取り除く」「〜を生け贄にする.」などの一般的にコストとして支払われることに関する一文がある場合,「to」を持たなかったとしても,それは起動コストの一部として処理されます.  4−3.「ターン終了時まで」 (適用セット:リバイズド)  リバイズドに含まれるカードでは,クリーチャのパワー/タフネスをカウンター以外の方法によって修正する場合には「ターン終了時まで」の記述が抜かされています.  その修正はターン終了時および領域の移動時点で終了します.  4−4.エンチャントの「対象」 (適用セット:〜第4版,〜ホームランド)  エンチャントのテキストに「対象(target)」がある場合,それは「エンチャントされた(enchanted)」カードに影響を及ぼします.  その能力は実際には対象をとりません.  「他の対象(another target)」とある場合には,それは素直に対象をとります.対象として適切なものであれば,エンチャントしているカード自身を選択することも可能です.  「When XXX comes into play, choose target land you control.」などのいう記述は,現在の「〜にしかプレイできない(Play only on〜)」を示しています.この対象は必ず,エンチャント呪文の宣言時に指定して下さい.  4−5.潜伏工作能力(Is Not Blocked Ability / saboteur ability) (適用セット:〜第4版,〜ビジョンズ)  「攻撃し,防御されなかった場合」にのみ使用できる能力です.  第6版に入って,ふたたびいろいろと変更になっています.オラクルを確認したほうがよいでしょう.  基本的には,「ダメージを与えたあとでこの能力を起動する」ことはできないように書式が変更されています.  4−6.対象  以前のカードで「any target」とあった場合には,それは一般的には「target player or creature」の意味です.ダメージ軽減/向けなおし呪文/能力であっても同様です.  一般的に「target」の文字が同一カードに2回以上かかれている場合,その後のほうは「対象にとられた」ものを示しています.他の対象を新しく選択することはできませんし,またその必要もありません.  4−7.「呪文コスト」 (適用セット:〜第5版,〜ビジョンズ)  「呪文コスト」が参照される場合,それはほとんどの場合「点数で見たマナコスト」が参照されます.  ただし例外がありますので,「点数で見たマナコスト」を使用するのが不自然である場合には,オラクルにて確認して下さい.  4−8.「Play」と「Cast」と「Use」  テキスト中に「cast」あるいは「use」とある場合,それは一般的には「Play」と読み替えられます.  4−9.プレイヤーを対象にとる  「対象のプレイヤー」を指定するかどうかが問題になった場合には,カードテキストを信用せず直接オラクルを参照して下さい.  「プレイヤーを対象にとるかどうか」は無節操に変化しています.  調べるのが面倒くさい場合には,「カードテキストのままを採用する」と統一してもかまわないでしょう.  4−10.マルチプレイヤーゲーム関連  以前は「マルチプレイヤーゲーム」という概念そのものがありませんでしたので,テキスト通りに使用するとゲームバランスを著しく阻害します.  「対戦相手に」影響を与えるカードは,「対象の対戦相手に」か「いずれかの対戦相手に」影響を与えるものと置き換えられている可能性があります.こちらもオラクルにて確認下さい.  4−11.自分自身を破壊 (適用セット:〜第4版,〜アライアンス)  「そのカード名」を破壊する,とかかれたカードのうち,これらのカードセットに含まれるものはすべて,「このカードを生け贄に捧げる」と訂正になっています.これを再生によって防ぐことはできません.  これ以降のカードに,「自分自身を破壊する」と書かれている場合には,これはすなおに破壊されます.再生を行うことが可能です.  4−12.「いずれかのターン終了時に」(at end of any turn) (適用セット:〜第4版,〜ウェザーライト)  「at end of any turn」とかかれた記述のうち,パーマネントの起動コストを含まない部分にかかれている場合には,「at end of turn」と読み替えられます.その能力を用いたターン以降に,それを処理する必要はありませんし,いったんフェイズアウトした場合にはその時点で記憶が完全に消えます.  パーマネントの起動コストを含まない部分にかかれている場合には,それは「ターン終了ステップ開始時に誘発されるフェイズトリガー」です.すべてのターン終了時に,それを処理してください.  4−13.カウンター  「何かの変化を示すカウンター」があるとき,それは実際にはカウンターで示されず,カウンターのルールに従いません.基本属性の次に適用される変化ではなくの,それ以前の変化を上書きすることが可能になったということです.  「何かを数えるカウンター」がある場合,それは一般的に個別名称を持ちます.他のものから与えられたカウンターを数えません.  4−14.アーティファクト (適用セット: 〜アンリミテッド,〜アンティキティー)  「Mono Artifact」は,起動コストに「T」を付け加えて読んでください.「Poly Arifact」「Continuous Artifact」はそのまま読めば結構です.  すべて「アーティファクト」であると見なされます.  「Mono Artifact」は,起動コストに「T」を含む,  「Poly Arifact」は,起動コストに「T」を含まない,  「Continuous Artifact」は,起動コストを持たないカードとして,それぞれ区別されいました.  4−15.「Discard」  場にあるカードを「Discard」する,と指示された場合,そのカードは破壊されます.再生することが可能です.  ただし,なんらかのコストとして「Discard」が要求され,「再生できない」とかかれている場合には,そのカードは生け贄に捧げられます.  再生を試みることすら出来ません.  4−16.アンタップコスト (適用セット:〜アンリミテッド,アラビアンナイト)  アンタップのためのコストをアンタップフェイズの間に支払う,と書かれている場合,アップキープステップの開始時に,と読みかえてください.  ただしカードによって異なる場合が結構ありますので,これも問題になる場合にはオラクルを参照してください(00/7/1).  4−17.埋葬する(bury) (適用セット:リバイズド〜第5版,レジェンド〜ウェザーライト)    「破壊し,再生できない」ことを示した用語です.  現在は,「破壊し,再生できない」か「生け贄」のどちらかの用語に置き換わっています.どちらかに読み替えてください.  なお,自分の支配していないパーマネントを埋葬することは可能でしたが,自分の支配しているパーマネントを生け贄に捧げることはできません.基本的には相手の支配するパーマネントを埋葬するカードは「破壊し,再生できない」と置き換えられていますが,途中で支配権が交代した場合などでは,「生け贄にする」ことが不可能になるケースも存在します.その場合には,その生け贄になるはずだったパーマネントは場にとどまり続けます.  どちらの書式に変更になったかが問題になりそうな場合には,オラクルを参照してください.  4−18.細かな書式・用語変更 ・生け贄(-UN, -AQ)  「Each time you use this ability, you must choose one of your 〜 in play and place it in the graveyard. This 〜 cannot be one that is already on its way to the graveyard, and creatures killed this way may not be regenerated.」  という記述は一般的に,「コストとして生け贄に捧げる」場合の書式の古い表現です.単純に「生け贄に捧げる:」と読み替えて下さい. ・in the lower right-hand corner(-UN, -LG)  という記述は,現在のパワー/タフネスのことを指しています. ・die/kill(-UN, AN)  die は「put into any graveyard」,kill は「destroy」の意味に用いられていました. ・〜カード(-4E, -AL)  これ以前では,ライブラリや手札にあるクリーチャカードをさして単純に「クリーチャ」と呼んでいました. ・戦闘中のダメージ(-4E, -AL)  「戦闘のダメージ(damege ~ in combat)」という言葉は,単純に「戦闘ダメージ(combat damage)」に置き換えられます.  戦闘中に与えられる,呪文や能力によるダメージを含みません. ・速攻(-4E, -AL)  「あなたの側で場に出たターンに攻撃できる(can attack the turn it comes into play on your side.)」とかかれた言葉は,単純に「速攻(Haste)」と読み替えます.  支配権が移動した時にも召喚酔いにかかりませんし,起動コストにタップを含む能力も使用できます(00/2/19訂正). ・「緑のカードと黒のカードの両方ともとして扱う」(LG-DK)  マルチカラーのカードには以前,このようなテキストが注意書きとしてかかれていましたが,これは現在はないものとして扱います.  この文章を書き換えることはできません. 5.Type I(クラシック)(ルール編)  5−1.伏せられたカード(Face down card) (適用セット: 〜アンリミテッド,オンスロート)  Camouflage(UN, G, u) とIllusionary Mask(UN, A, r) によって生じます.この2つはどちらもクリーチャを伏せて場に伏せて出し,対戦相手にどのカードかわからないようにします.  伏せられたカードは,そのカードの支配者だけが見ることができます.  伏せられたカードは,ほかのカードに適切な影響を及ぼします.  また,登場能力などが存在する場合には,それは適切に解決されます.  それについたエンチャントなどを裏返しません.  伏せられたカードがスタックまたは場にある場合,クリーチャのタフネスを除くすべての属性は「0」か「ない」として扱われます.タフネスは「1」として扱われます(01/3/20).  伏せられたカードは自分が優先権を持つときであればいつでも表にできます.この行為はスタックに載りません(01/3/20).  5−2.デュアルランド(Dual Land)(00/10/22) (適用セット:〜リバイズド)  リバイズド以前の基本セットに含まれていた特殊な土地カードです.  4種類のカードの種類のどちらとも扱われます.「森」あるいは「森カード」を指定する効果の影響を受けます.  基本地形ではなく,特殊地形として扱われます.「基本地形の森」あるいは「基本地形の森カード」を指定する効果の影響を受けません.  5色のうち2色を選択する10種類の地形がそれぞれ存在しました.  リバイズドのカードでありエクステンデッドの本来の規定には含まれていませんが,特別にエクステンデッドでも使用可能です(00/2/19).  「基本地形の種類」を調べるカードにとって,その両方ともであると認識されます.  5−3.アンティ(Ante) (適用セット:〜第4版,〜ホームランド)  もし「アンティ」を用いた試合を行いたい場合には,事前に対戦相手との了承をとる必要があります.一般の大会ではたとえ了承を受けたとしてもこのルールを使用することはできませんし,見知らぬ対戦相手とのフリープレイでも,このルールを使用するのをさけた方がよいでしょう.  このルールを採用した場合,初手のカードを引く前に,ライブラリの一番上にあったカードを1枚めくり,ライブラリの下に見えるように置きます.マリガンを行ったとしても,このカードは変更されません.  デュエルの終了後,この対戦の勝利者は,対戦相手のアンティにおかれたカードの所有権(!)を得ます.それは勝利者のものですから,すぐに自分のデッキに組み込もうがなにしようが自由です.  第4版およびホームランド以前のカードには,「アンティをかけない場合には,これをあらかじめゲームから取り除く」というカードが含まれていました.これらのカードは,アンティをかけない試合に用いることはできません.  「アンティ」は,「場」や「ライブラリ」とは別の,独立したゾーン(アンティゾーン)に存在すると見なされます.  5−4.インタラプト (適用セット:〜第4版,〜アライアンス)  第5版以前にあったルールです.呪文や能力を対象にとる呪文/能力などを含みます.  第4版以前のルールにおいては「マナ能力」という概念がなく,「インタラプト」のタイミングでマナが発生していました.  それらのカードセットに含まれる,「マナを出す」能力は,マナ能力であるとして扱って下さい.  また同様に,これらのカードセットに含まれる,「マナを出す」呪文は,インスタントであるとして扱って下さい.  マナ能力を除くインタラプトは,すべてインスタント呪文か起動型能力に置き換えられました.    5−5.ランページ(rampage) (適用セット:〜第5版,〜ミラージュ)  ランページを持つクリーチャが攻撃して防御された状態になったとき,2体以上のクリーチャによって防御された場合,「防御したクリーチャ-1」×「ランページのあとの数字」の修正が,ターン終了時までタフネスとパワーに与えられます((第6版ルールによる変更;それまでは「防御に『割り振られた』クリーチャに対してのみ修正を与えていました).  防御時には,この能力はなんのボーナスも与えません.  5−6.毒カウンター (適用セット:〜第5版,〜ビジョンズ)  いかなるものに由来するものであれ,「毒カウンター(poison counter)」10個を得たプレイヤーは,即座に敗北します.  5−7.エンチャント(ワールド) (適用セット:アンリミテッド,〜ウェザーライト)  特殊な全体エンチャントです.  エンチャント(場)と同じように場に直接置かれ,全体エンチャントとして認識されます.  ただし通常のエンチャント(場)とは異なり,エンチャント(ワールド)に属するカードはたとえ名前が違ったとしても場には1度に1枚しか置くことができません.  もし2枚目を置こうとした場合には,前に出ていたほうが壊れます.同時に出た場合には,すべて壊れます.  レジェンドのルールとはちょうど逆になりますので,気をつけてください.  「世界は変わる.伝説は変わらない」と覚えておけばいいでしょう.  5−8.バンド (適用セット:〜第5版,〜ウェザーライト)  「バンド」は,まったく異なる別の2つの能力から成っています.この能力が別々のものであると認識しなければ,まず確実に混乱します.  1つめの能力は「攻撃バンド」を作成する能力です.  普通のクリーチャでも,防御を行うときには集団を組んで攻撃クリーチャを迎えうつことは可能ですが,攻撃するときにはひとまとまりとなって攻めこむのは不可能です.  しかし,「バンド」の能力を持つクリーチャ同士は,互いに連携を組み,1まとまりの戦闘単位をつくることができます.これを,「攻撃バンド」と呼びます.1つの攻撃バンドは,1体までならバンド能力を持たないクリーチャを含むことができます.  防御側は,攻撃バンドを構成するクリーチャのうち1体に対して,防御することが可能です.そのことによって,その攻撃バンドに属しているクリーチャはすべてそのクリーチャに防御されたことになって,そのクリーチャにダメージなどを与えます(第6版ルールによる変更).  2つめの能力は,「ダメージの配分権」と呼ばれる能力です.  通常,複数のクリーチャで集団を組んで防御を行った場合,ダメージを与える側がダメージを振り分けることになります.  攻撃時でも防御時でも,集団を組んで攻撃/防御を行なった場合,その中に一体でも「バンド」を持っていた場合には,ダメージを受ける側がダメージの振り分けを行うことができます.  例えば,プレイヤーAが攻撃側,プレイヤーBは防御側であるとき, A;バンドをもたない場合>プレイヤーBがダメージを配分 B;バンドをもたない場合>プレイヤーAがダメージを配分 A;バンドをもたない場合>プレイヤーBがダメージを配分 B;バンドをもつ場合>プレイヤーBがダメージを配分 A;バンドをもつ場合>プレイヤーAがダメージを配分 B;バンドをもたない場合>プレイヤーAがダメージを配分 A;バンドをもつ場合>プレイヤーAがダメージを配分 B;バンドをもつ場合>プレイヤーBがダメージを配分  となります.  5−9.〜とのバンド(Bands with〜) (適用セット:レジェンド)  その条件を持つクリーチャとのみ,バンドを形成できる能力です.  ほかの,「バンド」能力を持つクリーチャのバンドにも参加できます.  攻撃クリーチャの宣言時にのみこれを持つかがチェックされます.そのあとにこの能力を失ったとしても,攻撃グループは解散されません.  ダメージ応酬時に,防御した/されたグループのうちに2体以上のこの能力を持つクリーチャがいた場合には,通常のバンドと同じダメージ配分権を得ます.  5−10. エキスパンションシンボルの指定 (適用セット:アラビアンナイト,アンティキティー,ホームランド)  カード中央右にあるエキスパンションシンボルのみを参照してチェックされます.そのエキスパンションから採用された,基本セットのカードなどは影響を受けません.  クロニクル,アンソロジーなどで該当するエキスパンションシンボルを持つカードがあれば,それにも影響を与えます.  これらのセットには何枚か誤ってエキスパンションシンボルがかかれている場合があります.正式には正しいエキスパンションを参照しますが,調べるのが面倒くさいのでカードにあるものをそのまま参照する,と決めてもかまわないでしょう.  なお,現在のところホームランドのカードには,誤ったエキスパンションシンボルを持つものは存在していません.  トークンは,(そのエキスパンションシンボルを持つカードをコピーしたものでない限り)エキスパンションシンボルを持つとは見なされません.  5−11.冠雪地形(Snow-covered Land)(00/11/13変更) (適用セット:アイスエイジ,アライアンス)  Ice Age のスターター(トーナメントデッキ)に含まれていた,特殊な土地カードです.  (オラクルの記述に従い),例えばこれは「Snow-covered Island」であるのに加え,「Island」という属性を持ちます.  ただし,「カード名称」は「Snow-covered Island」であり,「Island」ではありません.  「Snow-covered」の属性を持った「City of Brass」のような冠雪地形の属性を持つ特殊地形も存在できます.  「森渡り」のクリーチャは,Snow-covered Forest を渡れます.  「Snow-covered Forestwalk」のクリーチャは,Forest を渡れません.  Ice Age のカードを使用できるフォーマットでのみ,使用することが可能です.  これは,ルールにより基本地形として扱われます.  デッキに4枚以上入れられますし,「基本地形」に関係する効果の影響を受ける,ということです.  しかし,Ice Age の使用が認められない大会においては,やはり使用できません.  5−12.累加アップキープ(cumulative upkeep)(00/2/19) (適用セット:アイスエイジ〜ウェザーライト)  「累加アップキープ」を持つパーマネントは,場にでたあとの最初の自分のアップキープステップに,「累加アップキープ−」とかかれたあとのマナなどを支払う必要があります.払わなければ,そのカードはそのまま生け贄にされます.  その次のアップキープにはその2倍,その次には3倍,と段々とそれを維持していくためのマナなどが余分にかかっていくことになります.支払わなければ,生け贄にされます.  累加アップキープは,その上にカウンターを置いていくことによって,「何回支払われたか」が確認されます.  「最後に支払われた累加アップキープを数える」場合には,最後に支払われたマナ数を数えます.  数えるのは,これの能力がスタックに載せられた時点でのカウンターの数です.解決前にカウンターの数が変化したとしても,支払うマナの量は変更になりません(00/2/19).  5−13.フェイジング(phasing)(00/2/19) (適用セット:ミラージュ〜ウェザーライト,および過去の特殊カード)  フェイジングを持つパーマネントは,自分のアンタップステップの開始時に,自動的にフェイズアウトします.・・・「フェイジング」という能力の持っている意味はただ単にこれだけです.  「フェイズアウト」したパーマネントは,一時的に場を離れ「フェイズドアウト(phased out)ゾーン」と呼ばれる,特殊な領域(ゾーン)に行きます.カードを裏返すなりして,このことを示して下さい.  フェイズアウトしたパーマネントは,いかなる呪文/能力の影響もうけません(例外あり).  場からフェイズドアウトゾーンとの移動は,通常のゾーン移動とは異なり,情報を完全には失いません.  フェイズアウトしたパーマネントは,次の情報を失いません. ・エンチャント ・(上に乗った)カウンター ・永続的な(持続時間がかかれていない)継続的効果 ・「自分がタップ状態であったかどうか」という情報  しかし,以下の情報はフェイズアウトした瞬間に失われます(00/2/19変更). ・ダメージ ・「ターン終了時まで」や「〜している限り」など(持続期間が書かれている)継続的効果 ・「ターン終了時に生じる」など,特定の時間に生じると書かれた効果(遅延効果)  「フェイズアウト」していたパーマネントは,自分のアンタップステップの開始時に「フェイズイン」して場に戻ってきます.それがフェイジングの能力を持っていないとしてももどってきます.これは「フェイズアウト」と同時に生じます.  なお,「フェイズイン」したカードは,特別に召喚酔いの影響を受けない状態で場に戻ります(00/2/19).  フェイズアウトしたトークンは,その瞬間に消滅します.  「フェイズイン」のときには,「場に入るときの能力」は生じません.  「フェイズアウト」のときには,「場を離れる時の能力」が生じます.このときの能力は,即座に(アンタップステップの開始時にフェイズアウトした場合にはアップキープの開始時に)自動的にスタックに載せられます.  「ターン終了時まで支配権を得る」などの効果を受けていたパーマネントがフェイズアウトした場合,そのカードはフェイズアウト寸前の支配者のアンタップステップに,もともとの支配者の支配下で場に戻ります.  エコーを持つパーマネントがフェイズアウトした場合,フェイズインしてきたターンのアップキープには,エコーのコストを支払う必要があります.フェイズアウトしている間は,だれもそれを支配していないからです.  5−14.側面攻撃(flanking) (適用セット:ミラージュ〜ウェザーライト)  側面攻撃を持たないクリーチャが側面攻撃を持つクリーチャを防御したとき,その防御したクリーチャは,ターンの終了時まで,パワーとタフネスが-1/-1 されます.これは防御したことによる誘発型能力として扱われます(第6版ルールによる変更;それまでは「防御に『割り振られた』クリーチャに対してのみ修正を与えていました).  この能力は,対象を持つ能力ではありませんから,防護能力で防ぐことができません.やはり,-1/-1の修正を受けます.  防御時にこの能力を持つクリーチャで防御したとしても,攻撃クリーチャが-1/-1されるわけではありません.この能力は,「攻撃側の側面攻撃を無効化する」こと以外のボーナスを,防御クリーチャに与えません.  防御クリーチャ宣言の時点でのみ効果を発揮します.それ以降に側面攻撃の能力を得たとしても,それは働きません.  側面攻撃は累積します.それを2回持つクリーチャは,防御したクリーチャに,2回-1/-1 修正を与える能力を誘発させ,結果として-2/-2の修正を与えます.